8月16日から確認され始め(6月説もあるが、厚労省はたいしたものではなかったと説明)、8月25日に公表されたモデルナ新型コロナワクチンの異物混入問題は、厚労省をはじめとする日本の保健医療行政のデタラメぶりを見事なまでに浮き彫りにした。
そして、この投稿で問題にする重大データは、20日ほど前の9月10日に公表されているのに、メディアは素知らぬ顔で取り上げようともしない。
この事件でなにより驚くのは、厚労省や河野“ワクチン担当”大臣が、ワクチンに混入している物質がどのようなものなのか確認する前に、接種しても健康に重大な被害が及ぶとは考えにくいと語ったことである。
身体の組織に注射し免疫細胞を含む細胞や血管に入り込む「医薬品」に対し、これほどイイカゲンで軽んじた言動はないだろう。
(頻繁にTVに出るワクチン推進応援団の医者たちも、異物が注射器の先端シリンジで見つかったと報道されているにも関わらず、異物が針を通って注射器に入ることは考えにくいから体内には注入されていないはずとウソをふりまいていた)
さらに、厚労省と河野大臣は、混入した異物や混入経緯の分析・調査を国内供給会社(武田薬品)とメーカー(モデルナ)に丸投げするという恥ずべき暴挙まで行っている。
これをたとえて言うなら、盗賊グループに、地域で窃盗事件が起きているのでおかしなことをしたヤツはいないか調査して報告しろと言っているようなものである。
購入(供給)契約でなぜか“免責特権”が付与されているとは言え、重大な過失や良からぬ細工が公になれば、両社の信用はガタ落ちになる。
最高度の利益相反にあたる組織に混入問題の分析調査を委ねたのである。
また、異物は目に見えているものだけとは限らない。何かがワクチンの液体に溶け込んでいる可能性もある。溶け込んでいるほうが体内でより深刻な害を及ぼすかもしれないのだ。
初歩の初歩だが、厚労省は、当然、異物が混入しているロットを確保し、厚労省が管轄する調査研究機関で内容を分析しなければならなかったのである。
しかし、現実としては混入異物の調査が利益相反の供給者に丸投げされた。
そして、混入した異物はステンレススチールの破片で、おそらく、スペインのロビ・ファーマ・インダストリアル・サービスの製造ラインにおける不具合で混入した可能性が高いという報告を受け、それを鵜呑みにして調査を終わらせてしまったのである。
ここでも、報告の真偽や今後のリスクを確認するため、ロビ・ファーマ・インダストリアル・サービスに立ち入り調査し、製造ラインの不具合を検証するという最低限のことさえ行っていない。
ワクチンについてこのような問題を抱えていながら、“ワクチン担当”大臣河野太郎氏は、ワクチン推進を大きな業績として自賛しながら総理を目指し自民党総裁選を戦っているのである。
前段はここまでとし、異物混入に関係して可能性を指摘出来るとワクチン接種後の死亡例データを確認していきたい。
内容は、厚労省の次なる公表データに依る。
厚労省「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html
このなかの「▷令和3年9月10日開催」という項目のなかに、
「死亡例の報告について(資料1−3−1、1−3−2、1−7−1)」
という欄がある。
さらにそのなかの1−3−2に、モデルナワクチンの死亡事例データがPDFでまとめられている。
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000830624.pdf
その「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要 (モデルナ筋注、武田薬品工業株式会社)」には、
「1.報告状況
○前回の集計対象期間(8月8日)以降、モデルナ筋注の副反応疑い報告において、医療機関又は製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに6件あり、令和3年5月 22 日から令和3年8月 22 日までに報告された死亡事例は計 17 件となった (別紙1、2)。
○なお、上記に加え、令和3年8月 23 日から令和3年9月3日までに、医療機関又は 製造販売業者から死亡として報告された事例が 11 件あった。」
と公表されている。
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[考察]
公表されたデータをざっとまとめると、モデルナ接種適用開始の5月22日からの3ヶ月(93日)間で発生した死亡事例は17件であるのに対し、異物混入のワクチンを接種した人に重大な影響が数値として現れてくる可能性がある8月23日から9月3日までのわずか12日間に発生した死亡事例が11件にも達しているのである。
職域と一般と別々の管理になっているので、モデルナの接種回数は把握しにくい。
そこで、日々同じ接種回数で同等の頻度で死亡事例が発生すると仮定すると、8月23日から9月3日までの12日間に発生する死亡事例は、8月22日までの93日の7.75分の1なので.17/7.75の2.2件ほど(2件から3件)と考えるのが妥当だろう。
異物混入ワクチンの接種の影響が考えられる期間に報告された死亡事例11件は、8月22日までの93日間に較べ、単位期間で5倍も高いのである。
(異物混入まで、ファイザーもモデルナも、ほぼ2週間ごとの接種回数あたり死亡事例発生数は、数十%レベルの変動にとどまっており、2倍の変動にさえなったことがないから、5倍というのは、季節要因を考慮しても異常な数値である)
異物混入(最初の確認が8月16日とされている)ロット内の一定数(使用の中止を求めた約163万回分のうち少なくとも約50万回分が接種済みと公表)がすでに接種されている。
添付データで確認できるが、異物混入ワクチン接種後に死亡したと報道された38歳(17番)と30歳(23番)の男性が亡くなったのは、8月18日と8月25日である。
[試算]
前述したように、モデルナは職域と一般に分かれて管理されており、公表データも、とりわけ職域分は雑なので、接種回数あたりの死亡事例発生数を勝手に試算してみたい。
厚労省の「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」のなかの「▷令和3年9月10日開催」の項目に、「ファイザー社ワクチン、武田/モデルナ社ワクチンについて副反応疑い報告がなされ、それぞれの頻度は0.02%(101,809,021回接種中21,381例)、0.01%(16,501,085回接種中2,075例)でした」とある。
官邸が公表しているワクチン接種データとはズレがあるが、8月22日までのモデルナワクチンの総接種を16,501,085回と設定する。
また、「▷令和3年8月25日開催」の項目に、同じく、8月8日までの接種回数が出ている。そこで示されている接種回数は12,261,354である。
このことから、モデルナワクチンの接種については、
(令和3年5月22日から8月8日まで)
12,261,354回の接種で死亡事例が11件発生しているので、1,114,668回の接種につき一人死亡。
(令和3年5月22日から8月22日まで)
16,501,085回の接種で死亡事例が17件発生しているので、970,652回の接種で一人死亡。
8月9日から8月22日を加えてみても、5月22日から8月8日までの数値が占める割合が極めて高いので、それほど大きな違いは出てこない。
8月23日から9月3日までの接種回数データはないので、それまでの接種回数から、モデルナの一日当たり接種回数を推定してみると、
(8月22日までの総接種回数−8月8日までの総接種回数)/14日間と計算すると、1日当たり302,838回の接種になる。
これを基に、異物混入ワクチンが接種回数あたりの死亡事例にどような影響を与えたか試算してみたい。
接種と死亡のあいだに日付的なズレがあることはとりあえずおく。
8月9日から8月20日までの間で報告された死亡事例は5件なので、
この12日間に3,331,217回の接種があったと仮定すると、666,243回接種あたり一人の死亡となる。
これは、8月8日までの1,114,668接種あたり一人の死亡に比べると、1.67倍も悪化していることになる。
さらに、8月23日から9月3日までに報告された死亡事例は11 件なので、
この12日間に3,331,217回の接種があったと仮定すると、302,838接種あたり一人の死亡となり、急激に悪化していることがわかる。
異物混入ワクチンが接種された影響が出ていると想定できる時期の接種回数あたり死亡事例は、8月8日までの1,114,668接種あたり一人の死亡に比べて、3.68倍も悪化しているのである。
直前の期間である8月9日から8月20日までの666,243回接種あたり一人の死亡と比較しても、8月23日から9月3日の死亡データは2.2倍の悪化を示している。
仮にだが、死亡事例の急増が異物混入の影響によるものと考えると、同時期に異物が入っていないワクチンも数多く接種され、異物混入可能性ロット排除の影響で接種回数が少なからず減っていたはずなので、異物混入ワクチン接種回数あたりの死亡事例は均一的な計算上の数値より格段に多いと推測できる。
異物混入可能性ワクチンの接種は50万回以上と公表されているが、仮に60万回としても、その量はモデルナ全体が2日間に接種される量より少ないのである。
このような現実を踏まえると、“ワクチン担当”河野大臣は、総理を目指す戦いにうつつを抜かしているヒマはなかったのである。
ワクチン調達の責任者である河野太郎氏は、モデルナの異物混入問題をゼロから調査し直す責務がある。