「【米国/日本】中国の土地買収を止めよう【及川幸久-BREAKING-】」
(及川幸久THE WISDOM CHANNEL YouTube動画 21分21秒 2023/4/6)
https://www.youtube.com/watch?v=lu1eUDFpRec
中国が米国の土地、主に農地を爆買いしており、危機感を抱いた米国の政治家たちが、
中国の土地買収を禁止する法案を超党派で進めているそうです。
すでに、中国が買収した米国の農地面積は、広大な農地を所有するビル・ゲイツよりも
広いそうです。
日本では、中国が北海道などの土地を買いあさっていることが話題になっていますが、
それが米国でも起きているのです。
これは武器のない侵略です。
日本では、最近、四国の土地も買収され始めているそうです。
戦争に備えて防衛費を上げても、足元の土地を買い占められては占領されたも同然です。
そのうち中国人が大挙して押し寄せ、やりたい放題することは目に見えています。
米国人は日本の土地を買えるし、逆に日本人も米国の土地を買えます。
しかし共産主義の中国は土地の所有を禁止しているので、誰も土地を買うことはできません。
これはどう考えても不平等です。
土地所有を認めない国の企業や個人には、日本の不動産の買収を全面的に禁止すべきです。
(関連情報)
「中国人が日本領土爆買い「北海道は中国32番目の省になる」 (ニュースポストセブン)」
(西大寺 2022/12/18)
http://www.asyura2.com/22/senkyo288/msg/900.html
「騒音、振動、悪臭のヒドすぎる実態…近隣住民が激怒『中国系トンデモ工場』無許可営業の全貌を空撮」
(FRIDAY 2023/4/11)
https://friday.kodansha.co.jp/article/305727
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/196.html
岸田首相襲撃犯が日本の選挙制度に一石 立候補年齢と世界一高い供託金は戦後見直しナシ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321795
2023/04/20 日刊ゲンダイ
投票できる年齢が18歳に引き下げられて7年。片や被選挙権年齢は今なお見直し無し(模擬投票の授業で1票を投じる高校3年生)/(C)共同通信社
この国の選挙制度に一石を投じたかったのか。首相襲撃犯の木村隆二容疑者が昨年6月に起こした国賠訴訟。代理人の弁護士を付けない「本人訴訟」で主張したのは公選法の年齢要件や供託金制度への不満だ。
昨年9月には地元の元市議の市政報告会にも参加。被選挙権年齢を「引き下げるべきだ」と意見していた。爆弾男の肩を持つわけじゃないが、この国は確かに立候補の「壁」が高すぎる。
無関心を助長する「シルバー民主主義」の打破
今年の統一地方選では、被選挙権のない複数の若者が不受理覚悟で立候補を届け出。6月に被選挙権年齢の引き下げを求める集団訴訟を起こす予定だ。もちろん、木村容疑者の動きとは一切関係ない。選挙権を持ちながら同年代を代表に選べない現状や、政治への諦めや無関心を助長する「シルバー民主主義」の打破に向けた異議申し立てだろう。
投票できる年齢が18歳に引き下げられて7年。被選挙権年齢は今なお25歳(知事と参院議員は30歳)のまま。現行憲法下で一度も見直されていない。選挙制度を所管する総務省は「社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定している」と説明するが、諸外国に比べ、日本の立候補できる年齢は高い。国立国会図書館の調査だと、世界の195カ国・地域の下院議員になれる年齢(2020年時点)は、17〜23歳が全体の67%。18歳が65カ国と約3分の1を占めた。
供託金制度に至っては世界の非常識だ。衆参の選挙区や知事に立候補する場合は300万円、比例区なら600万円を預け、有効得票率10%に満たなければ没収だ。売名を防ぐ口実だが、主要7カ国のうち米独仏伊に供託金制度はなく、カナダは17年に「違憲判決」が出て廃止。英国もその額は下院で500ポンド(約8万円)と日本の供託金は世界一高い。日弁連は昨年11月、大幅減額または廃止を求める意見書を政府に提出している。
「高額な供託金のルーツは1925年。選挙権の納税要件を廃止した男子普通選挙の実現により、労働者階級の議会進出を防ぐのが目的でした。そんな歪んだ制度が戦後も引き継がれ、今も国会での見直し機運は低い。資金力のある既存政党や世襲議員に有利な制度を手放したくないからです。立候補できる年齢も同様に既得権益を守りたがる。民主主義の根幹である選挙が事実上、制限されているのは大問題です」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
主張がどうあれ、暴力的手段は許されない。木村容疑者の暴挙が「普通の国民が政治家になれる国」を目指す動きの妨げになれば、ますます「既存政治家」の思うツボだ。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/197.html
岸田首相襲撃犯に“ネトウヨ”投稿歴 ツイート分析で透ける「格差にイラ立つ自民党支持者」の主張
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321886
2023/04/21 日刊ゲンダイ
黙秘を続ける木村隆二容疑者(C)日刊ゲンダイ
岸田首相襲撃犯の木村隆二容疑者(24)のものとみられるツイッターが注目を集めている。木村容疑者が黙秘を続ける中、凶行に至った動機や背景を知る唯一の手掛かりから、一体何が分かるのか。徹底分析した。
◇ ◇ ◇
アカウント名は「『被選挙権年齢・選挙供託金違憲訴訟』広報」。年齢制限や供託金を理由に昨年7月の参院選に立候補できなかったのは不当だとして、木村容疑者が国に損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した昨年6月から、襲撃事件4日前の今年4月11日まで計23件の投稿があった。
最初のツイートは、訴状の写真付きで〈参院選に立候補出来なかったとして、20代前半の原告が国を提訴しました〉と報告。衆院議員や地方議員、市区町村長が25歳以上、参院議員と都道府県知事が30歳以上と定められている被選挙権年齢や供託金に関し、〈成人以上の年齢を要求することや、300万円もの大金を支払わないと立候補させないことは、明確な制限選挙です〉と、強い不満を訴えていた。
昨年8月に国賠訴訟の第1回口頭弁論を終えた後、選挙制度そのものへの不満を訴えていた木村容疑者の怒りの矛先は、だんだんと世襲政治家にも向けられていく。
〈国政選挙に25歳、30歳で仕事を辞めて300万円供託して立候補しても、戦う相手は宗教団体の組織票、無料選挙運動員付きの既存政治家〉(昨年8月11日)
〈岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません〉(同9月8日)
恵まれた“既存政治家”への怒りと羨望
岸田首相個人に恨みがあったわけではなかった(C)日刊ゲンダイ
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)などの宗教団体の組織票を含む「地盤」や、「看板」「カバン」に恵まれた“既存政治家”への怒りがにじむ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が木村容疑者のツイートを分析したうえで、こう言う。
「当初、公選法の問題にフォーカスしていた意識が、資金力や組織票を持つ『既存政治家』への羨望の裏返しとも取れる憤りに変遷していく様子がうかがえます。岸田首相を名指ししていますが、恐らく、首相個人に恨みがあったわけではなく、世襲そのものや世襲が再生産する格差にイラ立ちを感じていたのではないか。カネや後ろ盾がなければ、政治家にはなれないという格差社会への恨みが根底にあるように思います」
木村容疑者は岸田首相や安倍元首相を指弾する一方、いわゆる“ネトウヨ”のような一面ものぞかせていた。
〈岸田首相「留学生30万人」見直し さらに増やす計画策定を指示〉というNHKニュースを引用し、〈自国民より外国人を優遇する政治家は国賊と言います〉などと投稿。自民党のウルトラ保守派のような排外主義的な主張だ。
もともとは自民党支持者だったか
地元の自民党系市議(当時)が開いた市政報告会に足を運び、自民党の国会議員に被選挙権年齢の法改正を直訴していた経緯も踏まえれば、もともとは自民党支持者だったと考えられる。
事件前の最後のツイートは〈投票だけは行っている、民主主義風の専制政治国家が日本です〉。こうした問題意識を持ちながら、まさに民主主義を破壊する暴挙に出たのは、短絡的と言わざるを得ない。さまざまな選挙で無所属などの独立系候補を多数取材しているフリーランスライターの畠山理仁氏はこう言う。
「確かに現行の選挙制度には問題があります。しかし、不備があると思うなら、同じような考えを持つ人々を結集して民主的なルールにのっとった戦い方で変えていくのが筋。今回の襲撃事件は、人前に出たくない候補者が街頭に立たない言い訳に使われてしまうかもしれず、それこそ容疑者自身が訴えていた制度改革を結果的に遅らせることになりかねません」
〈普通の国民が政治家になれる民主主義国を目指します〉とツイッターでうたっていた木村容疑者。自ら民主主義を踏みにじった今、何を思っているのか。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/198.html
テレビでは、岸田総理へ爆発物の木村君の『選挙制度を改正しろ。供託金を無くせ。』等の主張に対しては、専門家らも、『外国と比べても、確かに、その通りだ』と認めているが、間を置かず『だからといって、このやりかたは・・・』と、落とし所は、同じです。
つまり、彼らは、木村君の主張については、前々から、国会で議論すべきであることは、解っていたのです。でも、彼等の誰一人、今まで、それを口にしませんでした。
★『主張できる立場にいる者が主張しないのである。いや、主張させないのである。』
私も、衆院選・参院選とかに立候補しようと思いましたが、300万円もの供託金を供託しなくてはならないことに愕然とし、あきらめました。
腹が立つのは、党の後ろ盾がある者【世襲含む】・大金持ち等は、有効得票総数の十分の一以上の得票が必ずありますから、その供託金は戻ってくるのです。
木村君も私も、只、『自分の主張を選挙活動にて、国民に聞いてほしい』というだけですから、得票数が足らず、供託金は没収されます。【私達の悔しさ!分かりますか?】
■『これが、この日本の本当の、醜い姿なのです。』
■『そこ、気付いた人いますか?あいかわらず、国民はボーっと生きてるし〜!』
さて、話は変わりますが、前回の投稿の通り、『袴田さん再審弁護団にメール』した件ですが、『内容を確認させていただき、折り返し連絡させていただきます』と、直ぐに返信が来たのですが、案の定、その後、何の連絡もありません。
★『恐れていた通りとなりました。弁護士も裁判所・検察等と同じ穴のムジナでした。』
≪前回の投稿≫
『再審弁護団に、日本の未来を託す。『岸田総理に、裁判官・検察官の悪行三昧を通報すれば、袴田巌さんの無罪が確定しますよ』』_ 2023.04.14_阿修羅投稿
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/124.html
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●『あなたも、木村君のように、覚醒して、日本の本当の姿を知るべきです。』
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『私のブログ名:日本滅亡を回避せよ!〜『陸山会事件の真相布教』より 〜』
https://ajari4704.seesaa.net/
●≪【通報】の要旨【ちょっとだけ】を以下に記載。≫
★通報1:『陸山会裁判・小沢裁判は、冤罪裁判【天下りの暗躍の始まり】』
※日本滅亡を招いたのは、全て『天下りの暗躍』が元凶である。
★通報2:『裁判官弾劾法第5条4の条文の間違い【裁判官訴追委員会は、幻】』
※司法組織【裁判所・検察・警察等】の全てを再構築しなくてはなりません。
★通報3:『憲法第九条改正の真相【核戦争勃発のトリガー】』
※『憲法第九条』を改正した途端、日本に核ミサイルが降ってくるでしょう。
※【習近平国家主席と、バイデンとの、そうゆう固いお約束ですから。】
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『【第40回:最終回】国民の皆様、これを読んで洗脳から醒めて下さい。』
https://ajari4704.seesaa.net/article/201908article_1.html
★通報4:『アビガン・ワクチンの承認・促進は人殺し【人類滅亡の真相】』
※IPS細胞・アビガン・ワクチン等の研究者、製薬会社、病院経営者等は、天下りを暗躍させて、安価に提供できるSTAP細胞を亡き者にし、莫大な利益を得ました。
『催奇形性』があろうが、『Triton X-100【劇薬】』が含まれていようが、審議会委員を抱き込んで【利益相反取引】、『緊急承認』させていたのです。【激怒】
※致死量に達すれば、心筋梗塞・脳梗塞等で突然死する人が爆発的に増えます。
※30年後、『催奇形性』が発病し、日本は、ゾンビ【奇形児】だらけの国となります。
★通報5:『STAP細胞・Muse細胞【不老長寿の薬】を、アビガンの為に、抹殺』
2014年から『STAP幹細胞』を研究していたら、新型コロナウイルス感染症等の新種のウイルスの拡大など、そもそも、起きなかったと、私は思いますよ。
★通報6:『一時所得の条文の間違い』
『正義の弁護士を募集。浜松市に対し行政不服審査法【審査請求】違反で訴訟を提起。内容は、人類滅亡・日本再構築に発展します。』_ 2022.07.01_阿修羅投稿
http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/118.html
※なんともはや、全国の税理士等が、誰も気が付かないでいるとは・・・。【情けない】
※ここに登場する浜松市職員の言動は、官僚共と同じです。【これが、諸悪の元凶】
★通報7:『ゴーン氏裁判は、冤罪裁判【日産の西川元社長らの横領】』
※『天下りの暗躍』の最たる例示。
★通報8:『相撲協会の理事らの横領【貴乃花親方追放の真相】』
※貴乃花親方を追放した理由:理事らの82億円の横領。
★通報9:『消費税還付金を不当に横領【法人は1円も消費税を納付していない】』
※国庫補助金で建てた時に支払った消費税を、還付請求している。
※【キャッシュフロー計算書に記載が無いことは、理事長等の横領の証拠。】
★通報10:『国庫補助金を不当に横領【同額を財政投融資で二重に受け取っている】』
※『国立大学の施設費等の国庫補助金等は、総工費の3倍になっています。』
※【財政投融資を行う行政法人の天下り3人の役員の年俸1人当たり1,572万円。】
※【2〜3年勤めて、退職金764万円。】【激怒】
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/199.html
昭恵夫人まるで厄介者…甥っ子・岸信千世氏ようやく応援も世襲批判拡大に安倍派ビクビク
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321939
2023/04/21 日刊ゲンダイ
衆院山口4区補選でも涙ながらに訴えた(安倍元首相の昭恵夫人)/(C)共同通信社
大激戦の衆参5補選(23日投開票)を巡って、安倍元首相の昭恵夫人の動静に、政界から注目が集まっている。
昭恵夫人は20日、山口2区から出馬した自民党新人の岸信千世候補の応援に駆け付け、「主人がまいた種が信千世の中にも流れている」と涙ぐみ、「立派な成績で当選を果たさせていただきたい」と訴えた。
岸信夫前防衛相は安倍の実弟。その長男・信千世氏は昭恵夫人にとって甥に当たる。身内のはずなのに、応援入りは投票日の3日前という遅さ。熱のこもった応援演説ではあったが、政界では「昭恵さん、随分冷たくないか?」という声が上がっている。
「昭恵さんは、自ら候補擁立を主導した山口4区にいち早く入り、次に向かったのは、与野党の一騎打ちとなっている参院大分選挙区でした。当初は、信千世さんの負けはないとみられていたので、陣営としては昭恵さんに来てもらうまでもないと考えていたようです。しかし、現状は野党系無所属で民主党政権時に法相を務めた平岡秀夫さんが猛追。慌てて昭恵さんの応援をお願いしたそうです」(地元関係者)
昭恵夫人の応援が「逆効果」に
選挙の争点は「世襲」と「教団(旧統一教会)」だけに…(地元周りをする岸信千世氏)/(C)日刊ゲンダイ
これに“戦々恐々”となっているのが、自民党最大派閥の安倍派だ。信千世氏は当選後の安倍派入りが決まっているが、昭恵夫人の応援が「逆効果」になりかねないというのだ。
「信千世さんには、ただでさえ強烈な世襲批判が上がっている。そんな中、元首相夫人である『伯母』に応援に来てもらうというのは、世間にどう受け止められるか……。一族のオンブに抱っこで選挙を手伝ってもらっていると捉えられれば、世襲批判がさらに拡大しかねない。ひやひやものです」(安倍派関係者)
朝日新聞が14、15日、山口2区を対象に実施した世論調査では「世襲」について「好ましい」が23%だったのに対し「好ましくない」は49%とダブルスコア。世襲批判の拡大は選挙に直撃する可能性大だ。安倍派が慌てるのは無理もない。
「山口2区には安倍派幹部が続々と応援に入っており、事実上の『次期会長争い』の様相です。信千世さんの圧勝を自らの“手柄”にするため、皆、必死になっています。落選させれば一大事ですよ」(官邸事情通)
まるで厄介者扱いの昭恵夫人が安倍派にトドメを刺すことになるのか。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/200.html
真実はいつも一つでも仮説は多数
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-e0fa9d.html
2023年4月21日 植草一秀の『知られざる真実』
「陰謀論」とは何か。
重大な事象に関して、
「邪悪で強力な集団(組織)による陰謀が関与している」
と断定したり信じたりする行動を「陰謀論」と表現する場合が多い。
しかし、定義はあいまいであり、有力な「仮説」について、明確な根拠なしに、これを否定したいときに「陰謀論」というレッテルを貼ろうとする者が多いように見受けられる。
「陰謀」とは「悪だくみ」のこと。
良いことを計画する場合には「陰謀」の言葉を用いない。
悪いことを計画するときに「陰謀」という言葉が用いられる。
世の中に存在する「計画」のなかには「良い計画」と「悪い計画」がある。
悪いことを計画する「悪だくみ」は存在する。
現実に存在する「悪だくみ」が存在するときに、その発覚を恐れる勢力、その「悪だくみ」が露見することを阻止したい勢力が用いる言葉が「陰謀論」である。
現存する「悪だくみ」を的確に指摘する者が出現することがある。
このときに、この主張者の主張に多数の市民が影響を受けることを恐れるとき、この主張に「陰謀論」とのレッテルを貼る。
一般市民が「悪だくみ」を的確に指摘する言説に影響を受けないように、印象操作を図るのが「陰謀論」である。
したがって、「陰謀論」という言葉が用いられるときに、より強い注意を払うべき対象は、「陰謀論」で名指しされる発言者ではなく「陰謀論」だと主張する糾弾者の側である。
すべての者が目にしてきた重大事案のなかに、「悪だくみ」によって実行された事案は無数に存在するだろう。
人間という存在のなかに「邪悪」が潜んでいる。
「正義」や「誠実」も存在するが、他方に「不正義」、「不正」、「邪悪」、「悪質」も無数に存在する。
権力を有する者が「善良」、「正義」、「誠実」である保証など存在しない。
権力を有する者が「不正義」、「不正」、「邪悪」であった例は枚挙に暇もない。
したがって、人々に広く知られる歴史事実のなかに、「悪だくみ」によって遂行された事象が多数存在することは間違いない。
仮に、「悪だくみ」によって実行された歴史的事象について。その事実を的確に指摘する者が存在するとき、この指摘者の言説は「陰謀論」ではない。
歴史の真理を指摘した正当な言説でしかない。
2001年に発生した911同時多発テロ。
2022年2月に拡大したウクライナ戦乱。
国連で賑わう「地球温暖化仮説」。
そして、安倍晋三元首相銃殺。
さまざまな重大事象が存在する。
これらの事象についてはさまざまな見解、推論が存在する。
しかし、特定の推論が完全に正しいとの客観的証明はなされていない。
どの見立て、見解も、ひとつの「仮説」に過ぎない。
その仮説のなかに、権力者による「悪だくみ」によって事案が創作されたとの「仮説」があるにせよ、その「仮説」を「陰謀論」として排除することは適切でない。
このような「悪だくみ」があったとする仮説が存在する場合、その「仮説」が客観的事実によって明確に否定されていない状況下では、存立し得る一つの仮説として存続することが正当である。
911の同時多発テロには多くの疑わしい事実が存在する。
存在する事実と整合的な仮説が構築され、客観的事実と矛盾が存在しないならば、その仮説は現実を説明し得る有力な仮説の一つであって、「陰謀論」として棄却されるべきものでない。
「陰謀論」という言葉が用いられるときには、この点に十分な注意が必要である。
911の同時多発テロは米国の国家権力による自作自演であるとの仮説が存在する。
1985年に発生した日航ジャンボ123便の群馬山中への墜落事故は圧力隔壁の損傷が原因ではなく、外部からの「異常外力の着力」によって尾翼が損傷したことに伴うものであるとの仮説も存在する。
新型コロナワクチン接種後に観測されている死者の激増がワクチンに起因するものであるとの仮説も存在する。
地球温暖化仮説はこの仮説構築によって生まれるビジネスチャンス創作を目的に創作された合理性の乏しいものであるとの仮説も存在する。
これらの「仮説」は多くの事実に裏打ちされているものであり、「陰謀が存在する」ことを強く示唆する仮説ではあるが、「陰謀論」であるとして慎重な吟味なく棄却するべき言説でない。
「陰謀論」という言葉のマジック、印象操作に惑わされないことが重要だ。
下記の舩井メールクラブ企画告知もご高覧賜りたい。
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★経営指導の神様と言われた故・舩井幸雄さんが
つくった会社(株)本物研究所 社長の
佐野浩一さんと対談しました。
対談テーマは【日銀総裁が替わり、日本の政治、経済、
そして世界情勢はどう変わる?(序章)】
です。
大蔵省財政金融研究所時代に共同研究もさせていただいた
植田和男 日銀新総裁について語らせていただきました。
対談動画は4月26日(水)までの期間限定(無料)です。
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『千載一遇の金融大波乱
2023年 金利・為替・株価を透視する』
(ビジネス社、1760円(消費税込み))
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ウクライナ戦乱と資源価格インフレ
修羅場を迎える国際金融市場』
(ビジネス社、1870円(消費税込み))
をぜひご高覧ください。
Amazonでの評価もぜひお願いいたします。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/201.html
【衆院・山口4区】自民の「お涙頂戴」に対抗する立憲の「草莽の精神」 衆参5補選 現地ルポ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321940
2023/04/21 日刊ゲンダイ
話題は安倍ばかりじゃあ(衆院山口4区補選・自民党の吉田真次氏と駆け付けた菅前首相=右)/(C)日刊ゲンダイ
【衆院・山口4区】
吉田 真次 38 自新
有田 芳生 71 立新
渡部 亜衣 37政女新
竹本 秀之 67 無新
大野 頼子 49 無新
◇ ◇ ◇
「アベ政治」の是非をストレートに問う選挙戦だ。凶弾に倒れた安倍元首相の後継に昭恵夫人らが主導して擁立した前下関市議の吉田候補は「安倍先生の魂と遺志を継ぐ」と訴える。一方、ジャーナリストで前参院議員の有田候補は「アベ政治の検証」を主張。旧統一教会問題とアベノミクスと拉致問題を3大争点に掲げている。
皆が皆、声を震わせ
選挙手法も対照的だ。吉田陣営は安倍の死を涙ながらに訴える「弔い合戦」を展開。11日の出陣式では昭恵夫人が「(吉田に)たすきが手渡された時にいろいろなことを思い出して、涙が止まらなくなってしまいました」とハンカチを手にしながら語っていた。
19日の長門市の総決起大会では麻生副総裁と共に駆け付けたジャーナリストの櫻井よしこ氏も“お涙頂戴争い”に参戦。安倍のおかげで「GDP比2%の防衛費増額」など軍事力強化が岸田政権に引き継がれたと称賛した後、先日の岸田襲撃事件と昨年の安倍銃撃事件を対比してこう語った。
「岸田首相が無事でうれしかった。でも泣きました。『なんで安倍総理の時にそれができなかったのか』と思って」
これには同席した昭恵夫人がもらい泣き。演説を終えた櫻井氏が壇上で、慰める場面もあった。14日には菅前首相が下関入り。国葬での弔辞と同じように「アベノミクスは大成功」などと絶賛。非業の死を涙声で悼みながら、安倍を礼賛するのは吉田も同様だ。出陣式では「天上の先生もこの様子をご覧になっていると思います」「安倍先生は『(安保)法案は日本にとって必要』と、支持率が下がっても信念を貫き通した素晴らしい政治家だったと確信している」と声をふるわせ訴えた。
安倍礼賛vsアベ政治検証
元祖立憲トリオが結集(左から、応援入りした立憲民主の辻元清美議員と福山哲郎元幹事長。右が立候補の有田芳生氏)/(C)日刊ゲンダイ
対する有田陣営は、幕末に長州藩の庶民が立ち上がり、歴史を変えた再来を狙って「第三奇兵隊」なるボランティア組織を創設。「草莽の精神」で対抗している。吉田優勢という情勢調査の結果が出ても、本人は「反応は非常にいい」「こんなに面白い選挙はない」と明るい表情だ。
有田は、文鮮明教祖が釜山と下関を結ぶフェリーで初めて日本に降り立ったことから「下関は統一教会の聖地」と紹介。吉田の出陣式に参加した萩生田政調会長と下村元文科相、江島潔参院議員の3人を「統一教会3羽ガラス」と命名し、「統一教会と深い関わりを持った議員が何もなかったかのように活動。この現実を変えないといけない」と訴える。
15日には結党から行動を共にしてきた“元祖立憲トリオ”の枝野前代表と福山元幹事長、辻元参院議員がそろって応援演説。有田の戦う姿勢を称える一方、アベ政治の弊害を批判した。勝つのは「安倍礼賛」か、「アベ政治」の検証か。その結果には全国の注目が集まる。 =敬称略
(ジャーナリスト・横田一)
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/202.html
https://mainichi.jp/articles/20230420/k00/00m/010/261000c
さすがの公明党でも、これは「あかん」ということだろう。
以下は記事の全文。
公明党の北側一雄副代表は20日の衆院憲法審査会で、自民党の4項目の憲法改正条文案(たたき台)のうち、自衛隊を明記する9条改正案に「賛成できない」と述べた。公明が自民の条文案に明確に反対したのは初めて。今後の憲法審での議論に影響を与えそうだ。
自民は9条1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)をそのまま残し、「9条の2」を新設して自衛隊を明記する条文案をまとめている。「9条の2」に、9条の規定に関して「必要な自衛の措置をとることを妨げず」と記述している。
北側氏はこれについて「(自民側は)『妨げず』はあくまでも(戦力不保持の)9条2項の範囲内にあると述べているが、『妨げず』を例外規定として使用する法律は数多くある。9条2項の例外規定と読まれる余地を残すことになり、賛成できない」と主張した。公明は自民の条文案では、自衛隊の活動が際限なく拡大しかねないと警戒している。【加藤明子、畠山嵩】
記事は以上。
内容は、「公明が自民の条文案に明確に反対したのは初めて。」という事実を記事にしたもの。
「社会の木鐸」として、国民に向けた記者の「警鐘」、「叫び」といったものは無い。
その意味で、何とも、もの足りなく、歯がゆい・・・。
「踏まれても蹴られてもついていきます下駄の雪」
これまでも、「下駄の雪」と揶揄されてきた公明党も、さすがに、自民党の暴走する姿に、危険な「きな臭い臭い」を嗅ぎ取ったのだろう。
その臭いとは、「戦火に包まれた日本」の姿に違いない。
「(自民側は)『妨げず』はあくまでも(戦力不保持の)9条2項の範囲内にあると述べているが、『妨げず』を例外規定として使用する法律は数多くある。9条2項の例外規定と読まれる余地を残すことになり、賛成できない」
とした、北側氏の主張はその通りだろう。(疑問と不満は残るが・・・)
普通に日本語を理解する力があれば、当然の理解の仕方だ。
ここで自民党の改憲案を確認しておかねばならない。
自民党が説明した条文案は記事では把握しきれないが、過去の資料では次のようなものだ。
自衛隊明記案は,憲法9条1項及び2項をそのまま残した上で,9条の2として,「前条(9条)の規定は」「必要な自衛の措置をとることを妨げる」ものではなく,「そのための実力組織として」「自衛隊を保持する」という条文を加えて自衛隊を日本国憲法に明記するという案だ。
「(自民側は)『妨げず』はあくまでも(戦力不保持の)9条2項の範囲内にあると述べているが、・・・」
と言う、自民党の説明に説得力は無く、誰も納得はしないだろう。
「敵基地攻撃能力」を保有し、「相手が攻撃に着手した(と主観的に判断した)段階で、保有する敵基地攻撃能力を行使できる」と国際社会に向かって公言しておきながら、今尚「専守防衛」の理念から逸脱するものではない、と強弁する姿勢と同じで、見苦しい。
北側氏の懸念、「9条2項の例外規定と読まれる余地を残すことになり・・・」と言うのも、自民党が言う「・・・9条2項の範囲内にあると述べている・・・」、そのことに引きずられていて、全体を見失っていると言えよう。
9条2項の範囲内どころか、「・・・9条の規定に関して「必要な自衛の措置をとることを妨げず」・・・」
とすることは、「自衛の為」と主観的に主張しさえすれば、9条の埒外に位置することになり、憲法9条は無いに等しいことになる。
そのことを理解することは、難しいことではない。
この自民党の「案」の肝は、
「前条(9条)の規定は」「必要な自衛の措置をとることを妨げる」ものではなく,
という文言にある。
この「必要な自衛の措置」も、彼らの頭の中では、「主観的に判断した必要な自衛の措置」なのだろう。
自衛隊を明記するのは、あくまでも「口実」であり、注意をそらすための「撒き餌」に過ぎないと言えよう。
要するに、「自衛の為と言えば何でも許される、ジョーカー」を手にしたいというわけだ。
日本は、「憲法前文の理念」と「憲法9条」の規定により、国権の発動たる戦争は勿論、他国に対して「武力行使」も武力を背景とした「威嚇」も永久に放棄した。
そこから導き出されるのが「専守防衛」の理念だ。
他国領土、他国民に対して「武力攻撃」も「武力による威嚇」もしない、すなわち日本は他国に対する「軍事的脅威」にはならないと宣言した上で、
万が一に、我が国が、他国からの攻撃、侵略を受けた場合は、「専守防衛」を旨とし、文字通り「守りに徹し、攻撃に抗う」と宣言した。
そんな憲法9条に、
「前条(9条)の規定は」「必要な自衛の措置をとることを妨げる」ものではなく,
との記述が追加されたら、どうなるのか。
結果は簡単に想像がつく。
政府が、主観的に「自衛の為の措置」と言えば、「憲法9条は無きに等しい」ものとなる。
自民党の自衛隊明記案は,
現在の「憲法9条」を骨抜きにし、「専守防衛の理念」を捨て去り、
その上で、現在の「憲法9条」に縛られない、「戦争をするための自衛隊」を創設するというに等しい。
まさに、「ナチスに学べ」を地でいっていると言えよう。
憲法前文には、
「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、・・・」
と、先の戦争に対する反省とともに、日本を「戦争をしない国」にするとの決意が記されている。
そこに出てくる「戦争」とは、「我が国の自衛の為・・・」という口実を付けて、拡大してきた「侵略戦争」であることを忘れてはならない。
「そんな憲法」を持つ日本が、「自衛の為の措置」という言葉を付け加えることで、日本を再び「戦争をする国」にし、「専守防衛」の理念を放棄せんとする。
それはある意味「喜劇」であり、その結末は「悲劇」でしかない。
日本は、「敵基地攻撃能力を保有する」ことも、「行使する」ことも、憲法で禁じられている。
政府が、いくら、主観的に「自衛の為の措置」と言っても、
トマホークを相手の領土に撃ち込み、そこに住む他国民、老若男女、子供、乳飲み子、を差別なく殺傷して、罪に問われない日本人はいない。
「トマホークの発射ボタンを押せる日本人がいない」ことがすべてを物語っている。
それは、日本の憲法下では、無差別殺人でしかないからだ。
私達は、日本を「戦争をしない国」のまま、後世に引き継ぐ、重い責任を背負っている。
憲法前文にある、「・・・われらの子孫のために・・・」ということばの重みを噛みしめる必要があるのではないだろうか。
政府、自民党の、このような不埒な行いを放置し、傍観することは許されない。
、
仮にそのようなことがあれば、私達ばかりではなく、私達の子孫に、赤い色をした「ババ」を掴ませることになってしまうだろう。
「踏まれても蹴られてもついていきます下駄の雪」
公明党は、これまでもたびたび、当初は反対の姿勢を示し、平和の党を演出しながら、最後は「下駄の雪」となって、国民を裏切ってきた。
今度ばかりは、「下駄の雪」の汚名を返上してもらいたい・・・。
と言いつつ、期待しきれない気持ちは、どうすることも出来ないのだが。
それにしても、
「前条(9条)の規定は」「必要な自衛の措置をとることを妨げる」ものではなく・・・
これはないわ・・・。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/203.html
「戦える自衛隊に変えていかないと」と麻生さん…あのね、自衛隊はもう戦っている 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321911
2023/04/21 日刊ゲンダイ
戦える自衛隊にというが…(自民党の麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ
『今までの状況と違う。戦える自衛隊に変えていかないとわれわれの存立が危なくなる』(麻生太郎・自民党副総裁)
これは4月17日、麻生さんが福岡市で行った講演で述べた言葉。同日の『KYODO』の『麻生氏「戦える自衛隊に」安保環境の変化踏まえ』という記事の中の。
なんでも麻生さんは、『北朝鮮の弾道ミサイル発射や、台湾有事の可能性といった日本を取り巻く安全保障環境の変化に触れ』、冒頭の発言をしたのだとか。
そういや、「国難を突破する!」といって解散ぶっこいた時もあったなぁ。超少子高齢化や北朝鮮のことなど、なにひとつ急な出来事はなかったというのに。
麻生さんのいう、「我々の存立が危なくなる」という言葉の「我々」とは、なにを指しているのか。
日本であるというなら、憲法を勝手に解釈したりしない。そして、その理由を、あたしたちにきちんと説明しない、なんてことしない。あたしたちが日本なのだ。
冒頭の麻生発言の『我々』とは、憲法改正が悲願の一部の人のことなのか? いいや、それも違うかも。悲願の仲間ということでもなく、それらを選挙に利用する極少数の政治家が麻生氏にとっての『我々』なのだろう。
よって、自衛隊も仲間じゃない。ただの駒のような扱いだ。
あのね、自衛隊は、もう戦っている。米国から武器を大人買いはするけれど、現場の人には金をかけない政府のせいで、トイレットペーパーをケチらなければならない劣悪な環境下の元、一生懸命、私たちを守ってくれている。
地震や台風が起これば、真っ先に駆けつけてくれる。
下水道が溢れる不潔な水の中であっても、底が見えず釘などが飛び出てそうな瓦礫がたまってそうな所であっても、彼らは躊躇せず、私たちを助けるため前に進んできた。常に笑顔で。
室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/204.html
溶解始まる「安倍王国」 亡霊讃えるキモい弔い合戦 朝から晩まで泣き濡れて「安倍先生が−!」大概くどいぞ 【衆院補選めぐる記者座談会】
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/26386
2023年4月19日 長周新聞
4区の有田芳生、吉田真次、2区の平岡秀夫、岸信千世
安倍晋三元首相の急逝と、その実弟である岸信夫前防衛大臣の辞職によって執りおこなわれることになった衆院山口2区、4区の補欠選挙は終盤を迎え、いよいよ23日に投開票が迫っている。戦後からこの方、岸・安倍家という山口県政界を地盤にして中央政界で幅を利かせてきた自民党を代表する政治家一族が、お家断絶の趨勢に抗ってその血脈を引き続きつないでいくのか、はたまた3代で幕引きとなり力を失っていく瞬間になるのか、選挙結果に関心が高まっている。終盤にさしかかった選挙情勢やその特徴について、取材にあたってきた記者たちで情報を持ち寄って論議、分析してみた。
◇ ◇
A 今回の選挙は、何度もいうように10増10減の選挙区再編を前にした最後の衆院選になる。根拠は不明だが内閣支持率が45%超えとかで、G7広島サミットの後にひょっとすると解散総選挙が実施されるのでは? という憶測も永田町界隈では飛び交っているそうだ。長期政権を敷くために、タイミングを見計らって解散総選挙に打って出るというのはままあり得る話だ。
従って、この選挙で選ばれた2区、4区の代議士が何カ月の任期になるのかは定かではない。数カ月後には再編された新選挙区を巡るポスト争奪という展開にもなりかねないし、しばらくこうした喧騒が続くのだろう。いろんな意味でこの選挙は終わりの始まりに過ぎないのだ。誰が勝っても負けても、ほっと一息というものではない。
B ただ、岸・安倍家としては選挙区再編前に世襲や紐付きに現職代議士としてのポジションは引き継いでおきたいという願望があって、2区には岸信千世を担ぎ上げたし、跡取りのいない4区は市議だった吉田真次を、安倍昭恵なり清和会幹部の面々が派閥の選挙区確保という意地もあって擁立した格好だ。無理を押せば道理が引っ込むというが、地元の事情などお構いなしにかなり無理を押している。
いずれにしてもこれまで1区高村正大、2区岸信夫、3区林芳正、4区安倍晋三だったのが、新1区高村、新2区岸、新3区林になるのか、はたまた新1区林、新2区岸、新3区吉田になるのか、イス取りゲームがたけなわになる。4人の代議士のうち1人ははじき出されることになる。仮に今回の2区補選で岸信千世が落選した場合、自民党県連としては1〜3区総なめの願望も計算も吹き飛ぶことになり、4議席だった代議士ポストが2議席ともなりかねない。
山口県内の衆院選挙区再編(議員は2023年2月時点もの)
C 林芳正が新3区に挑むのか、はたまた宇部を地盤にした新1区にエントリーして高村と対決するのか、この辺りがいまのところ釈然としないし、本人が安倍派を恐れて「新3区に挑む」と明言しきらないものだから、曖昧模糊としたまま事が動いている。その過程での補選だ。
自民党関係者たちの常識としては林芳正が生まれも育ちも地元の下関、すなわち新3区に戻るのが筋というのがあるが、「安倍晋三の鉄板の選挙区」に遠慮して隣接の河村建夫の選挙区(3区)を横取りしたばっかりのタイミングで安倍晋三が銃殺され、「やっぱり戻ります」といい出すのも間が悪いというか、人としてどうなの? というか、なかなかのハレーションをともなうものがある。しかも安倍派からは「戻って来るな!」の攻勢がすごい訳だ。林芳正はそこでモジモジと足踏みしている。
今回の吉田擁立もはっきりいってしまえば「林を戻してなるものか!」の意地だけで安倍派はムキになっている。はっきりいって、吉田だろうが誰だろうが構わないといった調子だ。だから、出陣式等々で候補者は吉田真次なのに、あろうことか後援会長が「安倍真次」と名前を間違えて叫んだりする。伊藤会長はそのことでずいぶんと落ち込んでいるらしいが、ある意味正直に現状を映し出した一幕だったのではないか。吉田だろうが誰だろうが、安倍派の牙城を林に侵されてなるものか! の意地だけでどうも動いている。だから「吉田」の名前以上に「安倍」を前面に出しているし、これはいったい誰の選挙なのだろうか?と思うほどだ。
吉田陣営の出陣式。安倍昭恵を筆頭に、萩生田光一政調会長、下村博文元文科相、江島潔参院議員など統一教会の関連議員が勢揃いした(11日、下関市海峡ゆめ広場)
D 4区の自民党というか、安倍派の戦術としては徹底的に弔い合戦を仕掛けていて、寝ても覚めても「安倍先生がー!」「安倍先生がー!」と叫んでは泣いてをくり返している有様だ。まるでどこかの将軍様が亡くなって泣き濡れている国民とそっくりというか、第三者からすると偶像崇拝を見せつけられているような気がしないでもない。それこそ統一教会が問題になっている折に、極めて宗教チックな選挙戦をしているなと思う。
まず第一に吉田に付きっきりの安倍昭恵がそうであるし、「主人の最後の選挙!」などと吹聴しているくらいだ。もう亡くなっているのに――。それは裏返せば、吉田の選挙ではないといっているようなものでもあるのだが、応援演説する者のなかには「安倍先生の霊が彷徨っている」「この選挙で圧勝すれば魂が乗り移るのだ!」とか宗教みたいなことを叫ぶのもいる。本人たちは大真面目なんだが、「霊が彷徨っている」などといわれると、それって往生できないだけではないか? とも思ってしまう。いずれにしても霊がどうとか叫んでいる。
B 「安倍先生がー!」といっては泣き濡れる――。あんまりくり返すものだから少々しつこいというか、くどいというか、コイツらいつまで泣いているのだろうか? という受け止めは一般の有権者のなかでも正直あるようだ。安倍派に涙は似合わないというのがあるからだろう。
歴史的にこの選挙区を見てみても、安倍晋太郎の代から秘書には警察上がりが配置され、力でねじ伏せてきたのが実際だ。晋太郎から晋三へバトンタッチするさいに古賀敬章(元代議士)が“ケチって火炎瓶”のように叩きつぶされたのも極めて暴力的であったし、そのように逆らったら徹底的に制裁を受けるという恐怖政治によって一強が君臨してきた経緯がある。林派と持ちつ持たれつしながら、絶対的な権力を我が物にしてきたし、そのピラミッドの構造に投機する形で支援者・企業も形勢されてきた。利権だってでき上がっている。
安倍8年の長期政権時期には下関でも林派はどちらかというと冷や飯になって、市長、議長、副議長からすべてのポストを安倍派が牛耳って、しまいには芳正も3区に追い出される始末だったのだ。
そうやって威張り散らしてきた連中が、いまになってお涙頂戴をしても周囲としては萎えるというか、なんじゃそれ? と思ってしまうのも無理はない。林派なんて、ほんとに性格が悪いなぁ…と思うのだが「アイツら朝から晩まで泣いてるぞ」「いつまで泣いているのか」といって選挙模様を眺めながら笑っている。同じ自民党として選挙をとりくまないのか聞いてみると「別に知らない」とかいう。そんな温度だ。度胸があるのかないのか知らないが、これが完全ボイコットした場合は8万票などとてもではない。
林派県議の塩満が吉田の出陣式や総決起大会に出てこないといって安倍派幹部がキレているが、アイツは必死な形相をして唐戸界隈をチャリを漕いで走っているのをよく見かける。一応電動らしい。先日は電柱工事のおっちゃんに話しかけていたから、ひょっとすると「自民党に入れてくれ」と頼んでいるのかも知れないし、そうでないかもしれない。塩満が真面目に選挙をとりくんでいるかどうかなんて塩満以外には知らない。でも、安倍派の幹部たちはカンカンになっている。矛先は塩満というより林派なのだろう。
A ただ、新3区争奪が動いているタイミングで元々拳を振り上げたのは安倍派及び清和会ではないか。そして、ガソリンをぶっかけたのは安倍昭恵だ。「林芳正を新3区に戻すな!」「8万票とれば戻ってこれない!」とかいって、いわば林芳正排除のために大慌てで吉田を擁立している以上、これまた何度もいうように林派としては付き合う義理などない。「オマエら(安倍派)だけでやってろ!」と袖にするのは当然なのだ。殴りかかって通せんぼしておいて、「どうして協力しないんだ!」と逆切れするのもちょっと筋が違う。しかし、目前の選挙での得票がメンツにもかかわってくることから、事の道理とか筋などお構いなしに感情的になっている。もうぐちゃぐちゃだ。
どう転んでも安倍vs林 焦点は新3区争奪
D 4区における安倍派の目標は8万票なのはすでに知られている。そして「圧勝」を叫んでいる。「圧勝」といえるのはダブルスコア以上の得票差で、これは敵わないと思うような結果のことだ。ただ、前回衆院選における安倍晋三の8万票を吉田が同じように積み上げられるかというと、おそらくそれは無理と見られている。林派のボイコット(その加減による)もさることながら、豊北町以外の下関市、長門市では「吉田? 誰?」状態が普遍的なのだ。しかも、後援会長からして「安倍真次」とか叫んで名前を間違え、「吉田? 誰?」を先頭に立ってやっている。安倍派としては安倍晋三という亡霊の存在感をアピールしながら、候補者としては「吉田」を担ぐという極めてスピリチュアルな選挙戦を展開しており、いわゆるこうした弔い合戦とやらがどっちに転ぶのかだ。
保守の選挙通のなかには、吉田の得票が6万票台なら新3区を巡る林派との全面戦争に発展し、5万票台なら「吉田では無理」となる林派にとっては丁度良い案配となり、4万票台なら逆の意味で安倍派vs林派との全面戦争に発展する――と占う向きもあるようだ。どういうことかというと、6万票出したらそこそこ林派も選挙で協力したとはいえる結果だが、安倍派も引かず新3区を巡るポスト争奪はガチガチのバトルに発展する――。4万票台の大惨敗ならどう見ても林派が完全ボイコットしたことの証左であって、この場合は安倍派が激怒して新3区を巡る争いはさらに感情的にヒートアップしていく――というものだ。どっちに転んでも安倍vs林にならざるを得ない訳だが、メンツの話が動いている。
B 安倍vs林など知ったことかとは思うが、自分が仮に林派なら、安倍派最後の亡霊選挙など放って置いて、吉田に完膚なきまでに土をつける方が得策だと思う。
吉田擁立で安倍派は林芳正排除をしてきたが、選挙で土をつけることによって逆に安倍派排除をする――という選択肢だってあり得るのではないか。その度胸があるのかないのかは別だが、中途半端をして吉田が国会議員にワンポイントリリーフで成り上がるより、早々に排除する方がその後の新3区争奪においては近道なのだ。どのみち全面戦争は避けられないのだから、両者がっぷり四つで組んずほぐれつ燃えるようなパッションをぶつけ合って、本気の殴り合いをせよ! と思う。なにがつねりあいっこだよと――。おっかなびっくりでモジモジしてきた結末が4区からの逃亡だったのだ。当事者ではないが、ほんとうに情けない話だ。
A いわゆるパヨクと揶揄される人々のなかで「アベガー!」に分類されるというか、「アベガー!」「アベガー!」と騒いでいる人たちがいたが、山口4区の補選を見ていると、安倍派も「安倍先生がー!」「安倍先生がー!」ばかり叫んでいて、似たもの同士ではないかとも思う。「先生」をとり除いたら同じ「アベガー!」なのだ。統一教会ではあるまいし、このような特定の個人や一族への偶像崇拝をいつまで続けるのだろうか? という疑問がある。
もう県民葬も清和会メンバー勢揃いでやったとはいえ、どうせ「安倍先生の魂がー!」「霊がー!」とかやるなら、徹底的に宗教チックな選挙に染め上げて、駅前かどこかの広場に白装束か何かで支持者で集って、そこに統一教会の信者たちも全国から呼び寄せて、「安倍先生がー!」と叫びながら泣いていたらいいと思う。そんな選挙ではないか。下関は文鮮明が足を踏み入れた統一教会の聖地らしいから、そのくらいやればいい。泣きたい者に泣くなとはいわない。悲しければ泣きたいだけ泣けばいいのだ。
吉田事務所の実力は? 野党は受皿になり得るか
吉田陣営の総決起大会に駆けつけた菅義偉元首相(14日、下関市民会館)
総決起大会会場はかつてないほどに空席が目立った(14日、下関市民会館大ホール)
C 「安倍先生の霊が彷徨っている」ではないが、だからこそなのか、選挙態勢としては安倍晋三が生きていた時と同じ調子で、安倍昭恵が連れて回れば支持者は同じように動くと思っている節がある。だからなのか、なんだかズレている。陣営をとりしきっている面々も安倍晋三のネームバリューで押し切ってきたこれまでの選挙と同じ調子で采配を振るっているものの、どうも齟齬が生じているようだ。どう見てもこれまでと同じようには動いていないのだ。
吉田の出陣式は人が少なかったが、期間中に開催した総決起大会もひどいものだった。首相経験者の菅義偉まで呼んで市民会館の大ホール(1300人収容)を貸し切って開いたものの、見事なまでにガラガラだった。市長選での前田晋太郎の決起大会でもあれはない。安倍晋三の総決起大会になるとあの会場に入りきれずにロビーまで人が溢れていたが、それと比べてもあまりにも人が少なかったのが印象的だった。まず動員力がないし、吉田陣営の実力を端的に映し出していた。その場に市議、県議は揃っても、それ以外の支持者がポツポツしか集まらないのだ。市議、県議も真面目に選挙をとりくんでないといっていいレベルで、雁首揃えたとはいえ、恐らく本人たちも腹の底では「吉田? いい気になるなよ」くらいに思っているのだ。それで菅義偉が覇気もなく葬式みたいな演説をして、参加者たちが「あ〜眠たかった」といって帰っていた。
B この補選に向けて、安倍事務所としては看板を吉田事務所に変えて、秘書たちもほぼ戻ってきて体制をとっているといわれていた。ただ、筆頭秘書だった配川は公民権停止で身動きがつかず、また精神的にも参っているとかで、企業関係のとりまとめには四苦八苦していると当初から話題になっていた。ナンバー2だった畑村も事務所に出入りしているとはいえ無給のボランティアでしかなく、しかも「自分が仕えてきたのは安倍晋三である」という自負もあるのか、ご主人様を失った喪失感から立ち直れないのか、「吉田の選挙には身が入っていない」と安倍派の人々のなかでは語られている。ベテラン秘書では鮎川が元々担当していた長門に張り付いているそうだが、では大票田の下関は誰が仕切っているのか? というと、会計担当だった阿立は吉田陣営を仕切っている面々に排除されているのか揉めたのか事務所に出てこなくなったそうで、その他の若い私設秘書が走り回ったところでどうこうなるものでもない。
だからなのか、市議選で落選した長本とMアを急きょ秘書として雇ったといっても、自分の選挙すら落選する者が国政選挙をどうとり仕切るというのだろうか? 甚だ疑問だ。斯くして人的には「安倍晋三の生前と変わらぬ秘書軍団の体制」とは似ても似つかぬもので、それが選挙の様相にももろに反映している。陣営に盤踞して采配を振るっている中心的な面々も変化しているし、2万票以上減らした前回選挙と比べてもさらに弱体化している感が否めない。
こういったら怒る人もいるかも知れないが、「誰もついていかないような目立ちたいだけの安倍派2軍が旗を振り回している」と表現する人だっている。これは私が主観的感情からいっているのではなくて、「って、アイツがいっていた!」と取材源は秘匿しつつ、明後日の方向を指さして責任を放り投げたいと思う。だって、みんなが思っているのだからしかたがないではないか。そんな客観評価が得票に反映されるのだろうし、みんながついてくるのかどうか、吉田陣営で采配している4人組のお手並み拝見なのだろう。というか、単純に吉田陣営というより市議選の井川陣営じゃないかと思うのだが…。派閥を統率してきたリーダーたちが退いていく過渡期でもあるのだろうが、後援会としても次なるリーダーの育成が進んでいなかったことの弊害のように思う。「安倍王国が溶け出している」といわれるが、まさに溶解しているように見えてしかたがない。生々しくそのことを実感する。
A 斯くして、4区については本来なら自民党候補が圧勝するような構図ではない。しかし、メディアの事前調査では吉田圧勝と出ており、報道関係者たちのなかでは8時ゼロ打ちまで囁かれている有様だ。自民党としては得票は大幅に減らすであろうが、それに対して対抗馬がそこまで伸びないという見方が支配的だ。立憲民主党から有田芳生が立候補を表明して挑んでおり、本人や陣営は好感触も抱いているようではあるが、自民党候補の組織票を上回るほどの有権者の熱気があるかというと、どことなく静かな雰囲気が否めないのも事実なのだ。
有田芳生(中央)と、応援に来た立憲民主党の枝野幸男、福山哲郎、辻元清美(15日、下関駅前)
D 立憲民主党の蓮舫とか枝野、泉、辻元、杉尾といったテレビによく露出する代議士たちが駆けつけて応援演説もしていった。だが、第一に、4区において立憲民主党の存在感がそもそも乏しいのと、立憲民主党そのものになにがしらかの期待値があるかというと、そうでもないという空気もあるからなのか、「終盤にかけて怒濤の勢いで伸びている」とはいいがたい状況がある。この地域にルーツはあるとはいえ、もともと4区に根を張って政治活動を展開してきたわけでもないという限界性みたいなものはあるのかも知れない。
有田芳生の立候補そのものは好意的に受け止められているし、日頃選挙に行かない有権者が「今回は行こうと思う」「今回の選挙は面白そうだ」と口にしていたり、まるで変化がないわけではない。面白がっている人はいる。ただ、その有権者の世論が投票行動につながって、吉田の得票を上回らなければこれまた当選にはたどりつけないのだ。厳しめにいって甘くはないように思う。これはある意味、有田芳生云々以前に立憲民主党そのものの現在地をあらわしているのだろう。立憲民主党が前面に出てくれば出てくるほど有田が霞んでいく印象でもある。
山口2区は平岡秀夫が善戦 岸世襲に反発強く
支援者と握手をする無所属で出馬した平岡秀夫(16日、岩国市)
B 俄然面白くなっているのが2区だろう。拮抗していると見なされ、終盤にかけて完全無所属で出馬した平岡秀夫が本来強固だった地元の岩国固めに入っている。こちらは自民党候補としては岸信夫前防衛大臣の息子の信千世が出馬している。岸・安倍家としては唯一の世襲候補で、血脈を継ぐ者に当たる。それで本人も「ひい爺さんとおじさんは総理大臣」と政界のサラブレッドであることをもっぱら吹聴してきた。得票目標としてはおよそ12万3000票と大きく親父超えを掲げているが、なんだかずっこけそうな気配すら漂っている。選挙戦が始まって、聴衆の前に出てきて「あれっ?」と感じている人が自民党支持者も含めて少なくないようだ。
A 出陣式の演説について内容が乏しいと評判になっていたが、問題を縷々挙げるだけでそれをどう解決するのかが何もないとか、最終的には自分の演説に腹が立ってきたのかキレて怒鳴り始めるとか、ちょっと見ていて痛いなぁ…というのが率直なところだろう。聴衆に対してキレる候補者など見たことがないが、あれは誰に何にキレていたのだろうか? あの第一声はとにかく皆を驚かせていた。さすがに陣営や周囲も忠告したのか、その後の演説は多少トーンが変わってはいるが、中身が乏しいという特徴はそのままだ。おそらく小手先の問題ではないし、周囲としてはどうしようもないのだろう。
B 「キレる30歳」と保守系の関係者ほど話題にしていて、頭を下げることができず、先輩諸氏のアドバイスや忠告について立腹するのだそうだ。やれ、見かねた県議会議長の柳居俊学が小1時間説教したとか、さまざまな情報も飛び交っているが、それで「我こそは岸家のサラブレッドでござい」をするなら本人の勝手だ。田舎を小馬鹿にする信夫の嫁とか含めて、いずれにしても周囲としては手を焼いているようなのだ。
自民公認の岸信千世と福田良彦岩国市長(16日、岩国市)
まあ、30代で頭が高いというのは一般的には嫌われるわけで、「雑巾がけが足りない」とか、「まだ早い」とかいわれ方はさまざまだ。しかし、他に成り代わる世襲候補がいないものだから信千世が擁立された。それは選挙区としては中央政界における岸家の権力に投機するというものでしかないが、だからといって地元から「彼こそがリーダーだ」と押し上げられた訳でもなく、ゴッドマザーこと安倍洋子の強い要望というだけではないか。あと、佐藤派からすると、信千世が自慢してきた家系図に佐藤信二が含まれていないのが腹立たしいようで、「ふざけんな!」と話題にしている。これまた保守といっても一筋縄にはいかない。
A 岸・佐藤支配をいい加減に断ち切れ! という鬱積した有権者の思いは歴史的にあるわけで、仮に信千世が当選したとしても相当に競るのではないかと見られている。2区の場合、平岡秀夫がこれまでと違って一皮むけた感じで動いており、終盤情勢も見逃せない。
C 信千世がなんだかずっこけている一方で、平岡秀夫が上関原発や岩国基地について旗幟鮮明に主張しているのが際立っている。立憲民主党が上関原発問題について反対を鮮明に叫ぶと連合に怒られるといって発言させないのに対して、完全無所属で好きに主張しているのが受けている。原発や基地がミサイル攻撃の標的にされるとか、2区の有権者にとっては極めて現実的な脅威なわけだ。瀬戸内海が死の海になるというのも現実だ。親が被爆者だったとかも初めて耳にしたが、奥歯にものが挟まったような演説ではなく、はっきりと郷土が抱える課題についても立場を鮮明にして支持を訴えてみたら面白いのではないか。裏切りの民主党への幻滅感がよそに比べてもひときわ強い地域で、完全無所属で返り咲いたとなると、それはそれで今の政治状況をそれなりに反映している。決して甘くはないが、可能性は秘めている。
D 2区がひっくり返ったら、岸・安倍家としてはついにお家断絶だ。4区で吉田が当選したとして、それは血脈の継続ではないし、吉田派の誕生というだけだ。そして、4区の安倍派としてはかろうじて岸・安倍系統の残りカスになるわけだが、いったい「吉田派誕生」を誰が喜ぶのだろうか。メンツをかけて闘ったにしても、「安倍先生がー!」の当人はこの世にはいない。そして、「吉田先生がー!」という者など一人もいない。それはそれで新たな試練が始まることを意味している。新3区の争奪戦も安倍vs林の全面戦争に発展することは疑いないのだ。
A 前述したように、この選挙でほっと一息といったものではないし、これは終わりの始まりに過ぎない。しかし、なにがしかの山口県の変化を反映する選挙にはなると思う。引き続き山口県政界のてんやわんやについては部外者ながらウォッチングしていこうと思う。
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※2023年4月23日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
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※2023年4月23日 日刊ゲンダイ
※文字起こし
何の実績もない4代目が藩主の如く当たり前のように出てきて地盤を受け継ぐのか(左から、衆院山口2区補選の岸信千世氏と平岡秀夫氏)/(C)日刊ゲンダイ
衆院補欠選挙が行われている和歌山県で、岸田首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件は、威力業務妨害容疑で逮捕された木村隆二容疑者(24)が黙秘を続け、一番の関心事である動機がいまだ分かっていない。大メディアは「爆発物の蓋が60メートル離れた物置の壁に突き刺さった状態で発見された」などと、木村が自作したとみられるパイプ爆弾の殺傷力について詳細に報じ始め、警察は殺人未遂容疑での立件も視野に入れて捜査を進めているという。
いまのところ動機の一端につながる可能性があるのは、木村が選挙制度への強い不満から、国賠訴訟を起こしていた事実だ。参院選の被選挙権に30歳という年齢制限があることや300万円の供託金が必要なことを憲法違反だとし、「普通選挙ではない」と訴えていた。
さらに、木村のものとみられるツイッターを見ると、選挙制度批判が、議員の世襲批判や民主主義への疑問にまで広がっていて、その投稿が改めて注目を集めている。
ツイッターアカウントのプロフィルは<普通の国民が政治家になれる民主主義国を目指します>。投稿には<岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません><投票だけは行っている、民主主義風の専制政治国家が日本です>といった書き込みがあった。
政治に不満があるからといって暴力に訴える行為は決して許されないが、世襲政治家が当たり前の政界に違和感を持っているのは襲撃犯だけじゃないだろう。
山口ではありえない逆風
23日投開票の補選で最大の焦点は衆院山口2区だ。
自民党が擁立したのは岸信介のひ孫であり、安倍晋三元首相の甥で、岸信夫前防衛相の長男の信千世候補(31)。この政界のサラブレッド4世が、民主党政権時に法相を務めた無所属元職の平岡秀夫候補(69)に猛追され、横並びの大接戦となっているのだ。
「普通ならありえません。山口県で岸・安倍家の世襲候補が接戦どころか、敗北説まで流れている。ホームページで家系図を見せびらかしたり、まだ代議士にもなっていないのに東京で政治資金パーティーを開き、選挙資金集めをしたことが、地元の反感を買ったのは間違いありません。世襲を当然視し、庶民感覚とズレた上から目線には、さすがに山口といえども、『いつまでもそんな時代じゃないよ』と呆れる有権者が出てきているということでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
保守王国の山口県は、信千世が家系図で自慢した岸信介、佐藤栄作、安倍晋三を含め、全国最多の8人の首相を輩出している。選挙民は常に地元からの「次の宰相」誕生を求め、安倍亡き後は林芳正外相がトップに上りつめることを夢見る──そんな地盤ではあるのだが、岸信夫・信千世親子に対する反応は最初から少し違った。
健康問題が理由とはいえ、昨年12月に岸が突然、引退を表明し、地元には衝撃が走った。岸は同時に長男を後継指名。しかし、東京育ちの信千世は山口に馴染みが薄い。保守系の地方議員でさえ「本来は地元の課題に精通した人に出てもらいたい」と不満を漏らし、有権者からは「市民、県民のための選挙区を好きなように考えている」と非難する声が上がったと、地元紙が報じていた。
何の実績もない岸家4代目が当たり前のように出てきて、藩主のごとく、地盤を受け継ごうとする異常さ、異様さ。以前なら考えられなかった世襲への“逆風”は、山口の政治土壌にも変化の兆しが出てきているということなのだろうか。
ボンボン政治家に庶民の苦しみは理解できない
「信千世氏の当落は、岸田政権の行方を左右することになりそうです。落選すれば、県内で長らく続いてきた安倍系VS林系の対立が、清和会(安倍派)VS宏池会(岸田派)に発展し、党内政局が勃発しかねない。加えて、世襲が当然という自民党内の空気も微妙に変わる可能性がある。苦労して当選してきている非世襲の中堅や若手は、苦々しい気持ちを胸に秘めている。この先、麻生副総裁や二階元幹事長は後継をどうするのか。息子に継がせたいと考えていると言いますからね。岸田首相もそのために長男・翔太郎氏を首相秘書官にした。党幹部になればなるほど、世襲が横行する。自民党が劣化するはずです」(野上忠興氏=前出)
裏を返せば、信千世が勝利すれば、自民党は“世襲万歳”だ。岸田政権の横暴はますます増長する。翔太郎秘書官の物見遊山外遊や、「私人」であるはずの首相夫人が単独で公費訪米するどころじゃなくなるだろう。縁故主義全開で政治の私物化がさらに加速することになりかねない。
自民党国会議員の世襲比率はおおむね3割。1996年に小選挙区制度が導入されて以降、自民党議員の首相は9人いるが、世襲じゃないのは菅義偉前首相、ただ1人だけである。
世論調査などで「次の首相」として名前が挙がるような次世代のメンメンも、河野太郎、小渕優子、小泉進次郎、福田達夫……と、みな世襲だ。初出馬時から知名度バツグンで下駄を履かせてもらっている温室育ち。銀のスプーンをくわえて生まれてきたようなボンボン政治家に、年金削減や物価高に苦しむ庶民の実態が理解できるのだろうか。
非正規雇用で給料は自分が生活するだけで精いっぱい。何十年もかけて借りた奨学金を返済しなければならない。子どもをもうけるどころか、結婚したくても結婚できない。若年世代のそんな苦しみも世襲議員には一切無縁だ。
世襲候補は勝率8割
だが、政治を変えたくとも、小選挙区制では現職が有利だし、「地盤」「看板」「カバン」の揃った世襲議員は選挙にめっぽう強い。一昨年の衆院選公示直前の日経新聞の記事によれば、小選挙区制導入以降の8回の衆院選で、延べ8803人が小選挙区に出馬し、うち13%が世襲。驚くのは、比例復活を含めたその勝率の高さである。ナント8割に達する。非世襲候補の勝率は3割だ。ちなみに世襲候補は7割が自民党から出馬しているという。
ま、世襲候補を簡単に当選させてしまう有権者の側にも問題はあるが、これでは庶民感覚と乖離した特権階級の政治が延々と続く。当選回数を重ねる世襲議員が力を持つから、非世襲議員の発言力や影響力は低下し、自民党内は右へならえだ。自民党政権は安泰だろうが、この国の政治はますます劣化する。
国会では数の論理を振りかざして野党の質問にノラリクラリでまともに答えない。それどころか、GDP比2%に大増額する防衛政策の大転換や運転期間を60年超に延ばす原発回帰への大転換を、閣議決定で強行したように、国の形を変えるほどの重大政策もどんどん勝手に進めるだろう。国会なんてなきがごときありさまが固定化していくのである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「血筋で職業が決まるのは封建制であり、民主主義社会とは言えません。伝統文化の歌舞伎ならともかく、議員は公職ですよ。世襲の横行によって新規参入を狭め、多様性のある政治が阻害されている。山口2区で世襲候補が当選したら、『やっぱり日本は後進国』だと世界に誤ったメッセージを発信することになってしまう。国民一人一人が主権者として、政治のあり方と今後の日本の進路を示すべき時です」
果たして、山口の選挙民はどんな審判を下すのか。亡国の政治をさらに前に進めるのか、それとも風前のともしびとなっている民主主義を取り戻すのか。まさに分水嶺の選挙になる。
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