ロシア国民20万人が逃げ出した!プーチン大統領を窮追する「人材スカスカ」危機
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2022/04/08 日刊ゲンダイ
次々と離れていく(ロシアのプーチン大統領) (C)ロイター/Sputnik/Kremlin
ウクライナでは400万人以上が戦火を逃れて国外に避難している。一方、戦場ではないロシアでも国外脱出が相次いでいる。何が起きているのか。
トルコの地元メディアはウクライナ侵攻後、少なくとも1万4000人のロシア国民が入国したと報じた。ロシア人が事前のビザなしで入国できるトルコ、ジョージア、アルメニアなどにはロシアからの脱出者が大挙しているという。
IT技術者、富裕層の大量出国
国の将来に絶望し、出国できるうちに脱出をはかるロシア人は少なくない。ロシア人経済学者のコンスタンチン・ソニン氏の推計によると、侵攻後半月で約20万人がロシアを離れたという。中心は富裕層や知識層。出国するお金があり、政権に批判的な情報も知っているからだ。国家から次々に人が逃げ出すとは末期的だ。
政権にとって痛手なのがIT人材の流出だ。プーチン政権が次々とインターネットへの規制強化を打ち出したため、IT技術者の脱出が加速している。3月下旬の時点で5万〜7万人のIT技術者が出国し、4月にはさらに10万人が離れるとの試算もある。ロシア政府は3月29日、流出に歯止めをかけるため、IT技術者の兵役の「延期」を認めると発表。かなり慌てている様子だ。
政権内「打倒プーチン」も
ロシアの石油王ロマン・アブラモビッチ氏はトルコへ(トランジットのテルアビブ空港VIPラウンジで)/(C)ロイター
国際ジャーナリストの春名幹男氏がこう言う。
「ウクライナ侵攻後、海外企業は次々とロシアから引き揚げています。また、統制が強化され、多様な情報にもアクセスできない状態が続いています。とても、マトモなビジネスや研究が行える環境ではありません。ビジネスマンや研究者はこのままロシアに残っていても展望を開けないと思っているはずです。優秀な人材なら、他国も喜んで受け入れる。戦争を続ける限り、人材の流出は止まらないでしょう」
富裕層や優秀な人が次々と去れば、ロシアはスカスカの国になってしまう。
「国の発展にとって重要なのはやはり人材です。これ以上、優秀な人材が流出し続ければ、政権内でも危機感が強まり、戦争継続に『待った』がかかってもおかしくありません。それでも、プーチン大統領がかたくなに戦争を継続すれば、“打倒プーチン”の動きにつながる可能性があります」(春名幹男氏)
戦争にブレーキはかかるのか。
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