My Audio Life (趣味のオーディオ) 45 シングルアンプの製作
真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。
今年の計画。
2021-01-07
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/d225d3ebedea44d32ee60e61dc3690b8
さて、年初にあたり、趣味のオーディオの今年の計画です。
@2A3シングルアンプ ⇒ 45シングルアンプ化。
実は昨年の暮れに、新たな真空管アンプ『サンオーディオ製SV-2A3』の中古品を購入しました。
購入の動機は、直熱管の真空管に挑戦し、その音を我が家で聴いてみたかったためです。
傍熱管の真空管アンプは何台か所有し改造もして来ましたが、直熱管は有りませんでした。
選定の理由は、デザイン、タムラのトランス、基板を使わない配線、初段・ドライブ管が6SN7(手持ちが多い)。
そして回路構成がシンプルで、後々改造し発展させ易い事です。
購入に至るまでは、仕様、回路図や内部配線などの確認を行いました。
サンオーディオの内田社長にも電話で仕様の確認をさせて頂きました。
突然の電話にも拘わらず、とても親切丁寧に教えて頂きました。有難うございました。
購入した現物がこちら。
ボンネット付きでした。
SV-2A3は30年もの歴史があるアンプです。昨年は30周年記念モデルも発売されていました。
購入した物が、いつの年代のものかは分かりませんが、内部の埃具合からして結構古い個体と思います。
このアンプの部品、回路設計などを変更して、RCA 2A3のベースとなった45のシングルアンプへの改造を計画。
さらには他の球へも挑戦しようと考えています。
45シングルアンプは7割程度は完成していますが、詳細については追々投稿したいと思います。
AKT-88プッシュプルアンプの改造。
数年前に改造して音質改善を図ったアンプですが、今聴くと「今ひとつだなぁ〜。」って感じが否めないです。
ソフトンの出力トランスだけを生かして、他の球アンプに改造しようかと目論んでいます。
基板も取り払って直配線とか。 4極管の6L6プッシュプルとかどうだろう?。
今年の計画は、今の所、この2つしか思い浮かびません。
ところで、昨日、今年初のCDを買いました。これが当たりでした。
バッハ:シャコンヌ他 バッハ:シャコンヌ他
ヒラリー・ハーン
SMJ
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なんでも、昨年リニューアルされたSONYの『極HiFi CD』らしく、音質も良かったです。
今でも密かにCDの改良を行っていたのですね。
『極HiFi CD』については、こちら。ピットの成形技術でジッターの改善を図っている様です。
CDの読み取り面も薄っすらとゴールドに輝いていました。
ヒラリー・ハーンについては、実際のコンサートに行った事も有りますが、「素晴らしい」の一言です。
クラシック自体よく分かっていない私でさえ「上手いなぁ〜。」と感動しました。
私はクラシックはあまり聴きませんが、ボーカルとバイオリンだけは聴きます。
では、今年も実り多き年で有ります様に。
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45 シングルアンプの製作(1) 〜元機種2A3の音を聴く〜
2021-01-10
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/89d2770dfe2c6ede107732dcbc77140a
今年の計画で書いた様に、45真空管シングルアンプの製作経緯について、何回かに分けて投稿して行きます。
私は、シャーシ製作も含めて一から自作する様な技量は有りませんので、中古の機種を購入し、そこから改造して行きます。
ベースとなる中古機種の選定条件としては、優先順に以下です。
@デザイン:これ重要です!。デザインが良くないと音も良く感じませし愛着も沸きません。
A重量:20kg以下。移動やひっくり返しての作業を考えると、この重さが限界です。
Bトランス:有名どころのメーカー品。特性の良いと思われる電源トランス、出力トランス、チョーク。
C基板を使わない、直配線。回路構成がシンプルである事。改造し易い。
部品類は、最低限トランス類だけでも使えれば良しとします。
そこで目を付けたのが、以前から気になっていたサン・オーディオのシングル・アンプキットです。
購入前にネットで調査したり、サンオーディオに直接電話して、仕様の確認をさせて頂きました。
ポイントは、電源トランスの仕様(出力系)、出力トランスの仕様(1次側仕様、2次側仕様)。
・電源トランスは、300B、2A3共用。出力管のフィラメント用としてAC2.5V系、6.3V系が有ります。
300Bの時は、AC6.3Vからショットキーダイオードで整流して5Vを作るそうです。
・出力トランスも300B、2A3共用。1次側に2.5kΩと3.5kΩが、出力側に8Ωと16Ωが有ります。
これなら今後色々と改造や発展させる事が出来て楽しそうです。
そして今回購入した物がこちらです。『SUN AUDIO SV-2A3』。年代は不明ですが、かなり古そうです。
フロントパネルやツマミ類、電源フィルムコンデンサから見て、特別バージョン(周年記念)、或いは購入者で追加されたと思われます。
まず到着した状態の外観を確認します。多少キズや汚れが有りましたが良しとします。
刺さっていた球は以下。
電圧増幅管:6SN7。メーカー不明。⇒どうせ交換するので不問。
出力管:2A3。ロシア SOVTEK製。(写真左の2本)
整流管:5U4G。ロシア SOVTEK製。(写真右の1本)
出力管と整流管はトランスよりも背が高い。見た目は気になりませんが、ひっくり返して作業する時に支障が有ります。
球を外してみます。あれれっ??? 2A3が180度回転して挿してある。
※UX4ピンは、フィラメント・ピンが太い。180度回転しても無理すれば刺さってしまうので注意が必要。
「音出し確認済」という事だったのだけど、どういう事?このまま通電したら球を壊す所だった。危ない!!
偶然にも通電前に球を外して助かった。。。
球を正しくセットして、いざ電源オン!。
入手した状態での音を確認、聴いてみます。初の直熱管です。ドキドキ。
出てきた音は、今迄の我が家のアンプには無い、何ともダイナミックで開放的な音です。これが直熱管、無帰還の音?
迫力があり音像は大きいけど聴き込むと何だか歪っぽく感じる。無帰還だから仕方が無いのか。耳が疲れる。
※私がその様に感じるだけかも知れません。あくまでも個人的な感想ですので悪しからず。
この音って、まさしく数年前にサンオーディオ秋葉原のショールームで爆音で聴かせて頂いた音に近い。
好きな人は好きなんでしょう。
しかし私の場合、今までとは違う音なので違和感さえ覚えます。私の好みには少し合いません。
この歪の原因は、接点等の汚れからくるものも有るかも知れません。
まずは、分解して綺麗にします。〜続く〜
完成までの道のりは長そうです。
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45 シングルアンプの製作(2) 〜まずは元機種の清掃から〜
2021-01-11
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/deedb7937a1e9579a612cc20c13a141a
端子、ソケット類の掃除を始めます。
ついでに、トランスも一旦外して、中から使われていない配線を引き出します。
シャーシの裏蓋を外してみます。結構スッキリしています。
写真はブラシ掃除機で大まかな埃を吸い取った後ですが、配線の陰にはまだ埃が溜まっています。
前所有者が改造したと思われる所が若干見受けられます。
初段カソードパスコンを導電性高分子アルミ固体電解コンデンサに交換してあります。タンタルの様な効果を狙ったのでしょう。
B電源に100uFの電解コンデンサが追加してあります。電源を安定させるためでしょうか。
配線は結構綺麗にしてあります。サンオーディオさん組み立て完成品だったかも知れません。
まず、全てのトランスをシャーシから取り外し、隠して有った配線を引き出します。
2A3アンプなので、電源トランスの出力段ヒーター用AC6.3V、出力トランス1次側の3.5kΩは隠して有りました。
また2次側の16Ωも隠して有りました。使わない線は先端がビニールテープで巻いて有りました。
次に、全ての端子接点を掃除しました。RCA端子、SP端子、ACインレット、ヒューズ、真空管ソケット。
特に真空管ソケットはかなり酸化していて、真っ黒になっていました。
真空管ソケットUS8は、新品との交換も考えましたが、ソケット自体の外径穴が合わず、手持ち品ではシャーシから抜け落ちてしまします。
仕方ないので、メタルクリーナーと細綿棒で磨いた後、エタノールで洗浄しました。ピカピカになりました。
勿論、真空管自体のピンも綺麗にしました。
更に、各部の半田付けを確認し、怪しそうな所は追い半田。肝となる部分は半田吸い取り後、"ケスター44"で再半田しました。
特に、アース母線への半田付けで怪しい所(ルーズコンタクト)が有りました。
この状態でもう一度試聴してみます。幾分か歪感が後退した様な気がします。
半田『ケスター44』や『メタルクリーナー』は、Amazonでも買える事が分かりました。
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メタルクリーナーは、これと同等品なら何でも良いと思います。
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〜つづく〜
次は回路図展開と電圧測定です。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/deedb7937a1e9579a612cc20c13a141a
45 シングルアンプの製作(3) 〜元機種の回路図展開〜
2021-01-12
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/c8be70397bafeed8fc178817391145ab
元機種SV-2A3の回路図展開をします。
回路図と各部の電圧値がないと、改造を始める事が出来ません。
オリジナルの回路図は、Webページから拾ってきました。
(オリジナルの回路図)
これを今回入手した現物と比較しました。
(入手した現物の回路図と電圧)
・増幅部
・電源部
前所有者によって手が加えられているのは、前回述べた僅かな部分です。
シンプルな回路構成なので、短時間で回路図に落す事が出来ました。
使用していて音質以外に気になる所が有りました。
電源オフ時に、スピーカーから必ず"パチッ!"と音がするのです。
使用上は支障無いかも知れませんが、高級感が損なわれ嫌なものです。
回路図を見ると分かるのですが、電源スイッチの周りにスパークキラー的なものが有りません。
上の回路図では、「実装なし」と書いてます。
これが無い場合、電源を切った時に電源トランスの逆起電力で、"パチッ!"と音が出るのです。
これを逃がしてやらないといけません。
電源トランスの1次側両端にスパークキラーを入れると、音質に影響が出る事が有るので、私は電源スイッチの両端に小容量のフィルムコンデンサを入れました。手持ちの0.01uF/400Vを入れました。
これで嫌な"パチッ!"音は出なくなりました。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(4) 〜RCA 45 / 5X4G 球ゲット!!〜
2021-01-13
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/b77a08010ccd3711dbf44dd7a34234bf
45シングルアンプ用の球を手に入れました。
RCA 2A3のベースとなった球『45』です。直熱三極管。
ナス管の『245』や『345』も有りますが、お高いので、まずはST管の『45』です。
『245』は、『45』でしっかり音出しが出来てから、次の楽しみとします。
M型吊りヒーター(フィラメント)です。
RCA Cunningham / Radiotron ダブル刻印。カニンガム。このメーカーも憧れでした。
見た目もカッコ良い〜!!!
1935年製だそうです。今から85年も前の球!戦前ですね。
特性測定済(データ付)、動作チェック済の未使用品、且つ動作保証付きでした。安心ですね。
火を入れた時の姿を想像しただけでワクワクします。
SOVTEK 2A3と並べてみました。小ぶりで背が低いです。しかし重みが有ります。
同時期に、整流管『5X4G』も購入しました。
出力管が吊りヒーターなら、整流管も吊りヒーターで揃えたいので衝動買いしました。
赤い『NL』の印字がありますが、NLは商社なので恐らくSylivania製でしょう。
45に比べて、5X4Gのヒーターは太いです。逆V型の吊りヒーターです。
5U4Gと5X4Gは、ピン配が違いますが、特性は同じです。
ソケットの配線を工夫すれば、両方が使える様になります。
3-4ピン、5-6ピン、2-7ピンをショートすれば、どちらでも使える様になります。
なお、平滑回路へは8ピンから取り出し。
整流管は過去の経験から寿命が短いので、纏めて2本購入しておきました。
さて、球の準備が出来ましたので、いよいよ設計です。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/b77a08010ccd3711dbf44dd7a34234bf
45 シングルアンプの製作(5) 〜ロードラインを引く〜
2021-01-14
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/397fe92eb92fa001b706cc9a47642e2d
球も揃ったので、ここからいよいよ机上で45シングルアンプの回路設計です。
まず、初段/ドライブ段6SN7と出力段45のロードラインを引いて、目標とする設計値を決めます。
(初段6SN7(1/2))
・変更ポイント:
@オリジナルのカソード電圧が1.7Vですが、バイアスがもう少し欲しい所です。
A動作点ももう少し右に移動させたい。
・変更後:
@動作点:Vp=70V、Vk=1.9V、Ip=2.9mAとしました。
AB電圧=250V デカップリングを入れて少し電圧を下げる事としました。
Bロードライン(イメージ)
(ドライブ段6SN7(1/2))
オリジナルの抵抗値をそのまま使用します。
ロードラインは、この様な感じになりました。
バイアスは3〜5Vが良いと読んだ事があるので、良さそうです。
(出力段45)
データシートを元に、2A3⇒45用に設計変更します。
真空管『45』は直線性が良い事で知られています。これを生かしたいと思います。
・変更ポイント:
@出力負荷(出力トランス1次側)を2.5kΩ⇒3.5kΩとします。
Aプレート最大許容電力(Ppmax)がカソードバイアス(自己バイアス)時10W、最大電圧Epmaxが275V。
Bカソード抵抗は1.5kΩ。
・変更後:
@B電源にシリーズ抵抗を入れて電圧を少し下げます。320〜310V。
2A3⇒45でIpが減少(60mA⇒34mA)するので、B電圧が上昇する事を考慮。
Aロードラインは以下の様な感じになります。
Epmaxに対して余裕が有りませんので、B電圧を少し下げる必要があるかも知れません。
この電圧、電流条件が得られる様に回路設計をして行きます。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/397fe92eb92fa001b706cc9a47642e2d
45 シングルアンプの製作(6) 〜回路設計〜
2021-01-15
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/2f87769f720791dc15b0457580cdd391
前回引いたロードライン・動作点となる様に、実際の回路設計をします。
この時は、整流管『5U4G』を使った時の電源電圧を基にしています。
また、回路設計には過去の経験で得た幾つかのノウハウも盛り込んでいます。
<ポイント>
@前段、ドライブ段夫々に、またLRチャンネル毎にデカップリングを入れます。(贅沢)
AB電源電圧を下げるためと、整流管を労るために、整流管の直後にシリーズ抵抗を追加。
B左右チャンネル間のセパレーションを良くするために、出力トランスのB電源に左右夫々に抵抗+コンデンサを入れて、見かけ上、出力段のB電源を分離しました。ステレオアンプの宿命です。
C抵抗類はA&Bが使われていますが、何故か必要も無い所へ2Wタイプが使われています。
A&Bの2Wタイプは音が籠ると聞いたことがあるので、電力計算をして1W、1/2Wが使えないか見直しました。
計算結果は殆どが1/2Wでいけそうです。
Dその他は前回のロードラインの所で書いた通りです。(初段バイアス、45カソード抵抗、OPT1次側接続など)
<出来上がった回路図>
組み上げた後の電圧測定値も書き込んでいます。ほぼ設計通りの電圧値となりました。
電流値に関しては、A&Bのカーボン抵抗は実測値が大きめに出るため、表記抵抗値での単純計算と合いません。
(増幅部)
(電源部)
こんな感じになりました。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/2f87769f720791dc15b0457580cdd391
45 シングルアンプの製作(7) 〜使用部品と内部写真〜
2021-01-16
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/7c04bd26a7a57b0d4c95f734dedfa586
次は、部品選定です。
個人用ですので、ここは出来るだけ拘りたいです。
今迄の経験から部品選定をしました。
・電解コンデンサ:ROE製(ゴールド) Germany ---デカップリング、カソードパスコン
Sprague製 ExtraLytic 600D USA ---カソードパスコン
・カップリング・コンデンサ:Sprague製ブラック・ビューティ(手持ち品)
・抵抗:A&B製カーボン、DALE製(NS-2B)
・ホーロー抵抗:CLAROSTAT(クラロスタット)製 USA (初使用)---45カソードパスコン
・配線材:クロスレプリカワイヤー
・ラグ端子
など。
6SN7、45周りです。
(変更前)
入手時は2Wのカーボン抵抗が使われていました。青い抵抗は理研製リノケームですね。
カップリングCはAUDYN製フィルム。電解コンはUNICON製。
(変更後)
A&B製1/2Wカーボン抵抗。クラロスタット製ホーロー抵抗。
スプラグ製600Dコンデンサ。WEST-CAP製オイルコン 0.47uF。ROE製電解コンデンサ(6個)。
ホーロー抵抗は、今迄付いていた絶縁ブッシングが穴径が合わず使えなく少し苦労した。
仕方ないので有り合わせのワッシャーを噛ませてサイズ合わせして取り付け。
電源周り:
DALE製NS-2B巻線抵抗など。
日ケミ製電解コンデンサ。
内部配線が結構ごちゃごちゃして混み入ってきました。「蜜」になってきました。
ヒーター線は、少しでもハムに有利になる様、撚り直ししています。
その他、配線・引き回しで気に入らない所が有りますが、それは今後変更します。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/7c04bd26a7a57b0d4c95f734dedfa586
45 シングルアンプの製作(8) 〜外観と初試聴〜
2021-01-17
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/0540ee0d98ce0c1b3d633bef59a4fb64
回路設計、配線が終わり、RCA45シングルアンプが完成しました。1st. ver.になります。
まず、外観はこの様になりました。
整流管は、まだ『5U4G』です。
6SN7は、National Union製のブラックラウンド型を使いました。先日ステムリードを修理した物です。
さっそく、火を入れ、音を聴いてみます。
ダイナミックで開放的は音に変わりはありませんが、高音域の細かい音まで聴こえる様になりました。
これは『45』と言う球が直線性が良いためと、デカップリング追加の効果でしょうか。
また、入手時よりは左右への音の広がりが良くなりました。B電源分離が効いたのでしょう。
因みにハムノイズはスピーカーに耳を近づけても殆ど聴こえません。
しかし、音に艶とか色気は感じません。少し荒っぽく落ち着きが有りません。
且つ、低音は団子状で固まっています(ゴンッ!、ゴンッ!って感じ)。弾ける感じがありません。
このままでは満足できる筈が有りません。改良が必要です。
要因は、無帰還だから?直熱管だから?シングルだから?とか色々と考え始めます。。。
或いは、RCA45が85年も前の未使用球だから覚醒するのに時間が掛かる?
整流管は『5U4G』『5X4G』どちらでも使える様に配線しましたので、『5X4G』に挿し換えて見ます。
管壁のシルバーが眩しいです。見た目は良い感じです!。
音質は『5U4G』の時よりは濃厚に感じます。
部屋を少し暗くしてみます。
吊りヒーターの灯りが良い感じです。
兎も角、RCA45で想定通りの電圧と動作が出来たという事で、ここまでは一旦成功としておきましょう。
次は、新しい回路をひとつ導入してみました。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/0540ee0d98ce0c1b3d633bef59a4fb64
45 シングルアンプの製作(9) 〜GF回路を導入〜
2021-01-18
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/aa488e5d159fca8e1d5c72569058cda4
出来上がった45シングルアンプに、『GF回路』を導入してみる事にしました。
『GF回路』とは、グリッド・フィルタの事で、300Bで音が良いとされているWestern Electric製の91-Bアンプに使われていた回路です。
実は、これを試してみるために『無線と実験 2020年12月号』を購入したのです。
効能としては、低域に効くブートストラップ回路により低域の反応改善、更には音全体を良くすると言われています。
<回路の変更点>
@出力管のカソードからグリッド抵抗にコンデンサで帰還を掛ける。
Aカソードのパスコン容量を小さくする。
動作としては、出力管の低域信号がカソード・パスコンの容量が小さいため、充分にバイパスされず、追加したコンデンサを通してグリッド抵抗に帰還される。
この事により、ドライブ管の負荷や出力管の動作を軽して低域を生き生きとさせる効果があるそうです。
詳細は、無線と実験を読んで下さい。
私が組み込んだ回路はこの様になります。
<追加部分の回路図>
追加したコンデンサは、1uFのフィルムコンデンサ。
カソードパスコンの容量を100uFから22uFに変更。
この回路を組み込んだ結果、音質は確かに低域が生き生きと反応良く動く様になったと思います。また、中域〜高域も音が良くなった様な気がします。気がするだけかも?
しかし私が望む音とは少し違います。
低域が腰が据わっていません。地に足が着いてなく、浮足立っている様な感じがします。
もう少し改良が必要です。
試しに、コンデンサを1uF⇒2.2uFに増やしても見ましたが、さらに浮足立ちます。
MJ無線と実験 2020年 12月号 [雑誌] MJ無線と実験 2020年 12月号 [雑誌]
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〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/aa488e5d159fca8e1d5c72569058cda4
45 シングルアンプの製作(10) 〜GF外し、元の回路で再検討〜
2021-01-19
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/85c654aaeef8cab996b03910309e4adf
GF回路を組み込んだものの、私の好みの音では無かったので、結局元の回路へ戻し、再検討する事としました。
※但し、私が試したGF回路は、カソードパスコンの容量値が適当では無かったため、後日再トライしてみます。
<GF回路を中止して再検討>
@出力管45のカソードパスコン
・22uF⇒100uF/250V(ROE製)へ
・0.068uF/600V(CDE製 PM)を追加。高域の抜けを良くするため。
Aドライブ段とのカップリング・コンデンサ
・0.068uF/600V(Sprague製Black Beauty)へ。 手持ち品。
前回の回路図から、この様になっています。
やはり、音の良いのは、このコンデンサしか無いと思う。
私の持っているWest Cap 0.47uF/600Vは全域で音抜けが良くない。他の人と評価が違うかも。
Sprague VitaminQ 0.33uF/600Vも使ってみたが、高音が刺さる。
B出力段+B電源の電解コンデンサの容量アップ
・47uF/400V(日ケミ)に100uF/385V(JJ製)をパラ追加。
JJ製電解コンデンサは耐圧ディレーティングの注意必要。80%位なのでギリギリか。
シングルアンプの場合、出力段のB電源は出力信号でかなり振られるので、しっかりと押えないと低音が膨れたりダブつく。
プッシュプルの場合は、ここは理想的にはPush-Pullの出力信号で打ち消されるので理論上は振られない。
<変更後の回路図> 該当箇所のみ。
いつでもGF回路が試せるように、グリッド抵抗10kΩはそのまま残しています。
変更した結果、その音は、良い感じにはなって来ましたが、まだ粗さが残る。。。
さて次は、どうしようか?
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/85c654aaeef8cab996b03910309e4adf
45 シングルアンプの製作(11) 〜やはりNFBが必要か〜
2021-01-20
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/b64b2acd9df30850cb9b7c1e3787c999
GF回路を中止して、通常の一般的な回路に戻して部品検討して見たものの、やはり低域のダブつき、膨らみ、高域の歪っぽさは残る。
やはり無帰還(Non NFB)では、歪は数%は当たり前で、NFBが必須か? 悩ましい。。。
無帰還の音に拘る人は拘るのでしょうね。でも、私には、、、どうも疲れる音。
仕方ないので軽くNFBを掛けてみるか。
出力トランスの2次側から初段カソードへのオーバーオール帰還を掛けてみよう。
NFB量は、取り敢えず適当に5.5dB位で設定。
結線をする前に回路図上で位相を確認すると、今のままOPTの8Ωから戻すと多分発振する事がわかる。
そこで、OPTのグランドと8Ωを今の逆に接続。
そうする事でRCA入力とOPTの出力も同相になる。気持ち良い。
そして、元の0Ω側(黒リードBK)から帰還を掛ける。
<回路図> ※各部の電圧は計算値とは異なります。
配線終了後、いきなりスピーカーを繋ぐと、もし発振していたらスピーカーを飛ばす可能が有るので、まずはダミーロードを接続してオシロで波形を確認。
問題なく帰還が掛けれた様だ。
スピーカーに繋ぎ変えて、音を聴いてみる。
確かに、歪感はかなり抑えられ、低域の膨らみダブつきも後退し締まりが出てきた。また、高域も良く伸び繊細になって来た様に感じる。
しかし、このNFB 5.5dBでは少し神経質過ぎる音で開放感が無く音抜けが悪い。この音は聴いていて神経が疲れる。
音質を確認しながらNFB量を調整。
3.8dBでは不足気味。4.1dBではもう一歩。結局、4.4dBで良い感じとなった。
上の回路図は、この4.4dBの時の設定です。
矩形波の立ち上がりのリンギング取りに、抵抗にパラに小容量のコンデンサを入れています。
なかなか良い感じになってきました。回路構成は、一先ずこれで良さそう。
暫くこの状態で聴く事にします。鳴らし込んで各部品が馴染んでくるのを待ちます。
あとは、配線周りの細かい修正と仕上げになりそうです。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/b64b2acd9df30850cb9b7c1e3787c999
45 シングルアンプの製作(12) 〜グランドラインの引き回しを修正〜
2021-01-23
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/d24763ac33088eb92a1caddcca222625
この投稿の最初のほうで、配線引き回しで気に入らないところが有ると書きましたが、そこを修正していきます。
主には左右のセパレーションの改善です。
モノブロックアンプのセパレーションが良いのは、電源、グランドラインが完全に左右で独立しているからです。
ステレオアンプの場合は、ひとつの筐体の中で信号の流れに沿って出来るだけ左右で分離する必要があります。大切なのはグランドラインも含めてです。
セパレーションを悪くする要因としては、配線内での混成と高域での空中からの飛び込みがあります。
空中からの飛び込みはシールドするか離すしか有りません。距離は2乗で効きます。
<グランドの引き回し>
グランドも扱う信号の大きさに合わせて元のグランドに戻します。
「グランドラインも回路の閉ループを成す信号ラインのひとつ」という考えの基に修正します。
ポイントは、
@一点アースとする。
ALRチャンネル毎にグランドを引き回す。
という事です。
このアンプは1点アースは出来ていましたので、Aのセパレーション対策です。
グランドの引き回しを「送り配線では無く、独立配線」としました。
例えば、L(GND) ==> R(GND) ==> 元GNDとなっていた所は、L(GND) == 元GND、R(GND) == 元GND
或いは L(GND) == 元GND == R(GND)としました。
初段、ドライブ段、出力段のカソード配線でこの様な所が見受けられました。
(修正後)
写真上部のホーロー抵抗のグランドラインを下の写真と比べてみて下さい。変更してます。
他には、見え難いですが写真右下の6SN7周りのグランドの引き廻しも修正しています。
(修正前)
それにしても、購入時から比べると内部が結構「蜜」になってきました。
<信号ラインの引き回し>
左右の信号ラインは束ねない様にしました。可能な場合は離して別経路を通しました。
上の写真を参照。
<入力部の内部配線>
RCAソケットからVRまでの内部配線に1芯のシールドケーブルが使われていましたが、私は、編み線にグランド信号を通すのは好きでは有りませんので、2芯タイプのシールドケーブルに交換しました。
使用したケーブルは、「タツタ立井電線のマイクケーブル」です。
編み線は片側でグランドします。今回は、配線のやり易かったRCAソケット側でグランドしました。
また、VR〜初段グリッドは短いので単線を使いました。
(変更前)
(変更後)
これらの修正により、音の左右の分離が良くなり、音に広がりが出てきました。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(13) 〜入出力端子を交換〜
2021-01-24
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/9a0bcddc309262ab12a030a6a7c93c84
見た目を良くするために、RCA端子とスピーカー(SP)出力端子を交換しました。
裏側なので普段は目にする事は無く、気にならないのですが、それでも少し良い物に交換しました。
音質改善にも繋がるかも知れません。
※なお、このSVシリーズは最初から高級端子が付いているバージョンも有る様です。
しかし、私が購入した中古品では、RCA端子は少し小型の取り付け穴Φ6.3の物、SP端子はΦ8の物が使われていました。
RCA端子は、私が使用しているRCAプラグだと少しルーズになります。
また、SP端子は、使用中のバナナプラグが奥まで入りません。
〇RCAソケット
<交換前>
写真を撮り忘れました。こんなイメージです。
これを手持ちの取り付け穴Φ8の金メッキ品へ交換。
下の写真は現状ソケットを外したところです。
この穴をステップドリルでΦ8に広げました。
ステップドリルは、規定の大きさに拡げる事が出来るのでリーマーより便利と思います。
ステップドリル スパイラルドリル ドリルビット螺旋 2個セットHSS-Co M35 六角轴 4-20mm 9段 4-12mm 9段... ステップドリル スパイラルドリル ドリルビット螺旋 2個セットHSS-Co M35 六角轴 4-20mm 9段 4-12mm 9段...
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<交換後>
RCAプラグもしっかりと固定が出来る様になりました。これで安心です。
〇スピーカー出力端子
私は通常バナナプラグを使っているので、奥までしっかりと入って欲しいです。
それに、もう少し高級感が欲しいので、金メッキ品に交換。
<交換前>
こちらもステップドリルでΦ8穴をΦ10に拡げて取り付けました。
<交換後>
大型端子でバナナプラグもしっかり入る様になりましたし、ちょっと高級感も出ました。
〇端子交換後の背面全体
これで背面の見た目も良くなり、高級感が出てきました。自己満足。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(14) 〜音が安定してきた。〜
2021-01-26
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/1ec1f3ee8ba1f322222b262178ad9b5a
もう少し回路を弄ってみました。
<B電源のデカップにブリーダ抵抗を追加>
電源のコンデンサ容量を増やすよりもブリーダ抵抗を追加して、そちらへ電流を流した方が効果があるとアドバイスを頂きましたので、早々にテストをしました。(45シングルアンプの製作(10)のコメント欄に記載した内容)
因みにWE91-Bでも梯子型デカップが組んで有ります。これも音が良い一因か。
確かに、コンデンサの容量アップに比べ、スッキリとした低域で躍動感やスピード感が有ります。
<出力管のグリッドに直列抵抗を追加>
ここは完全に見落としていました。
高域発振防止のためにも必要でした。過去に製作のアンプには入れています。
この抵抗の追加は、高域の安定化にかなりの効果が認められました。
(変更後の回路図) ※〇で囲まれた部分が今回の変更点。
・増幅部
・電源部
<初段、ドライブ管6SN7を交換>
初段、ドライブ段用として使っている6SN7GTを交換してみました。
今までは、NU(National Union)製のブラックガラス品でしたが、これをTUNG-SOLのVT-231に交換しました。
Round Plate/Black Glass品で、私の虎の子の2本です。かなり昔に苦労して海外から手に入れました。
やはり良いですね!全域に渡り綺麗な音で空間表現が素晴らしいです。ノイズも皆無。
他に、Sylvaniaの通称Bad-Boy(3穴)も持っていますが、少しノイズが出ます。流石に音質は良い!
またRCAの赤ベースも持っていたのですが、これは手放してしまいました。残念。
<電源ヒューズの交換>
スローブロー・タイプのLittelfuse製の物へ交換。
ここに使われているものは31.8mm(US)タイプ。
20mmタイプならBussmannも持っているのですが、このタイプの手持ちはLittelfuseの1本だけだった。
これらの変更をした後、改めてその音を聴てみました。
高域の荒さも無くなり、低音も良く締まって、良い感じです。
高域が暴れていて混変調で低音も濁らしていたのでしょう。
ヒラリー・ハーンのバイオリンが何と艶やかな事か!
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ダイアナ・クラールの歌声もゾクゾクッ!とします。バックの演奏にボーカルだけが浮かび上がります。
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製作初期の頃とは雲泥の差です! 聴いていて気持ちが良く、酔いしれます。
入手した頃とは比べ様も無い位に素晴らしいアンプになりました。
ここまで安定化してくると、帰還量を減らしても良いかも? 無帰還でもいけるかも?と思ってしまいます。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(15) 〜6SN7GT Sylvania "Bad Boy"〜
2021-01-3
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/20ca006f9815853403ef24a918e622c4
前回の投稿で書いた手持ちのSlyvania 6SN7GT "Bad-Boy"を使ってみました。
その音質は低域から高域まで帯域が広く音数も多いです。
高域が煌びやか綺麗で、誇張ある(エッジの効いた)キリッとした音で、各楽器の音の輪郭が明瞭です。
Western Electricの音に近い様な気がします。張り出しの有る音です。
ソフトでは無くシャープな音です。甘くはなく辛めの音。各楽器の音を拾うには良いでしょう。
ブラックプレートは概ねその傾向が有る様に思います。
音源の良し悪しがハッキリとその音に出てきます。
流石に有名なヴィンテージ品Bad Boyです。
本家本元のBad Boyの特徴は、
1)両サイド3穴のT型ブラック・プレート
2)ボトム矩形ディンプル付板状ゲッター
3)管壁のボトム・クロム・ゲッター・フラッシュ
4)上下の長方形マイカ、上側は3つの楔型突起で管壁に当て固定
5)銅のグリッドポスト
6)黒のベースに緑文字で「SYLVANIA MADE IN U.S.A.」印刷。軍用の▽Sマークも。
7)ボトムに縦書きの製造デートコードが「1xx、2xx、3xx」
私所有の球は「252」「226」。1952年52週と26週製造。
です。
私はよく調査した上で、海外のオクで競り落としました。かなり以前の話。
それがコレ↓。 正真正銘の"Bad boy"です。
これを手にするまでは、何回か類似品を掴みましたが、音質は全く違う物でした。
中にはハムの出るものや、グリッドリークの有る物も。
年代物の球って、紛い物や難有り品も有り、真っ当な物を見抜くのが難しい事を勉強させられました。
しかも英語文書説明や相手とのやり取りなので、さらに難しかった。
それに比べれば、日本のオクはやり易いです。
しかし最近、オクでも2穴品やトップゲッター品は見かけますが、3穴品はさっぱり見かけません。
今となっては、それだけ希少な球なのでしょう。くれぐれも、3穴品が本家です。
この球、ステムリードの半田付けも修正しましたが、最初は1本だけ少しハムが出ていました。
スピーカーから30cmも離れれば聴こえないのですが、暫く使っていなかった所為もあるかと思い、鳴らし込みをした結果、5日間位鳴らしたらハムは無くなりました。
アンプの外観は、5本ともシルバーの管壁で揃い見事です。
しかし、私にはこの音で長時間聴いていると疲れます。人によると思います。
結局、元のTUNG SOL VT-231 6SN7GT "Round Plate" "Black Glass"に戻しました。
こちらの方が音として纏まりが良く、私好みです。
今日の一枚:
奇跡のテノール歌手 Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)の去年の暮に発売された最新作です。
Believe~愛だけを信じて (SHM-CD) Believe~愛だけを信じて (SHM-CD)
アンドレア・ボチェッリ
Universal Music
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デビュー以来、CDのセールス枚数は8,000万枚超え、クラシックのアーティストとしては圧倒的枚数ですね。
美しい歌声に魅了されるのは勿論ですが、今回のCDはオケの演奏、音質も素晴らしい!
特に、14曲目「Angnus Dei」がお薦めです。オーケストラの壮大な演奏、力強くどこまでも延びる歌声、素晴らしいの一言。感動ものです。
是非、大型スピーカーで、ある程度音量を上げて聴いてみて下さい。
因みに、我が家のリビングのSP-505J(UNIT JBL LE14A(35.5cmウーハー)+LE175)では素晴らしかったのですが、実験ルームのJBL L26(125A 25.5cmウーハー)ではスケールが感じられず全然ダメでした。スピーカーのグレードが違い過ぎるか。。。(笑)
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45 シングルアンプの製作(16) 〜NFB量の調整〜
2021-02-04
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/d2beeaf8107384360e0d6c53e1dabad0
45シングルアンプのNFB量を変更してみた。
帰還抵抗を2.2kΩから2.7kΩへ。
NFB量は計算上、今の4.4dBから3.8dB位になる。
変更後、聴いてみると結構良い。
回路を調整して全体が安定したために、NFB量を減らしても低音がダブついたり、中高域が歪っぽくなる事も無くなった。
ものの本によると(森川氏著)、2A3の場合、安定度から3dB位が推奨との事。
あまり多くの帰還を掛けると、球の個性が出ず、どれも同じ様な音質のアンプになってしまうとの事。
球の個性を生かすには無帰還が良いのですが、実際に無帰還にして聴いてみると、高域の繊細と伸びが不足気味、低域も少しダブつきます。
NFB量を3.8dBから3dBにして見たいのですが、手持ちの適当な抵抗が無い、残念、、。
後日、何かのついでに抵抗を手配し実験してみる事にします。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(17) 〜カソードパスコンの構成変更〜
2021-02-05
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出力管45のカソードパスコン構成を変更してみました。
ここには、EROの電解コンデンサ(金)100uFとCDEのPM(緑) 0.068uFをパラにしていたのですが、どうも高域が耳に付いて落ち着いて音楽が聴けません。
これは、CDE PMの鈴鳴り"チリン〜、チリン"かな?と思い、外して見た。
その結果、高域が落ち着きました。こちらの方が良い感じです。。
CDE PMは噂通り、高域に特徴がある様です。
高域を見通し良くするには使えそうですが、このアンプには必要無さそうです。
EROの電解コンデンサだけでも充分に高域が出ています。
ある本(MJ)の製作例には、このカソードの電解コンに小容量のフィルムコンを並列に入れると、高域の延びや抜けが良くなると書いてあります。
確かにその通りですが、ここにCDE PM(緑)のフィルムコンを使うと、高音ばかりが強調され、折角のMade in Germanyの電解コン「ERO(Roederstein)」の良さが活きてきません。
他のフィルムコンでは試してませんが、音のバランスから考えると「どうかな?」ってのが私の感想です。
高域が強調される所為か、音が空間に散らばり中域が薄くなり纏まりが有りません。
クラシック系には良いかも知れませんが、主にポップス、ジャズ、ロックを聴く私には合いません。
まあ、私個人の主観ですので、好みや感じ方の違いは有ると思います。
〜つづく〜
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45 シングルアンプの製作(18) 〜整流管をRogers 5X4Gに交換〜
2021-02-07
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/2e72fb7bcc90911bab998125f9dd20c7
整流管を音が良いとの評判のRogers製 5X4Gに交換。
Rogers 5X4Gの概要:
CANADAのRogersはFablessなので、USのRCA or SYLYVANIA or TUNGSOLにOEMとして作らせたものと思われます。
製造年は、ロット表記が無いので推測になりますが、ゲッターフラッシュがマグネシウムである事から1940年〜1950年半ばと思われます。マグネシウムが第1世代、第2世代はバリウム合金。
今まで使用していたNL製をSlyvania製OEMと仮定するならば、吊りヒーターでSlyvaniaと似ていますが、マイカ板の形状が特徴的です。
ステムベースはSlyvaniaよりも綺麗です。
板状Dゲッターですが、Slyvaniaは僅かに上向き、Rogersは僅かに下向きの違いが有ります。
ガラスのボトルはRogersの方が背が高いです。並べてみました。
左から、Sovtek 5U4G / Rogers 5X4G / Slyvania(NL) 5X4G
尚、今回入手したRogers品は未使用NOS、測定確認品でした。
換装後、電圧確認をしましたが、問題ありませんでした。
搭載したところ。
トランスより僅かに背が高いです。裏返す時に気を付けなくてはなりません。
RCA/Cunningham 45(こちらもマグネシウム・ゲッター)と並ぶと見事です!
カッコ良い!!! 自己満足。
肝心の音質ですが、整流管でこれだけ音が違うものかと思いました。
使い始めは、音が明瞭でタイトでしたが、熟れるとタイトさが解け音像が立体的になって来ました。音数も多く厚みのある音です。世間の評判どおりに音が良いと感じました。
手持ちの整流管で比較すると、Rogers 5X4G > Slyvania 5X4G >> Sovtek 5U4G といった感じでしょうか。
なお、前の記事でも書きましたが、5X4Gと5U4Gを換装可とするには配線に工夫が必要です。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/2e72fb7bcc90911bab998125f9dd20c7
45 シングルアンプの製作(19) 〜今後の検討予定〜
2021-02-10
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/fc707041b91d5eaae4b79ff4f306892e
RCA 45 シングルアンプが完成し、今の音で一旦満足していますが、まだ幾つか実験してみたい事があります。
<今後の予定>
@NFB量の再調整
今は3.8dB位ですがもう少し軽く3dB位にしてみたい。
手持ち抵抗が無いので手配予定。
Aドライブ段の設定見直し
出力管がフルスイング出来ていないとの指摘があったので見直し。
ロードラインを再確認すると確かに。
通常はフルスイングさせるまで音量を上げないので問題ないとは思うが再設定。
ロードラインを少し寝かせた上で動作点を少し右に移動しようと考えています。
一応設定は出来ましたが、手持ち抵抗が無いのこちらも手配予定。
Bカソード抵抗をメタルクラッドに変更。
メタルクラッドの方が低歪率? 取り付け、放熱どうするか? 悩ましい。
CGF回路
今でも充分に躍動感ある低音だけど、一応テストはして見たい。
Dひと通り終わったところで諸特性の測定
PCを使った歪率測定にも挑戦してみたいが、、、。手持ちの機器(DAC等)で出来るかな?
上から優先順位と言うか、やり易いところから並べてみました。
ここからは、ゆっくりとやりたいと思います。
部品手配は送料が掛かるので、他の部品と纏めて手配。
因みに、今のお姿を載せておきます。
〜つづく〜
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/fc707041b91d5eaae4b79ff4f306892e
45 シングルアンプの製作(20) 〜毎日、ロードラインを眺めている〜
2021-02-24
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/037845e414a938410a5e53ca85c97b37
色々な方から、今の電圧設定、ロードラインについてアドバイスや指摘を頂いたので、毎日ロードラインを眺めながら、あーでも無い、こーでも無いと引き直しをしています。頭の中がロードラインでいっぱい(笑)。グラフも試行錯誤で線がいっぱい。何が何だか分からなくなってきました。
電源電圧等、限られた条件の中で引き直し、理想とする形を作るのは大変です。
あちらを立てれば、こちらが立たず。いやぁ〜、難しい。
今の電源電圧では理想とするドライブ段のロードラインは出来ないのでは?と思ったりします。
そこで思ったのは、設計指標と言うのはあるだろうけど、最適解は自分の耳で聴いて見つけるしか無いのではと。
ある本にも書いてありました。「どのロードラインが良いかは一長一短があり何とも言えない。」と。
やはり、あちらを立てればこちらが立たないのかな?と思います。
また、「電子回路の設計には全てを解決する正解はありません。そして、ある条件を満たす解は複数存在します。どれを選ぶかは設計者の考え次第です。たとえ机上設計あっても、より多くのケースを検討し考えた人がより良い答えを見つけると思います。」とも書いてありました。
責任逃れの口上の様にも聞こえますが、私もその通り、幾つかの解が有ると思います。
そんななか、私なりに今の条件でのポイントを纏めてみました。
<考え方のポイント> ※回路構成は2段直結になっています。使用球は6SN7GT。
(初段)
1.初速度電流の影響を避け、バイアス電圧は1.8V〜2.0V。
2.B電源電圧は240V〜250Vくらい。
3.B電源の電解コンに並列のブリーダー抵抗は100kΩ。
プレート電流とブリーダー電流を同程度にして安定を図るためと、電源投入時の次段グリッド電圧Vgの上昇を抑えるため。
4.プレート電圧Vpは、次段(ドライブ段)のバイアス電圧とVk-h耐圧Max.100Vを考慮し、60V〜80Vくらい。
それ以上になるとヒーターバイアスが必要になり面倒。
(ドライブ段)
1.バイアス電圧は5V〜6V程度。
今の電源電圧310V程度でスイング幅を多くとるためには、バイアス電圧は、この位にせざるを得ない。
理想に近づけようとすれば、電源電圧を上げるしか無い。
例えば、初段のプレート電圧を64Vにするなら、カソード電圧は69V。
2.プレート電流は出来るだけ多く流したい。
3.プレート抵抗を大きくすると、音に伸びが無くなる。
実験でもその様に感じました。
4.B電源デカップのシリーズ抵抗を小さくすると、デカップ効果が減少し音質に影響?(心配だけ)
それをブリーダ抵抗に流す電流で補う?。実験でもブリーダ抵抗値は小さい方が良かった。
あくまでも机上で考えた内容ですので、実際にやってみて、音質は自分の耳で確かめてみるしかない。
ドライブ段で出力管をフルスイング出来るかどうかも、商品として販売するでも無く、特性を競うものでも無いので、私が通常聴く最大音量で潰れないければ良い、それよりもむしろ通常聴く音量での音質を重視という具合に考える様にしました。
という事で、現時点での設定です。
ドライブ段のプレートとカソード抵抗は、PK分割の対象回路である必要が無いので同じ値ではなくプレート抵抗を39kΩにしてみようかとも考えています。音の伸びは少なくなるかな?
今日のAC電源電圧は103.5Vでした。ここ2,3日暖かったのでエアコンを使う人が減ったのかも。家の前に電柱・トランスがあるのに、コレですからね。
これだけ変動するとアンプ内電源トランス2次側で10V程度変わってしまう。どうしたものか?
これから電圧測定する時は、電源トランス1次側も測定する必要がありますね。
AC120Vを使っていた時は、ACレギュレータ電源を使っていたので、殆ど変化しなかったのになぁ〜。
それと、実験をしている時に、重要な事が分かりました。
試行錯誤の実験で半田付けを何回もやり直す時に、古い半田をそのままにしないで、必ず古い半田は取り除いてから新しい半田で半田付けをする事。当たり前の事かも知れませんが、面倒になりついついという事が有ります。古い半田はボロボロになり、低音不足になったり、音の艶、伸びが無くなります。
また、加熱直後の部品は本来の音がしないので、すぐに判断してはいけない。
私は、僅かな音質変化も感じ取るので損な体質かも?
この設定は、まだ検討途中です。もっと良い設定が見つかるかも知れません。
まだまだ勉強不足ですので、見落としや間違いがあると思います。
お気づきのところがあれば、指摘を頂ければ有難いです。
人それぞれ感性が違うので、自分好みの音を追及することこそ、残された人生のなかで歩むロマンチック街道ではと思ったりします。。。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/037845e414a938410a5e53ca85c97b37
45 シングルアンプの製作(21) 〜NFBの調整〜
2021-03-06
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/aba52ebeb9c027863719a438d6bbb84f
やっと必要な部品を注文。纏めて注文しないと送料が勿体無いです。
発注の翌日に届きましたので、先ずNFBの調整をしてみました。
部品手配前に、手持ちの抵抗を並列にしたりして適当な抵抗値を作り出し、何通りか試して大体の見当を付けました。
NFBの検討で必要なのは、@帰還量とA時定数の設定です。
計算例です。
尚、初段のR2は定格56Ωを使用していますが、A&B製なので実測は60Ωでした。
@帰還量について
結論は、やはり3.0dB近辺が良さそうです。
2.5dB以下に減らすと、無帰還の時の音に近づき、中域音にハリはあるのですが、繊細さ上品さが無く荒っぽくなります。低音がドンッ、ドンッと鳴り、締まりが有りません。弾く様な音になりません。
かと言って、4.0dB以上に増やすと、高域の伸びは良いのですが、音に躍動感がなく神経質過ぎて面白くありません。立体感も無くなり音が前に出てきませんし、低音の量感がも少し不足します。
Aの時定数に関しては、教科書によると、この様に書いてありました。
これに従って、何種類か実際に自分の耳で聴き、良さそうな数値を割り出しました。
全部試したわけではありませんが、計算だけはしておきました(上の表)。
私の耳では、(f1)は450K〜500kが良さそうな結果となりました。
f1が高くなると、音にザラツキを感じる様になります。逆に低くなると、高域が出にくくなります。
オシロスコープで矩形波の確認をしましたが、Cが有る時と無い時で立ち上がり部分での波形の差はほんの僅かです。
この僅かな差が音楽を聴いていると人間の耳にはわかるのですね。不思議なものです。
現時点での設定として、R=3kΩ、C=110pFとしました。帰還量は計算上で3.46dBです。
なかなか良い感じです。ピタッと合った感じです。
高域もそれなりに出て、低音も締っています。ボーカルも張りがあって前に良く出ています。
気持ち良く音楽が聴けます。
さて、他にも部品を入手したので改造の続きを行います。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/aba52ebeb9c027863719a438d6bbb84f
45 シングルアンプの製作(22) 〜ACインレットとヒューズ交換〜
2021-03-10
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/8fa09a071b732df26e8d1fdd29328631
今回部品手配した際に、ACインレットとヒューズも購入した。
ACインレットは、オリジナルに使用されていた物がフィルター付きだったため、音痩せを気にして交換してみた。
個人的には、デジタル回路なら兎も角、アナログだけの回路には必要ない様に思う。
確かに、家庭電源からの高周波ノイズの重畳には効果ありそうだが、それがアナログ信号にどれだけ影響があるか疑問です。それよりも音が痩せるのが気になります。
今回、交換したACインレットがこちら。
左が元々使われていた物。LCフィルタが入っている様です。
右が新たに購入した物。Switchcraft製です。
ヒューズはこちら。
左が変更前。Littelfuse製のスローブロータイプ。セラミック管です。
右が購入した物。スローブロータイプ、シングルエレメント、ガラス管。Bussmann製?
交換後の音質変化。
音が太くなり、特に中域の輪郭がくっきりはっきりとして力強くなった様な。
気がするだけかも?。。。
まあ、これも拘りですね。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/8fa09a071b732df26e8d1fdd29328631
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/154.html