木原副長官妻の取調官が異例の実名会見「事件はまだ終わっていない」不可解な捜査終結に激怒!
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2023/07/29 日刊ゲンダイ
不信感をあらわに(佐藤誠氏)/(C)日刊ゲンダイ
「白か黒か、それとも灰色か、(事件は)結末まで至っていない」──。“伝説の取調官”が異例の反論会見に踏み切った。木原官房副長官の妻の前夫・安田種雄さん(享年28)の不審死事件をめぐり、週刊文春で実名告発した元警視庁捜査1課の佐藤誠氏(64)が28日、都内で会見。突然の捜査打ち切りや、事件性を否定する警察上層部への不信感をあらわにした。
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会場に詰めかけた約100人の報道陣の前に現れたのは、俳優の國村隼や小沢仁志を想起させる風貌のこわもての男性だった。佐藤氏は重要参考人となった木原妻の取調官として、事件の再捜査に携わった。
佐藤氏は会見冒頭、「断言しますけど、『事件性アリ』ですから」と強調。「『殺し』(殺人事件)を100件以上やってきたが、(捜査の)終わり方が異常だった」と、あまりにも不可解な捜査中止の経緯を振り返った。
種雄さんが東京・文京区大塚の自宅で遺体で発見されたのは2006年のこと。当初、自殺として扱われたが、事件発生から12年が経った18年4月、自殺と断定するには不自然な点が捜査資料に浮かび上がったことから、大塚署が洗い直しを行い、捜査1課が再捜査を開始。事件当時、種雄さんと結婚していた木原氏の妻を取り調べたのが、「落とせないホシ(犯人)はいない」と評される佐藤氏だった。
しかし、木原氏の妻への任意聴取を始めた18年10月上旬からわずか2週間後、佐藤氏の上司にあたる管理官が取り調べの中止を宣告。臨時国会の召集直前のタイミングだった。
以降、遺族の期待もむなしく、捜査は縮小。19年5月に打ち切られた。佐藤氏は当時から抱き続けた思いをこうブチまけた。
「殺人事件に時効はない。自殺か捕まえるかどっちかしかない。もし『灰色』だったら終わらない。殺人事件の捜査を始めたら、最後の『締め』として(遺族に)『こういう理由で終わります』と言わなければならないが、それもない。自然消滅みたいな。実際の約束は国会が終わったら(取り調べを)再開するよ、と。ところが、何も始まる様子もないし、被害者に対する『締め』もなかった」
佐藤氏は「後には引けない」と覚悟を語る
どうする(木原誠二官房副長官)/(C)日刊ゲンダイ
当然、遺族としては納得がいくはずもない。遺族は再捜査を求めているが、警察庁の露木長官は今月13日の会見で「警視庁において捜査等の結果、証拠上、事件性が認められない旨を明らかにしている」と主張。警視庁も「証拠上、事件性は認められない」「死因は自殺」との見解を堅持している。無情にも遺族の願いはかなっていない。
木で鼻をくくったような警察上層部の態度に、佐藤氏は会見で怒りをにじませた。
「誰が見ても自殺ではなく事件だ」「警察庁長官が、この事件を『事件性がない』『自殺』とか言っているので、それでカチンときた。被害者に対して、火に油を注ぐようなことを言っているな、と。被害者が可哀想だなと思って、『(文春の取材に対して)じゃあ、いいよ』と。別に正義感とかではなく、どうせやるからには全部話すしか手がないんだろうなと思っちゃったんです。それが、ここ(会見場)にいる理由です」
元捜査員が捜査内容を公にし、批判を展開するのは前代未聞。元警察官であるため、告発は地方公務員法の守秘義務違反に抵触する恐れがある。佐藤氏は「ここまで来たら、後には引けない」と腹をくくった様子。文春報道について表立った説明を避ける木原氏の対応に、「批判する立場にない」とする一方、「もう少しちゃんと説明すればいいのではないか」と注文をつけた。
28日の松野官房長官の会見によれば、木原官房副長官は「私が捜査に圧力を加えたとの指摘は事実無根だ」と松野長官に報告したという。異例の会見が、木原氏や警察の無慈悲な対応に一石を投じるか。
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