(上)からの続き
奮闘する青山雅治と小畑治彦
東京選挙区から立候補している青山雅幸(まさゆき)氏(55)は2017年に秘書だった女性へのセクハラ疑惑が『週刊文春』に書き立てられ、所属する立憲民主党から無期限党員資格停止処分を食らっている。同じくカルト新聞の『東スポ』はこの一件で彼を「ハイハイ青山」などと命名し、やゆしていた。青山氏は脱原発と日米地位協定改定を主張していた。
今回、青山氏に対しては、マスコミからのバッシングは見当たらないものの、ツイッター上で執拗(しつよう)に絡まれている。絡み主は、ビッグファーマの手先「こびナビ」副代表の木下喬弘(たかひろ)こと「手を洗う救急医taka」。それに「知念実希人 小説家・医師」のハンドルネームを語る者である。両者は同一人物との説もある。
絡む用件はもちろん、ワクチン接種と感染症対策だ。青山氏率いる自由共和党のスローガンは「過剰なコロナ対策と緊急事態条項に反対」。コロナ対策では、新型コロナウイルス感染症の2類相当から5類への引き下げや、20歳未満へのワクチン接種即時中止を訴えている。
「接種機会を逃して亡くなった妊婦さんや、コロナで亡くなったお子さんの前で言ってみろ。こっちは選挙の人気取りでやってるんじゃねえんだよ」などの木下氏のツイートに対し、訴訟準備に取りかかることをちらつかせると、攻撃はぴたりとやんだが。
天命党代表の小畑治彦(こばた・はるひこ)氏(36)も東京選挙区からの出馬している。
食料自給率100%を目指すことや、教育費完全費無償化、特別会計の透明化などを訴えている。日頃からコロナ茶番を糾弾していて、PCRセンターの前に宣伝カーを横付けし、受けるのをとどまるよう説得しているのを見たことがある。改憲にも反対で、青山雅幸氏と政策路線がほぼ同じである。SNSを含むメディア上でたたかれていないのは、小畑氏が当落上にいないとカルト権力にみなされているからだろうか。
国際カルトからにらまれているのではないかと一瞬疑ったのが、ごぼうの党である。比例代表に11人を擁立している。筆者が最初に目を留めたのは、同党がロート製薬のCMメロディーを丸パクリしているとの記事を『J-CASTニュース』が報じていたから。しかし、これも一種の宣伝にすぎないようだ。
『J-CASTニュース』は朝日新聞の幹部が独立して創ったウェブニュースサイトで、これまで植草一秀元教授や亀井静香元金融相ら国民を守ろうとする正義派のリーダーたちを攻撃してきた。党首の奥野卓志氏(48)の政見放送を見ると、およそ12分の持ち時間のほとんどを新型コロナをめぐる一連の感染症対策批判に充てている。つまり、反コロワンイシューの政党に映ったのである。
しかし、よくよく見ると、多くのマスメディアに肯定的記事が載っている。カルト夕刊紙の『東スポ』はこの政権放送のユニークさに注目する記事や、街頭演説の華やかさを報じた。『スポニチ』も、若者20人のダンスパフォーマンスが披露された街頭演説の模様を伝えている。同紙はまた、有名ユーチューバーの番組に党首の奥野氏が出演したことも取り上げている。『現代ビジネス』に至っては、「参院選の台風の目」との小見出しまで付けて同党を持ち上げる記事を載せている。
私はテレビを8年前に捨てたから、比例名簿に名を連ねる芸能人をほとんど知らない。唯一知るのはGACKTで、感染症対策を以前批判していたのを覚えている。うがった見方をすれば、ガチンコの反コロ候補者の票を横取りするために権力側がつくった集団ではないかとも思えてくる。その根拠はひとえにメディアの扱い方にある。
2020年4月の緊急事態宣言下、東京・歌舞伎町の「セクシーキャバクラ」に行ったことが二大カルト誌『週刊文春』と『週刊新潮』に掲載され、立憲民主党を除名された高井崇志(たかし)氏(52)が今回、れいわ新選組の比例代表として立候補している。2年前のメディアによる総攻撃の背景は明快だ。立憲民主党では経済政策に明るい数少ない所属議員で、2019年8月には山本太郎氏らと一緒にマレーシアを視察している。マレーシアはマハティール首相の下、消費税(GST)を撤廃した模範国。高井氏も消費税減税と積極財政を主張していた。
しかし、今回は全くメディアからの批判が見当たらない。カルト夕刊紙の『東スポ』には、武勇をたたえる記事さえ掲載されている。6月26日の NHK 『日曜討論』に「れいわ」幹事長として出演した際、消費税が法人税の引き下げに流用されているとの主張を自民党政調会長の高市早苗氏が「全くの事実無根」とこき下ろしたのに対し、高井氏は「自民党の方がでたらめ」と反論したのである。
党首の山本太郎氏は2020年6月告示の東京都知事選に立候補して以来、各メディアから肯定的に取り扱われるようになった。筆者の確信によれば、その際コロナ感染症に対する徹底した対策を主張したことにある。8割の接触を断つとする政府の政策を「生ぬるい」と批判し、「一刻も早いワクチン接種体制の整備」を唱えた。ターミナル駅前で開く「れいわ」名物、街頭記者会見のタイトルは「大ソーシャルディスタンス祭」と銘打たれた。マスク着用と各人1.5メートルの間隔を取ることを参加条件とし、至る所に殺菌剤のボトルが置かれた。
今回の参院選では山本氏の顔面から溶接工のような巨大なフェイスシールドは消えたが、主要政策の1つに相も変わらず「コロナを含む感染症対策の徹底」が掲げられている。そして、街頭演説には今も次の注意書きが添えられている。
・ご参加される方は必ずマスクの着用をお願いいたします。
・ご参加される方は、人と人との十分な距離を保つようお願いいたします。
・風邪の初期症状、風邪を引いている方、熱が出ている方、その他体調がすぐれない方はご参加をお控えくださるようお願いいたします。
自公政権もベーシックインカムの端緒となる全国民への一律10万円支給を実現したし、消費税減税策は景気対策を求めるほぼ全会派の主張とも重なり、財務省も半ば諦めた節がある。何ら脅威のない「新型コロナウィルス感染症」に対し、メディアに怒られない「大人の対応」を取る決断をしたれいわ新選組はもはや、国際カルトにとって何ら脅威でない証しかもしれない。
今回、安藤裕氏(57)も新党「くにもり」を結成し、積極体制による国民経済の救済を訴える。ただし今回は、メディアによるバッシングが影を潜める。これもひとえに感染症対策を口実にした国民監視・弾圧にだんまりを決め込んでいるからと確信する。れいわ新選組と同じ理由である。(下)へ続く
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