現行保険証廃止ゴリ押しなら…医療機関のマイナトラブル「年間600万件」衝撃の推計データ!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325482
2023/07/04 日刊ゲンダイ
集中企画・マイナ狂騒(10)
デジタル化どころか…(河野太郎デジタル相と加藤勝信厚労相=右)/(C)日刊ゲンダイ
医療機関でのマイナカードのトラブルが止まらない。岸田政権は来年秋までにマイナカードと連携した「マイナ保険証」に一本化し、現行の健康保険証を廃止する方針を崩していない。保険証が廃止されたら、どうなるのか──。全国保険医団体連合会(保団連)が3日発表した「トラブル推計」は衝撃的だ。
マイナ保険証のトラブルについて保団連は5月23日から6月19日に調査。41都道府県約1万の医療機関から回答があった。1万件のうち、8437機関(84%)がマイナ保険証のシステムを運用しており、このうち「トラブルを経験した」は、ナント5493機関(65%)に上る。トラブルは、「無効・該当資格なし」3640件、「無保険扱いで10割請求」1291件など。保団連はこの調査をもとに、現行保険証が廃止された場合のトラブル件数を推計した。
保団連の調査は1万件。現在、全国に18万ある医療機関で発生すれば、トラブル件数は9万8000件(5493件×18)だ。
現在のマイナ保険証の所持率は約5割だが、来秋の現行保険証廃止後も5割と仮定。残り5割は資格確認書を利用する。最新の外来でのマイナ保険証利用率は4.5%に過ぎないが、保険証が廃止されれば、所持者(5割)は100%マイナ保険証を利用することになる。4.5%から22倍だ。これに所持率5割を反映させれば11倍。全体のトラブルは108万件(9万8000×11)になる。 保団連の調査は2〜3カ月間で生じた件数なので年間400万〜600万件のトラブルが生じる計算だ。
窓口立ち往生、過大・過少請求、誤診療…
窓口で立ち往生… 保険診療が成り立たなくなる…(C)共同通信社
年間400万〜600万件というトラブル件数もハンパじゃないが、保険証廃止後のトラブルの内容も深刻だ。顔認証がうまくいかなかったり、暗証番号を忘れれば、窓口で立ち往生。現在は現行の保険証で確認できるが、廃止後は確認する手だてがない。マイナ保険証は負担割合の表記がなく、費用も確定できない。過大・過少請求が頻発する恐れがある。
カードに他人の医療情報がひも付けされていれば、誤診療や誤投薬の懸念もある。デジタル化に逆行した光景だ。
保団連の本並省吾事務局次長はこう言う。
「現在、医療機関でマイナ保険証のトラブルが発生した際、7割以上が現行の保険証で対処しています。現行の保険証があるから何とかなっているのです。現行の保険証が廃止されてしまうと、マイナ保険証によるトラブルが起きても、対処できなくなります。医療機関は所属の保険組合に請求書を送れなくなり、保険診療として成り立たなくなります」
マイナ保険証の一本化を機に廃院する医療機関も増えている。保団連によると、3月の医療機関の廃業数は約1000件に上る。今年4月にマイナ保険証のシステム導入が義務化されたことが大きな要因だ。さらに、保険証が廃止される来秋までに廃院を予定し、システム導入を見送った医療機関は1000件と推計されている。
JNNの世論調査によれば、来秋の保険証廃止について「延期すべき」と「方針を撤回すべき」との回答は合わせて73%に上る。
保険証廃止を貫く岸田政権は正気の沙汰ではない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/881.html