欧州で新型コロナ感染再拡大…岸田政権の水際対策“大幅解除”は最悪のタイミング
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2022/10/08 日刊ゲンダイ
ワクチン接種、陰性証明書で入国可能に(C)共同通信社
日本も「新型コロナの秋」に見舞われるのか。欧州では先月末から気温や湿度の低下に伴い、新規感染者数が急増。再び感染の波を迎えつつある。
英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によれば、100万人あたりの新規感染者数(1週間平均)はヨーロッパ全体で331.76人(5日時点)。感染再拡大が始まった2週間前の約1.3倍にあたる。特にイタリアは2週間前比2倍、ドイツは同1.7倍、フランスは同1.6倍と、感染者の増加傾向が顕著だ。
世界保健機関(WHO)の集計によると、日本の先月26日から10月2日までの新規感染者数は30.7万人。40万人のドイツ、31万人の米国に次いで3番目だ。7月中旬以降、10週連続で世界最多という不名誉な記録をようやく脱したが、正念場はこれから。日本は欧州から1カ月程度遅れで、感染者が増え始める傾向にあるからだ。
折しも、岸田政権が水際対策の大幅緩和に踏み切るタイミング。一部の国からの入国・帰国者に求めている空港での入国時検査は11日から原則撤廃する。1日最大5万人の入国制限もなくなり、個人旅行も解禁だ。
オミクロン株の亜種がさらに変異
コロナ禍で冷や水を浴びせられた観光需要の回復を見込むとはいえ、欧州は感染再拡大のさなか。米国でも新規感染者は1週間平均4万人と底が見えない。「水際解除」に踏み切るにしては、間が悪過ぎるのだ。
「ただでさえ、秋はウイルスが自然環境で生存しやすくなる季節で、感染が広がりやすいのはもちろん、やはり心配なのは、海外からの人の移動に伴う新たなコロナウイルスの流入です。欧米では感染者のうち、オミクロン株の亜種であるBA.4やBA.5系統のさらなる亜種が増えているといいます。米疾病対策センターはそれらに共通の変異に注目しています。免疫回避の特性を持っているのでしょう。季節的な流行要因や変異株の流入リスクを考えると、水際対策の撤廃は再考を迫られる事態になりそうです」(昭和大医学部客員教授・二木芳人氏=臨床感染症学)
欧州の一部では、ワクチン接種で得られる免疫の一部をすり抜ける厄介な亜種も増え始めている。岸田の決断は、また裏目に出そうだ。
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