維新が大阪の街路樹1万本伐採計画…チグハグな「木を切る改革」よりも“害虫”退治が必要だ ラサール石井 東憤西笑
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2023/02/16 日刊ゲンダイ
銀杏並木の木陰は熱中症対策にもなっていた(C)日刊ゲンダイ
「身を切る改革」というのは維新の有名なスローガンだが、今はこれをもじって「木を切る改革」と呼ばれている政策がある。24年までに大阪の1万本の街路樹を伐採する計画だ。
決して「木を切る」ことが悪いというのではない。植樹も大切だが台風などで倒木する前に、病気だったり寿命だったりする木を伐採するのも危険を防ぐ大事な仕事である。今回も育ち過ぎて道路標識などが見えにくいというのも伐採の理由だ。しかしこれがちゃんと調査された、理由通りの伐採なのかという疑問が生じてきた。
毎日新聞によれば、ある街では銀杏並木20本に貼り紙がされ、2週間後に伐採すると書かれてあった。反対運動をする時間もなく容赦なく文字通り根こそぎ伐採された。景観もガラリと変わるだろうし、夏の木陰は熱中症対策にもなっていただろうに。
住民は「予算が抑え込まれていて管理が不十分になり伐採ありきで進められているのではないか」という疑いの目を向けている。維新の「身を切る改革」で人員や予算を削減した結果、管理する人も金もないからいっそ切っちまえ、てことじゃないの。という話だ。
しかもこんな間違いもあった。住吉区(私が生まれ育った所だ)の公園の樹齢80年のクスノキにも伐採の貼り紙が貼られた。住民が樹木医に依頼して調査したら「倒木の危険はない」と診断され市に抗議した。なんと市は10日後に調査が不十分だったと撤去を撤回したのである。しかもそもそもこのクスノキは安全対策事業の対象ではなかったことも判明した。いかにも維新らしいずさんな話だ。
だいたい維新政治は大阪城公園に吉本と組んでクールジャパンパークという箱物を造り、すでに388本の木を伐採している。とにかく人工物が大好き。なんでもLEDでビカビカに光らせれば人が集まると思っている。
次に彼らが進めている万博のシンボル的建物である大屋根は、すべて木造で、出来れば世界最大の木造建築になるとやら。やることがチグハグで何をしたいのかよくわからない。そういや神宮外苑の木も箱物のために切られる計画で反対運動が起きている。なぜ日本の施政者は木を切りたがるのか。
世界一暮らしやすい街と呼ばれるバンクーバー。その緑の多いこと。そして無理やりな都市計画ではなく100年もかけてじっくり形成された成熟した街。木が緑が人間と共に生きているような街、大阪もそうなって欲しい。そのためには木を食い尽くす害虫を退治しなければいけない。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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