東京五輪組織委元理事に贈収賄疑惑…2030年札幌冬季五輪招致には大打撃!
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2022/07/21 日刊ゲンダイ
多くのカネが動いた東京五輪(C)ロイター
「カネに汚れたスーツ」だったのか。
東京オリパラ大会組織委員会の高橋治之元理事(78)が、大会スポンサーだった紳士服メーカーの「AOKIホールディングス」から、自身が代表を務めるコンサルタント会社を通じて約4500万円を受け取っていたことが明らかになった。
組織委の理事は「みなし公務員」。スポンサーから職務に関する金品を受領すると、贈収賄罪が成立する。高橋氏は理事としての関与を否定しているが、読売新聞によると、高橋氏と20年来の親交があるという「AOKI-」の青木元会長は東京地検特捜部の調べに対し、高橋氏への資金提供を認めているという。
高橋氏は電通の元専務で、2014年に組織委の理事に就任。20年にはロイターが「東京五輪の招致活動において招致委から約9億円を受け取り、招致を支援したIOC(国際オリンピック委員会)委員のディアク氏にデジカメや腕時計を手土産として渡した」とし、高橋氏の名前を挙げた。フランスの検察はJOC(日本オリンピック委員会)がディアク父子に約2億円を払ったとして、当時の竹田恒和会長に捜査の手が及んだ。スポーツライターの津田俊樹氏が言う。
「高橋氏は『スポーツマフィア』としてその界隈で知られる。森喜朗ら東京五輪招致にかかわった人物はみな彼に頼りきっていたでしょう。高橋氏の存在は功罪両面あり、1991年の世界陸上や02年のサッカー日韓W杯は彼なしでは実現しなかったが、東京五輪招致をめぐる贈収賄疑惑で仏当局に捜査された竹田元会長は、慶応高校からの後輩で弟分。裏で取り仕切っていたのは高橋氏だといわれています」
今回、改めて五輪とカネの醜聞が浮上したことで、札幌市やJOC(日本オリンピック委員会)などが進める30年札幌五輪招致において、大打撃を受けるのは間違いない。
今回の疑惑発覚を受けてネット上では「真剣に誘致したいと思っている人には申し訳ないが、札幌は辞退で良いと思う。利権絡みは必ず出てくるし、解決されずに終わる。ちゃんと出来ないなら、やらなくていい」といった批判的なコメントが散見される。
前出の津田氏が「ノウハウを持つ高橋氏が頼りにされる可能性はあったでしょう」と言うように、国民の中で五輪へのダーティーなイメージが増幅したことは間違いない。
札幌招致を巡っては、ただでさえ3000億円規模の開催経費が必要なうえ、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、「IOCが独自に(札幌で)世論調査を極秘に行ったところ、過半数を割る相当低い支持率だったと聞きます」と明かしている。またぞろカネの問題が出てくる前に、サッサと手を引くべきではないか。
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