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2021年12月01日10時30分 〜
記事 [政治・選挙・NHK284] メディアにまんまと乗せられて泉・小川「共産党との共闘で失ったものがある」(まるこ姫の独り言)
メディアにまんまと乗せられて泉・小川「共産党との共闘で失ったものがある」
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2021/11/post-e65626.html
2021.11.30 まるこ姫の独り言


メディアはそれを言わせたかったのだろうが、メディアの質問である「共産党との共闘で失ったものがある」にまんまと乗せられて手を上げる泉・小川

「共産党との共闘で失ったものがある」泉氏、小川氏
 11/28(日) 19:27配信 フジテレビ系(FNN)

>「共産党との共闘で立憲民主党は失ったものがある」。4候補のうち2人が手を挙げ、反省の弁を述べた。

>小川氏は、「今回の『限定的な閣外協力』という言い方は非常に中身がよくわからない」と指摘。「国民の十分な理解につながらなかった」との見解を示した。

>泉氏は、比例で議席を減らしたことに関し、「立憲の政策、実績をきちんと訴えなくてはいけなかったが、野党全体の訴えというふうにぼけてしまった」と悔やんだ


中身は共産党に対してさほど非礼なことは言っていないと思うが、見出しに「共産党との共闘で失ったものがある」と書かれたら共闘を応援した方がどう思うか考えないと。



特に共産党支持者はどう思うか。

選挙期間中、共産党への自分達さえ良ければ見たいな、共産党に候補者を降ろさせるニュースばかりを見ていたら、私は別に共産党支持者ではないが相手へのリスペクトが足らないのではないのかと思ったりもしていた。

共産党を自分達の駒のように扱うのも嫌だった。

共産党は、野党共闘が日本のためになるならと大きな心で問題視しなかったが、やっぱり立憲の非礼な態度は目に余るものがあった。

連合も、しょっちゅう茶々を入れてくるし。

そういう「共産党嫌い」と言う偏見が全面に出てメディアも載せてしまうから、「共産党」に対しての世間も刷り込まれていくのではないか。

共産党は何時まで経っても、危険な政党扱いだ。

それは政治家も悪いと思う。


国民の玉木なんか、連合の吉野同様、「共産党アレルギー」を前面に出す。

あれだけメディアで流されたら表面的にものを見ない国民は、すぐに染まってしまうだろう。

しかし維新の言ったもん勝ちの目先の詐欺手法より、よほど共産党の方が国民目線だと思う。

選挙後、立憲の負けの原因を「共闘」のせいにするのもいかがなものか。

メディアにまんまと乗せられている。

番組内でも立憲議員は「1人区」は候補者調整をしないと勝てないと言っているわけで、どう考えても共闘しないと野党の勝ち目はない。

しかし「共闘」が相手の候補者を降ろさせる事が主眼になるようでは情けない。

これでは立憲の株も下がる。

メディアは、どうしても「共産党との共闘で失ったものがある」と言わせたいのだから、それに乗る二人は思慮が足りないと思う。

代表選に立候補した人とはとても思えない。


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/426.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 共産志位委員長退陣時です 田村智子さん出番です 
共産志位委員長退陣時です 田村智子さん出番です
http://blog.livedoor.jp/pat11/archives/52000163.html
2021年12月01日 自民党的政治のパンツを剥ぐ


田村副委員長経歴
2016年4月、日本共産党副委員長、常任幹部会委員に選出される
1965年生まれ 57才

志位委員長は長すぎる 書記長から委員長と
共産党の顔代表でもう40年だ
死ぬまでやるつもりでいるようだ

***

自民党も立憲も維新も執行部が変わった
居座り続けても
賞味期限切れと世間は共産党の体質そのものを
許さないだろう
連合と同じ黒幕指名人事の怪しさが付きまとうからだ


*****

最低条件は
自民・立憲と同じ 党員代表選挙をすべきとなる

共産党は立ち居振る舞いに国民全員が疑心を持っている
何故狂ったような反中政党なのか

強硬右翼でありヒトラー並みの反共政党
共産党という矛盾だ
CIAと裏で握った過去もある
伏魔殿政党との疑惑だ


***

この疑惑を払拭すれば
共産党は日本最高の政党資格を持つ
清廉潔白政党として

更に女性党首になるなら(可能性最大値が今)
人気が急膨張する

絶対必要条件は
志位氏&黒幕の部屋=古民家を解体すべきだ
その為
志位氏辞意 志位氏を除く国会議員全員
被選挙義務による党員投票代表選挙 これ一発だ
過半数上位決戦も


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/427.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 立憲民主党・泉健太新代表を待つ“茨の道” 最大の関門は支援団体「連合」との距離感(日刊ゲンダイ)



立憲民主党・泉健太新代表を待つ“茨の道” 最大の関門は支援団体「連合」との距離感
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298081
2021/12/01 日刊ゲンダイ


立憲民主党臨時党大会で新代表に選出された泉健太氏(C)日刊ゲンダイ

 立憲民主党の代表選が30日、東京都内で投開票が行われ、決選投票の末、泉健太政調会長(47)が逢坂誠二元政調会長(62)を破り、新代表に選出されたが、喫緊の課題である党の立て直しは茨の道だ。

 7カ月後に迫る参院選で、野党第1党として与党といかに対峙するのか、いかに有権者の支持を高めるのか、態勢づくりが急がれる。最大の関門は支援団体の「連合」との関係だ。

「連合と共産党の考えが違う。立憲と共産党の共闘はあり得ないと言い続ける」

 28日に出演したBSテレ東の番組で、連合の芳野友子会長(55)はこう強調した。新代表に対しては、「しっかりコミュニケーションを取り、連合の考え方に理解いただきたい」。来夏の参院選に関しては、「立憲、国民民主党、連合が協力し合って戦える関係をつくりたい」「(両党の)合流を今後も求めていきたい」と連合側の主張を展開した。

連合の芳野友子会長は“あやつり人形”


支援団体の則を超えている(連合・芳野友子会長)/(C)日刊ゲンダイ

 代表選最終盤にこの発言とは、候補者にプレッシャーを与えようとしているのだろうか。4候補はいずれも「衆院選での共産党との共闘は間違っていなかった」としているから、芳野連合との協力関係を再構築するのは簡単ではない。

「大事なのは距離感です。立憲民主党が連合のための政党になってしまったらおかしな話。主体は政党にあるのだから、立憲がまず理念や方向性を決めて、支援してもらえるのかどうかを問うのが筋。連合のための政党なら、連合が主体となって政党をつくればいいわけですから」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 確かに、立憲と共産党との共闘を「あり得ない」と切って捨てる連合は、支援団体の則を超えている。立場をわきまえない発言を平気でするのは、「芳野会長が“あやつり人形”で、幹部に言われるがまま話しているだけだから」(連合関係者)との指摘もある。連合の共産嫌いは労働組合の闘争の歴史からくる過去の恩讐のような側面もあり、新代表が連合の言うなりになれば、判断を間違う。

 さらに泉新代表には、党内融和と支持率アップという課題ものしかかる。旧立憲系、旧国民民主系、旧無所属系など、代表選での支持には党内グループの色分けが見えた。党内の足の引っ張り合いが旧民主党時代からの“お家芸”だけにノーサイドをつくれるのかどうか。

 1ケタに低迷し続ける支持率をアップするには、いかに有権者の期待感を集めるかだが、これが一番難しい。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/428.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 立憲民主が進む弱小政党への道(植草一秀の『知られざる真実』)
立憲民主が進む弱小政党への道
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-603e7b.html
2021年12月 1日 植草一秀の『知られざる真実』


日本国憲法前文に次のように記している。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、(中略)主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」

「国民が正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する」

のである。

「国政は国民の厳粛な信託によるもの」。

他方、政党は「共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体」。

国民が各個人の考えを代弁する政党に所属する候補者や政党そのものに投票する選挙を通じて政治が行われる。

政党のために国民が存在するのではなく、国民のために政党が存在する。

より正確に言えば、国民が自らの望む政治を実現するために政党を組織するのだ。

国民のための政党であって政党のための国民ではない。

立憲民主党がこの基本を理解しているか疑わしい。

立憲民主党が泉健太氏を新代表に選出した。

立憲民主党は先の衆議院総選挙で惨敗した。

立憲民主党と国民民主党はかつての民主党、民進党が離合集散を繰り返して創設されたもの。

このグループの2017年選挙と2021年選挙での獲得議席数は以下のとおり。

2017年「立憲+希望」 選挙区36  比例69

2021年「立憲+国民」 選挙区63  比例44

立憲民主党議席は改選前が109だったが、今回総選挙で96に減らした。

選挙区で議席を大幅に増やしたが比例代表で議席を大幅に減らした。

選挙区で議席を増やした要因は野党共闘にある。

共産党が候補者擁立を取り下げて立憲候補者の支援に回った。

この結果として多数の議席を確保した。

他方、比例代表選挙結果は立憲民主党の実力を示す。

立憲民主党は支持を大幅に失い、比例代表の議席を大幅に減らした。

比例代表選挙で全有権者の何パーセントが投票したのかを示す絶対得票率を見ると

2017年 2021年

「立憲+希望」 20.0%
「立憲+国民」       13.7%

「維新」     3.3%  7.8%

「共産党」    4.2%  4.1%

になっている。

「立憲+国民」が得票率を大幅に下げ、「維新」が大幅に得票率を上げたことが分かる。

泉健太氏は共産党との共闘に否定的な姿勢を示す。

「共産党との共闘はあり得ない」とする連合と足並みを揃えている。

次の選挙で立憲民主党が共産党との共闘を排除するなら、立憲民主党は選挙区でほとんど議席を確保できなくなるだろう。

参院選について野党候補を一本化することが望ましいとしているが、基本政策を共有せずに候補者を一本化することは正当でない。

「野合」そのものだ。

連合の主張は、戦争法制容認、原発稼働容認、消費税増税容認の色彩を色濃く持つ。

共産党との共闘をあり得ないとする主張は「守旧勢力」の主張そのもの。

立憲民主党がこの方向を明確にするなら、支持者は激減し、次の総選挙でさらに惨敗の度合いを強めることになるだろう。

重要なことは、自公政治刷新を求める主権者の層が極めて厚いこと。

戦争法制排除、原発稼働ゼロ、消費税減税・廃止を求める主権者が多数存在する。

この主権者は共産党との共闘を排除しない。

立憲民主党が守旧政党としての性格を鮮明にすると、自公政治刷新を求める主権者の意思を代弁する中核政党が不在になる。

守旧政党としての性格を露わにする立憲民主党に国政を委ねることはできない。

この意味で日本の主権者は自らの政治的主張に寄り添う、信頼できる確かな野党を創設する必要に迫られている。

立憲民主党代表選結果が今後の最大課題を明らかに示している。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd

10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a

のご高覧も賜りたい。


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/429.html

記事 [政治・選挙・NHK284] <速報>松野官房長官、国内2例目のオミクロン株確認を発表<先月27日成田空港に到着、ペルー滞在歴の20代男性> 
【速報】松野官房長官、国内2例目のオミクロン株確認を発表
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4417384.htm
1日 16時13分 TBS



松野官房長官は、先月27日に成田空港に到着したペルーに滞在歴がある20代の男性が「オミクロン株」に感染していたことを確認したと明らかにしました。「オミクロン株」が国内で確認されたのは、これで2例目です。

 政府はこの後、松野官房長官を議長とする第2回のタスクフォースを開催し、対応などについて協議する予定です。

 松野官房長官は、「引き続き強い危機感を持って状況把握に努めるとともに、各国の感染状況を踏まえ、機動的にかつスピード感を持って必要な判断を行っていく」と述べました。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/430.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 安倍元首相が謎の「官邸押しかけ」20分 “権力喪失”で勝手に自己顕示のハタ迷惑(日刊ゲンダイ)



安倍元首相が謎の「官邸押しかけ」20分 “権力喪失”で勝手に自己顕示のハタ迷惑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298136
2021/12/01 日刊ゲンダイ


ムネオ講演でも必死の熱弁(安倍元首相)/(C)日刊ゲンダイ

 謎のセレモニーだ。安倍元首相が30日、岸田首相を官邸に訪ね、20分ほど会談。岸田首相はエントランスホールに出向き、“キングメーカー”をお出迎え。自民党最大派閥・清和会の会長就任のあいさつとして安倍元首相が面会を申し入れたそうだが、約2週間前にも議員会館の自身の事務所に面会を希望した岸田首相を呼びつけ約30分、みっちり話し込んだばかりだ。

 この時、すでに安倍元首相は派閥会長に収まり、「就任あいさつ」は済ませたはず。なぜ、安倍元首相は記者団に見せつけるように、わざわざ官邸に押しかけたのか。

「党内人事などを巡り、安倍さんは岸田総理に邪険にされているとの思いがある。そのため、最大派閥の数の力を見くびるな、と言外に脅したのでしょう。総理は先月11日に今回と同様に菅前首相を出迎え、新型コロナ対策への協力を要請。甘党の菅さんのために好物のどら焼きまで用意する異例の“おもてなし”でした。安倍さんには『菅よりも格上』との意識もあり、官邸に行けば菅以上にもてなすよな、と総理を試したのかもしれません」(自民党関係者)

 不満をぶちまけられたのか、会談後の岸田首相は冴えない顔で逆に安倍元首相は上機嫌。その後、党本部に麻生副総裁を訪ねた際もホクホク顔だった。オミクロン株で大変な時に力を誇示しようと官邸に出向くとは、相変わらず自己本位で迷惑な男だ。

急速な権力喪失で“禁断症状”か

 安倍元首相は29日も維新の鈴木宗男参院議員の叱咤激励する会で講演し、アベノミクスの成果を長々と訴え、周囲をあきれさせていた。

 スイッチが入った安倍元首相はトランプ前米大統領との蜜月自慢にも花を咲かせ、ついには北朝鮮からのミサイル攻撃を前提に「トランプ大統領としょっちゅうゴルフをしたのは、こんなに仲がいいから『安倍が電話をしたらトランプは報復する』と抑止力のため」という“珍説”まで披露。熱弁は約25分に及んだ。

 いずれも急速に権力を失いつつあることへの焦りの表れだろうが、安倍元首相はもっと他人の迷惑を顧みた方がいい。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/431.html
記事 [政治・選挙・NHK284] またも潜り込む竹中平蔵。岸田政権「新しい資本主義」の大ウソを暴く  高野孟(まぐまぐニュース)
またも潜り込む竹中平蔵。岸田政権「新しい資本主義」の大ウソを暴く
https://www.mag2.com/p/news/520178
2021.12.01 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』 まぐまぐニュース



岸田首相が成長戦略の1つとして掲げる「デジタル田園都市国家構想」。内閣官房HPによれば、「地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていく」とのことですが、疲弊しきった地方をデジタルで救い起こすことは可能なのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、岸田首相が「引用元」とした大平正芳内閣の「田園都市国家構想」の概要を紹介するとともに、優れた思想性を高く評価。さらにその構想に「デジタル」の文字を冠しただけの現政権の姿勢を軽佻浮薄と切り捨てています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年11月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

日本政界を覆う「哲学の貧困」の深刻/例えば「デジタル田園都市構想」の浅薄極まりなさ

岸田文雄首相の旗印は「新しい資本主義」で、その中核をなすのは「デジタル田園都市国家構想」であるらしい。

「新しい資本主義」は、これまでの岸田の発言を見る限り「成長と分配の好循環」を実現することで、そうだとすると「古い資本主義」とは、日本では、中曽根康弘の国鉄・電電公社の民営化で始まって小泉純一郎=竹中平蔵コンビの郵政民営化などによって全開させられ、そしてアベノミクスにも引き継がれた、何でもかんでも規制緩和、民営化、対外自由化で資本のやりたい放題を招いた「新自由主義」ということになるだろう。

「新自由主義」によって荒廃した経済社会を修復するのが「新資本主義」だと言われても、何のイメージも湧かない。前者によっても一向に経済は成長せず、むしろ経済の格差と社会の分裂が深まったのを反省して、今後はもっと「分配」を重視するという程度のニュアンスしか伝わってこない。

しかも、その「新資本主義」を実現する中核が「デジタル田園都市国家構想」だと言うのだが、これがまた、大平正芳首相が1980年に打ち出した「田園都市国家構想」とは似ても似つかない浅薄極まりないもので、それを象徴するのが「デジタル田園都市国家構想実現会議」のメンバーに「新自由主義」の張本人である竹中平蔵=慶應大学名誉教授がちゃっかり潜り込んでいるという事実である。

「成長と分配の好循環」とは?

成長と分配の好循環では、「分配の原資を稼ぎ出す『成長』と次の成長につながる『分配』を同時に進めることが新しい資本主義を実現するためのカギ」だと、10月26日の「新しい資本主義実現会議」第1回会合に経産省が提出した資料が述べ、それを詳しく説明した図を提示している(図1)。

成長の牽引力は科学技術とりわけデジタル新技術で、地方の活性化もこれで行うことから「デジタル田園都市国家構想」とも繋がる。これで投資や消費が増え、企業の収益増、個人の所得増、国・自治体の歳入増になれば「分厚い中間層の(再?)構築」が可能となり、次への成長力が生まれる――と、まあ、都合のいいことだらけの机上の空論で、問題の焦点である「どうしたらこの好循環が動き出すのか」についてはこの図からは見えてこない。

先の総選挙では、野党は「分配なくして成長なし」と言い、それに対して与党は「成長なくして分配なし」と言ったが、これだけでは水掛け論のようなもので、だから経産官僚は「成長と分配を同時に進めることがカギ」と引き取って収めたのだろう。しかし結局、与党も野党も経産官僚も「日本経済は成長すべきである」という大前提の下でニュアンスの違いを競っているだけではないのか。

いずれにせよ、岸田の言う「新しい資本主義」の新しさとは何なのか定義が不明である。

「資本主義の終焉」をこそ語るべき

水野和夫が言うように、本質的な問題は「資本主義の死期が近づいているのではないか。……資本主義は『中心』と『周辺』から構成され、『周辺』つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって『中心』が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進しているシステム」であり、にもかかわらず「もう地理的なフロンティアは残っていない」ということである(『資本主義の終焉と歴史の危機』集英社新書、2014年刊)。

資本主義は武力を背景に「周辺」から搾取し掠奪した富の一部を本国の労働者にも分配し、そこそこの豊かさを享受させてなだめすかし、その懐柔策が効いている限りは彼らに普通選挙権を与えても支配体制を転覆されることはないだろうと高をくくってきた。それが「中間層」というものである。

ところがフロンティアの拡張を望めなくなった資本主義は、にもかかわらず飽くなき利潤を求めるその貪欲な本性ゆえに、今まで飼いならしてきた本国の中間層を食い荒らし始める。いま先進各国で一様に起きている格差や差別や憎悪の問題とは、もはや中間層を飼い殺しておくだけの余裕を失った資本主義が、恥も外聞もなく、タコが自分の足を食うかのような凶暴性を発揮しつつあるという凄惨な事態を意味している。

その時に、日本でだけは「分厚い中間層の(再?)構築」が可能であるなどと、岸田も経産省も、もしかしたら野党も、どうして考えるのか。ノーテンキに過ぎないか。

中国の「資本主義」も研究対象であるべき

上述の経産省資料「新しい資本主義」が、「世界各国で『新しい時代の資本主義経済』が模索されている背景」として、「権威主義・国家管理経済と民主主義・資本主義経済の競争が激化する中、民主主義・資本主義の体制が、様々な社会課題を解決できることを示さなければ、こうした体制への信任が失われ、戦後の国際秩序が崩壊する」などと、「体制間」のイデオロギー対立があるかに言うのは、全くの間違いで、それは冷戦時代の「体制間対立」感覚へのノスタルジアにすぎない。

今や中国やロシアでさえも経済システムの基調は「市場経済」である。しかし、市場を野放しにすれば全てが巧く行くという米欧の単純な「新自由主義」の失敗の後では、市場に任せていいのはどこまでで、それが行き過ぎた時に政府が介入するのはどのような手法によるべきなのかという「市場と政府介入」の兼ね合いこそが世界共通の最大関心事である。

例えばの話、中国の共産党一党支配という政治システムを残したままの改革開放路線というのも、初期的には「開発独裁」の一形態として一定の意味があり、そこから脱して世界第2の経済大国にまでのし上がってくる過程では、それを「政府によって適度に管理された市場経済」の巨大な実験として試行錯誤を続けていて、そこから学ぶべきことは西側にとっても沢山あるのではないか。

「成長しない」という選択の新しさ

とはいえ、中国にはまだまだ伸び代があって、それは国内市場の大きさと「一帯一路」路線を通じた海外需要の取り込みの可能性による。それを日本が真似しようとしても無理で、成熟どころか爛熟に達し、急速な「人口減少社会」に突き進んでいるメガトレンドに素直に従って、むしろ「成長しない」ことを積極的に選択することこそ、本当の意味で「新しい資本主義」なのではないか。

ところが資本主義は成長しないと、すなわち利潤率を上げないと、生きていけないところに本質があるので、「成長しない資本主義」というのは形容矛盾で成り立たない。ということは「成長しない」新しい経済システムは「資本主義」ではありえない。それでは「社会主義」なのかと言えば、これは資本主義以上に激しい成長追求理念なので、モデルとして役に立たない。そうするとやっぱり、市場経済の利点は大いに活かしながらも一定の公的コントロールを施すのは当然という「第3の道」路線となるのだろうか。

何々主義と、何事もそれ一本槍の「主義」を名乗ることさえももう止めにして、成長を第一としない経済のあり方を何と呼べばいいのか。問われているのはその議論だと思うが、いまの政界ではなかなかそこに行き着かない。

「近代の超克」を目指した大平研究会

さて、この岸田流「新しい資本主義」実現の大きな柱と位置付けられているのが「デジタル田園都市国家構想」である。

「田園都市国家構想」は、岸田にとって宏池会の大先輩に当たる大平正芳首相が1979年〜80年に、当時の錚々たる学者・文化人・官僚など200人余りを結集して政策研究会を作り、以下の9つのテーマで「21世紀へ向けての提言」として報告書をまとめさせた内の1つである(〔 〕内は座長)。

1.文化の時代〔山本七平〕
2.田園都市構想〔梅棹忠夫〕
3.家庭基盤充実〔伊藤善市〕
4.環太平洋連帯〔大来佐武郎〕
5.総合安全保障〔猪木正道〕
6.対外経済政策〔内田忠夫〕
7.文化の時代の経済運営〔館龍一郎〕
8.科学技術の史的展開〔佐々學〕
9.多元化社会の生活関心〔林知己夫〕

提言の「総説」が述べているように、9報告書を貫く基本的な問題意識あるいは時代観は、「近代を超える」というところにあった。総説は言う。

▼過去には西欧化、近代化、工業化による経済成長が強く要請される時代があった。そこではそれぞれの要請の内容が明らかで、目標とすべきモデルがあった。……明治以来のこのような状態は、主として対外的劣等感から生まれ、時にはそれを裏返した異常な独善的優越感ともなった。そこからの脱却をめざすのが、大平総理の「文化の時代」の提唱である。

▼日本で過度の中央集権化に偏った制度が採られたのは隋唐文化を大いに摂取した「律令化の時代」と、欧米文化を大いに摂取した明治以降の「近代化の時代」だけであった。

▼アメリカの明白な優越が、軍事面でも、経済面でも終了した。「アメリカによる平和」時代は終わり「責任分担による平和」時代へ。

ここには明らかに、明治以来(当時で)100年余りの、ひたすら領土拡張と経済成長を求めて行け行けドンドンで走り抜けてきた「発展途上国ぶり」をきっぱりと卒業して、文化の香り高い成熟先進国へと踏み込んでいくのだという歴史的な大転換の意識が溢れていた。

その上に立って、2.の「田園都市構想」では、梅棹(国立民族学博物館長=当時、以下同じ)の下で香山健一(学習院大学教授)と山崎正和(大阪大学教授)の2人が実際に報告書の起草に当たり、他にも飽戸弘、浅利慶太、石井威望、井出久登、黒川紀章、小林登、竹内宏なども研究員として参加して、「脱工業文明」の決め手となるべき国家・社会像として「物質的豊かさと便利さとともに、精神的・文化的豊かさを享受し、人間と自然の調和、人と人との心の触れ合いのある、総数200〜300前後の個性豊かな『田園都市圏』のネットワーク」の形成を提唱したのだった。

デジタルで「田園都市国家」ができるのか?

これに対して岸田の「デジタル田園都市国家構想」は、何の哲学、文明論、時代観にも裏付けられていない。はっきり言って、大平研究会からその言葉だけを借用して「デジタル」を貼り付けて現代っぽく見せかけただけの似て非なるものである。

その浅薄さは、11月11日の「デジタル田園都市国家構想実現会議」第1回会合に牧島かれんデジタル大臣から提出された「イメージ」図を見れば一目瞭然だろう(図2)。

まず何よりも、英語、英字頭文字、カタカナが多すぎる。例えばこの宇宙船のようなコミュニティを下から支えるのがデジタル・インフラであるらしいのだが、その接点となるのは「API GW」である。この頭文字を見て「アプリケーション・プログラミング・インターフェース ゲートウェイ」と読むことができ、その意味を理解できる日本人が一体何人いると言うのだろうか。「Sustainability」とか「Well-being」とか「MaaS」などの英語・英字がなぜ必要なのか。「Well-beingの向上とKPIの設定による改善で輝く暮らしを」と言うが、これって、「幸福度が向上し、さらにキー・パフォーマンス・インディケーターすなわち重要業績評価指標を設定して幸福度を改善すれば輝く暮らしを」と日本語で言われても何のことやら分からないものを英語・英字混じりで言われたのではますます分からない。あ、「MaaS」を知ってますか?「モビリティ・アズ・ア・サービス」の頭文字で、例えば自宅から公共交通機関で都心に出てこの映画を観たいとスマホに入力すると、AI(あ、人工知能ですね)が道順や時間を教えてくれ、必要な予約や料金決済まで全部済ませてくれる仕組みで、北欧の大都市ですでに実験が進んでいるという。

深刻な地方の衰弱も、デジタルという魔法のスパイスを振りかければほらたちまちwell-beingというような軽佻浮薄な話に誰が付いていくだろうか。

余談:ドイツの新しい首相に決まったオラフ・ショルツ副首相の友人にフンボルト大学の哲学教授フォルカー・ゲアハルトがいる。2人が知り合ったきっかけは、2007年にベルリンからハンブルクに向かう電車の中でショルツがゲアハルトに「あなたは、私が読んでいるこの本の著者ではありませんか」と声をかけたことによる。「彼のような実務家が、照学の理論に興味を持っていたことに驚き」、以後2人は哲学や人生を語り合う仲となった(11月26日付毎日)。ショルツは労働法専門の弁護士の出身で、日本語に翻訳されたゲアハルトの数少ない論文の1つは『人権への権利』と題した論集に収められた「人権とレトリック」なので、その辺りに接点があったのかもしれない。いずれにせよ、電車の中で哲学書を読むような人に総理になってもらいたいものだ。大平正芳は熱心なキリスト教徒で、渾名の1つが「哲学者」だった。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年11月29日号より一部抜粋・文中敬称略。全文はメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』を購読するとお読みいただけます)

image by: 首相官邸

高野孟 この著者の記事一覧

早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/432.html
記事 [政治・選挙・NHK284] <初の女性幹事長、ようやく誕生>立民 幹事長西村氏 代表代行逢坂氏 政調会長小川氏 起用へ(NHK)
立民 幹事長西村氏 代表代行逢坂氏 政調会長小川氏 起用へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211201/k10013369721000.html
2021年12月1日 16時25分 NHK


※動画→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211201/k10013369721000.html

立憲民主党の役員人事で、泉 新代表は、いずれも代表選挙で争った西村智奈美元厚生労働副大臣を幹事長に、逢坂誠二 元総理大臣補佐官を代表代行に、小川淳也 国会対策副委員長を政務調査会長に、それぞれ起用する意向を明らかにしました。

11月30日、立憲民主党の代表選挙で選出された泉 新代表は、党役員人事の骨格を固め、12月1日午後、記者団に明らかにしました。

それによりますと、いずれも代表選挙で争った
▽西村智奈美 元厚生労働副大臣を幹事長に、
▽逢坂誠二 元総理大臣補佐官を代表代行に、
▽小川淳也 国会対策副委員長を政務調査会長にそれぞれ起用します。

また、
▽国会対策委員長には、代表選挙で自身の推薦人となっていた馬淵澄夫 元国土交通大臣を、
▽選挙対策委員長には、代表選挙で自身の陣営の幹部を務めた大西健介 政務調査会長代理をそれぞれ起用します。

西村氏は、衆議院新潟1区選出の当選6回で、54歳。

新潟県議会議員を経て平成15年の衆議院選挙で当時の民主党から立候補して初当選しました。

民主党政権では、厚生労働副大臣を務め、旧立憲民主党に4年前の発足時から参加しました。

泉 新代表は2日、党の両院議員総会でこの人事案を示し、了承を得ることにしています。

泉氏「西村さんに党の再生にともに取り組んでほしい」

泉氏は記者団に、「立憲民主党は多様性の尊重を訴えていて、その具現化の一つとしてジェンダー平等の実現を言ってきた。幹事長という私のパートナーとして、有能で、党のジェンダー政策もけん引してきた西村さんに、党の再生にともに取り組んでいただきたい」と述べました。

西村氏「泉代表をしっかりと支える」

また、西村氏は記者団に「今回の代表選挙を通して、党の新しい姿を見せることができたが、本当の意味での挑戦はここからだ。泉代表をしっかりと支え、国民のための政治を行う政党だと示せるよう、全力で取り組んでいきたい」と述べました。









http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/433.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 自民・泉田裕彦議員の「裏金告発」に橋下徹氏も“参戦”! 今後は買収事件に発展するのか(日刊ゲンダイ)
自民・泉田裕彦議員の「裏金告発」に橋下徹氏も“参戦”! 今後は買収事件に発展するのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298116
2021/11/30 日刊ゲンダイ


泉田裕彦衆院議員(C)日刊ゲンダイ

 会見の場では何が語られるのか。

<今回の衆議院総選挙で、2〜3千万円の裏金要求をされました。『払わなければ落ちるぞ』という文脈でした。広島で事件があったばかりでよくやると思いましたが、違法行為はお断りしました。そうしたら、選挙は大変でした>

 29日、自身のツイッターで突然、公選法違反の可能性もある衝撃の告発を投稿した自民党の泉田裕彦衆院議員(59=新潟5区)。泉田議員のツイッターはあっという間に拡散し、<誰に不正なカネを要求されたのか><ツイッターに書き込むのではなく、警察に情報提供するべきだ>などといった声が飛び交う事態となっている。

<立憲民主党の代表選潰しを狙った自民党の暴露口撃>なんて冗談めいた声もある中で、この告発を裏付けるように“参戦”してきたのが、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)だ。

泉田議員は12月1日に会見を開き説明


2008年大阪府知事選での橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ

 橋下氏は30日、<裏金要求したのは「自民党関係者」 自民・泉田裕彦議員「新潟県連に除名求めたい」>と題した記事を引用しつつ、こう投稿したのだ。

<僕は2008年大阪府知事選挙のときに自民党大阪府連から2000万円を要求され、値切って1000万円で話を着けた。選挙に入る前だが、表の金として自腹で自民党大阪府連に寄付した>

 いやはや、これが事実であれば自民党では、国政選挙に出る候補者は「ン千万円の上納金」が必要になるらしい。

 他の候補者も同様のケースがあるのか。カネはどういう目的でどう流れるのか。果たして収支報告書の記載はあるのか。

 日刊ゲンダイが詳細について聞くため、泉田事務所に取材を申し込んだところ、泉田議員は12月1日に会見を開いて説明する、と答えた。

 現職の国会議員である泉田議員の告発は今後、買収事件につながりかねないだけに、新潟県警、検察も注目しているのは間違いない。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/434.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 岸田首相のオミクロン対策はザルだ! しかも入国禁止は外国人だけで差別性丸出し 目的は感染対策でなく右派のご機嫌とり(リテラ)
岸田首相のオミクロン対策はザルだ! しかも入国禁止は外国人だけで差別性丸出し 目的は感染対策でなく右派のご機嫌とり
https://lite-ra.com/2021/12/post-6088.html
2021.12.01 岸田首相のオミクロン対策はザルだ! 入国禁止は外国人だけで差別性丸出し リテラ

    
    首相官邸HPより

 岸田政権が打ち出したオミクロン株対策に評価の声があがっているが、これって本当に評価できるようなものなのか。

 まず、岸田文雄首相は11月29日、オミクロン株の感染が拡がっていることを受けて30日0時から「全世界からの外国人の新規入国を停止する」と発表。昨日11月31日にはアフリカのナミビアに滞在歴があり成田空港に到着した男性がオミクロン株に感染していたことが発表されたが、後藤茂之厚労相はこの男性がナミビアの外交官だと公表した上で、同じ航空機に同乗していた乗客70人全員を濃厚接触者として扱うとした。

 さらに、本日になって松野博一官房長官は、水際対策も強化として、在留資格を持つ外国人についても南アフリカなど10カ国からの再入国を原則拒否すると発表した。

 こうした対応を対し、ネット上では「前政権と違って動きが早いことを評価します」「前政権に比べて、迅速な判断」「決断が早い…今までと違う」と岸田政権を評価する声が増加。つい最近まで10万円給付のクーポン支給に事務費が967億円もかかることに非難が殺到していたが、一気に挽回したかたちだ。

 だが、ちょっと待ってほしい。乗客70人を濃厚接触者として扱うという対応は、いままで航空機で感染者が確認されても乗客全員を濃厚接触者としてこなかった対応がザルだっただけでしかない話だ。

 さらに問題なのは、評価が高い「全世界からの外国人の新規入国を停止する」という措置だ。政府は外国人の新規入国を停止する一方、当初、日本人や在留資格のある人の再入国にかんして、南アフリカなどの指定された23の国・地域からの帰国者は国の指定施設で3〜10日間の待機、それ以外は自宅などで14日間の待機という入国規制を設けたが、言うまでもなくウイルスは国籍を選んだりするわけではないのだから、当然、外国人と日本人で切り分ける理由はない。実際、アメリカなどは南アフリカなど8〜7カ国からの渡航制限措置を取っているがアメリカ市民と居住者のアメリカ入国は認められており、外国人の入国禁止などという措置をとっているのはイスラエルくらいだ。

 にもかかわらず、岸田政権は前述したように再入国にかんしても、日本国籍を有する人と在留資格がある外国人とを切り分け、在留資格がある外国人の入国を拒否するなどと言い出したのだ。

■空港検疫ではいまだ精度の低い抗原検査…ザルだらけの対策なのに、外国人排斥でやってる感

 しかも、岸田政権の対策はザルだらけだ。たとえば、日本人の再入国者に対する制限は、アフリカ10カ国からは隔離期間が10日間である一方、イギリスやイスラエル、国内2例目の感染が確認された人の出国先だったペルーなどは6日間、オーストラリアやドイツ、香港などは3日間。それ以外の国や地域からの日本人などの入国者は指定の宿泊施設での隔離ではなく自宅待機(14日間)となっている。だが、イギリスではオミクロン株の市中感染がはじまっているとみられ、すでに広範な国や地域に広がりつつあると考えるべきだ。しかも、空港検疫ではいまだにPCR検査よりも精度が劣る唾液による抗原定量検査が用いられている。水際対策を強化するというのならば、新規・再入国や国籍の区別なく、すべての入国者をしっかりと保護し、国の指定施設で10〜14日間隔離・PCR検査の実施という方針をとるべきだろう。

 だいたい、岸田首相は「全世界からの外国人の新規入国を停止する」と言いながら、米軍人については日米地位協定を理由に対象から除外している。11月15日には成田空港の検疫でコロナ感染が判明した米軍関係者が隔離されることもなく民間航空機で沖縄に移動していたことが発覚したが、同様の問題がまたも起こる可能性があるのだ。

 ようするに、岸田首相は見せかけだけ強い措置をとっただけで、実態は「俺は安倍・菅政権とは違う」というアピールと“外国人の排斥”が大好物の極右のご機嫌取りが目的でしかなく、かたや再入国者を万全の体制で保護するという責務を果たしておらず、感染拡大を助長しかねない状況になっているのだ。

 いや、問題は水際対策だけではない。他国での広がり方をみても、すでにオミクロン株が国内に入っていても不思議ではない状態だが、国内の検査体制は相変わらず整っていないという問題があるからだ。

 事実、岸田首相は総裁選時から「検査の拡充」を掲げてきたが、実行されたのは抗原検査キットの薬局販売の解禁くらい。一方、東京都ではいまだに発熱していないとPCR検査が実費となり行政検査を受けられないケースがあり、そのほかの自治体でも「喉の痛みと味覚障害があったのに検査に繋いでもらえなかった」という声があがっている。コロナに感染していても発熱症状が出ないことは十分考えられるのに、いまなお検査が受けられないのである。

 岸田首相は11月12日におこなわれた新型コロナウイルス感染症対策本部で「感染拡大時にはワクチン接種者を含め、無症状者でも無料で検査を受けられるようにする」と明言したが、言っておくが首相に就任してからすでに約2カ月も経っているのだ。この2カ月のあいだに「誰でも無料ですぐに検査が受けられる」という他国ではスタンダードになっている体制を整えることはできたというのにそれもせず、その結果、新たな変異株の脅威に晒されようとしているのが現実なのだ。

■“ヒゲの隊長”佐藤正久・自民外交部会長らはさらなる外国人排斥を主張

 こんな岸田首相の株が上がっているのだから、呆れ果てるしかない。いや、それだけではない。岸田首相の打ち出した「外国人の新規入国停止」という差別的な部分だけがどんどん膨らみ、目的がオミクロン株対策でなく、排外主義に転化しつつあるのだ。

 たとえば、“ヒゲの隊長”こと佐藤正久・自民党外交部会長などは「“特段の事情”という例外で3万3000人(の外国人が)入っている。日本人は4万人。日本人とほぼ同じ数が入っている」などと問題視し、さらなる外国人の規制強化を主張。さらに前厚労相の田村憲久衆院議員も、入国する外国人が完全にゼロになるわけではないことを踏まえて「決して安心できない」などと発言。田村前厚労相といえば、デルタ株がインドで猛威を振るっていた際、水際対策の強化として隔離期間を6日間から10日間に延ばすべきだと野党から追及されると「憲法の制約がある」などと言い出して拒絶した張本人で、それが大臣を辞めた途端、「決して安心できない」とは何を言っているのかという話なのだが、このように自民党は外国人の入国だけを槍玉にあげ、日本人などの再入国時の問題点を無視しているのだ。

 しかも、これは自民党にかぎった話ではない。立憲民主党の早稲田ゆき・衆院議員は11月29日、厚労省に〈在留資格のある外国人の再入国も停止する措置を要請〉したとツイート。これに批判が殺到すると、翌30日に〈これはすでに外国にいる在留資格のある方(特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)の日本への再入国の禁止は求めておらず、日本にいる在留資格のある方(特別永住者は除外)が、今後、当該地域に出国して再び日本に入国することの禁止を求めたところです〉と釈明したが、感染症対策を国籍や永住権の有無で切り分けることに意味はなく、差別以外の何物でもない。

 ようするに、自民党にしろ立憲にしろ、岸田首相が打ち出した「全世界からの外国人の新規入国停止」措置に評価の声が集まったことをいいことに、さらに外国人への差別を助長するような対策を声高に叫んでいるだけなのだ。

 排外ナショナリズムを助長するだけの政治と、それに納得してしまう世論──。こんな体たらくでは、オミクロン株の流行を阻止できるはずもないだろう。

(編集部)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/435.html
記事 [政治・選挙・NHK284] <この先に希望はあるのか>立憲代表選 言いたいことは山ほどある(日刊ゲンダイ)

※2021年12月1日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大




※紙面抜粋



※2021年12月1日 日刊ゲンダイ2面



※文字起こし

「本命不在」と揶揄された立憲民主党の代表選は下馬評通り、旧国民民主党から合流した泉健太政調会長(47)が制した。国会議員、公認候補予定者、地方議員、党員・サポーターに充てられる計572ポイントを4候補が争った12日間の選挙戦。投開票が行われた30日の臨時党大会で泉はトップに立ったものの、過半数に届かず。国会議員票の比重が8割超となる決選投票では左右の傾向がクッキリで、1回目投票で3位だった小川淳也元総務政務官(50)に投じられた票は泉へ、4位の西村智奈美元厚労副大臣(54)の票はリベラル系の逢坂誠二元首相補佐官(62)に流れて決着。泉が77ポイント差で逢坂を下した。

 それにしても、野党第1党の党首選びだというのに盛り上がりに欠けた戦いだった。もとい、てんで盛り上がらなかった。北海道、福岡県、神奈川県で4候補による街頭演説会や討論会を実施。報道番組もいくつかハシゴし、懸命に露出を増やした。にもかかわらず、党員・サポーターの投票率は46.62%と低調。戦後3番目の低さだった10.31衆院選の投票率55.93%を大きく下回る数字だ。自民党総裁選の党員投票率69.00%とは段違いである。事実上の次期首相が決まる重み、テレビを中心とした大メディアが連日派手に扱うお祭り騒ぎと比べるのはハンディがあるとはいえ、あまりの関心の低さ。“昔の顔”がチラついたからか。

「2〜4位連合」でちゃぶ台返し画策

 旧国民系の「新政権研究会」をまとめた泉を小沢一郎グループも支持。逢坂を擁立したのは枝野路線の継続を求める最大グループ「サンクチュアリ」だ。小川は野田元首相らの「花斉会」や維新系議員の支援を受け、西村は菅元首相らの「国のかたち研究会」に担がれた。衆院選敗北でガタガタになった党勢を立て直す「清新な顔」を求めている割に、舞台裏では相変わらずの跳梁跋扈。決選投票をにらみ、リベラル系が「2〜4位連合」によるちゃぶ台返しを画策したが、泉が1回目投票で国会議員票と地方票ともにトップに立ったため、立ち消えになった。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「立憲の年間党費は党員4000円、サポーター2000円。それだけの党費を支払えば代表選投票権を得られるのが売りなのに、半数超が権利を行使しない。要するに、投票権に売り物たる価値がない。この一票が将来の首相候補選びにつながるという緊張感をつくり出せなかったということでしょう。ア然としたのが、ポイントの割り振りです。国会議員1人2ポイント、公認候補予定者1人1ポイント、地方議員と党員・サポーターにそれぞれ計143ポイントを付与する制度なのですが、落選した議員の枠はない。総選挙で議席を失ったベテラン議員らは党員枠だというのです。まさに『バッジがなければただの人』扱い。彼らの選挙を長く支えてきた陣営スタッフや、応援する党員・サポーターをコケにしたも同然です。おかしなやり方は旧民主党時代の制度をそのまま運用しているためのようで、過去と決別したがるくせにこの体たらく。関係者すら無関心の代表選に有権者が興味を持つわけがありません」

「党の顔」が何度変わっても源流は変えられない

 新代表選出後、泉は満面の笑みを浮かべて「47歳の新しい船長に就任をいたしました」と声を張ってあいさつ。「枝野代表は官房長官の時にその年齢、小沢一郎先生は47歳の時に自民党の幹事長をされていた。若すぎるということはございません」と重鎮に目配りしながら、「国民のために働く政党、日本の未来を明るくする政党、おかしな政治は許さない、国民の目線で国民中心の政治をしていく政党、困っている方に寄り添い、働く政党として、全員の力で歩んでまいりたい」と訴えた。新代表として臨んだ初会見では、ポストを争った3候補の執行部入りや半数の女性登用などを表明。新たな挙党一致体制をアピールしたが、総選挙の敗因は代表選を通じても総括されずじまい。泉は「この代表選以降は旧何々党ではない。立憲民主党の下でみんながひとつになるよう頑張りたい」とも言っていたが、「党の顔」が何度変わろうとも、旧民主党の流れをくんでいるのは変えられない事実だ。自民に政権奪還を許した2012年冬からの総括が必要なのではないか。

「当面の焦点は6日召集の臨時国会に向けた党役員人事です。自民の茂木幹事長は早速、〈共産党との閣外協力には慎重だが、選挙協力は積極的にやるというのは国民から見てわかりにくかった。ぜひこの点は明確にしてもらいたい〉と言い、他党の方針にくちばしを入れ、牽制している。上から目線の茂木氏より格上の幹事長を据え、緊張感をつくった方がいい。政界最長老の小沢一郎氏を登用するくらいの度量が泉代表にあるかどうか」(角谷浩一氏=前出)

 来夏には参院選が控えている。野党共闘はどうなるのか。支持母体のノリをこえつつある連合との関係はどうするのか。泉は立憲が共産党と合意した「限定的な閣外協力」について、「単に継続ではなく、党として総括しなければならない」「衆院選に向けて交わしたもので現時点で何かが存在しているということはない」とリセットを強調。連合に秋波を送っている。就任2カ月の芳野会長は代表選最終盤に「もともと連合と共産の考え方が違う。歴史的背景からも、共闘することは連合の立場からはあり得ない」と揺さぶりをかけ、参院選についても「野党共闘の中に共産が入るのは考えられない」とクギを刺したが、連合が労働者の声を代弁しているとは言い難い。労働者6679万人のうち、連合の傘下にあるのは700万人ほどの大企業正社員だ。労働者の半数を占める非正規雇用や中小企業の従業員は連合とは無関係なのだ。

野党共闘は民主主義の成熟過程で出現

 世論の大半が求める脱原発をめぐっても、連合との関係見直しは急務。当初は「原発ゼロ」を掲げていた枝野がグラついたのは、これまた連合の横ヤリが入ったからだ。昨年9月の旧国民との合流では、新党の綱領に「原発ゼロ社会を一日も早く実現」と盛り込んだことに、電力総連などの支持を受ける旧国民議員らが猛反発。組織内議員の計9人が合流参加を見送った。連合前会長から「発言の際には『原発ゼロ』を使わない配慮を求めたい」と求められて以降、枝野は公の場で「原発ゼロ」をほぼ言わなくなった。結果、支持者の不信と離反を招いた。連合との縁切り、脱原発は時代の趨勢で、立憲の未来を占うマターと言っていい。

 大メディアの共闘批判もそうだ。政権与党とともに歩み、拡声器と化した無責任な連中の「解説」に右往左往では自壊の運命をたどること必至である。

「20年を超えて連立政権を組む自公与党は綿密な選挙協力を組んでいる。立憲が本気で政権を取りに行く気があり、選挙制度と政治状況を冷静に分析すれば、共産を除外した野党共闘は成立しない。これは科学的真理です。現状、各選挙区で基礎票を持つのは自民、公明、共産のみ。共産が持つ1万〜2万票が勝敗を左右するのは分かり切ったこと。野党共闘は憲法9条の解釈を変更した安保法制に反対する運動の中で生まれ、戦後民主主義が成熟する中で出現したものです。国民の意見を政治に反映する役割を担う政党には発展させる責任がある。連合の横ヤリやメディアの批判に足を取られてしまっては、立憲の存続は危うい」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法)

 この先に希望はあるのか。この難局にあって泉はしっかりとカジをとれるのか。いま解党的出直しができなければ、一党独裁暗黒政治を許すことになる。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/436.html

   

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