日米の対中露戦の最前線で陸上自衛隊のヘリコプターが墜落
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2023.04.09 櫻井ジャーナル
陸上自衛隊のUH-60JAヘリコプターが宮古島の北西海域でレーダーから機影が消え、胴体前方下部や側面ドア、回転翼の羽根などが見つかったという。墜落したと見られているが、原因は不明のようだ。パイロットが空間識失調、あるいは心臓発作で操縦できなくなったのかもしれない。
宮古島には2019年に陸上自衛隊の駐屯地が建設されている。同じ年に奄美大島で、また2016年には与那国島、そして今年3月16日には石垣島でも自衛隊の施設ができている。
これらの軍事施設がアメリカの戦略と深く関係していることはアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が昨年に発表している。アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたとされている。
アメリカは中国だけでなくロシアとの国境沿いにミサイルを配備してきた。両国を軍事的に威圧し、場合によっては先制攻撃することが目的である。「防衛」というタグを付けようと意味はない。
アメリカの偵察機U2がキューバで8カ所の対空ミサイルSA2の発射施設を発見、9月には3カ所の地対空ミサイル発射装置を確認(Jeffrey T. Richelson, "The Wizards of Langley," Westview Press, 2001)、10月には戦艦と戦闘機でキューバを海上封鎖した。「キューバ危機」だ。
ソ連がキューバへミサイルを運び込んだ理由はアメリカの核攻撃計画にあったと見られている。SAC(戦略空軍総司令部)は1954年、600発から700発の核爆弾をソ連に投下して118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという作戦を作成、さらに300発の核爆弾をソ連の100都市で使うという「ドロップショット作戦」も計画していたのだ。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)
テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、統合参謀本部のライマン・レムニッツァー議長やSAC(戦略空軍総司令部)の司令官だったカーティス・ルメイなど好戦派は1963年の後半にソ連を奇襲攻撃る予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていた。ソ連が反撃するためにはアメリカの近くから中距離ミサイルを発射するしかない。
キューバ危機でケネディ大統領は10月22日キューバの海上封鎖を宣言したが、ライマン・レムニッツァー統合参謀本部議長やカーティス・ルメイ空軍参謀長など統合参謀本部の好戦派は即日ソ連を攻撃するべきだと詰め寄っていたという。
その好戦派はソ連の反撃能力を過小評価、SACはDEFCON3(通常より高度な防衛準備態勢)へ引き上げ、22日には一段階上のDEFCON2にする一方、ソ連を空爆する準備をしている。
その一方、10月27日にはアメリカ海軍の空母ランドルフを中心とする艦隊の駆逐艦ビールがソ連の潜水艦をカリブ海で発見、対潜爆雷を投下している。攻撃を受けて潜水艦の副長は参謀へ連絡しようとするが失敗、アメリカとソ連の戦争が始まったと判断した艦長はふたりの将校に核魚雷の発射準備への同意を求めた。
核魚雷は発射されなかったのは、たまたま乗り合わせていた旅団参謀が発射の同意を拒否したからだ。この核魚雷の威力は広島に落とされた原子爆弾と同程度で、もし発射されていたなら、現場にいたアメリカの艦隊は全滅、核戦争に突入した可能性が高い。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012 / Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury USA, 2017)
アメリカ軍がヨーロッパや日本で行っていることは、キューバ危機においてソ連が行ったことよりも挑発的だ。なぜ陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島の周辺を飛行していたのかを考えなければならない。
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