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2023年8月12日02時15分 〜
記事 [政治・選挙・NHK291] 怪しい無法国家の万博強行 開催する意味もなければ力もなし(日刊ゲンダイ)

※2023年8月11日 日刊ゲンダイ2・3面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋

※文字起こし


維新の肝いり(C)共同通信社

 建設の大幅な遅れで、「再来年4月の開幕に間に合うのか」と懸念されている2025大阪・関西万博。これまで大阪の局地的な問題と見られて世間の関心も薄かったが、あまりにお粗末な現状が話題を呼ぶという皮肉な展開になってきた。

 中でも注目を集めたのが、パビリオンの問題だ。万博と聞いてわれわれが真っ先に思い浮かべるのが、「スイス館」「フランス館」など、参加国が設計から建設まで自前で行う「タイプA」の海外パビリオンだ。各国がデザインに趣向を凝らし、建物自体が展示物になる「万博の華」である。中国やオランダなど約50の国・地域による出展が見込まれているというが、つい最近まで建築申請が「ゼロ」だったことが明らかになった。

 7月になってこの惨状がメディアで報道されると、慌てた大阪市は7月28日、「タイプAの申請が韓国からあった」と発表。本来の計画では、すでに工事を始めていなければ間に合わないのに、7月末時点で基本計画書を提出したのは2030年に釜山万博を誘致しようとしている韓国だけなのだ。

「海外パビリオンの建設が進まないのは、参加国側の問題というより、日本の国内事情が大きい。建設資材の高騰と人手不足で採算が合わないため、ゼネコンはどこも受注したがらないのです。そもそも、4月に退任した松井前大阪市長が懇意にしていた安倍元首相や菅前首相の協力を得て、日本維新の会の肝いりとして実現にこぎ着けた万博ですから、それを引き継いだだけの岸田首相はあまり関心を示してこなかったことも工事の遅れに影響しているでしょう。今ごろになって、慌てて経産省の多田明弘前事務次官や平井裕秀前経産審議官という事務方ツートップ経験者を万博協会に送り込んでテコ入れしようとしていますが、時すでに遅しの様相です」(ジャーナリスト・森功氏)

 岸田首相は4日、西村経産相や岡田万博相らに対し、パビリオンの早期建設に向けた環境整備の加速に政府を挙げてあたるよう指示したが、今から突貫工事したところで、間に合わせるのは物理的に難しい。そこで浮上しているのが、怪しげな超法規的措置の数々だ。

 建設業界は来年4月から、原則として月45時間、年360時間を超える時間外労働はできなくなる。来年4月といえば万博関連工事の真っただ中だ。そうしたら万博協会はなんと、万博の工事従事者は残業規制から除外するよう政府に要望した。適用が除外される例としては災害復旧などがあるが、万博は災害か。さすがに厚労省は「業務の繁忙という理由では認められない」と否定的だが、経産省は適用除外を後押ししている。

まるで日本のひとり芝居、これでは日本単博あるいは大阪独博

 さらに経産省は、国内建設業者向けの「万博貿易保険」も創設。発注元の参加国側から工費が支払われない場合に9割から全額が補償されるという。取りっぱぐれリスクを減らして建設会社の受注を促進する狙いだが、この保険は政府が全額出資する日本貿易保険が運用する。原資は税金だ。

 万博の会場建設費は大阪府と市、経済界が3分の1ずつ負担することになっているが、すでに当初予算の1250億円から1850億円に上振れしている。開幕に間に合わせるために無理をすれば、資材も人件費もますます暴騰し、多額の税金がつぎ込まれることになりかねない。

「維新お得意の『身を切る改革』と言うのなら、万博を中止する勇気も必要ではないか。自分たちの計画の遅れを政府のせいにして、尻ぬぐいは税金丸抱えなんて世論が許さないでしょう。工期圧縮のために海外パビリオンをプレハブの建て売りにするという案も出ていますが、プレハブが並ぶ万博なんて、日本の国力衰退を世界に知らしめる結果にならないでしょうか」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 会場の夢洲は埋め立て地で地盤が緩いため、パビリオン建設は耐震基準を厳しく設けることになっていたが、これがプレハブとなると耐震基準もウヤムヤに緩和していくのだろう。

 2025大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。150カ国の英知が結集し、未来社会を実現。負の遺産だった「夢洲」を大阪ベイエリアの成長拠点へ──。こう謳われていた。

「当初は万博の跡地と建物を有効活用して、万博成功をレガシーとして次世代につないでいくという振れ込みだったため、耐震基準も厳しくなる予定だった。一時的なプレハブなら耐久性も関係ないし、当初の構想はすでに破綻していて、儲かるのはプレハブ業者だけになりそうです。菅前首相を補佐官として支え、現在は大阪府市の特別顧問でもある国交省OBの和泉洋人氏が顧問を務めている住宅メーカーグループがプレハブ事業を請け負うのではないかと業界内では言われています」(森功氏=前出)

 パビリオンは日本が建て、チケット前売り券も大半を万博協会、地元の自治体、関西財界で引き受ける。こうなるともう「万博」と呼べるのかも疑問だ。日本単博、あるいは大阪独博。日本のひとり芝居みたいな万博を無理して開催する意味がどれほどあるのだろうか。

 国民の不安と反対を押し切って、コロナ禍に無観客で開催した東京2020五輪も、あれよあれよで予算規模が膨れ上がり、終わってみれば逮捕者続出の汚職と談合の祭典だった。大阪万博のためなら労働基準法も無視とばかりに国を挙げて突き進む背景にも怪しい利権が絡んでいるのだろう。

 質素なプレハブが並ぶ裏では巨額のカネが動き、一部の利権屋が潤う構図。こんなバカげたイベントはもうやめた方がいい。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/434.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 「もっと困窮した家庭を救え!」こども家庭庁主催の写真コンクールが大炎上(日刊ゲンダイ)
「もっと困窮した家庭を救え!」こども家庭庁主催の写真コンクールが大炎上
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327321
2023/08/12 日刊ゲンダイ


(こども家庭庁HPから)

《こんなことやる時間どこにあるんですか?》
《写真スタジオがやることでしょ》
《これやる前にもっとするべきことあるはずですよね》
《コンテストの目的っていったい何ですか?》

「"やっぱり、家族っていいね。"こどもや家族を思うあたたかい気持ちを写真にしてご応募ください」という文言とともに、こども家庭庁が3日にツイッターで公開した「令和5年度 こどもまんなか『家族の日』写真コンクール」の募集案内が大炎上している。"安心して子供を産み育てることができる社会づくりの機運を高めることを目的"として、こども家庭庁は写真コンクール(募集期間8月1日〜9月4日)を企画した。

 ネットが反応したのは、そこにサンプルとして掲載されていた写真。にこやかに写真に収まる子供とおばあさんのまぶしすぎる笑顔に、SNSを中心に「被写体に罪はまったくないが、もっと困窮している家庭を救うのがこども家庭庁の仕事なのでは?」と疑問を呈する声が多く上がっている。実際、世の中には、社会的に困窮している家庭がたくさんあり、こども家庭庁がわざわざ職員と税金を使って写真コンテストをやる必要があるのか疑わしい。

 募集作品のテーマを見ても、「家族の団らん、パパの育児、三世代家族の様子、親子で一緒に楽しみながら何かに取り組んでいる日常の様子」「出産を控え家族で準備している様子、子育て家族の絆やあたたかさ・ほほえましさを表している様子」「ワークライフバランスの取組(定時退社し子育てイベントへの参加など)」といった、"幸せな子育て写真"を望んでいることが見て取れる。そこからは、「過酷な育児」といった子育てのリアルな様子を汲み取ろうとする行政としての姿勢は見えてこない。

大胆過ぎる個人情報の取り扱いにも批判

 さらに問題なのは、こども家庭庁の個人情報の取り扱いだ。募集要項では、"子育てを支える家族や地域の大切さに関する「写真」を全国から募集し、優秀な作品について表彰します"としているが、「応募者は、応募に当たり、こども家庭庁が管理するウェブサイトやその他広報物において、応募作品が使用されることについて承諾したものとします」とある。「入賞作品の発表では、こども家庭庁ホームページに、作品のタイトル、お住まいの都道府県、実名を掲載します。匿名、アカウント名等による発表はいたしません」ということは、"実名・顔出し"で幼い子どもがいることを世間に知らしめろ、と言っているも同然だ。

 今回の「こどもまんなか『家族の日』写真コンクール」の企画意図と目的をこども家庭庁に聞いた。

「子供や家族、地域の繋がりといった、子育てを取り巻くいろんな環境や楽しそうにしている様子、子供自身が一生懸命何かに取り組んでいたり、地域で支える様子など、温かい素敵な写真を応募していただき、その様子を発信することで、ちょっとほっこりした気持ちになっていただければと。それで、子供、子育てを支えることが素敵だなって思っていただくのが目的です」(こども家庭庁少子化対策室地域連携係)

 以下は筆者がこども家庭庁にぶつけた質問とそれに対する回答だ。

Q.虐待や貧困、困窮している家庭のサポートなど、こども家庭庁が率先してすべきことが他にもあるのでは?

A.「当然、それは重要なことでありますので、他の部局で色々支援を行っております」

Q.SNSを中心に非難の声が上がっていることに関しては?

A.「厳しいご意見があるのは承知しております。いろんなご意見があるなかで、それを踏まえ、発信の方法などは内部で検討していきます」

Q.個人情報の取り扱いについてどう考えているのか。

A.「写真は公表はしますが、勝手に載せるわけではないので……」

 今回のコンクールの審査員には、戦場カメラマンの渡部陽一氏の名前も上がっている。審査員の選考基準についても聞いてみると、「お答えできません」の一点張り。事業予算についても、「現時点ではお答えできません。今調査しているところです」との説明だった。つまり、予算を決めずに見切り発車したということのなのだろうか。こども家庭庁は現時点で写真コンクールの企画を取りやめる予定はないとしている。

(取材・文=中西美穂/ジャーナリスト)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/435.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 岸田首相「106万円の壁」解消支援と意気込むも…《相変わらずヤルヤル詐欺》と冷め切った反応(日刊ゲンダイ)
岸田首相「106万円の壁」解消支援と意気込むも…《相変わらずヤルヤル詐欺》と冷め切った反応
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327387
2023/08/11 日刊ゲンダイ


富山市の電子機器企業を訪問し、車座対話に臨む岸田首相(代表撮影)

「働く皆さんの能力、意欲を十分発揮させるためにも、環境整備に努めていかなければいけない」

 岸田文雄首相(66)が10日、富山市を訪れ、電子部品開発などを手掛ける地元企業を視察。女性活躍に関して企業関係者らとの車座対話に臨み、一定の条件を満たすと社会保険料の納付が必要となる「106万円の壁」の解消に向けて支援策を講じる考えを示した。

「106万円の壁」とは、厚生年金保険や健康保険といった社会保険への加入が必要となる収入の基準のことで、収入が106万円を超えると社会保険料の控除により、106万円未満の人よりも手取りが減少することが課題となっている。

 岸田首相はこの日の車座集会で、その解消に取り組む姿勢を見せたわけだが、SNS上では《今ひとつ本気度が伝わってこないと感じている》《ただ聞いているだけ、のような…》といった厳しい見方が少なくない。

 というのも、岸田首相が「106万円の壁」の解消に向けて言及するのは、これが初めてではないからだ。

約2年前の予算委でも「106万円の壁」問題に取り組むと答弁

 2021年12月の参院予算員会。質問に立った議員から、「総理は所信表明演説の中で、所得を引き上げるための鍵は男女が希望どおり働ける社会づくりだと述べました。そのために、女性の就労の制約となっている制度の見直しを掲げました。女性の就労の制約となっている制度とは何でしょうか」と問われた岸田首相はこう強調していた。

「例えば106万円の壁等のこうした問題、さらには育児休業制度の在り方など、こうしたことを指摘した次第であります。こうした問題にしっかり取り組むことが女性の活躍、より御活躍いただくために重要な課題であると認識をしております」

 岸田首相はこの時、「106万円の壁」の問題を認識した上で、「しっかり取り組む」「重要な課題だ」と明言していたわけで、岸田政権が掲げる「女性活躍」のために本気で取り組んでいれば、2年近く経った今ごろは、何らかの具体的な方向性が示せていたのでは。

 にもかかわらず、いまだに「環境整備に努めていかなければいけない」と言い続けているわけで、これではSNS上で《相変わらずのヤルヤル詐欺》《どうせ何もしないんでしょ》と冷めた意見が出るのも無理はない。

 岸田首相の視察、車座集会は夏の「全国行脚」の一環だが、続けるほど国民から落胆する声が出るのではないか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/436.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 日銀よ「政府の子会社」意識から脱却せよ 金利上限「引き上げ」なのに「緩和維持」の矛盾 特別寄稿 浜矩子 同志社大学教授(日刊ゲンダイ)

日銀よ「政府の子会社」意識から脱却せよ 金利上限「引き上げ」なのに「緩和維持」の矛盾 特別寄稿
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/327391
2023/08/12 日刊ゲンダイ


植田日銀が不可思議な説明(C)共同通信社

 日銀が不可思議な説明を繰り出している。先月下旬の金融政策決定会合で、異次元緩和策の柱である「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の修正を決定。長期金利の上限を「0.5%程度」から1.0%に引き上げました。

 金利の上限を大幅に引き上げたわけですが、植田総裁は異次元緩和策からの正常化を否定し「YCCの持続性を高める動きだ」と説明。金利の上限を上げたのに「金融緩和を維持する」というのは、おかしな理屈です。

 そんなつじつまの合わない説明をせざるを得ないくらい、日銀は追い込まれているということでしょう。現状、物価は高騰し、賃金も上がってきています。欧米は金利上昇が一服しつつありますが、また上昇局面が訪れる可能性もある。すると、欧米との金利差から、輸入物価高騰の原因である円安を招きかねない。端的に言って、今は緩和策を続ける理由がない状況です。日銀が金利の目標水準を上げながら「緩和を継続する」と苦しい説明をするのは、緩和策終了を印象付けてしまえば国債の利回り上昇を招き、政府が財政不安に陥りかねないからでしょう。

 そもそも、安倍政権時の黒田日銀のもとで始まった異次元緩和とは、物価目標を掲げていたものの、実態は政府発行の国債を日銀が引き受ける「財政ファイナンス」だった。植田総裁は本音では「今どき、こんな緩和策を続けている場合じゃない」と考えていると思います。それでも不可思議な説明をせざるを得ないのは、黒田日銀時代に理屈に合わない「財政ファイナンス」を始めてしまった結果です。

 理屈に合わないことをやるからこうなるわけで、「ざまあみろ」と言いたくなるけれど、打撃を受けるのは国民ですから、そうも言ってはいられない。この際、日銀にはこれまでの政策を猛省してもらい、次の危機には思い切って「もう理屈に合わないことはやめます」「だから政府も覚悟してください」と、中央銀行らしい気概を示してもらいたいものです。

 しかし、いまの日銀からはそうした気骨は感じられず、態度はムニュムニュとしたもの。今は亡き「アホノミクス」の大将である安倍元首相は、かつて公然と「日銀は政府の子会社」と言い放っていた。そういうスタンスの政府に対し、日銀は「その通りでございます」という態度を貫いているのです。

 その関係は、アホノミクスを丸パクリし「アホダノミクス」を続ける岸田政権になっても変わっていません。岸田首相も「財政ファイナンス」してもらわないと困ると考えているのは明らかです。大軍拡予算を組み、その一部を建設国債で賄う。バラマキにしか見えない異次元の少子化対策だって財源が曖昧な状態です。そんな中での国債の利払い負担増は、どうしても避けたいということなのでしょう。

 岸田氏には、安倍氏のように「日銀は子会社だ」と言い放つ勇気はないのかもしれませんが、両者のスタンスは全く同じ。日銀を“打ち出の小づち”扱いするなど、決して許されません。植田日銀にも、金融政策の総括責任者としての義務をキチンと果たしてもらいたい。


浜矩子 同志社大学教授

1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/437.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 原爆を「試練」扱いして非難殺到 岸田首相の「長崎原爆の日」メッセージは3年前の安倍元首相のほぼ「完コピ」だった!(リテラ)
原爆を「試練」扱いして非難殺到 岸田首相の「長崎原爆の日」メッセージは3年前の安倍元首相のほぼ「完コピ」だった!
https://lite-ra.com/2023/08/-3-1.html
2023.08.10 リテラ


岸田首相ビデオメッセージ(首相官邸HPより)

 昨日9日、長崎に原爆が投下されて78年を迎えた。しかし、長崎市内の平和公園でおこなわれる予定だった平和祈念式典は台風6号の九州接近に伴い屋内開催となり、岸田文雄首相や各国大使など来賓の出席は取りやめに。岸田首相はビデオメッセージを送るにとどまった。

 そして、このビデオメッセージの内容をめぐって、ネット上で批判の声があがっている。

 6日の広島でのスピーチにつづき、今回のビデオメッセージでも岸田首相は批准を否定しつづけている核兵器禁止条約に触れずじまい。逆に、議長国となったG7広島サミットの「広島ビジョン」では核抑止論を肯定したことに対しては批判が相次いでおり、広島県の湯崎英彦知事が「核抑止論者に問いたい」として「あなたは、万が一、核抑止が破綻した場合、全人類の命、場合によっては地球上の全ての生命に責任を負えるのですか」と強い言葉で非難したほか、広島市の松井一実市長や長崎市の鈴木史朗市長も批判をおこなっている。

 だが、岸田首相のビデオメッセージをめぐって、いまSNS上で話題となっているのは、核兵器禁止条約に触れなかった点だけではない。じつは、岸田首相はビデオメッセージのなかで、こんなことを口にしたのだ。

「一木一草もない焦土と化したこの街が、市民の皆様の御努力によりこのように美しく復興を遂げられたことに、私たちはあらためて、乗り越えられない試練はないこと、そして、平和の尊さを強く感じる次第です」

 言わずもがな、この国は無謀な侵略戦争に突き進み、降伏をためらったがために原爆は投下された。つまり、権力者の判断によって避けられたはずの悲劇だった。にもかかわらず、原爆投下について「試練」などという言葉を用いることは、国の責任を矮小化し、被害者に押し付けるようなものだ。だいたい、いまも被害に苦しんでいる被爆者や被爆2世、3世が存在し、とりわけ長崎には国から被爆者だと認められていない被害者も数多くいるのだ。それを「乗り越えられない試練はない」などというマンガやドラマに出てくるような軽々しいフレーズを口にするとは……。とくに岸田首相は「被爆地選出の初の首相」であることが強調されてきたが、あまりに無神経すぎるだろう。

■原爆を「乗り越えられない試練はない」と… 岸田首相の無神経すぎるスピーチは安倍のコピペだった!

 無論、SNS上では、この岸田首相の言葉に対して批判が起こっている。

〈長崎の原爆被害からの復興を「乗り越えられない試練はない」と。それ、被曝者や原爆被害者に言う言葉でしょうか?〉

〈この言葉に気を失いそうになった 原爆は試練ではない!原爆は非人道的なもの!二度と使用してはならないもの!それを『試練』だと!唯一の被爆国のリーダーとして恥ずかしすぎる発言〉

〈原爆も戦争も、自然災害じゃないし、被爆地に言う言葉じゃない〉

〈そもそも人が起こした災厄に"試練"という言葉を充てている時点で、ただ言葉を弄んでるだけ、というのがまる分かり〉

〈乗り越えられなかった人は、死んでて発言できないから「乗り越えられない試練はない」ように見えるだけです〉

〈「乗り越えられない試練はない」って、励ましの言葉のつもりなのかなぁ。権力者が言うと、どんな悪政失政のしわ寄せがそっちに行こうと自力で乗り越えろという意味にしか聞こえないのだ〉

〈原爆で被曝したのは"試練"じゃないでしょう?〉

 あまりに当然すぎる批判だが、しかし、問題はこれだけではない。この「一木一草もない焦土と化したこの街が〜」からはじまる一節、じつは2020年に安倍晋三首相が長崎でおこなった挨拶とほぼ同じものなのだ。違いがあるのは、岸田首相の「美しく復興を遂げられたこと」の部分が、安倍首相のときは「美しく復興を遂げたこと」だったことだけだ。

 つまり、岸田首相による無神経かつ責任の放棄ともいえる一文は、3年前の安倍首相の長崎スピーチから「コピペ」してきたものだったのである。

「被爆地選出の初の首相」を喧伝しているくせに、前の首相の演説の一節をそのまま使い回すというやる気のなさ。しかも、岸田首相はロシア情勢やG7広島サミット、「ユース非核リーダー基金」の話題、3年前の安倍首相は被爆75年や核兵器不拡散条約が発効50周年など、触れた話題に違いはあれど、スピーチの中身の組み立ては安倍首相時代の「コピペ」スピーチとほぼほぼ同じ。「非核三原則の堅持」「『核兵器のない世界』の実現に向けて国際社会の取り組みを主導」「核軍縮」「被爆の実相への理解を促す努力」「被爆者の総合的な援護施策の推進」というお約束のキーワードが出てくる順番までほぼ一緒だ。

■安倍・菅以上に悪質!「被爆地選出の初の首相」とアピールするくせに、被爆者の思いを蔑ろにする岸田首相

 ご存知のとおり、安倍首相の広島・長崎スピーチは、前年とほとんど同じ中身だったり、広島と長崎でほぼ同じスピーチを繰り返したため、例年のように「コピペ」批判が巻き起こってきた。さらに、菅義偉首相にいたっては広島でのスピーチで「核兵器のない世界の実現」という肝心の部分で読み飛ばしをし、挙げ句、「原稿の一部がのりで貼り付いていた」などと言い訳。のちに情報公開請求によって原本にのりが付着したような形跡がないことが確認されている(ちなみに菅首相も長崎のスピーチにおいて、安倍首相の「乗り越えられない試練はない」というフレーズを使い回している)。

 じつは、岸田首相はこうした批判を意識し、昨年のスピーチでは〈自らの言葉で伝えることにこだわり、自らペンを手に推敲を重ねたり、何度も音読したりして慎重を期していた〉らしい(西日本新聞2022年8月10日付)。ところが、こだわったはずのそのスピーチは広島と長崎でほぼ同じ内容で、やはり「お前もコピペか」「思いがまったく伝わらない」と批判が起こる結果になったのだ。

 いや、問題はコピペ演説だけではない。今年の8月6日、広島の平和記念式典後に岸田首相は「被爆者代表から要望を聞く会」で複数の被爆者代表と面会したが、「唯一の被爆国としてぜひとも(条約に)署名・批准をしてほしい。それができない場合でもオブザーバーとして参加してほしい」という被爆者団体代表からの要望を、岸田首相は拒否。

 さらに、岸田首相はG7広島サミットでも「被爆の実相をしっかり伝える」などと喧伝していたが、広島では「黒い雨」を浴びた人たちを被爆者と認定する新基準が設けられた一方で長崎は対象外となったまま。これには「岸田首相による地元びいきではないのか」という声もあがっているが、被爆の実相を知るべきは岸田首相にほかならない。

 被害者救済への早急な対応も、核軍縮への展望も示そうとせず、昨年は被爆地でのスピーチを使い回し。そして今年は安倍首相による「乗り越えられない試練はない」などという無神経極まりない言葉を、よりにもよってコピペしてみせる……。今回、あらためてはっきりしたのは、岸田首相も実態は安倍・菅首相と同じで、「被爆地選出の初の首相」という看板を「政治利用」しているにすぎない、ということだろう。

 被爆地や被爆者、遺族の思いを無視しつづけながら、平然と「核軍縮がライフワーク」と口にする岸田首相。質の悪さという意味では、安倍・菅首相以上である。

(編集部)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/438.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 「マイナ保険証」登録後に解除可能へ…ゴリ押し河野デジタル相に厚労省が“NO”のクーデター(日刊ゲンダイ)


「マイナ保険証」登録後に解除可能へ…ゴリ押し河野デジタル相に厚労省が“NO”のクーデター
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327421
2023/08/12 日刊ゲンダイ

集中企画・マイナ狂騒(34)


「法律で決まっていること」(河野デジタル相=9日)/(C)共同通信社

 厚労省良識派のクーデターなのか──。8日に開催された「マイナンバー情報総点検本部」の会議でマイナ保険証を巡ってアッと驚く方針転換があった。健康保険証を人質にマイナカードの普及をゴリ押ししてきた河野デジタル相に、厚労省が「ノー」を突きつけた格好だ。

 ◇  ◇  ◇

 現行のルールでは、いったんマイナカードに健康保険証の利用登録をすると解除できない。ところが、総点検本部の資料では〈一度登録した後も、マイナ保険証の利用登録の解除を可能とし、資格確認書を交付〉とある。厚労省に聞いた。

「いろいろな指摘をいただき変更することにしました。もともとマイナ保険証の利用登録は任意である以上、登録を外したい方は解除できるようにすべきと考えました。いったん解除した後、再び利用登録をすることも可能です」(医療介護連携政策課・保険データ企画室)

 任意なのに一度入ると抜け出せないといういびつな運用を改め、脱出できるようにしたのだ。

「マイナンバーカードを普及させたいデジタル庁や総務省と異なり、厚労省の中には、人質のように健康保険証がカード普及に利用されていると思う官僚も少なくない。昨年秋に河野大臣がいきなり現行保険証の廃止をブチ上げたことも尾を引いている。そうした厚労省良識派の不満もあり、『任意だから解除も可能』という正論が通った格好です」(厚労省関係者)

 マイナンバーカードが手元からなくなる自主返納でなく、カードを持ったまま保険証登録だけを解除したり、再登録できるのはありがたい。

 デジタル庁の公開データによると7月30日時点のマイナ保険証の利用登録は約6500万人。現行保険証が廃止される来秋以降、「マイナ保険証vs資格確認書」の勝敗が数値で見えることになる。はたして、どちらを選ぶ国民が多いのか。

「マイナ保険証は発行から5年ごとの有効期限に合わせて市町村の窓口に行って更新する必要があるうえ、受診ごとに提示が求められます。蓄積された診療・薬剤情報を活用できる利点がありますが、実際にはデータの更新が遅く、使い物にならない。薬剤情報がタイムリーにわかる電子処方箋の普及はわずか2%程度です。一方、資格確認書の期限は最長5年ですが、マイナ保険証と違って更新時の申請は不要。自動的に送られてきます。それに、現行保険証と同様に月1度の提示で済む可能性が高い。マイナ保険証への不安や不信が払拭され、利便性が認められるようになるまでは、資格確認書に人気が集まりそうです」(医療関係者)

 河野大臣は9日、神奈川県の茅ケ崎市役所でマイナ保険証の体験会を視察。健康保険証の廃止については「法律で決まっていること」。廃止に疑問を持つ医療関係者もいると問われると、「お医者さんがどう思うかではなく、きちんとやるべきことはやっていただかなければならない」と国民の怒りに火をつけるような発言を連発した。来秋以降、マイナ保険証の利用登録がみるみる減ったら、河野大臣はどんな顔をするのか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/439.html

記事 [政治・選挙・NHK291] <政界地獄耳>自民党副総裁・麻生太郎の「戦う覚悟」発言の効果はあったか(日刊スポーツ)

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【政界地獄耳】自民党副総裁・麻生太郎の「戦う覚悟」発言の効果はあったか
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202308110000074.html
2023年8月11日7時33分 日刊スポーツ

★8日、台湾を訪問していた自民党副総裁・麻生太郎は講演で「今ほど日本、台湾、米国などの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」「もっとも大事なのは台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ。特に台湾と密接な関係にあり隣人である日本が、率先して、中国を含めた国際社会に向けた発信を続けることはきわめて重要」としたうえで有事を未然に防ぐためには日本や米国、台湾の「戦う覚悟」が必要だと訴えた。

★これを好戦的ととらえるのは、いささか性急ではないか。麻生の話し方や性格を見ればそう取られても仕方がない部分があると思うが、同行した自民党政調副会長・鈴木馨祐は9日夜のBS番組で「戦う覚悟」発言は「政府内部を含め、調整をした結果だ」とした。抑止力や「戦う覚悟」を軍事的にとらえれば麻生発言は中国政府の反発を買い、9日付の産経新聞が書いているように台北では麻生発言を受け、与党系の新聞は歓迎、親中メディアは「戦争をあおる」と批判の論争が始まったという。確かに9日、在日本中国大使館は「身の程知らずで、でたらめを言っている」「台湾は中国の台湾であり、台湾問題の解決は完全に中国の内政問題だ」と報道官談話を出して反発した。

★一方、公明党副代表・北側一雄が言うように「要するに、麻生氏がおっしゃりたかったことは、台湾海峡において、戦争を起こさせない、台湾有事は起こさせない、というところが一番の肝だったと思う。そのためにしっかりと外交的な努力をしっかり進めるとともに、東アジア全体の平和と安定を確保していくためには抑止力の強化も重要だという趣旨でおっしゃったんだろうと、私は理解している」が素直な見方ではないか。日本政府と麻生に思惑があったとすれば、中国が繰り返す「台湾問題は完全に中国の内政問題」という価値観を変えようとした世論づくりだろう。効果はあったのではないか。(K)※敬称略

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/440.html

記事 [政治・選挙・NHK291] 衆院選に出馬予定の尾形大作の意気込みがおもしろいから、もう一回、書いておこう。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ)

衆院選に出馬予定の尾形大作の意気込みがおもしろいから、もう一回、書いておこう。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/327374
2023/08/11 日刊ゲンダイ


尾形大作(C)日刊ゲンダイ

『政治のことはほとんど分かりませんが、命懸けで頑張ります』(尾形大作・演歌歌手)

 8月3日付のスポーツ報知によれば、自民党の茂木幹事長は大阪市内で会見を開き、次期衆院選で公認候補予定者となる8人を発表した。大阪18区は「無錫旅情」というヒット曲で紅白にも出たことがある演歌歌手、尾形大作さんに決定したらしい。

 尾形さんは、

「歌手業をやり今年で42年。全国の尾形大作のファンに恩返しをしたい」

 と意気込みを語った。そして、冒頭の言葉を述べたとか。

 んんん? 歌手業を長年やりつづけファンに恩返しをしたい気持ちはわかる。けど、それがなぜ政治家に?

 それも、ほとんどわからない物事に対し、どのように命懸けで頑張るというのか。

 おもしろいからもう一回、書いておこう。

「尾形大作、政治のことはほとんど分かりませんが、命懸けで頑張ります」

 ま、そういう議員もいることにはいる。異業種からその人気を請われ、客寄せパンダ的に議員になった者。

 過去、あたしはそういう議員とテレビ番組でご一緒した。プロデューサーから、くれぐれもということで、

「彼女に政治の話を聞くのはNG」

 といわれた。政治を語る番組だ。どうもプロデューサーも、放送ギリギリになって議員の秘書にそうするようにいわれたとか。結果、彼女は誰かが作った原稿を読んでいるように、自分の話したいことだけを話し帰っていった。

 それとはちょっと違うけど、今、地元であたしの夫の新ライバルになるといわれている男は、国会では無名人だが、地元の社長や金持ちオジジのお座敷に、こまめに顔を出すのを仕事としているような人だ。芸者仕事に長けているらしく。

 自民党、なんと人材豊富な党なのだろう。国会で質問の時間があまり、大作からまさかの「無錫旅情」アカペラを聞ける日は近いかもしれない。


室井佑月  作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

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