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2023年8月21日03時05分 〜
記事 [政治・選挙・NHK291] <文春砲!>認知機能が衰えた80代女性理事長を外して…維新・馬場伸幸代表〈自白音声入手〉“資産15億円”社会福祉法人 疑惑の乗っ取りを告発(週刊文春)

※週刊文春 2023年8月17日・24日号 各誌面クリック拡大



認知機能が衰えた80代女性理事長を外して…維新・馬場伸幸代表〈自白音声入手〉“資産15億円”社会福祉法人 疑惑の乗っ取りを告発
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6635
2023/08/09 「週刊文春」編集部 週刊文春 2023年8月17日・24日号

 先週号で“公認パワハラ”音声を報じた維新の馬場代表に、新たな疑惑が浮かび上がった。舞台は地元で保育園などを運営する社会福祉法人。馬場氏は今年6月下旬、この法人の理事長に収まっていたのだ。その裏には――。

 コロナ禍を境に、人前から忽然と姿を消した老女がいた。今年で81歳になる西侑子氏(仮名)は、大阪府堺市で4つの保育園を営む社会福祉法人「ドレミ福祉会」を一代で築き上げた立志伝中の人物だ。

 近隣住民はこう語る。

「5〜6年前までは元気に挨拶してくれたんだけど、西さんをここ最近、ずっと見てなくて……。身寄りがないと聞いていたから心配に思って、保育園の先生に『どうしているの?』と尋ねても、なぜかみんな口を噤んでしまうのよ」


馬場氏は現在当選4回

 彼女が、自らの人生を捧げてきたドレミ福祉会。ところが、その理事長が今年6月25日付で、西氏から“別の人物”に代わっていた。新理事長に就いたのは、「日本維新の会」の馬場伸幸代表(58)である。


 小誌は先週号で「維新を暴く!」と題し、計9頁の特集を掲載。次期衆院選で野党第一党を視野に入れる同党の政治資金や候補者選定、ハラスメント対応など、様々な面から徹底検証した。


先週号の大特集「維新を暴く!」

 その維新を代表として率いるのが、馬場氏だ。

「高卒後、ファミレス勤務を経て、中山太郎元外相の秘書を務めた。1993年、堺市議補選に自民党から出馬し、初当選。2010年、盟友の松井一郎氏(前大阪市長)らと大阪維新の会の結党に参加し、12年に国政に転じました。15年から幹事長を務め、昨年8月に代表に就任。酒豪で“飲みニケーション”を重視しています」(維新関係者)


維新を創設した松井氏(左)と橋下徹氏

 先週号では、馬場氏自身の“公認パワハラ”音声についても報道。今年4月の統一地方選を巡り、池田克史堺市議(当時)に対し、「公認は僕の権限や! 理由なんか無かってもええねん」などと述べ、実際に公認を出さなかったのだ。

 だが今回、馬場氏を巡る新たな疑惑が発覚した。

※以下有料記事、続きはトップ誌面をご覧ください

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/507.html

記事 [政治・選挙・NHK291] <ビッグニュース>鈴木エイト氏「この夏に出ます。岸田さんがひよらなければ」旧統一教会の解散命令請求に言及(日刊スポーツ)
鈴木エイト氏「この夏に出ます。岸田さんがひよらなければ」旧統一教会の解散命令請求に言及
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202308200000775.html
2023年8月20日16時32分 日刊スポーツ


映画の公開イベントに出席したジャーナリストの鈴木エイトさん(撮影・沢田直人)

ジャーナリスト鈴木エイトさんが20日、都内で映画「テレビ、沈黙。放送不可能。2」の公開記念トークイベントに出席した。

ジャーナリストの田原総一朗さん(89)がタブーや忖度(そんたく)なしで語り合う「田原が墓場に持っていけない話」として映像化した「放送不可能。」シリーズの第2弾。ゲストとして出席した鈴木さんは世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について言及。田原さんから「統一教会の解散命令は何でいまだに出ないのか」と問われると「解散命令請求はこの夏に出ます。岸田(文雄首相)さんがひよらなければ。いつでも出せる準備は整っている。早くて8月末、9月中には出るかなと」と述べた。

映画のテーマは「政府によるメディアへの圧力の実態」。劇中では田原さんが、放送法の解釈を巡り行政文書を国会で指摘した立憲民主党の小西洋之参院議員と対談した。イベントには小西氏も出席した。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/508.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 維新・馬場代表の「社会福祉法人乗っ取り疑惑」を報じた文春に維新幹部が「人権侵害」「法的措置をとる」と的外れな報道圧力発言!(リテラ)
維新・馬場代表の「社会福祉法人乗っ取り疑惑」を報じた文春に維新幹部が「人権侵害」「法的措置をとる」と的外れな報道圧力発言!
https://lite-ra.com/2023/08/post-6292.html
2023.08.12 リテラ


日本維新の会HPより

 報道機関の世論調査で、次期衆院選の投票先として自民党に次ぐ2位となるなど、「野党第一党にふさわしい」という声が高まっている日本維新の会。しかし、所属議員の不祥事が止むことがなく、最近は「政界のビッグモーター」などと揶揄される始末だ。

 しかも、ここにきて、維新のトップである馬場伸幸代表にかんする「不祥事」では済まない疑惑を「週刊文春」(文藝春秋)が掲載した。

「週刊文春」は前週にも馬場代表が統一地方選の公認をめぐるパワハラ疑惑を報じていたが、今度はそれどころではない。馬場代表による「社会福祉法人の乗っ取り」疑惑という衝撃的な内容だ。

「週刊文春」によると、馬場代表は地元・大阪府堺市で4つの保育園を運営する社会福祉法人「ドレミ福祉会」の業務執行理事を2017年から務めていた。「ドレミ福祉会」は今年81歳となる西侑子氏(仮名)が設立し、収入は年4億円前後、資産は約15億7000万円にもおよぶ法人だ。

 しかし、ここ数年、独身で身寄りがない西氏と連絡が取れない状態にあることを心配した同法人の元理事A氏が今春、保育園を訪問したところ、西氏の認知症が進み、馬場事務所が手配した老人ホームに入居している事実を聞かされる。さらに、法人と西氏個人の銀行通帳や印鑑も馬場事務所が管理していることがわかったのだという。

ちなみに、西氏には約2億円の個人資産があり、土地も所有していると「週刊文春」は報じている。

認知症や精神障害などで判断能力が不十分になった場合、本人が不利益を被らないよう、財産管理や福祉施設の契約を本人に代わって、家裁が選任する法定後見人や本人が選任する任意後見人が行う「成年後見制度」を使うのが望ましい。しかし、馬場代表はこうした制度を使用していない。

 馬場代表は法的な後見人でもなく、西氏に認知症の診断さえ受けさせていない、というのだ。さらに、西氏に認知症が疑われるというのに、3年ほど前の時点で西氏に自筆証書遺言を書かせ、任意の財産管理契約をさせていたというのだ。

 しかも、今年6月になって、西氏は理事長を退任し、馬場氏が後任の理事長に就任している。〈西氏の死後に個人財産がすべて法人に寄付されるという自筆証書遺言が存在するなら、それを事実上手中にするのは、法人トップの馬場氏ということにもなる〉(文春オンライン)というわけだ。

■日本維新の会・藤田文武幹事長は法的措置をちらつかせ後追い報道するなと言わんばかりの圧力発言

 関係者からは「馬場氏からは納得のいく説明は得られておらず、本人の意に反した“乗っ取り”が行われたという懸念が強く残ります」という声があがっている、この重大疑惑──。法人所得税などが原則非課税となる優遇措置や国からの補助金を受けられる社会福祉法人をめぐっては、認められていない売買や資金の外部流出、違法な手段を使った乗っ取り事件が起こるなど、政府もガバナンス強化を訴えている。そんななか、国政政党の代表に「乗っ取り疑惑」が持ち上がるとは、ただ事ではない。一刻も早く、馬場代表自らが説明をおこなうべきなのは言うまでもない。

 ところが、この疑惑を報じた記事がオンラインで先出しされた9日、記者会見をおこなった日本維新の会・藤田文武幹事長は、とんでもない主張を展開したのだ。

 会見では「週刊文春」が前週に報じたパワハラ疑惑について質問が飛んだのだが、藤田幹事長は「(相手が)弁護士でも雇って党に対して訴訟を打っていただいたり、それだけの話」と一蹴し、党としてパワハラの有無などを検証しないことを明言。さらに馬場代表の「乗っ取り疑惑」報道についても、こんなことを言い出したのだ。

「先週と明日発売の文春が、2週連続で馬場代表、維新特集みたいな、かなりやってきてるみたいで。これ、ちょっと私も精査して、名誉毀損に当たるところは法的措置を取ります。はい。当たり前ですけど」

 なんと、藤田幹事長は「馬場代表から説明をおこなわせる」と言うでもなく、「法的措置を取る」と宣言したのだ。

 さらに、藤田幹事長はこうつづけた。

「聞くところによると、もうとにかく維新のネタ探してこいっていうので、大特集・大強化月間か何かわからないですけど、やってるみたいなんで。まあ、それはそれで問題があることがあったら堂々とやっていただいたらいいけれども、でもそこに出てくる人たちって、僕らたちだけじゃなくて私人とか家族とかいるでしょ。木原さんの件もこないだずっと勉強しましたけど、人権侵害に近いところまで面白おかしくオモチャにしていいとは思いませんね、私は。そういうところについては、私らは正当な手段で、行き過ぎてるところに関しては法的措置を取ります」

 藤田幹事長は「私人や家族とかいる」「人権侵害に近い」などと言うが、馬場代表の「乗っ取り疑惑」は、木原誠二官房副長官の疑惑とは違い、馬場氏本人や馬場事務所が関与している問題だ。それを本人からの説明がおこなわれる前に木原問題を持ち出して法的措置をちらつかせるとは、いったい何事か。

 その上、藤田幹事長はこのあと、記者会見に出席していた記者たちに向かって、まるで言い聞かせるようにこう述べたのである。

「ここにいらっしゃる方々は由緒正しきメディアの方が多いですから、そういうことはないと思いますけど、我々はそういう対抗措置は取ります。当たり前ですけど。党員を守らないといけませんからね」

■横山英幸・大阪市長は「一方的」「謂れのないこと」と発言、しかし馬場代表の乗っ取り疑惑をめぐる音声データも…

「後追い報道すれば対抗措置を取るぞ」と言わんばかりに記者たちを“恫喝”する……。こうした“維新しぐさ”を発揮したのは藤田幹事長だけではなく、大阪維新の会の幹事長でもある横山英幸・大阪市長も同様だ。

「週刊文春」発売日の10日におこなわれた会見で、馬場代表の「乗っ取り疑惑」について問われた横山市長は、「詳細にかんしては、私のほうから手続き面でどういうことをされたのかというのを確認しているわけではない」と言いながらも、「一方的な記載になっている可能性もある」と発言。さらにこう述べた。

「あまりに謂れのないことを、火のないところに煙を立てられるようなことがずっと続けば、やっぱりそこはきっちり主張していかなくてはいけない」
「週刊誌側にしっかり反論しないといけないのであれば、法的措置含めて取るべき」

 維新幹部は、「謂れのないこと」「一方的な記載」「行き過ぎているところには法的手段」などと、あたかも「文春」が事実を捻じ曲げた報道をしているかのようなことを主張しているが、「文春」を読むかぎり、今回の記事にはきちんとした根拠があり、一方的でもなんでもない。

というのも、馬場代表自身が、今回、告発した同法人の元理事A氏に対して、認知症が疑われる人物に対する成年後見制度の利用を拒否し、自筆証書遺言を書かせたことや任意の財産管理契約をさせていたことを認める音声データが存在しているからだ。

A氏によると、馬場氏の不可解な動きを把握した直後、馬場氏から「できれば、2人だけで会えないでしょうか……」と“焦ったように”連絡があったのだという。これをA氏は拒否、弁護士を交えた場を要求し、結果として今年4月10日、西氏同席のもと、馬場氏、馬場氏の公設第一秘書、A氏らや弁護士などで話し合いの場が持たれた。

「週刊文春」はこのときの音声データを入手。それによると、馬場氏はこの場で、法人財産を馬場事務所で管理していることを認めたほか、こんな主張を展開したのだ。

「西先生、プライベートの部分については、うちのほうできちっと、個人の財産とかも管理させて頂いています。それについては、西先生から一筆頂いて、やらせて頂いているんで。(略)西先生の今の状況では、成年後見人制度とかを使って、やるということはそぐわないということで」
(弁護士から「園の土地は西氏個人の土地だが、将来的に誰の名義になるのか」と問われ)「ご本人の自筆でですね、そのー、何かがあった時に、病気になったり、亡くなった場合にですね、もうこのドレミ福祉会に寄贈するという一筆を、弁護士さんと相談しながら書いてます」
 
 ここで弁護士が「自筆証書遺言の形で?」と確認したところ、秘書が「そうです」と回答。この遺言の作成時期について、馬場氏は「3年くらい前ちゃう?」と話し、秘書も「3年くらい前ですね。それは、当時の西理事長から、ちょっと物忘れが激しくなったりとかし始めた時に。ちょっと私、おかしくなる時があるんや、というご意見があって」と述べている。

■文春の直撃に馬場代表は「あなたに言われる筋合いではない」と取材拒否し説明責任を果たさぬまま

 ようするに、馬場氏は、A氏と弁護士同席のもとで、西氏が「物忘れが激しくなった」ことを知っていながら成年後見制度を利用することもなく、自筆証書遺言を書かせたり、任意の財産管理契約をさせていたことを認めているのだ。こうした事実を伝える報道のどこが「人権侵害」で「火のないところに煙を立たせた」ことになるのか。

しかも、維新幹部は「一方的な記載」と言うが、「週刊文春」はしっかり馬場代表にも取材をおこなっている。

ところが、直撃を受けた馬場代表は「あなたに、あなたに、言われる筋合いではない!」「あなたに! 説明をする必要はないから!」などと口にしただけで立ち去り、編集部が送付した事実関係の確認を求める質問状に対しても「回答は差し控える」という返答だったのだ。

 反論があるのであれば、馬場代表自ら説明をおこない、潔白を主張すればいい。それをしようともせず法的措置をもって反論したことにするのは、説明責任の放棄であり、報道を封じるためのスラップにほかならない。言語道断の姿勢だ。

 繰り返すが、公党の代表としても、高い公益性をもつ社会福祉法人の理事長としても、今回の疑惑について馬場代表には説明をおこなう責任がある。しかし、それをせず、一方的に訴訟をちらつかせ、報道に圧力をかけようとするのが維新の実態だ。このような卑劣なやり口に負けず、メディアはこの重大疑惑について徹底的に追及しなくてはならないだろう。

(編集部)

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http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/509.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 菅前首相「ふるさと納税」2兆円目標ブチ上げ…歪んだ制度を“手柄”と勘違いする無知と無神経(日刊ゲンダイ)

菅前首相「ふるさと納税」2兆円目標ブチ上げ…歪んだ制度を“手柄”と勘違いする無知と無神経
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327832
2023/08/21 日刊ゲンダイ


深刻な都市部の住民税減少問題などお構いなし(菅義偉前首相)/(C)日刊ゲンダイ

 自民党の菅義偉前首相が19日に長野市で講演した際、ふるさと納税の寄付額について、「当然、2兆円の目標は必要だ。自然にそうなっていくことが望ましい」と増加への期待感を示したという。

 ふるさと納税の寄付額は過去最高を更新し続け、昨年度は前年度比1.2倍の9654億円。1兆円に迫る勢いまで膨らんだ。元総務大臣として制度の生みの親である菅はよほどうれしいのだろう。

 だが、菅前首相がブチ上げた目標の「2兆円」は現状から倍増である。返礼品競争や納税額の多い高所得者ほど優遇されるなど、制度のいびつさが常々問題になっているのに、ちょっと無神経すぎやしないか。

 ふるさと納税は、都市と地方の税収格差の是正を目的に2008年度に導入された。「ふるさと」の名称の通り、本来は出身地やゆかりのある地域を応援する制度だったが、現実は自治体が運営する“官製通販”となっている。仲介サイトに欲しい商品名を入力すれば、それを返礼品としている自治体名がズラリ。そうやって寄付先を選んでいる人が大多数だろう。ホタテやカニなど海産物の返礼品が人気の北海道の自治体は寄付額ランキング上位の常連だ。

鼻息の荒さに違和感


昨2022年度、東京・世田谷区の流出額は98億円(同区の寄付を募るふるさと納税公式HP、返礼品の頁)

 一方で、都市部の自治体は住民税の減少に苦しんでいる。特に地方交付税による“補填”のない東京23区は深刻だ。昨年度の流出額が98億円と東京23区で最大の世田谷区は、老朽化した公共施設の建て替えなどへの影響を懸念している。47.9億円の減収となった杉並区は、ホームページに「ちょっとヘンだぞふるさと納税」という項目を設け、〈区の財源は減り、行政サービスの低下につながります〉〈受益と負担という税制本来の趣旨を逸脱した、地方自治の根幹を破壊するものです〉と訴えている。

 そんな現状でもお構いなしなのが菅前首相だ。2015年の制度拡充で「高所得者が優遇される」と問題点を指摘した総務官僚を左遷させたほど、「ふるさと納税」への思い入れは強い。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

「菅さんは無神経のうえ無知。ふるさと納税は『地方発特売プロジェクト』に成り下がっているうえ、税構造をゆがめるさまざまな問題が出ているのを知らないのか。知ってても、自分が始めたメンツから、問題を認めたくないのでしょう。高所得者は行政サービスが低下しても困らないが、ふるさと納税とは無縁で公的サービスに依存している人にはデメリットばかり。こんな制度を『手柄』だと思っていること自体、とんだ勘違いです」

 いつまでも“手柄”に執着していないで、もう引っ込んでいたらどうか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/510.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 「地元への説明はないのか」 首相の福島視察、漁業者らとの面会なく(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230820/k00/00m/010/191000c


政府と東京電力は、「(処理水について)関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と、漁業者と約束している。・・・いや、約束していた。

岸田首相自ら福島まで出かけて行っても、漁業者らとの面会は無かったそうだ。
となれば、当然「地元への説明はないのか」となる。

一方で、坂本全漁連会長と21日にも面会すると言いつつ、官邸に呼びつける。


以下「記事の抜粋を」と取り掛かったが、記者が集めた地元の声を一言たりとも省略できず、結果全文転載となった。

その記事は以下の通り。

東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出に向け、岸田文雄首相が20日に同原発を視察するなど政府による準備が着々と進められている。一方、漁業関係者らからは「地元への説明はないのか」「ごり押しだ」と反発の声が聞かれた。地元の不安を解消しないまま放出は断行されるのか。

 視察を終えた首相は記者団に「海洋放出は廃炉と福島の復興を進めていくために決して先送りができない課題だ」と強調した。

 だが、視察先は第1原発敷地内で、意見交換も東電幹部と行ったのみ。地元の漁業者らの話を聞くことがないまま帰途に就いた。

 「まず地元の漁業者に説明すべきではないか」。福島県いわき市にある江名漁業協同組合の加沢喜一郎組合長は憤りを隠さない。

 同県漁業協同組合連合会は水産物の放射性物質濃度について国より厳しい基準を設けて市場に出さないように努めてきた。加沢組合長は「風評が出たらこれまでの努力も水泡に帰してしまう」と不安を漏らす。

 首相は2021年の衆院選、22年の参院選とも福島市で第一声を上げ、「東日本の(被災地の)復興なくして日本の再生なし」などと訴えていた。「聞く力」もアピールしているが、海洋放出について福島県民と直接対話する機会は乏しかった。

 この日、記者団から「(処理水について)関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と漁業者と約束していることについて問われた首相は「政府を挙げて地元の漁業者に丁寧に説明を重ねてきた。風評や生業の継続への懸念に継続的に寄り添って対応していくことが必要だと考える」と述べるにとどまった。その上で、全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長らと21日に面会する方向で調整していることを明らかにした。

 いわき市で刺し網漁などを営む漁師の今泉学さん(44)は「正直、やっぱりなという思い。寄り添うという言葉だけで誠意が感じられない」と憤った。

 海洋放出方針が決まった21年春の政府や東電の説明会では漁師の気持ちをくむ姿勢がみられたが、数カ月後には工事の段取りの説明に変わった。今泉さんは「それ以来、何を言っても強行するだろうとうすうす感じていた」と嘆く。

 風評の影響は福島県の漁業者だけにとどまらない可能性がある。

 同県相馬市でスーパーを営む中島孝さん(67)は「国は『丁寧に説明する』と言うが、これではごり押しだ。何か起きた時に被害を受けるのは地元だ」と指摘。原発事故後、地元産の魚への懸念や買い控えが広がるのをヒシヒシと感じた。「東電はこれまでも汚染水対策に失敗している。何十年と続く処理水放出でも同じことが起きかねない」と話した。

 同県二本松市で有機農業を営む菅野正寿(せいじ)さん(64)は「関係者は漁業者だけではない。十分な説明がなく、県民を無視している」と政府への不満をあらわにする。首相の姿勢についても「福島の現状を理解しているようには思えない」と批判した。

 茨城県内の漁業者の男性は「首相が第1原発を視察しても漁業者の同意なしに放出はできないはずだ」とけん制。「政府が強硬に放出を決めれば漁業者との約束を破ることになる。燃料費が高騰する中、風評被害も重なればわれわれは漁業ができなくなってしまう」と訴えた。【柿沼秀行、肥沼直寛、岩間理紀、木許はるみ】


記事は以上。


岸田首相はじめ、政府は、
「海洋放出は廃炉と福島の復興を進めていくために決して先送りができない課題だ」
と、しきりに言う。

それではまるで、福島原発の廃炉と福島の復興を人質にして、「汚染水の海洋放出」を「ごり押し」で強行するようなものだ。

本末転倒とはこのことだろう。

しかも、「汚染水の海洋放出」をしなければ、福島原発の廃炉と福島の復興が進まないとする理由も、そう思わせる根拠も全く無い。
政府もその理由や根拠について「丁寧に説明」したことはない。

先送りできないのは、福島原発の廃炉と福島の復興であることに間違いはないが、「汚染水の海洋放出」はいくらでも先送りすることができるし、「汚染水の海洋放出」に代わる代替案は、いくらでもある。

一つに、タンクの増設しかり。

あるいは、この阿修羅掲示板でも「ぢっとみる」さんが紹介していた、科学者たちの見解。

福島第一原発の核汚染水の海洋放出に物申す【その2】: 太平洋諸島フォーラム(PIF)に任命された科学者たちによる科学評価から | ちきゅう座
http://chikyuza.net/archives/129213

さらには、共同通信によれば、

中ロが7月下旬、日本政府に20項目の質問リストを共同で提出し、水蒸気放出は海洋放出より「周辺諸国への影響が少ない」と主張しているという。

日本政府と東京電力は、最もコストの安い「海洋放出」を安易に選択したのではないかという疑念はぬぐえない。
しかし、結果的には、風評被害なるものの対策の為に税金の投入を取りざたしなければならなくなり、或いは、日本からの海産物の輸入制限などなど、経済的損失は膨らむばかりだ。

しかも、それらは、いつ終わるとも分からない「海洋放出」の続く限り、つまるところは福島原発の廃炉の完了まで続く。

ましてや、溶け落ちた燃料デブリの取り出しの見通しも全く立たない中、廃炉そのものの実現が危ぶまれている現状では、そのコストたるや、青天井で、計算もできない。

そこに、世界各国から、「汚染水の海洋放出」による被害に対する損害賠償請求が重なれば、日本は瞬く間に「破綻」してしまうのではないか。

岸田首相は21日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と官邸で面会した。
岸田首相は、

「今後数十年にわたろうとも、漁業者が安心してなりわいを継続できるように必要な対策を取り続けることを全責任を持って約束する」

と理解を求めたそうだ。

それに対して、坂本氏は

「反対であるということは、いささかも変わりはない」

と。

政府と東京電力は、「(処理水について)関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と、漁業者と約束している。・・・いや、約束していた。

果たして、岸田首相は「約束を守る」だろうか。
一つの約束を守れなければ、もう一つの約束も守れないと考えるのが道理ではないだろうか。
岸田首相が信用に足る人物かどうか、明日にでも判定が下されよう。

席上、坂本氏はIAEAの包括報告書などに触れ「科学的な安全性への理解は深まってきた」と述べたそうだ。


日本政府は、IAEAが公表した包括報告書を振りかざし、海洋放出の安全性と正当性が示されたかのように主張する。

しかし、この報告書に、海洋放出の方針を「推奨するものでも承認するものでもない」との記載があることには触れようともしない。

さらには、「IAEAとその加盟国は、この報告書の利用によって引き起こされるいかなる結果に対しても責任を負わない」

とも書かれている。



「汚染水の海洋放出、絶対反対!」




http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/511.html
記事 [政治・選挙・NHK291] リニアに必要な「引き返す勇気」(植草一秀の『知られざる真実』)
リニアに必要な「引き返す勇気」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-07709c.html
2023年8月21日 植草一秀の『知られざる真実』

リニア中央新幹線についてJR東海の意向を受けたヒステリックな主張ばかりが喧伝されるなかで冷静なオピニオンが掲載された。

ルポライターの昼閧スかし氏による論考。

「リニア工事見通し立たず
地元民が懸念する「丹那トンネルの二の舞」という現実、
水源枯渇の歴史と川勝知事の正当性とは」

https://x.gd/Zbal8

しかし、記事公表直後から同記事を検索するのが困難になっている。

ニュースポータルサイトの記事配列の影響であると推察される。

ネット上の情報空間には静岡県の川勝平太知事を攻撃するヒステリックな主張が多く掲載される。

市民はメディア情報空間が「カネの力」で著しく歪められていることを知っておく必要がある。

リニアはJR東海が政治力で強引に推し進める合理性を欠く事業。

安倍内閣は合理性を欠くこの事業に3兆円もの国費投入を決定した。

こうした背景から正論がかき消され、リニア建設を強行するための暴論が情報空間にまき散らされている。

この問題を冷静に論じた重要文献がある。

神戸大学名誉教授の石橋克彦氏の著書
『リニア新幹線と南海トラフ巨大地震
「超広域大震災」にどう備えるか』
(集英社新書)
https://x.gd/m390G

書籍紹介に次のように記載されている。

「政府の地震本部が「30年以内の発生確率が70~80%」とする南海トラフ巨大地震。

その震源域は広大で、沿岸部のみならず内陸も激しく揺れる。

活断層の密集地帯を走るリニア中央新幹線は無事でいられるだろうか?

リニアは既存の新幹線より脆弱で、大部分が地下トンネルのため避難は困難をきわめる。

そして、新たな複合災害を誘発する可能性が高い。

地震学の知見に基づき、その危険性を警告する!」

石橋克彦氏は東京大学理学部地球物理学科卒業の地震学、歴史地震学を専門とする学者。

原子力安全委員会専門委員、国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員などを歴任。

著書に『大地動乱の時代──地震学者は警告する』(岩波新書)、『原発震災──警鐘の軌跡』(七つ森書館)、『南海トラフ巨大地震──歴史・科学・社会』(岩波書店)などがある。

上掲書の第1部タイトルは「リニアは地震に耐えられない」、第2部タイトルは「ポストコロナのリニアは時代錯誤」。

長周新聞が同書についての詳しい解説をネット上に掲載されているので是非ご参照賜りたい。

https://www.chosyu-journal.jp/review/21362

リニア新幹線は、路線の9割近くをトンネルが占める。

M7前後以上の地震が起こると、トンネル内でズレ破壊が生じる。

50キロで走行する列車は緊急停止をかけても止まるまでに約70秒の時間がかかる。

地震発生と同時にトンネルと列車がある幅で切断される。

数メートルの段差が生じるだけでなく、隆起側が沈降側にのし上げるかたちになる。

列車はちぎれ、砕かれ、一部が大地にくわえ込まれることになる。

救助隊がトンネル坑口から入っても全車両が破壊されて散乱し、大量出水により現場に近付くことさえ困難になることが想定される。

上記の事態想定も非現実的でないという側面がある。

日本は世界最大の地震国。

日本列島の地下で4つのプレートがせめぎ合う。

プレートの境界が巨大活断層であり、巨大地震はこの接合面で発生することが多い。

地上での事故であれば救出作業を行えても地下深いトンネル内でのトンネル破壊、列車破壊では救出活動も困難になる。

現在の新幹線で品川−名古屋間に要する時間は87分。

これが40分になることにどれだけの意味があるのか。

東海道新幹線不通時のバイパスが必要なら北陸新幹線の延伸を急ぐ方が賢明だ。

冒頭に紹介した昼閧スかし氏の論考は丹那トンネル建設による湧水枯渇の事実を冷静に振り返るもの。

静岡県の川勝平太知事がリニア建設による大井川水系の水流出を危惧する見解を再三表明している。

JR東海ならびにリニア利権と結びついていると見られる勢力がヒステリックな川勝平太知事攻撃を展開しているが、川勝知事の懸念表明は歴史的経緯を踏まえれば極めて順当なものと言える。

東海道本線の熱海駅と函南駅の間にある丹那トンネル。

隣には新幹線の新丹那トンネルも掘削された。

御殿場線を経由する東海道線ルートを一気に短縮化したトンネルとして知られている。

しかし、丹那トンネル建設が、地域の水源を枯渇させ、産業を破壊するという弊害ももたらしたという事実がある。

リニア建設においても同じ排水方法が使われる可能性が高いため、「大井川の水がなくなる」ことが深刻に懸念されている。

日本経済を取り巻く環境は急変している。

巨大地震に対する備えを本格化しなければならない時期が到来している。

このような局面で原発稼働にのめり込む、リニア建設を強行するのは「愚か者」と指弾されて反論できない。

リニア建設中止に向けて日本の主権者が「大きな声」を発するべきだ。

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記事 [政治・選挙・NHK291] 河野太郎、加藤勝信、松本剛明…マイナひも付け未了の欠陥知り“放置”した3大臣の大罪(日刊ゲンダイ)


河野太郎、加藤勝信、松本剛明…マイナひも付け未了の欠陥知り“放置”した3大臣の大罪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327830
2023/08/21 日刊ゲンダイ


晴れ舞台で成果を強調、ご満悦(G20デジタル経済相会合で会見する河野太郎デジタル相)/(C)共同通信社

 マイナンバーのひも付けトラブルを巡り、岸田政権に対する国民の怒りが収まらない。共同通信の最新の世論調査(19、20日実施)によると、マイナンバーのトラブル対応に岸田首相が指導力を「発揮していない」との回答が79.8%に上った。ところが、国内のデジタル化を満足に進められていないのに、河野デジタル相は国際会議で意気軒高だ。

 ◇  ◇  ◇

 河野氏は19日、インド南部のベンガルールで開かれた主要20カ国・地域(G20)デジタル経済相会合に出席。終了後、記者団に「データの国境を越えた流通なしに経済発展は難しいという認識が広がってきた」と成果を強調した。

 河野氏は日本が2019年から提唱している「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」構想の旗振り役。今回のG20デジタル経済相会合でDFFT構想の実現を合意文書に盛り込み、各国に国際的な枠組み作りへの協力を呼びかけた。

 一方、国内はマイナンバーのひも付けトラブルなど、データに関する課題が山積。河野氏の「信頼性」は低空飛行だ。

 最近では、全国健康保険協会(協会けんぽ)の約36万人分の資格情報がマイナンバーとひも付けされず、マイナ保険証が利用できなくなっている問題が発覚。政府は全国の健保組合などに対し、加入者のうち、ひも付けられていない数などの報告を求める通知(16日付)を出したが、そもそも、ひも付け未了の欠陥を“放置”していた疑いがある。

 18日の立憲民主党の国対ヒアリングで、所属議員がひも付け未了問題について政府から聞き取りを実施。

 先の通常国会で健康保険証の廃止を盛り込んだ改正マイナンバー法などの関連法案を審議していた際、河野氏や加藤勝信厚労相、松本剛明総務相ら所管大臣がひも付け未了問題を知っていたかどうかを問いただした。

準備不足、拙速とのそしりは免れない


独断とゴリ押しのデジタル化(左から松本総務相、加藤厚労相、河野デジタル相の3大臣)/(C)日刊ゲンダイ

 山井和則衆院議員が「(マイナ関連の)法案審議している時に、加藤大臣、松本大臣、河野大臣の3大臣は、約40万人がマイナ保険証を申し込んでいても使えないということをご存じだったのか」と聞くと、厚労省の担当者は「ちょっとにわかに私の方で責任を持ったお答えをすることが難しい」と回答。一方で、「ひも付いていない(マイナ保険証が)未登録の方がおられるということは、(大臣は)ご存じだったというふうに思います」と加えた。

 つまり、3大臣は「マイナンバーと保険資格情報がひも付けられておらず、そもそもマイナ保険証を登録できない人」の存在を法案審議中に把握していた可能性が高い。にもかかわらず、マイナポイントをエサにカード取得を促し、マイナ保険証のメリットを強調して利用を呼びかけていたのだから、あまりに不誠実ではないか。

 河野氏の記者会見にも出席しているジャーナリストの横田一氏がこう言う。

「例えば台湾では、デジタル発展担当のオードリー・タン氏が市民参加型の双方向のデジタル化を進めてきたといいます。翻って日本は、河野大臣が独断とゴリ押しによるデジタル化を進めています。河野大臣はデータ流通について海外向けに発信する前に、まずは海外の実情を学んではどうか」

 ヒアリングで長妻政調会長は「来秋に保険証を廃止するのに、(ひも付け未了が約40万人いる)この状況は、どう考えても準備不足、拙速とのそしりは免れない」と指摘していたが、その通りだ。

 国内で「信頼ガタ落ち」の河野氏に、国際舞台で「信頼性のある自由なデータ流通」を訴える資格はあるのか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/513.html

記事 [政治・選挙・NHK291] これが「歴史的会談」とは恐れ入る タレ流し大メディアにも仰天(日刊ゲンダイ)

※2023年8月21日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年8月21日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


THE パフォーマンス(米キャンプデービッドで共同会見をする左から韓国の尹錫悦大統領、バイデン米大統領、岸田首相)(C)ロイター

「歴史的」の言葉だけが先走っていた。米ワシントン郊外の大統領専用山荘「キャンプデービッド」で18日昼(日本時間19日未明)に行われた日米韓首脳会談。共同記者会見で3首脳は「歴史的会談」を強調してみせた。

 バイデン米大統領が「歴史的な場での会談、歴史的な瞬間だ。日米韓協力の新たな時代だ」と高揚しきって口火を切ると、韓国の尹錫悦大統領は「歴史的な場として記憶にとどまるだろう」と続けた。岸田首相も「歴史に新たな一ページを刻むことを光栄に思う」と同調した。

 しかし、ランチミーティングはたったの2時間。54分間も続いた共同記者会見を含めても3時間足らずだ。2013年6月、就任間もない中国の習近平国家主席が訪米。当時のオバマ大統領と「西のキャンプデービッド」と呼ばれる南カリフォルニア・サニーランズの別荘で会談した際は2日間、計8時間に及んだ。

 今年3月、激しく対立してきたサウジアラビアとイランが国交正常化で合意したサプライズ会談に使うなら、いざ知らず。3首脳は「歴史的」を安売りしすぎではないか。

 日米韓首脳会談が国際会議以外の独立した日程で開かれるのは今回が初めて。場所は数々の歴史的な会談が行われてきたキャンプデービッド。形式は整っているが、「歴史的」と言えるかどうかは会談の成果次第である。

 その肝心の成果として3首脳が口をそろえたのは、安全保障分野での連携強化だ。岸田は「日米韓3カ国の安全保障協力を新たな高みに引き上げる」と得意顔だったが、それが持続できるのかは非常に心もとない。

日米韓の連携強化は砂上の楼閣

 首脳や外務、防衛担当の閣僚らが少なくとも年1回会談することを確認。自衛隊と米韓両軍による共同演習の定例化。北朝鮮のミサイル発射情報を即時共有するシステム運用の年内開始。緊急事態発生時には速やかに協議することを約束──。連携強化を記す共同声明には幅広いメニューが出そろったが、実際に具体化できるかどうかは別問題だ。国際ジャーナリストの春名幹男氏がこう言う。

「共同声明は連携強化に関する今後の運用方針を決めただけ。有事の際の日米韓の協議も単なる『約束』に過ぎず、法的拘束力を伴っていません。そもそも日米、米韓はそれぞれ同盟関係にありますが、日韓には条約で裏づけられた同盟関係はない。バイデン政権は各国の政権が代わっても今回の制度化は不変である旨を強調しましたが、裏を返せば制度のもろさを自覚している証拠です。韓国は頻繁に政権が交代し、最大野党の『共に民主党』は今回の合意内容を批判。『国益にどんな役に立つのか、明確に説明せよ』と尹政権に訴えています。大体、来年11月の米大統領選で、多国間の枠組みを軽視するトランプ前大統領が返り咲けば、合意内容を白紙に戻しかねない。3カ国の連携強化は、砂上の楼閣に過ぎないのです」

 3首脳がまとめた「キャンプデービッド原則」には「力による一方的な現状変更の試みに強く反対」し、「台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認した」と明記された。名指しこそは避けたものの、中国を念頭に置いているのは明らかだ。

 これまで日米韓首脳会談は北朝鮮の核開発への対応や日韓関係の改善が主眼だった。今回はそこから大きく飛び越え、中国を念頭にインド太平洋地域全体の安全保障まで3カ国の役割を一気に拡大させた。背景には会談を呼びかけたバイデンの焦りが、にじみ出ている。

後世に汚点を残す意味では「歴史的」

 ロシアのウクライナ侵攻から間もなく1年半。停戦の兆しは見えず、バイデン政権は当面、対ロ政策に力を割かざるを得ない。この間、北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返し、中国はロシアとの軍事協力を強化してきた。

「東アジア情勢にまで目を配るのが困難な米国は、日韓両国にその役割を負担させるしかない。中東情勢を巡っても、覇権を争う中国がサウジとイランの国交正常化を仲介するなど、米国は後塵を拝しています。来年の大統領選を前にバイデン氏は目ぼしい外交成果を欲しがり、焦燥感を強めていた。そこで徴用工問題の政治決着を機に日韓関係が劇的に改善したのをチャンスと捉え、日米韓の安全保障強化のアピールにこぎつけたのです。今回の会談は対抗する中国に一泡吹かせたい思惑と、大統領選に向けた実績を狙ったバイデン氏によるパフォーマンスの意味合いが強い」(春名幹男氏=前出)

 恐らくキャンプデービッド史上、最も中身がなかったのが今回の日米韓首脳会談ではないか。バイデンの中ロ朝への薄っぺらなパフォーマンスに付き合わされた岸田も「ご苦労さん」だ。17日夕に政府専用機で羽田を発ち、時差ボケを解消する間もなく、日米韓首脳会談に臨み、協力の強化、確認だけで19日夜には日本にトンボ返り。この間、ほとんど機中で過ごす強行軍だった。

 バイデンに「カモン!」と命じられれば岸田はシッポを振り、ムチャなスケジュールにも耐えて米国に見参する。キャンプデービッドといえば、01年に当時の小泉純一郎首相がブッシュ大統領(子)と初会談した場所だ。2人はキャッチボールに興じ、親密関係を演出したことが思い出される。

 別に小泉を褒めるつもりはないが、いかに岸田がバイデンになめられているかが、よく分かる。いまやポチ以下だ。

隣国への対立一辺倒は「いつか来た道」

 岸田の情けない姿が象徴的で、これが「歴史的会談」とは恐れ入る。3首脳の演出の言葉を真に受け、タレ流すだけの大メディアにも仰天だ。

 日米韓の首脳会談に先立ち、岸田はバイデンと個別で会談。北朝鮮や中国、ロシアが開発を進める極超音速兵器を迎撃するため、新型ミサイルを共同開発する方針で合意してしまった。

 迎撃ミサイルの日米共同開発は、06年から開発を始めた「SM3ブロック2A」以来、2例目だ。ブロック2Aの開発費は31億ドル(約4495億円)。共同で開発したのに、なぜか米国から購入し、その額は73発で計32億9500万ドル(約4778億円)と、1発あたり約65億円も支払うハメとなった。

 ましてや、極超音速ミサイルはマッハ5以上で飛行し、レーダー探知や迎撃は困難。着弾直前に複雑な軌道を取るのが特徴で、その動きを比較的捉えやすい遠方での滑空段階で迎撃するというから、ブロック2Aよりもバカ高い値段になるのは必至だろう。

 一体いくらかかるのか、本当にできるのかを知りたいものだ。この怪しいミサイル共同開発で日本からカネを巻き上げるのが、バイデンが招待した今回の会談の真の狙いではないかとさえ思えてくる。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。

「米国は常に緊張の演出が飯の種のような国です。その米国の軍事戦略が『錦の御旗』と言わんばかりに、岸田政権は唯々諾々と従うのみ。その結果、昨年末には防衛費倍増や敵基地攻撃能力の保有を柱とした安保関連3文書を閣議決定。殺傷能力のある武器の輸出まで検討し、平和憲法の精神を次々と蹂躙しています。あらゆる国際会議や外交文書で米国と共に中国非難を繰り返し、今回の日米韓の連携強化も中国への挑発でしかない。まるで戦前の『日独伊3国同盟』をほうふつさせます。岸田首相は『中国との対話』を口にしますが、バイデン氏とは10回以上も会談しているのに、習近平氏との対面会談は1回きり。隣国への対立一辺倒は『いつか来た道』の危うさを感じます」

 今回の会談を後世に汚点を残すという意味で「歴史的」にしてはいけない。

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岸田氏、ファーストネーム「ジョー」連発するも、バイデンに役職すら認識されず、握手も忘れられる(動画):日米韓3人が会談(News World)
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http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/514.html

   

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