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国賊安倍晋三を礼賛した百田尚樹の新党名は「日本エセ保守党」に変更してはどうか?【適菜収】
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/2306379/
2023.09.29 適菜 収 だから何度も言ったのに 第48回 BEST TiMES
Xの公式アカウントが開設されると、瞬く間に自民党のフォロワー数を抜き去り、国内政党トップに躍り出た日本保守党。立ち上げたのはエセ保守YouTuber・百田尚樹だ。国賊安倍を礼賛し、自国の歴史を捏造、さらに日本語を軽視する自称元作家の愚劣な見識とは? 『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』(KKベストセラーズ)で三島の言葉から保守の真髄を紐解いた著者適菜収の「だから何度も言ったのに」第48回。
百田尚樹
■百田尚樹が新党をつくるという冗談
いよいよ本格的に日本が壊れてきた。
先日はラノベ作家の百田尚樹がネット番組に出演し、「日本保守党」という新党を立ち上げることになった経緯について語ったという。百田いわく「安倍(晋三)さんが亡くなってから、自民党の発言、動きを見ているともうダメだと。ほかに支持する政党がない。自分が立つしかない。立てるしかないと思った」とのこと。一体なんの冗談なのか。国家の破壊を続けた国賊安倍晋三と、その後の自民党がやっていることは同じである。反日カルトの広告塔だった男を礼讃するより、保守思想の入門書でも読んで、人生、悔い改めたほうがいい。
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日本にまともな保守政党ができない理由は、サルでもわかるほど簡単だ。近代大衆社会においては、近代の理想と距離を置く保守は常に少数派であるからだ。現在増長しているのはエセ保守である。百田は「いずれこのままでは日本はダメだと思っている。座して死を待つのか。たとえ負けるにしても何かやりたい。頑張って、5年、せめて10年頑張れば私の後を継いでくれる者が出てくれるかもしれない。やらなければ5年先もない」と発言。日本をダメにしたのが、ネトウヨ(ネット上にウヨウヨいる情報弱者)を煽ってきた自分たちエセ保守であるという自覚もないようだ。
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百田は維新の会にも言及。
「最初、維新のファンだった。大阪生まれですから頑張ってくれと。応援にも行きましたが、途中からちょっと違うなと。言ってもいいかな。私は維新、嫌いです。辞めた代表の橋下(徹元大阪府知事)は特に大嫌いです。何度もケンカしてるんで」。
維新や安倍を支持した時点で見識の欠片もない。要するに目が節穴。価値判断もできない。国の心配をしている暇があったら、自分の心配をしたほうがいい。
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三島由紀夫も福田恆存も最後に守るべきものは「日本語」と言ったが、百田みたいな有象無象や安倍晋三も含めてエセ保守の最大の特徴は、自国の歴史や日本語に無頓着なことだ。以前、百田はこんなツイートをしていた。「フォロワーの皆様、本当にすみません…私は異常に沸点が高くて…ホント、子供の頃から、このせいですぐにケンカになります。大人になって、我慢することを覚えたのですが、気が立っている時は、抑えが効かなくなります」。それを言うなら「異常に沸点が低くて」だろう。日本語が苦手な文豪。
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東京地検特捜部は、洋上風力発電事業を手掛ける「日本風力開発」に有利な国会質問をする見返りに3000万円を借りたほか、計約3100万円の資金提供を受けたとして秋本真利衆議院議員(自民党を離党)を受託収賄容疑で逮捕。また、新型コロナ対策の持続化給付金200万円を不正に受給したとして、詐欺罪でも起訴した。
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経済産業相の西村康稔が代表を務める「自民党兵庫県第9選挙区支部」が2021年の衆院選公示日、国と取引があった兵庫県明石市の医療法人から10万円の寄付を受けていたことが発覚。公選法は国と契約を結ぶ当事者が国政選挙に関連して寄付することを禁じているが、これについての西村の事務所の高飛車な回答がすごすぎる。
「誤解を受けるのは本意ではなく、当該法人と相談の上、道義的見地から返金した」。
誤解?
本意ではない?
道義的?
公選法違反だろ。窃盗犯が「誤解を受けるのは本意ではなく、道義的見地から返金した」と言えば許されるのか。
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自民党に自浄作用はない。高市早苗、萩生田光一、小渕優子の3人が代表を務める自民党の政党支部が、2021年の衆院選直前、国の公共事業の請負業者から寄付を受けていたことが発覚。これも公選法違反。3人はNHKの取材に対し、これらの寄付について「道義的責任」を理由に「返金した」「返金する」と回答したという。ちゃんちゃん。
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こども政策相の加藤鮎子が代表を務める資金管理団体が実母に家賃名目で政治資金計900万円を還流させていた問題も発覚。復興相の土屋品子が代表を務める資金管理団体は11、12年には月10万円、13年は月5万円を家賃名目で、選挙区の埼玉から離れた都内の不動産会社に支出していた。また、土屋は過去にフラワーアレンジメント教室を都内で主宰。そのための家賃を政治資金で賄っていた。
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結局、自民党は統一教会と関係を絶つことはできなかった。教団と関わりのあった4人が初入閣、萩生田も政調会長を留任。さらには、統一教会の解散命令請求に向けて調査している文化庁のトップが統一教会とベタベタの関係だった。都倉俊一は「国際勝共連合」が1984年に開いた集会に参加。勝共連合の機関紙の取材を受け、統一教会初代会長を務めた久保木修己の講演について「非常に感銘を受けましたよ。全く同感ですね」と絶賛したほか、同紙に連載コラムを持っていた。
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正常な人間だけで構成された新党ができれば人気が出ると思う。
■維新自体が不条理の産物
日本維新の会が、お馴染みの不祥事を連発。衆院議員の池下卓は地元の高槻市議2人を公設秘書にし、秘書給与と議員報酬を二重取りさせていた。国会議員秘書給与法は公設秘書の兼職を原則禁止している。例外規定があるが、議長への届け出が義務付けられている「兼職届」も「現況届」も池下は出していなかった。
大阪市議の本田リエは交野市議選をめぐり、選挙掲示板の画像を加工してSNSに投稿し、維新候補への投票を呼びかけていた。維新候補のポスターだけを緑色の太線で囲み、それ以外の候補のポスターは緑色に塗りつぶされていたという。交野市の選挙管理委員会は、「掲示板への直接の書き込みではないため、今回の件が公選法違反とまでは言えない」とする一方、「道義的に問題がある」とした。「法に触れないならなにをやってもいい」というのが「維新スピリッツ」だけど、それでも法に触れてしまったりするのが「維新しぐさ」だよね。
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習志野市議の市瀬健治が別の市の元女性市議にひわいなメールを送っていた。市瀬は千葉日報社の取材に対し「暑くてむらむらしていたので思わず送ってしまった。魔が差した」と答えたという。暑くなると性犯罪に接近するのも維新流。殺人の理由を「太陽のせい」にした『異邦人』の主人公ムルソーではあるまいし、維新自体が不条理の産物。千葉維新の会は「政治倫理に反する行為及び党の名誉を傷つける行為に該当すると判断した」と表明したが、これまで大量の嘘やデマを社会に垂れ流し、犯罪や不祥事を繰り返してきた維新こそが、政治倫理に反しているのである。
文:適菜収
適菜 収 てきな おさむ
1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、清水忠史との共著『日本共産党政権奪取の条件』(KKベストセラーズ)など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。https://foomii.com/00171
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