「3.16株価大暴落」に市場は恐々! “暗黒の木曜日”再来を懸念する2つのイベント
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/318817
2023/02/17 日刊ゲンダイ
今年2023年度の春闘賃上げ率は2%台にとどまりそう(春闘2022=写真)/(C)共同通信社
今年の株価は堅調で推移しているが、今のうちかもしれない。
16日の終値は前日比194円高の2万7696円で大引けに。大発会(1月4日)の終値2万5716円よりも1980円高いが、市場関係者の間では「3月大暴落」を警戒する見方が浮上している。株価を大きく押し下げかねないイベントが控えているからだ。
【金融政策決定会合】
次期日銀総裁に経済学者の植田和男氏が就く方向となり、金融緩和が修正されるとの見方が広がっている。金利はすでに上昇しており、10年国債の利回りは日銀が設定する上限の0.5%付近を張り付いている。
「昨年末の0.25%から0.5%への上限引き上げ前のように、足元の国債市場は上限突破をうかがう動きをしている。3月9、10日に開かれる黒田総裁ラストの金融政策決定会合で、上限金利のさらなる引き上げなど“実質利上げ”に追い込まれる可能性が出てきています」(金融関係者)
金利上昇は景気を冷やす。また、国債の金利が上がれば、株を売って安全な国債を買う動きも出てくる。さらに、日米金利差の縮小により、円高が進行し、輸出銘柄が少なくない日経平均には逆風となる。
【春闘のヤマ場】
「1月の海外投資家の買越額は1兆2654億円と昨年7月(1兆7404億円)以来の大きさでした。海外勢が“シュントウ”(春闘)への期待から買いを進めるケースが目立っている。ユニクロの年収最大4割引き上げが報じられたり、岸田首相もインフレ率を上回る賃上げを繰り返し強調している。海の向こうからは今年のシュントウは盛り上がると映り、日本株の買いが膨らんでいるのです」(市場関係者)
海外投資家が大量投げ売り
物価上昇4%にも連合目標5%にもほど遠い賃上げ率に…(経団連が開いた労使フォーラムであいさつする十倉雅和会長)/(C)共同通信社
足元の消費者物価指数は4%台。連合は5%程度の賃上げを要求している。しかし、民間エコノミストの予測平均では、主要民間企業(資本金10億円以上で従業員1000人以上の労働組合のある企業)の今年の春闘賃上げ率は2.85%にとどまる。帝国データバンクによると、中小企業を含む1万1719社の調査では賃金上昇率(見込み)はわずか2.1%だ。
「物価上昇にも、連合の目標にも、ほど遠い春闘賃上げ率が明らかになれば、海外投資家は失望し、大量の日本株を投げ売りする可能性があります」(前出の市場関係者)
連合によると、経営側から賃上げの回答を引き出す「ヤマ場」は3月14〜16日だ。16日(木)は1929年の世界恐慌の引き金になった「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)」の再来となってしまうのか。
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