独裁カルト国家化する日本 それを後押しする元凶がテレビ局…というあり得ない構図 ラサール石井 東憤西笑
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2023/04/13 日刊ゲンダイ
フジテレビ社屋(C)日刊ゲンダイ
カルト教団や独裁国家かと目を疑う記事を立て続けに目にした。
元NHKの岩田明子氏が故安倍晋三氏を悼む文章。安倍氏を「光の人」と表現し、「日本史上、類いまれな戦略家で、外交、安全保障、通商分野において歴史を刻んだ首相だった」とつづっている。確かに誰しも生きていればそれなりに歴史を刻むが、北方領土は返らず、拉致問題は何も解決しなかった今の世界とは違うどこかのパラレルワールドの話かと驚く。
先日の松井一郎氏の最終演説。松井コールが起こり、動画を撮りながら何度も目元を拭う女性や「これが民主主義ですよ!」と興奮気味に叫ぶ男性がいたそうだ。2つの記事はまるでカルト教団が教祖を仰ぐがごとき勢いだ。統一地方選の圧倒的勝利を見ても維新のカルトは都市にとどまらず全国に広がりつつある。いや、維新だけではない。日本は新自由主義と極右が合体した、さらなるカルト国家になろうとしている。
大阪では放送局が吉本と組んで維新の後押しをしている。昔アラブの放送局が2つあり、一局はナセル大統領ばかり放送し、もう一局は「裏を見ろ」と叫び続けていたというジョークがあるが、まさに同じ状態。全部が維新の応援団だ。その証拠に三重県では維新が全く当選しない。放送的には名古屋と同じで、関西の番組が流れないからだ。
そして自民党も第2次安倍政権以来その状態が続いている。それこそ今話題の放送法問題だ。おそらくナチの手法を真似たであろうやり方が徐々に功を奏している。
それを問題提起した小西議員は、オフレコでしゃべったサル発言で鬼の首を取ったように批判され処分された、とくにフジテレビや産経新聞が攻撃した。メディアに政権が介入するのはそれこそメディアにとって最大の危機である。それに抵抗するどころか、味方を背中から撃つとは何事か。
対する高市大臣は詭弁(きべん)を弄して辞任もせず、ここでもフジの日曜報道で、その日のテーマとは関係ない自己弁護をとうとうと語り出した。司会は止めもせず話が終わったら、そのまま番組は終わった。
カルトという言葉が一般的になったのは、その昔フジテレビでオタクの重箱の隅的知識を競う「カルトQ」というクイズ番組からだ。皮肉にもそれから30年、フジのカルト化は完成した。
「ひょうきん族」の頃のおおらかなあのフジテレビはもう帰ってはこないのか。独裁カルト国家は完成してしまうのか。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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