躍進の維新に死角…地方議員774人で目標達成も“お膝元”大阪の市長選で取りこぼし
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2023/04/26 日刊ゲンダイ
手ごたえあり(日本維新の会の馬場伸幸代表(左)と藤田文武幹事長/(C)共同通信社
「次期衆院選で野党第1党の議席をお預かりする」──。統一地方選の後半戦から一夜明けた24日、日本維新の会の馬場代表は党勢拡大への自信をのぞかせた。今回の統一選で、維新の地方議員と全国の首長の合計は、選挙前の469人から774人(非改選含む)に勢力を上積み。「地方議員600人以上」の目標を達成したが、勢いは近畿限定だ。今回の当選者599人のうち、約64%が三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府5県に集中している。
統一選の結果を受け、藤田幹事長は「(次期衆院選の)すべての選挙区を対象に擁立作業を目指す」と意気込んだが、問題は「全国政党化」を狙うにも、定数1を争う小選挙区で勝ち抜けるかどうかだ。統一選の「維新躍進」には“死角”がある。象徴的なのが、最大地盤である近畿地方での市長選敗北だ。
公認候補を擁立した京都・木津川市と奈良・生駒市は、どちらも振るわず。推薦候補を立てた兵庫・姫路市長選も、自公が推す現職に大差で敗れた。
“お膝元”の大阪では、取りこぼしが目立つ。地域政党「大阪維新の会」から吹田市、高槻市、寝屋川市に新人を擁立したものの、いずれも現職に及ばず。寝屋川は幹事長である藤田氏の地元だが、現職にダブルスコア以上の差を付けられる大敗だった。維新幹部がタメ息交じりに語る。
「正直、現職有利とされる首長選は、党の人気や勢いが比例しない。現職の市政下では衰退の一途をたどると訴えても、住民が現状にかなりの不満を抱いていない限り、なかなか現職を破るのは難しい」
「躍進」と騒がれる中、「1強支配」を目指す大阪でも現職市長の壁に阻まれているのが現実。定数2以上を争い候補者が乱立する中選挙区のような地方選では強さを見せても、定数1の小選挙区では「勢いそのまま」とはいきそうにない。
「今すぐの解散総選挙は困る」
「維新の目標は、昨年の参院選が『ホップ』、今回の統一選が『ステップ』、野党第1党が『ジャンプ』です。ホップ、ステップはうまくいったけれども、次の国政選挙でジャンプするのは難しいでしょう。党勢拡大したとはいえ、地域にムラがあるし、地方組織は固まっていない。ある維新幹部は『今すぐに解散総選挙に打って出られたら困る』と明言していました。候補者の選定も今からですからね。今の勢いでも、よほど良い“弾”をそろえない限り、小選挙区で勝ちを重ねるのは厳しいと思います」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
近畿限定政党のくびきから逃れるのは、そう簡単ではない。
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