ウクライナでは広告会社がプロパガンダ戦を展開している
2022.03.27XML
ハリウッド的な話が語られるウクライナで広告会社がプロパガンダ戦で活躍
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203270001/
ウクライナ情勢だとしてハリウッド的な話が西側では流れているが、そのウクライナでは広告会社がプロパガンダ戦を展開している。この戦いに参加している会社の数は150社以上だという。イギリスのBBCは3月17日、ロシア軍が16日にマリウポリの劇場を空爆したと伝えたが、それを伝えたオリシア・キミアックは広告の専門家だ。
そのマリウポリから脱出した住民はカメラの前で、劇場を破壊したのはアゾフ大隊だと語っている。産婦人科病院への攻撃についても、その前に医師や看護師などスタッフ、そして患者は追い出され、戦闘員が入って要塞化されていたとしている。
病院についてはオンライン新聞の「レンタ・ル」もマリウポリから脱出した別の人物から同じ証言を得ている。その記事が掲載されたのは現地時間で3月8日午前0時1分。マリウポリからの避難民を取材したのだが、その避難民によると、2月28日に制服を着た兵士が問題の産婦人科病院へやってきて、全ての鍵を閉め、病院のスタッフを追い払って銃撃ポイントを作ったとしている。
ロシア軍が攻撃目標を軍事施設に集中しているとする指摘がアメリカ軍の内部から聞こえてくる。例えばニューズウィーク誌によると、軍の情報機関DIAは長距離ミサイルが攻撃しているターゲットは軍事施設だと説明し、住民が狙われているとする話を否定している。
また、ウクライナでもアメリカ政府はシリアと同じように生物化学兵器による「偽旗攻撃」が宣伝されているが、アメリカ国防総省の高官はロシアによる化学兵器や生物兵器の攻撃が差し迫っていることを示す証拠はないと語っている。
バラク・オバマ政権がネオ・ナチを使い、ウクライナでクーデターを成功させ、ビクトル・ヤヌコビッチを倒したのは2014年2月のこと。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はロシア語を話す人が多く、クーデター勢力と対決したり、ロシアに助けを求める人も少なくない。マリウポリもヤヌコビッチの支持基盤で、住民はロシアに親近感を抱いていた。
そのマリウポリへキエフのクーデター勢力は5月9日に戦車部隊を突入させ、銃撃で住民を死傷させている。その際、住民が逃げずに集まり、兵士に抗議、その様子は携帯電話で撮影され、世界に発信されたが、西側では住民を助けようとせず、大多数の人びとは沈黙していた。
その後、マリウポリを拠点にしたのが親衛隊の中核である「アゾフ大隊(またはアゾフ連隊)」。親衛隊はネオ・ナチを中心に編成された内務省の武装組織である。クーデター後に西部地域から移住した人でなければ、住民が恐れているのは親衛隊だろう。
戦争にプロパガンダはつきものだが、アメリカが広告会社を盛んに使い始めたのは1990年代以降だろう。例えば、1990年8月にイラク軍がクウェートへ軍事侵攻した際、アメリカ下院の人権会議でイラク軍の残虐性を涙ながらに少女「ナイラ」は訴えた。
しかし、この少女は駐米クウェート大使の娘。現場にはいなかった。アル・イダー病院でイラク兵が赤ん坊を保育器の中から出して冷たい床に放置、赤ん坊は死亡したという話は真っ赤の嘘だったのである。この「証言」を演出したのがPR会社のヒル・アンド・ノールトンだ。
1999年3月にNATO軍はユーゴスラビアを先制攻撃、破壊と殺戮を展開し、国を解体する。その前にセルビア人を悪魔化するための宣伝が繰り広げられた。その仕事を請け負ったのはルダー・フィン・グローバル・コミュニケーションという広告会社。1991年に「民族浄化」を行ったクロアチア政府がこの会社と契約している。
1999年にはアメリカのメディアにとって重要な出来事があった。アメリカ陸軍第4心理作戦群の隊員が2週間ほどCNNの本部で活動したのである。「産業訓練」というプログラムの一環で、編集に直接はタッチしていなかったというが、心理戦の部隊を受け入れると言うこと自体、報道機関としては許されない行為だ。その後、CNNはプロパガンダ機関色が濃くなる。アメリカ軍の広報担当、トーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの社員と同じように働き、ニュースにも携わったという。(Trouw, 21 February 2000)
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された際にも有力メディアは政府の宣伝機関として動き、侵略戦争に合意するよう人々を誘導した。リビアやシリアでも嘘のオンパレードだったことは本ブログでも繰り返し書いてきた。
日本でも広告会社が政治に果たす役割が高まっているようだ。
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