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2023年7月04日00時35分 〜
記事 [政治・選挙・NHK290] 強行すれば、さらなる混乱 デジタル後進国でマイナカードなんて100年早いわ(日刊ゲンダイ)

※2023年7月3日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年7月3日 日刊ゲンダイ

※文字起こし


限界をひた隠し、諸外国もやらない紐づけに焦る(岸田首相と河野デジタル相=右)/(C)共同通信社

 マイナンバーカードをめぐるトラブルは、ア然とするほど底なしだ。富士通の子会社が提供するシステムがまたやらかし、マイナカードを使った証明書交付サービスの再停止に追い込まれた。福岡県宗像市の庁舎内に設置された端末が先月28日、直前に発行した別人の住民票を誤交付。前回のコンビニ誤交付とは違う原因だという。5月からシステムを停止して6月18日に再開したそばから、サービス停止を余儀なくされた。再開時期は未定。その間、証明書の交付を受けたい場合は、自治体の窓口で直接申請する必要がある。国民の不安は増幅するばかりだ。

 岸田首相は「マイナカードは社会をデジタル化する上で重要なインフラであり、普及に努めないといけない」と繰り返し、2024年秋までの健康保険証との一本化、そして25年秋の保険証完全廃止に突き進むが、インフラとしての機能は日を追うごとに怪しくなっている。マイナカードの自主返納が後を絶たず、ツイッター上で「#マイナカード返納運動」が拡大するのも当然だ。マイナカードの取得はあくまで任意。返納届に名前や住所などを書いて自治体に提出すれば、誰でも手放すことができる。

 総務省によると、返納は5月25日時点で約45万枚。3月3日時点から3万枚増えたという。5月以降に個人情報の誤登録などが相次いで判明した影響は大きい。共同通信が都道府県庁所在地と政令指定都市の計52市区を対象に行った調査では、マイナカードの自主返納が少なくとも計318件あった。5月以降に21件の返納があった金沢市は「返納届に『信用できない』『問題が多い』などの記載があった」と説明したという。共同の世論調査で保険証と一本化した「マイナ保険証」をめぐるスケジュールの延期や撤回を求める声は計72.1%に上った。岸田政権は24年度末までにマイナカードに運転免許証の機能も持たせる予定だが、マイナ保険証の問題続出を目の当たりにして、そんな恐ろしい紐づけを進んでする国民が果たして何人いるのか。捕らぬたぬきの皮算用だ。

名称変更でイメージ刷新の弥縫策

 にもかかわらず、岸田はいまもって批判はどこ吹く風。先月下旬にデジタル庁に設置した省庁横断の「マイナンバー情報総点検本部」に命じた秋までの総点検をめぐり、懲りもせず拙速に事を運ぼうとしている。マイナカードの個人向けサイト「マイナポータル」から閲覧できる全29項目の情報を総点検する作業なのだから、慎重を期すべきなのに、8月末としていた中間報告の取りまとめを8月上旬に前倒しするよう関係閣僚に指示。岸田がイイ顔するために、締め切りを繰り上げられる自治体は迷惑千万だ。そうでなくても問い合わせや苦情、返納処理に追われ、業務は加速度的に増えている。

 そうした中、河野デジタル担当相は2日のNHK「日曜討論」で、マイナ保険証への切り替えについて「来年の秋に一本化するが、そこから猶予期間があり、現実的にはこれから2年半となる。おそらく問題はない」と強弁。「マイナンバー制度とカードが混乱している」として、「次にカードを更新するときには『マイナンバーカード』という名前をやめた方がいいのではないか」とも主張。マイナカードについてロクに説明せず、保険証との一本化を打ち出して取得を強制し、不信を増幅させた責任を棚上げ。マイナカードの名称変更にまで言及していたが、事務所とのトラブルで改名を余儀なくされる芸能人とはワケが違う。一連のマイナ問題の根底にあるのは、見切り発車のシステム運用、個人情報の粗雑な扱いだ。名前を変えてイメージ刷新なんて、小手先対応が通用するわけがない。

 保険証との一本化まで「あと2年半ある」などと嘯き、紙の廃止を撤回しない岸田政権だが、事実上の後ろ倒しで無能を認めざるを得ないていたらく。

 強行はさらなる混乱を招くこと必至だ。

IT土建国家化で増えるブルシット・ジョブ

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「SE(システムエンジニア)が激務ゆえに『IT土方』と呼ばれるのが象徴的で、この国は土建国家からIT土建国家に変わりつつあります。利権の温床だった公共事業が人口減少や過疎化で存在感を失う一方、政府が旗を振るDX(デジタルトランスフォーメーション)を契機にITインフラ整備に取って代わりつつある。マイナカードの普及はブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)。政府にぶら下がる企業連合の中で新たな利権を回すため、不要な紐づけを推し進め、天下りやキックバックの土壌をつくっているのです。マイナカード関連のデータ入力などを主業務とする時給1600円程度のアルバイト募集がいくつもかけられていることからも、政府の意図が垣間見える。総点検なんて口先だけ。システムが抱える根本的な問題の洗い直しや国民の不安解消に真摯に取り組むつもりはなく、人海戦術でやり過ごそうというのでしょう」

 岸田が「新型コロナウイルス対応並みの臨戦態勢」で総点検に臨むよう指示したのも、なるほど納得だ。コロナ禍をめぐっては、ワクチン接種事業でパソナなど大手企業による中抜きが横行。2020年6月に導入されたコロナ陽性者との接触を知らせるアプリ「COCOA(ココア)」の開発もデタラメだった。厚労省の委託先の企業が別の3社に対し、契約金額の94%で事業を再委託。再委託に関する厚労省の規定「原則2分の1未満」を大きく超えるやりたい放題の上、登録者に接触が通知されないなどの不具合が多発し、ダウンロードは約4000万件どまり。効果を上げるために必要とされた「国民の6割近く」には遠く及ばず、契約額にして約13億円に上るココアの開発・運用に要した費用はドブに捨てたようなものだった。

マイナカード問題に党派性なし

 デジタル後進国でマイナカードなんて100年早い。海外に目を向ければ、こんな乱暴なやり方で個人情報を紐づける国はない。ナチス・ドイツが「共通番号」によってユダヤ人をあぶり出した歴史の教訓から、ドイツやフランス、オーストラリアでは行政機関ごとに異なる番号を用いて個人情報を管理。イギリスでは06年にIDカード法が成立したものの、政権交代を経て10年に廃止された。米国には社会保障番号があるが、取得は任意だ。この問題に詳しいジャーナリストの堤未果氏は、本紙でこう警鐘を鳴らしていた。

「諸外国では貴重な情報を同じカバンに入れないのは常識で、セキュリティーの概念から、分散化に動いているのに、日本だけが逆行している」

「9.11後の米国では“落ちこぼれゼロ法”を作って貧しい子供の成績を軍に流させる『経済徴兵制』を整備したし、ロシアは今やデジタル赤紙がスマホに送られてくる。マイナンバーカードを作ってあらゆる個人情報が紐づけられたら最後、今の日本政府の様子では何に使われるかわかりません」

 コロナアプリでも露呈した役所と業者の限界をひた隠しにし、諸外国もやらない紐づけに焦る岸田政権の動きは、どこか戦前を思わせる。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。

「岸田政権が昨年末に安保関連3文書を改定したのは、27年までに中国が台湾に侵攻するという米国の仮説に従い、参戦する土台をつくるため。専守防衛を逸脱する敵基地攻撃能力の保有は、戦争国家を確立する第一歩です。マイナ保険証の強行は、国民の命をカタにして個人情報を一元的に吸い上げるためだと言っていい。すべての国民の情報を把握し、戦力となる国民を選別しなければ有事には臨めないからです。政府を平和国家の堅持に転換させない限り、この流れは止まらないでしょう。国民の命と生活を左右するマイナカードをめぐる問題に党派性はない。廃止に向けて誰もが手を結べるテーマで、正義は国民の側にある。立憲民主党をはじめとする野党の腕の見せどころですし、信頼回復のラストチャンスです」

 立憲は秋に見込まれる臨時国会に保険証廃止を一定期間延期するための法案を議員立法で国会提出するというが、生ぬるい。5日の衆院閉会中審査に肝心の岸田を引っ張り出せないのはナメられているからだ。岸田の暴政を本気で止めないなら、加担したも同然だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/878.html

記事 [政治・選挙・NHK290] 富士通のトラブルはマイナ証明書だけじゃない! 信頼失墜の背景に「胡坐」と「お手盛り」(日刊ゲンダイ)

富士通のトラブルはマイナ証明書だけじゃない! 信頼失墜の背景に「胡坐」と「お手盛り」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325426
2023/07/04 日刊ゲンダイ


信頼はガタ落ちだ(富士通の時田隆仁社長)/(C)共同通信社

 マイナンバーカードを使った証明書交付サービスで、また別人の住民票の写しが誤って交付されるトラブルがあったことが先月30日、明らかになった。システムベンダーはまたしても富士通の子会社(富士通ジャパン)だ。

 同様のトラブルが3月から5月にかけ頻発したため、同社はシステムを停止し、提供先の自治体など123団体を一斉点検。先月18日に再開したばかりだった。再びのトラブルでシステムは再停止。再々開の時期は未定だ。

 しかし、チェックが済んだはずなのに、なぜ同じことが起きてしまったのか。トラブルがあったのは福岡県宗像市。富士通の説明によれば、過去に別の自治体で起きた不具合に対するプログラム修正が、同市を含む41団体で反映されていなかったのが原因という。先に実施された一斉点検では、点検項目から漏れていたというからお粗末だ。

 富士通の時田隆仁社長は、5月24日に開いた中期経営計画のオンライン説明会で「住民が利用する行政サービスの信頼を損ねた」と謝罪したうえで、一斉点検後は「次から次へと起こるようなことはないと考えている」と言っていた。それが起きてしまったわけで、信頼はガタ落ち。既に、5月までにトラブルがあった横浜市や足立区(東京都)は富士通ジャパンを指名停止処分にしている。こうした対応が他にも広がる可能性がある。

「富士通の責任は重い」

 実は、富士通のシステムをめぐっては、近年、トラブルが多発している。2020年に発生した東京証券取引所の大規模なシステム障害では、独立調査委員会から「富士通の責任は重い」と指摘された。21年と昨年には、外部からの不正アクセスを受けた顧客情報の漏洩が3度も発生。8カ月も情報漏洩に気づかなかった不備があったとして、先月30日に総務省から行政指導を受けている。

 サイバー攻撃の被害者なのに行政指導は異例で、それだけ対策がズサンだと判断されたのだ。

「富士通は自治体など行政向けのシステムに強みがある。さらに最近は『経済安全保障』の観点から、政府が日本企業のシステムを使いたがる。そうした状況に胡坐(あぐら)をかいていたのだろう。マイナンバー事業の基幹システムも、富士通など大手5社が無競争のデキレースで受注し、関連システムも随意契約ばかりの“お手盛り”ですからね」(IT業界関係者)

 トラブルは起こるべくして起きたか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/879.html

記事 [政治・選挙・NHK290] <政界地獄耳>マイナ問題、未公表のミスまだあるのか 生活のための保険証は生活そのもの(日刊スポーツ)

【政界地獄耳】マイナ問題、未公表のミスまだあるのか 生活のための保険証は生活そのもの
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202307040000064.html
2023年7月4日7時52分 日刊スポーツ

★2日、デジタル相・河野太郎はテレビでマイナンバーカードのトラブル噴出について「問題が起きていろいろとご迷惑をかけていることはおわびを申しあげたい」とし、「マイナンバー制度と、マイナンバーカードが世の中で混乱してしまっている。次にカードを更新する時には『マイナンバーカード』という名前はやめたほうがいいのではと、個人的には思っている」と言い出した。個人的とはいえ担当閣僚でマイナンバーカードトラブルの総点検の本部長も務める閣僚の発言だ。

★ところが3日、定例会見で官房長官・松野博一は河野発言を「大臣の発言は個人的な提案であり、政府としてそのような方針について検討していない」とし、河野に発言の真意についてただす「予定はない」とした。この発言から幾つかのことが考えられる。1つは問題の担当大臣が相変わらず、テレビで軽々にすり合わせてもいない話をペラペラと話すことに、官邸が強い不快感を持ち、河野を単に突き放したということ。または政府はこの問題に関して公表していないトラブルや、致命的なミスが途方もなく広がっている可能性や、マイナンバーカード保持者が不安に駆られて解約や返納するという行動に出ていて、それがとてつもない数字に膨れ上がっていて、政府の方針など示せない状態。この際、無期延期という停止を発表するタイミングを官邸が見計らっているなどが考えられるのではないか。

★いずれもさもありなんという感があるが多くの国民、ことに年配者たちが健康保険証の一元化のために自らの医療環境を守ろうとマイナンバーカード取得に走ったものの、今では保険証のままでいいのではないかというのが社会の常識だ。身分証明のための健康保険証ではなく生活のための保険証は生活そのものなのだ。マイナンバー改正法は保険証との一元化だが、ほんの1カ月前に与党のみならず、維新の会と国民民主党が賛成したことを忘れてはなるまい。(K)※敬称略

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/880.html

   

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