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2021年12月08日06時30分 〜
記事 [政治・選挙・NHK284] 維新・国民の文通費の改正法案はマネロンと言う大きな抜け道付き(まるこ姫の独り言)
維新・国民の文通費の改正法案はマネロンと言う大きな抜け道付き
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2021/12/post-a8f824.html
2021.12.07 まるこ姫の独り言


維新・国民は双子のように文通費の欠陥を指摘するが、肝心なところが抜けていることは言わない。

維新の馬場幹事長は、(1)日割り(2)領収書の公開(3)余った場合は返納。

これを称して文通費見直し3点セットと言っていた。

この2党は、今や、文通費改正法案を提出して世間を注目させるアピールに必死になって正義の味方を演じ続けている。



そして、松井などもろに立憲を挑発し、与党より野党批判を目の色変えてしているのが現状だ。

どうもいろんなパフォーマンスで世間の注目を浴び、野党第一党を狙っているのではないか。

立憲、しっかりしろと言いたい。

維新に言いたい放題言わせていいのか。

その2党提出した文書費改正法案には大きな抜け道がある。


改正法案提出も…文通費返還抜け穴≠り!政治団体へ寄付ならマネーロンダリング
 12/7(火) 11:30配信 東スポWeb

>文通費の改革を猛アピールする維新だが、政治資金に詳しい関係者は「維新は使途を公開し、残額を返還できるようにするとアピールしていますが、この問題のキモはそこではない。文通費の改革を猛アピールする維新だが、政治資金に詳しい関係者は「維新は使途を公開し、残額を返還できるようにするとアピールしていますが、この問題のキモはそこではない。政治団体への寄付の禁止を盛り込まないと実質的にダメなんです。前衆院議員の丸山穂高氏も指摘していますが、政党に寄付ができれば、お金に色は付けられないからブラックボックス化される。残額を返還といっても、寄付して残らなかったなんてことも起こりかねない」と、法案の“抜け穴”を指摘する。これでは“マネーロンダリング”だ。

まったくこの記事の通りで、維新はわれこそは身を切る改革党とのアピールに余念がないが、やっていることは姑息で、大きな抜け道を作っている。

幾ら維新が力説しようと、「政治団体への寄付の禁止」を盛り込まないと意味がない。

この政治団体への寄付行為は維新のやって来た手口だ。

まだそれは止める気が無いのか。


今までも散々自分達の政党への寄付をやってきて、なにが「文通費見直し三点セット」だ。

これだと余ったお金を国庫にと言っても誰も余らせない。

少しでも余れば全部自分達の政党に寄付すればいいのだから。

それは維新が一番知っていることじゃないか。


維新は、セルフ領収書、吉村自ら文通費100万不正などたくさん後ろ暗いところがあるが、それを指摘されないために野党批判を行っているのではないか。

自民党が本腰を上げて臨時国会で「文通費改正法案」を審議する気が無いからこそ、それを見越しての華々しい演出だと思う。

維新は、未使用分の文通費はこれからは政党に寄付はやめて文通費専用の別口座を作って国庫返納をするみたいな話が出ているが、本当にヤル気があるなら、他党に先駆けて黙って維新や国民が率先して初めて下さい。

そもそも、そんなややこしい事をせずに、きちんと「政治団体への寄付の禁止」を法律に書けばいいだけの話なんだけど。。


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/520.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 万博でも維新がインチキ!「税金使わない」はずが周辺整備にまたぞろ30億円、医療や保健所削減の一方でカジノの隠れ蓑に多額の税金(リテラ)
万博でも維新がインチキ!「税金使わない」はずが周辺整備にまたぞろ30億円、医療や保健所削減の一方でカジノの隠れ蓑に多額の税金
https://lite-ra.com/2021/12/post-6093.html
2021.12.07 万博でも維新がインチキ!「税金使わない」はずが周辺整備に30億円 リテラ

    
    日本維新の会HPより

 文書通信交通滞在費(文通費)問題をめぐり、またぞろ吉村洋文・大阪府知事や松井一郎・大阪市長がしゃしゃり出て「こんなの国民の税金に群がるシロアリだよ」「札束で小遣い認める国会」などとがなり立てている。

 だが、こうして吉村・松井両氏が「税金の無駄遣いだ!」とパフォーマンスに勤しむ一方、当の大阪で、絶句するような「税金の無駄遣い」が判明した。

 というのも、2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲に新設される夢洲駅(仮称)の改札前広場やエレベーターの設置といった周辺整備について、大阪市は今月2日、市が負担する総工費が約30億円にのぼると公表したからだ。

 これらの整備について、大阪市は当初、税金は使わず事業者に負担させるとし、今年4月に月額1259万円以上の賃料を条件にして開発・運営の事業者を公募。ところが、期限の7月までに応募した事業者はゼロ。そのため、市が公金を支出して整備することとなったのだ。

 大阪万博をめぐっては、夢洲へのシャトルバスの専用道として大阪市が整備している高速道路「淀川左岸線」2期工事でも土壌汚染が確認されたことから、当初の整備費約1100億円は約1800億円となり、700億円もの負担増に。さらに、国、府・市、経済界が負担することになっている会場建設費も、暑さ対策などによって当初より1.5倍増となる最大1850億円にものぼっている。

 それでなくても新型コロナの発生によって、当初の万博の計画は狂いを見せている。実際、現在UAE(アラブ首長国連邦)で開催中のドバイ万博では、今月11日に大阪万博をPRするイベントが開かれる予定だったが、オミクロン株の影響で中止に。いや、大前提として、3年半後に大阪万博を計画通りに開催できるのか、当初の経済効果を見込めるかは不透明だ。そして今後、建設・整備費の公金負担はさらに増えていくのは必至だろう。

 だが、今回判明した夢洲駅周辺の整備費約30億円が「税金の無駄遣い」であると指摘せざるを得ないのは、この大阪万博が「カジノありき」で進められてきたからだ。

■カジノ誘致の隠れ蓑にするために万博会場を無理やり「夢洲」に選定した松井市長

 そもそも、大阪での万博開催決定前の2014年におこなわれた立地調査では、候補地としてあがっていたのは花博記念公園鶴見緑地や万博記念公園といった万博跡地、関西国際空港に近いりんくう公園・りんくうタウンといった場所で、夢洲は交通アクセスの不備が指摘されていた。また、翌2015年7月には府や経済界などでつくる検討会が府内6カ所を候補地として選定したが、そこに夢洲は含まれていなかった。

 ところが、2016年5月21日に当時大阪府知事だった松井一郎が菅義偉官房長官と東京都内で会談し、その場で「会場候補地は夢洲を軸に検討する」と方針を伝達(朝日新聞2016年5月23日)。同年7月22日に開かれた「2025年万博基本構想検討会議 第1回整備等部会」の議事録によると、事務局の担当者が「夢洲は、要は知事の試案ということで、知事の思いということで、この場所で出来ないかということでお示しをした場所でございます」と発言している。

 つまり、大阪万博を夢洲で開催するというのは事実上、松井氏によるトップダウンの決定だったわけだが、松井氏が夢洲にこだわった理由、そして当時の菅官房長官にわざわざ報告をおこなったのは、夢洲がカジノ候補地だったからだ。

 ようするに、大阪万博はカジノありきで進められてきたものであり、カジノだけでは税金投入に反対意見が出るため、万博という大義名分を使ってインフラ整備を図ろうという計画なのだ。

 松井氏は「IR、カジノには一切税金は使わない」と断言していたが、それは大嘘で、万博を大義名分にして税金を投入しているにすぎない。そして、過去の万博跡地での開催であれば必要なかった莫大な金がかかるインフラ整備に税金が使われているのが実態なのだ。

 しかも、夢洲駅周辺の整備に約30億円もの税金が投じられるのも、この「カジノありき」という姑息な計画の煽りを受けてのことだった。というのも、整備を担う事業者の公募に応募が一件もなかったのは、〈夢洲に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の実現性が不透明なことが影響している〉(読売新聞8月31日付)ためだというからだ。

 昨年5月に世界最大規模のカジノ運営会社である米ラスベガス・サンズが日本市場からの撤退宣言をおこなったように、カジノ業界はコロナの影響を大きく受け、万博以上にその経済効果には疑問符がついた状態になっている。そして、「カジノありき」の取らぬ狸の皮算用で万博計画を進めた結果、約30億円も追加で税金を投じなければならなくなってしまった、というわけなのだ。

■医療や保健所機能を「税金の無駄」と削減し医療崩壊を引き起こした維新が万博=カジノには大量の税金を

 何度も指摘しているように、大阪府と大阪市は、「赤字行政の改革」「行政の無駄を省く」をスローガンに、福祉や公的医療、保健所の人員を削減した結果、コロナで完全に医療崩壊を起こし、全国で最大どころかインド超え、ヨーロッパ並みの死者を出した。

 にもかかわらず、吉村知事と松井市長はいまだ万博を大義名分にした「本命」カジノのための整備に莫大な税金を使おうとしているのだ。そして、横浜市が市長選の結果を受けて撤退したいまでは大阪がカジノ最有力候補地となっている。

 ちなみに、大阪府・市がカジノ事業者に選定したのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ。オリックスといえばあの竹中平蔵が社外取締役を務めている企業であり、パソナが大阪の行政を食い物にしているのと同様、吉村知事と松井市長はカジノでも竹中氏に甘い汁を吸わせようというのだろうか。

 いずれにしても、コロナ禍でこんな「税金の無駄遣い」をしている連中が、“重箱の隅”でしかない国会議員の文通費問題を声高に叫び、それをテレビが大きく取り上げて喧伝しているこの状況は、どうかしているとしか言いようがない。

(編集部)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/521.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 岸田首相のっけから大失態! 10万円給付策の「5万円クーポン」なし崩しの“白紙撤回”(日刊ゲンダイ)




岸田首相のっけから大失態! 10万円給付策の「5万円クーポン」なし崩しの“白紙撤回”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298450
2021/12/08 日刊ゲンダイ


早々とクーポン配布策を“白紙”(松野官房長官)/(C)共同通信社

 岸田政権が経済対策に盛り込んだ「18歳以下への10万円給付」策が大揺れだ。10万円のうち5万円をクーポンとして配布する案に、自治体から「NO」を突き付けられ、事実上“白紙撤回”に追い込まれた。8日から10万円給付の裏付けとなる補正予算案を巡る国会審議が始まったが、岸田首相は出だしから大失態を演じた格好だ。

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 ◇  ◇  ◇

 松野官房長官は7日の会見で「クーポン給付を基本に検討いただきたいが、地方自治体の実情に応じて現金給付も可能とする」と発言。これまで岸田政権は、10万円のうち5万円を現金給付し、残る5万円分を子育て・教育関連に使えるクーポンとして配布する案を掲げていたが、「クーポン配布がイヤなら全額現金でもOK」と方針転換した格好だ。突然の方針転換は、地方から次々と批判の声が上がり始めたのが理由だ。

 群馬県太田市の清水聖義市長は6日、市民から「クーポンでは使いづらい」といった声が届いたことを受け、“全額現金給付”にする方針を決定。「クーポンで使い方を限定するのは国民を信じていないことになる」とまで指摘した。

 清水市長の発言を受け、ツイッターでは〈全額現金〉がトレンド入り。〈市長さん素晴らしい〉〈これが本来の政治家の姿だと思う〉と拍手喝采。〈他の自治体も続け!〉といった投稿まで出ている。

 先月末には、静岡県島田市の染谷絹代市長も“全額現金”で給付する方針を示していた。大阪市の松井一郎市長も7日、松野官房長官の発言を受け「(全額)現金でやる」と表明。この調子では、今後「全額現金」を打ち出す自治体が続出するのは目に見えている。

「もし、自治体がクーポン給付を選んだら、住民から『なぜうちの地元は現金じゃないんだ』と不満が出るのは間違いないでしょう。そうした批判を恐れ、相当数の自治体が“全額現金給付”を選ぶことになるはずです」(永田町関係者)

クーポン配布の意義はすっかり消えた


本来の目的は「国民のための策」…(C)日刊ゲンダイ

 官邸周辺は、この問題で岸田首相が国会審議で追及されることを懸念しているという。

「クーポン配布は、現金給付に比べ900億円超の事務費がかかることが分かり、『無駄だ』と批判を招いています。また、クーポンの使途について『子育て関連』と限定しているが、実際、何に使えるかの線引きは自治体に丸投げ。自治体によって何に使えるのか差が生じる恐れもある。野党は13日から始まる予算委員会で徹底追及する構えを見せています。早々にクーポン配布案を事実上“白紙”にしたのは、追及をかわす意図があったのでしょう」(官邸事情通)

 しかし、そもそもクーポン配布には、給付金が貯蓄に回らないように、子育て関連のサービスや用品に確実に使ってもらう、という理由があったはずだ。自公の幹事長間で協議を重ねクーポン配布を決めたのに「やっぱり全額現金でいい」とはどういうことなのか。クーポン配布の意義はすっかり消えている。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「あれだけクーポン配布にこだわっていたのに“撤回”したのは、来夏の参院選を見据えたからでしょう。国民から『使い勝手が悪い』と批判されては『票につながらない』というわけです。ある意味、純粋な“バラマキ”になってしまいました。本来なら、多少時間をかけてでも本当に困窮している世帯を特定し、対象を絞るべきでした。岸田首相は国民が何を求めているのか、よく分かっていないのでしょう」

 岸田首相はご自慢の「聞く力」をいつになったら発揮するのか。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/522.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 琉球併合から真珠湾攻撃への道を先導した米英の金融資本は今も日本を操る(櫻井ジャーナル)
琉球併合から真珠湾攻撃への道を先導した米英の金融資本は今も日本を操る
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112080000/
2021.12.08 櫻井ジャーナル

 日本軍がハワイの真珠湾を奇襲攻撃したのは今から80年前、1941年の12月7日(現地時間)のことだった。真珠湾に対する攻撃によって日本はアメリカと戦争を始めることになるが、その直前に日本軍はマレーシア北端の港町コタバルを奇襲攻撃している。UTC(協定世界時)に直すとハワイを攻撃したのは7日の18時、コタバルは7日の17時だ。

 当時の日本にとってもエネルギー資源、つまり石油の確保は重要な問題だった。戦争を始めるとなればなおさら。アメリカと戦争を始めると3年目から石油が不足すると見通されていた。

 対日石油禁輸は「日本をインドシナに駆り立てる」とアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領も考え、1941年8月の段階では石油禁輸に賛成していなかったという。1937年より前の日本に対する石油輸出量は維持するとしていたようだ。そうした中、アメリカの財務省は石油代金の支払い方法で日本に圧力を加えた。(岩間敏、戦争と石油(1)、石油・天然ガスレビュー、2006年3月)

 言うまでもなく、アメリカとの戦争を始める背景には中国における戦争が泥沼化していたことにある。

 日本の大陸侵略は1894年に勃発した日清戦争から始まったと言えるだろうが、そこへ到達する道を作ったのはイギリスとアメリカだった。イギリスの外交官として日本にいたアーネスト・サトウ、あるいはアメリカの駐日公使だったチャールズ・デロングや厦門の領事だったチャールズ・ルジャンドルたちは日本政府に対して大陸を侵略するようにけしかけている。

 ルジャンドルは1872年12月にアメリカ領事を辞任して帰国する途中、日本に立ち寄ったが、そのルジャンドルをデロングは日本の外務省に対し、顧問として雇うように推薦する。そして外務卿だった副島種臣の顧問になり、台湾への派兵を勧めた。その口実を作るため、日本政府は琉球を急遽、併合したわけである。

 1874年に日本は台湾へ派兵、続いて75年には李氏朝鮮の首都を守る要衝の江華島へ軍艦を派遣して挑発、「日朝修好条規」を結ばせて清国の宗主権を否定させることに成功した。さらに無関税特権を認めさせ、釜山、仁川、元山を開港させている。

 1894年に甲午農民戦争(東学党の乱)が起こり、体制が揺らぐ。それを見た日本政府は「邦人保護」を名目にして軍隊を派遣、その一方で朝鮮政府の依頼で清も出兵して日清戦争につながった。この戦争で日本は勝利し、大陸侵略を始めたわけである。

 朝鮮では高宗の父にあたる興宣大院君と高宗の妻だった閔妃と対立、主導権は閔妃の一族が握っていた。閔妃がロシアとつながることを恐れた日本政府は1895年に日本の官憲と「大陸浪人」を使って宮廷を襲撃し、閔妃を含む女性3名を殺害した。その際、性的な陵辱を加えたとされている。その中心にいた三浦梧楼公使はその後、枢密院顧問や宮中顧問官という要職についた。

 閔妃惨殺の4年後、中国では義和団を中心とする反帝国主義運動が広がり、この運動を口実にして帝政ロシアは1900年に中国東北部へ15万の兵を派遣する。その翌年には事件を処理するために北京議定書が結ばれ、列強は北京郊外に軍隊を駐留させることができるようになった。

 イギリスはロシアに対抗するため、1902年に日本と同盟協約を締結し、その日本は04年2月に仁川沖と旅順港を奇襲攻撃、日露戦争が始まる。日本に戦費を用立てたのはロスチャイルド系のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフだ。詳細は割愛するが、1905年5月にロシアのバルチック艦隊は「日本海海戦」で日本海軍に敗北する。

 そこで登場してくるのが「棍棒外交」のセオドア・ルーズベルト米大統領。講和勧告を出したのだ。9月に講和条約が調印され、日本の大陸における基盤ができた。講和条約が結ばれた2カ月後、桂太郎首相はアメリカで「鉄道王」と呼ばれていたエドワード・ハリマンと満鉄の共同経営に合意したのだが、ポーツマス会議で日本全権を務めた小村寿太郎はこの合意に反対し、覚書は破棄されている。

 一連の動きの中で金子堅太郎の果たした役割は大きい。金子は小村と同じようにハーバード大学で法律を学んでいるが、彼らの2年後輩がセオドア・ルーズベルトだ。1890年に金子とルーズベルトはルーズベルトの自宅で合い、親しくなった。なお、金子の親友だった団琢磨は同じ時期にマサチューセッツ工科大学で学び、三井財閥の大番頭と呼ばれるようになる。

 日本政府の使節としてアメリカにいた金子は1904年にハーバード大学でアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説し、同じことをシカゴやニューヨークでも語っていた。日露戦争の後、ルーズベルトは日本が自分たちのために戦ったと書いている。こうした関係が韓国併合に結びつくわけだ。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)

 当然のことながら、朝鮮側では独立運動が起こる。その拠点になったのが中国吉林省の間島地方だった。そうした事情もあり、日本では中国東北部への支配願望が強まり、1932年の「満州国」樹立につながる。この傀儡国家の矛先はソ連にも向けられていただろうが、それはイギリスやアメリカの金融資本の思惑とも合致していた。

 ところが、その金融資本を震撼させる出来事が1932年にアメリカであった。彼らが担いでいた現職のハーバート・フーバーがニューディール派のフランクリン・ルーズベルトに敗れたのだ。

 フーバーはスタンフォード大学を卒業した後、鉱山技師としてアリゾナにあるロスチャイルドの鉱山で働いていた人物で、利益のためなら安全を軽視するタイプだったことから経営者に好かれたと言われている。大統領として大企業/富裕層を優遇する政策を続け、庶民の怒りを買っていた。その怒りが選挙結果に表れたわけだ。そのフーバーが大統領の任期を終える直前に駐日大使として日本へ送り込んだのがジョセフ・グルー。

 この人物は皇族を含む日本の支配層に強力なネットワークを持っていたが、特に親しかったとされている人物が松岡洋右。松岡の妹が結婚した佐藤松介は岸信介や佐藤栄作の叔父にあたり、岸もグルーと親しい関係にあった。秩父宮雍仁もグルーの友人として知られている。

 グルーのいとこであるジェーンはジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥の妻。しかもグルーが結婚していたアリスの曾祖父オリバー・ペリーはアメリカ海軍の伝説的な軍人で、その弟は「黒船」で有名なマシュー・ペリーだ。

 大統領就任式は1933年3月に予定されていたが、その直前、2月15日にフロリダ州マイアミで開かれた集会でルーズベルトは銃撃事件に巻き込まれる。イタリア系のレンガ職人、ジュゼッペ・ザンガラが32口径のリボルバーから5発の弾丸を発射したのだ。誰を狙ったか不明だが、当時の状況から次期大統領を狙っていた可能性が高い。

 フランクリン・ルーズベルトを中心とするニューディール派の政権が誕生した後、ウォール街の巨大金融資本はニューディール派を排除し、ファシズム体制を樹立する目的でクーデターを計画した。この事実を明らかにしたのは名誉勲章を2度授与されたアメリカ海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将だ。

 バトラー少将によると、1933年7月に在郷軍人会の幹部ふたりが少将の自宅を訪問したところから話は始まる。在郷軍人会の改革に協力して欲しいということだったが、訪問の目的を図りかねたバトラーは明確に答えず、口を濁している。

 そのふたりは1カ月後に再びバトラーの家を訪れ、シカゴで開かれる在郷軍人会の大会へ数百人の退役兵士を引き連れて参加し、演説して欲しいと要請する。必要な経費を負担するということだった。ふたりは演説の原稿を置いて帰ったが、その原稿に金本位制への復帰を求める文言が含まれていたという。

 後にふたりはバトラーから急かされる形でスポンサーのひとりがグレイソン・マレット-プレボスト・マーフィだということを明かす。マーフィは在郷軍人会を創設したメンバーのひとりで、ウォール街で証券会社を経営するほか、モルガン系のギャランティー・トラストの重役でもあった。(Jules Archer, “The Plot to Seize the White House,” Skyhorse Publishing, 2007)

 ウォール街からの訪問者は、ドイツのナチスやイタリアのファシスト党、中でもフランスの「クロワ・ド・フ(火の十字軍)」の戦術を参考にしていた。50万名規模の組織を編成して政府を威圧し、「スーパー長官」のようなポストを新たに設置して大統領の重責を引き継ぐとしていた。

 クーデターの計画を聞き出した上でバトラーはカウンター・クーデターを宣言、50万人の兵士を利用してファシズム体制の樹立を目指すつもりなら、自分は50万人以上を動かして対抗すると宣言する。内戦を覚悟するようにバトラーは警告したのだ。(Public Hearings before the Speecial Committee on Un-American Activities, House of Representatives, 73rd Congress, 2nd Session, Testimony of Major General Smedley D. Butler, December 29, 1934)

 計画が発覚すると、名指しされた人びとは誤解だと弁解したが、非米活動特別委員会はクーデター計画の存在を否定することはできなかった。それにもかかわらず、何ら法的な処分は勿論、これ以上の調査は行われず、メディアもこの事件を追及していない。

 この問題でウォール街を追い詰めても内戦になる可能性があったからだろうが、第2次世界大戦が終わった後ならウォール街とファシストとの関係が追及される可能性があった。そうならなかったのはルーズベルトが1945年4月に急死、ホワイトハウスでニューディール派が主導権を奪われ、大戦後にレッド・パージで反ファシスト勢力が弾圧されたからだろう。

 この問題でバトラーは信頼していたフィラデルフィア・レコードの編集者トム・オニールに相談、オニールはポール・コムリー・フレンチを確認のために派遣している。フレンチは1934年9月にウォール街のメンバーを取材、コミュニストから国を守るためにファシスト政権をアメリカに樹立させる必要があるという話を引き出した。この話をフレンチは議会で証言している。

 大戦後、アメリカ政府はナチスの幹部や協力者を保護、南アメリカなどへ逃亡させ、雇い入れた人物も少なくない。アメリカの情報機関が戦後に行った秘密工作にファシストの幹部だった人物が参加している。

 日本でもアメリカのハリー・トルーマン政権は民主主義勢力を弾圧している。そうした政策の最前線に立っていたのが「ジャパン・ロビー」と呼ばれるグループ。その中心だったACJ(アメリカ対日協議会)が創設されたのは1948年6月のことだった。その中心にいたのはジョセフ・グルーで、背後にはウォール街の大物がいた。

 アメリカ政府が慌てて作った憲法では天皇制の維持が宣言され、思想や言論を統制するシステムの中核だった思想検察や特別高等警察の人脈は戦後も生き残った。軍の一部幹部はアメリカの手先として活動することになる。中でも「KATO(H)機関」は有名だ。その後、警察や自衛隊をアメリカの軍や情報機関が教育するシステムが作られた。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/523.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 迷走続くワクチン3回目接種 岸田政権は「一律の前倒し困難」とついに“白旗宣言”(日刊ゲンダイ)




迷走続くワクチン3回目接種 岸田政権は「一律の前倒し困難」とついに“白旗宣言”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298451
2021/12/08 日刊ゲンダイ


所信表明演説では「できるだけ前倒しにする」と岸田首相(C)日刊ゲンダイ

 現場は大混乱するに違いない。岸田首相が所信表明演説で「8カ月を待たずに、できる限り前倒しする」と表明した新型コロナワクチンの3回目接種を巡り、後藤厚労相は7日、「ワクチンは順次輸入されるもので、全国民を対象に接種の前倒しを一律に行うことは困難」と発言。欧米で追加接種の前倒しが進む中、事実上の「白旗宣言」だ。

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 日本では、2回目と3回目の接種間隔は「原則8カ月以上」。厚労省は例外的に「6カ月」に短縮可能との基準を示しているが、あくまでも医療機関や高齢者施設でクラスターが発生した場合に限られている。しかし、クラスターが起きた後に対処するとは、相変わらず後手後手だ。

「原則8カ月」に固執する日本に対し、欧米は先手先手。接種間隔を「6カ月」に前倒しし、英国に至っては「3カ月」に短縮した。日本もデルタ株の感染力を凌駕するといわれるオミクロン株の上陸を許してしまっただけに、追加接種の遅れは感染再拡大につながりかねない。

前倒しできても基準が曖昧


甘い見通し後手後手政策で、「ワクチンが足りない」/(C)共同通信社

 岸田政権が全面的な「6カ月後接種」に踏み出せないのは、ワクチンが足りないからだ。「8カ月」から「6カ月」に前倒しした場合、来年3月末までの3回目接種対象者は約4100万人から約7800万人に膨れ上がるが、余っている在庫は約3100万回分しかない。

 在庫を使って一部を「6カ月」に前倒しするとしても、問題は基準だ。後藤大臣は「国内の感染動向や自治体の準備状況、ワクチンの供給力を踏まえたうえで前倒しの範囲や方法を示したい」と曖昧な説明に終始する始末。都内区部のワクチン接種担当者は「前倒しできる自治体と、できない自治体の間で無用な競争が生まれかねない」とタメ息交じりだった。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「結局は政府がどうするか、どうしたいか、具体性に欠けているのが問題です。追加接種について自治体の状況を見て判断すると言えば聞こえはいいが、ワクチン供給の主体である政府の指針が曖昧では、接種を担う自治体は動くに動けない。国民も混乱する。甘い見通しで世界から後れを取ったワクチン政策を巡る迷走が、今も続いている印象です」

 追加接種で混乱しているうちに第6波が襲来したら、もはや目も当てられない。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/524.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 10万円給付に「通販サイト」案…ネットでは「ピンハネ事業」「縁故企業へのばら撒き」と怨嗟の声(FLASH)
10万円給付に「通販サイト」案…ネットでは「ピンハネ事業」「縁故企業へのばら撒き」と怨嗟の声
https://smart-flash.jp/sociopolitics/165513
2021.12.07 19:49 FLASH編集部 Smart FLASH



 新型コロナウイルスによる経済対策の一環として、18歳以下を対象に10万円が給付される。年内に5万円が現金で給付され、来春までに残り5万円が給付される予定だ。

 政府は、来春までに配る5万円の給付方法を、「現金」か「紙のクーポン」のいずれかで検討してきたが、12月5日には、専用の通販サイトで使える5万円分のポイント案も浮上していると報じられた。

 この場合、ポイントが付与されたIDカードが配られ、支給対象者はネットを通じて商品を購入できる。通販サイトは、アマゾンや楽天市場のようなメジャーなものではなく、各自治体が開設したものになるという。

 経済ジャーナリストが、こう話す。

「政府は、今回の給付金が貯蓄に回らないよう、購入できる商品を子育て関連のものに限定する方針を明らかにしています。現在の子育て世代は、ネットに精通したデジタル世代だけに、紙のクーポンより、使いやすいという判断でしょう。

 しかし、現金給付の事務費用が280億円なのに対し、仕組みが複雑なクーポン配布では余計に967億円かかることが判明しています。そのうえで、専用の通販サイトまで立ち上げたら、経費がさらに膨らむことは間違いありません。

 実際問題、専用の通販サイトを持っている自治体はそれほど多くなく、業者に委託するなどして、サイトを1から作らなければなりません。時間とコストがかかるばかりで、SNSやニュースのコメント欄では、『またお友達企業を儲けさせるのか』といった批判の声が上がっているのです」

《自治体の通販サイトって、、半年足らずしか使わないだろうに、いったいいくらかけて作成してるのよ》

《サイトの制作発注でまたお金かかるし、「ログインできない」「ダウンロードできない」みたいな問い合わせが増えて、コールセンターの増員につながる可能性大》

《更に事務経費を増やして縁故企業へのばら撒きかな?》

《またやり方を複雑にして手間を増やそうとしている。手間が増える=人件費が掛かる=お友達の企業が儲かる、という事だろう》

《IT会社やクーポンの会社、その事務会社が儲かるだけの仕組みになっている。いわば癒着による血税循環からのピンハネ事業》

「現金」「紙のクーポン」「通販サイトのポイント」のうち、どの形式で給付するかは、実務を担う各自治体の判断に委ねられる見込み。そうしたなか、すでに全額現金で支給する方針を打ち出した自治体もある。

 群馬県太田市の清水聖義市長は、12月3日に自身のツイッターを更新し、《ちっちゃな子から大きな子まで様々、クーポンはまことに使いにくい。いっそ、全部現金で配るとしよう!!と決めた。担当にも伝えた》と投稿。返信欄には《すばらしいです。他の自治体も、続くことを願います》などの声が寄せられている。

 岸田首相に、庶民の怨嗟の声は届くのか。

(SmartFLASH)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/525.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 内閣官房参与に任命された石原伸晃「体力も能力もある」発言に批判の声「支持と信用はない」(FLASH)
内閣官房参与に任命された石原伸晃「体力も能力もある」発言に批判の声「支持と信用はない」
https://smart-flash.jp/sociopolitics/165406
2021.12.06 19:25 FLASH編集部 Smart FLASH



 内閣官房参与に任命された自民党の石原伸晃元幹事長は、12月6日、首相官邸で岸田文雄首相から辞令を交付された。国土交通大臣や環境大臣を歴任した経験をいかし、観光分野で政権に意見したり情報提供したりするという。

 10月におこなわれた衆院選で落選し、比例復活もかなわなかった石原氏。政界では岸田首相の盟友としても知られており、今回の起用には、「お友達人事」などと批判が巻き起こった。

【関連記事:石原伸晃が内閣官房参与に…「選挙でボロ負けした人だぞ」謎の人事に批判集まる】

 ツイッターでは「#石原伸晃の内閣官房参与任命に抗議します」とのハッシュタグつきツイートがあふれ、今なお増え続けている。

 一方の石原氏はどこ吹く風だ。首相との面会後、記者団の取材に応じた石原氏は「先の総選挙は私の不徳の致すところ。勝負は時の運だと思っている」とし、「まだ私も十分に体力・能力ともにあると思っている。国のため地域のため、疲弊している業界の皆様方のために、お役に立てるアドバイスをしていきたい」と意気込んだ。

 しかし、石原氏は観光分野で目立った功績が特になく、岸田首相に拾われた形だ。2万6400円とされる日給はもちろん税金で支払われる。ネット上では、石原氏の意気込みに対しても怒りの声が沸き上がった。

《石原さんは体力と能力はあっても、支持と信用がないから落ちたわけで…》

《「能力」は無いって選挙で認定されたんだろ。とっとと引っ込んでいてほしい》

《国民から役に立たないと判断されたあなたからのアドバイスなどいらないのよ。辞退して》

 民意を無視した岸田政権への失望が加速していく。

(SmartFLASH)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/526.html
記事 [政治・選挙・NHK284] <「分配」はただの目くらまし>よお〜くわかった この政権は油断もスキもありゃしない(日刊ゲンダイ)

※2021年12月8日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大



※紙面抜粋



※2021年12月8日 日刊ゲンダイ2面



※文字起こし

 しこたま儲けながら、賃上げに応じない大企業に増税を課すなら、まだ分かる。なぜ、わずかな賃金アップで法人税制優遇の“ご褒美”を差し出す必要があるのか。

 岸田政権が方針を固めた「賃上げをした企業への税制優遇拡充」は理解不能だ。具体的には給与を一定以上増やした企業に対し、支払額の一部を法人税額から控除。控除率は要件によって、大企業で現状最大20%から30%に、中小企業は同25%から40%に、それぞれ拡大するという。

 岸田首相が6日の所信表明演説で「大胆に引き上げる」と豪語したほど、賃上げ企業への優遇税制拡充は「分配」策の目玉だ。しかし、実際に賃上げ企業が増えるかは不透明だ。

 何しろ、日本企業の約6割は赤字で法人税を納めていない。たとえ赤字企業が賃金を引き上げても控除しにくい。その上、賃上げを促す優遇税制が設けられたのは2013年。第2次安倍政権の発足直後である。

 これまで要件を何度も見直しても、実際の賃上げ効果はサッパリ。今回の要件変更も今年4月の改定から大して変わらず、要は岸田のやっているフリ。ご自慢の「分配」はただの目くらましで、安倍・菅両政権の延長線上の施策に過ぎない。

「賃上げという方向性は正しくても、やり方が不十分で効果は上がりそうにない」と言うのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続ける。

「実はトヨタ自動車が過去に5年間も免れたように、巨大企業が国内で法人税を払っていないケースも多々あります。単年度決算が一度でも赤字になれば、翌年度が黒字決算でも赤字額を5年間も繰り越せる優遇策があるためです。まず、その見直しが先決。さらに今回の優遇策の対象となる賃上げは基本給だけでなく、賞与も含める方向です。これだけ何度も要件が変われば『今のうちに』と今回だけ多少ボーナスを弾み、優遇策の恩恵を受けようとする不届きな経営者も出てくる。所信表明で岸田首相が『可能としなければなりません』と語った『持続的な賃上げ』には程遠い結果を招きそうです」

 岸田の賃上げは掛け声倒れ。毎度おなじみの大企業優遇で終わるのは必至だ。

国民の警戒心を解くのが「ハトの顔」の役目

「市場に依存し過ぎたことで格差や貧困が拡大した」ーー。所信表明で岸田は新自由主義路線の弊害をそう指摘。「これ以上問題を放置できない」とまで言ってのけたが、非正規雇用を拡大し、弱い立場の労働者を市場に放り出した労働法制の改正への言及はゼロ。美辞麗句を並べるだけの“言うだけ番長”だ。

「非正規雇用は今や労働者全体の約4割を占め、国税庁の調査によると、平均年収は176万円。正規雇用の496万円の約3分の1です。生計を立てるのも苦しいし、当然、企業への帰属意識も薄まる。そのことが『成長と分配の好循環』に欠かせない生産性向上を阻む要因にもなっています。税制を優遇するなら、『雇用の調整弁』としての非正規採用を抑制した企業を対象にすべき。それでこそ本当の新自由主義の是正です」(斎藤満氏=前出)

 看護・介護・保育職などの賃金引き上げも、月額たった4000〜9000円。現場が求める月額4万円には1桁足りない。対象者も保育園なら国の配置基準に基づく保育士のみ。基準の数が少なすぎて、事業所が独自に増やした保育士や、保育士以外の職員は対象外だ。看護師も当面コロナ対応病院などに限定と、出し渋りが目立つ。

 実効性に疑問符がつくバラマキ策の「18歳以下の給付金」は、クーポンの事務経費だけで967億円も補正予算案に計上。一方で困窮学生への支援金は675億円にとどまり、事業者向けは前回の持続化給付金を半減するなど容赦ない。

解釈改憲再びの立憲主義破壊の継承

 本当に困っている国民への思いやりは欠けているクセに、この政権は米国の要求に従って来年度から在日米軍への「思いやり予算」を増額する方針だ。今回の補正にも過去最大7738億円の防衛費を計上。当初予算の5兆3422億円と合わせて年度通算で初めて6兆円突破と、防衛費は青天井だ。

 補正計上のうち、4287億円は「コロナで兵器製造企業の経営が悪化し、納期が遅れるリスクがある」として、軍需大企業への前金払いに消える。明らかに「不要不急」な支出で困窮者への十分な支援に背を向け、この優遇ぶりはヒドい。

 新型コロナ対策に紛れ込ませて、衆院選公約の「防衛費のGDP比2%以上」に近づける。ゴマカシ手口の岸田は「あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討」「スピード感を持って」と強調。歴代首相の所信表明で初めての「敵基地攻撃能力」の検討は堂々と明言してみせた。

 集団的自衛権行使容認の解釈改憲の末、安倍政権が2015年に成立させた安保法制でさえ、「専守防衛」を堅持。基本理念に「他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」と掲げている。歴代政権が「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器」の保有は「違憲」とみなしてきたからだ。岸田の敵基地攻撃能力への本格始動宣言は日本の防衛戦略の大転換を意味し、従来の憲法解釈を再び正反対にネジ曲げる立憲主義破壊の継承にほかならない。

「敵基地攻撃能力の本質は『撃たれる前に撃つ』。明確な侵略です。平和憲法だけでなく、武力の先制行使を侵略とみなす国連憲章に反する恐れもあります。周辺国も黙認するわけにいかず、緊張関係を加速させる『安保のジレンマ』に陥るのは間違いない。この国を無謀な軍拡競争にさらすだけです」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法)

個人情報を利権に変えるデジタル構想

 来夏に参院選を控える岸田にとって、最大の恐怖は「いつ、政権の座を引きずり降ろされるか分からない」こと。

 敵基地攻撃能力保有へ強く踏み込んだのも、55.7兆円にも膨らんだバラマキ経済対策も、政権基盤の安定欲しさ。いずれも安倍元首相が中心を担う党内の右派や積極財政派の意見に自慢の「聞く力」を発揮した結果だろう。

「首相自身も権力を失う恐怖心にあらがうため、自分に与えらえた役割をよくわきまえています。それはハトの顔で国民の警戒心を解き、着々とタカ派政策を進めること。もともと信念のない人ですから、地位を守るためなら、何でもやりかねない。こうした付和雷同の政治家こそ、本当に怖いのです」(金子勝氏=前出)

 この首相が安倍元首相や菅前首相よりマシと思っていたら大間違いだ。岸田が「成長」の柱に掲げた「デジタル田園都市国家構想」も危うい。「安全安心なデジタル社会の『パスポート』」と言って、補正でマイナンバーカード普及に1.8兆円もの“餌”をつけシャカリキだが、個人情報の管理は曖昧なままだ。

 コロナ禍のどさくさで昨年、「スーパーシティ法」が成立し、自治体の個人情報管理が国に一元化。官民連携をうたい、企業が喉から手が出るほど欲しい膨大なデジタル個人情報に簡単にアクセスできるようなシステムを完成させたことは、もっと知られていい。

 列島の隅々までデジタル化する壮大な計画を牽引する政府会議メンバーには、慶大名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏も加わる。利権屋の新自由主義者たちの高笑いが聞こえてきそうだ。

 岸田の所信表明だけで、この政権は油断もスキもありゃしないのが、よお〜くわかった。立憲の泉新代表は「立憲が掲げてきた言葉が随所にあった。野党の役割はこういうところにあると実感した」と評価していたが、気は確かか? 今こそ野党は行政監視を強めるべきだ。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/527.html

   

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