※週刊文春 2023年9月7日号 各誌面クリック拡大
・
「木原事件」実名告発“元取調官”を警視庁二課が狙っている
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6750
2023/08/30 「週刊文春」編集部 週刊文春 2023年9月7日号
8月19日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。最高気温36度の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。揃いも揃ってチノパンに斜めがけのショルダーバッグ。2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体は――。
木原氏はいまだ事件を語らず
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの“怪死”事件。7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査一課の佐藤誠元警部補が実名告発。露木康浩警察庁長官が「証拠上、事件性が認められない」とコメントしたことに対し「これは殺人事件」と断言した上で、こう憤った。
亡くなった種雄さん(遺族提供)
「これだけ事実を提示しても、露木長官は『事件性は認められない』っていうのか。俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤氏のこのコメントに怒り狂ったのが、露木長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた。ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の生の現場を知っているわけではない。百戦錬磨の元警部補に噛みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された7月26日、露木氏の「火消しをしろ」という号令のもと、警視庁幹部が「三者会談」を開いたのは小誌既報のとおり。だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。いま彼らは、佐藤氏に照準を合わせているというのだ。
元取調官の通話記録を……
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
※以下、有料記事。続きは下記記事及びトップ誌面をご覧ください
・
ガーシー元議員も捜査 警視庁“財務のプロ集団”が木原事件「伝説の取調官」を狙っている!
https://bunshun.jp/articles/-/65434
2023/08/30 「週刊文春」編集部 週刊文春 2023年9月7日号 文春オンライン
木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫の“怪死事件”。「週刊文春」で実名告発し、記者会見も行った、X子さんの元取調官・佐藤誠元警部補について、警視庁捜査二課が捜査に乗り出していることが「週刊文春」の取材で分かった。
捜査関係者が打ち明ける。
「警視庁がいま狙っているのは、佐藤氏の地方公務員法違反での立件です」
木原氏はいまだ事件を語らず ©時事通信社
地方公務員法第34条では、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」と定められる。にもかかわらず、佐藤氏は捜査上知り得た情報を、「週刊文春」の取材や記者会見を通じて第三者に漏洩したというものだ。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています。携帯電話の通話記録をすべて確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」(同前)
そんな中、捜査二課が佐藤氏と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、8月10日のこと。書面には「捜査関係事項照会書」と書かれている。別の捜査関係者が明かす。
「同社に対し、捜査二課に連絡するよう通告したのです。それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第七係』という部署。捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
7月28日には会見も行った佐藤氏 ©文藝春秋
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。2011年のオリンパス事件や17年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
財務のプロが捜査を担当している理由
そんな“財務のプロ集団”が、なぜ地方公務員法違反の捜査を行っているのか。
「捜査二課は目下、佐藤氏が文春に“情報漏洩”した動機を調べています。一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー。仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」(同前)
財務捜査係は佐藤氏の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤氏の知人が役員を務める会社に目をつけた。だが、
「同社の担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたが、不審な点はなかった」(同前)
警視庁本部庁舎 ©時事通信社
無論、佐藤氏が「週刊文春」で実名告発した動機は金銭目的ではなく、「事件性はなかった」と繰り返す露木康浩警察庁長官への反論、そして一刑事としての使命感にある。
そんな折、「週刊文春」記者は、佐藤氏の周辺で不審な人影を目撃した――。
8月30日(水)12時に配信される「週刊文春 電子版」ならびに8月31日(木)発売の「週刊文春」では、佐藤氏をめぐる捜査の詳細や指揮を執る捜査二課長の人物像、佐藤氏に激怒した露木長官が周囲に漏らした言葉などを、2ページにわたって詳報している。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/735.html