安易な緊急事態宣言解除が、コロナ感染再拡大をもたらす !
日本のコロナ問題の深層・真相は ?
植草一秀氏ブログ「知られざる真実」
(第2907号:2021年08月03日)
1)五輪開催と日本・コロナ感染拡大には、強い因果関係がある !
東京五輪開催と日本のコロナ感染拡大には、強い因果関係がある。
「関係ない」というのは、単なる責任回避である。
東京五輪開催強行で、人々の行動抑制のたがが外れた(「五輪強行で行動抑制のたがが外れた」)。
卒業式がなくなり、入学式がなくなり、修学旅行がなくなり、運動会がなくなった。
友人たちとの会食もなくなった。日本の市民が、我慢に我慢を重ねてきている。
願いはただ1つである。コロナ感染を早く収束させたいからである。
7月12日に、菅内閣は昨年来、4度目になる緊急事態宣言を発出した。
2)コロナ感染拡大をもたらしているのは、L452R変異ウイルスだ !
コロナ感染が急拡大してしまった。コロナ感染拡大をもたらしているのは、L452R変異ウイルスである。
L452R変異ウイルスは、3月にインドで確認された。
この変異ウイルスを日本に流入させてはならなかった。
しかし、菅義偉首相の「後手後手・小出し」対応で、L452R(インドの変異ウイルス)はあっという間に、国内に流入した。そのコロナ感染拡大が始動した。
菅義偉首相が、緊急事態宣言を解除した、6月21日には、人流が再拡大に転じていた。
3)安易な緊急事態宣言解除が、コロナ感染再拡大をもたらす !
安易な緊急事態宣言解除が、コロナ感染再拡大をもたらすのである。
しかし、菅義偉首相は、東京五輪開催を強行するため、そして、東京五輪を有観客にするために、緊急事態宣言解除を強行した。
その結果、コロナ感染が急拡大し、7月12日に、菅首相は、四たび緊急事態宣言を発出する事態に追い込まれた。
コロナ感染急拡大で、緊急事態宣言発出が必要になったのであるから、東京五輪開催を断念せざるを得ない。「国民の命と健康」を優先するなら、これ以外に選択肢はなかった。
4)菅首相は、東京五輪開催強行に突進した !
ところが、菅義偉首相は、東京五輪開催強行に突き進んだ。
IOCバッハ会長、コーツ副会長は、緊急事態宣言が発出されても、東京五輪開催を強行する姿勢を示してきた。
IOCバッハ会長・コーツ副会長の言動は、日本の主権者から、バッシングを受けた姿勢である。
IOC幹部(患部)と菅義偉首相が、五輪開催強行に突き進んだ理由は、自分自身の利益追求のためである。菅首相は、国民の命と健康を犠牲にして、自分の利益を優先する。
―この続きは次回投稿しますー
(参考資料)
T コロナ問題:国内の新型コロナ新規感染者が過去最多に !
3日連続更新 !
(news.yahoo.co.jp:2021年8/6(金) 18:30)
朝日新聞:新型コロナウイルスの国内感染者は、8月6日、前日の1万5263人を超え、1日当たりの過去最多を3日連続で更新した。全国的なコロナ感染拡大が止まらない状況だ。
国内で6日、新たに1万5645人の新型コロナウイルス感染者数が報告され、3日連続で最多を更新した。
東京都の新規感染者は4515人で、5日に次いで過去2番目の多さになった。
神奈川県の2082人、大阪府の1310人をはじめ、千葉県、新潟県、富山県、静岡県、三重県、京都府、福岡県、熊本県、鹿児島県などで過去最多を更新した。
U 東京都、コロナ、4515人感染 ! 新型コロナ、4人死亡 !
5日に次いで過去2番目 !
(www3.nhk.or.jp:2021年8月6日 19時03分)
東京都内では、8月6日、1日の発表としてはこれまでで2番目に多い4515人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。4000人を超えるのは3日連続です。
また、都は、コロナ感染が確認された4人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は6日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて4515人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
都内では5日、これまでで最も多い5042人の感染が確認されていて、6日の4515人は5日に次いで過去2番目の多さです。
また、4000人を超えるのは3日連続です。4515人は、1週間前の金曜日より1215人増えています。
6日までの7日間平均は3820.4人で前の週の152.7%となり、感染の急拡大が止まりません。
これで、都内で感染が確認されたのは24万人を超えて24万653人となりました。
一方、都の基準で集計した6日時点の重症の患者は5日より6人増えて141人でした。140人以上となるのはことし1月31日以来です。
また、都は、感染が確認された40代と50代、70代、それに80代の男性4人が死亡したことを明らかにしました。
これで都内で死亡した人は、2306人になりました。
◆「L452R」変異ウイルス、最多の2898人感染確認
東京都は6日、都内で1日の発表としてはこれまでで最も多い2898人がインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
また、陽性と確認された割合は84.5%となり、これまでで最も高くなりました。
◆小池都知事:重症患者141人「非常に厳しい」
東京都の小池知事は、都の基準で集計した6日時点の重症の患者が141人になったことについて、記者団に対し「重症者の数が上がっている。非常に厳しい状況だ」と述べました。
そのうえで「重症の方をケアするには通常よりも何倍もの力が必要で、病院からもこのまま増えると通常の手術ができなくなり、がんなどの患者を受けられないおそれがあるという話をもらっている。新規の感染者を防ぐと同時に重症化させないためにも医療資源を有効に活用していきたい」と述べました。
○変異ウイルス:重症化リスク1.40倍報告書まとめる 国立感染研(5/13)
(www3.nhk.or.jp:2021年5月13日)
感染力が強い変異した新型コロナウイルスに感染したケースについて、国立感染症研究所が分析したところ、届け出があったときに重症であるリスクは、従来のウイルスなどと比べて1.40倍だったとする報告書をまとめました。
この結果だけで重症化リスクを正確に評価するのは難しいとしていますが「現時点では、重症度が高くなっていることを想定して対策を取る必要がある」としています。
国立感染症研究所は、5月6日までのおよそ3か月間に国内で報告された20万7000人余りのデータをもとに、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスの重症化リスクを解析しました。
この間、PCR検査などでこの変異ウイルスへの感染が確認されたのは1万5000人余り、このうち、重い肺炎や多臓器不全など、重症だったのは475人で、届け出があったときに重症であるリスクを分析すると、従来のウイルスなどと比べて1.40倍高く、さらに40歳から64歳では1.66倍だったとしています。
研究所は、従来のウイルスの場合、データが入力されないケースなどもあり、この結果だけで重症化リスクを正確に評価するのは難しいとしていますが「現時点では、重症度が高くなっていることを想定して対策や治療を行う必要がある」としています。
鈴木基感染症疫学センター長は「特に40代から50代でリスクが高い傾向が見られ、従来株とは異なる特徴が現れたと考えている」と話しています。
また、インドで確認された変異ウイルスについて、国立感染症研究所は、日本国内でも大半を占めるようになった変異ウイルスと同程度に感染力が高い可能性を考慮し、拡大を防ぐ対策が求められるとして、5月12日付けで「懸念される変異株」に位置づけました。
◆全国各地で9割前後が、変異ウイルスに置き換ったと推定 !
国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は5月11日行われた専門家会合で、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスについて、民間の検査会社で検出された結果をもとに地域ごとの広がりを推計したデータを示しました。
それによりますと、国内で最も早く変異ウイルスが広がった大阪府と兵庫県、京都府では、3月から4月にかけて急速に広がり、4月初めに7割あまりになったあと、現在ではほぼすべてが変異ウイルスに置き換わったと推定しています。
また、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県や北海道や愛知県、福岡県、沖縄県でも4月中旬ごろから急速に置き換わりが進んでおよそ9割となり、これまで比較的変異ウイルスの感染が少なかった宮城県でもすでに9割近くが置き換わったとみられるとしています。
鈴木センター長は「明らかに感染力が強く対策にさらに長い時間をかけないと、感染者数が減少していかない。全国でほぼ変異ウイルスに置き換わったいま、前回の緊急事態宣言のときと同じような感覚で対策の効果を期待しても、なかなか効果が現れない」と話しています。
○変異ウイルスの深層・真相 !
◆イギリスで報告された変異ウイルス「アルファ株」
◆インドで見つかった変異ウイルスのうち、最も拡大している「デルタ株」
◆ブラジルで広がった変異ウイルス「ガンマ株」
◆南アフリカで最初に報告された変異ウイルス「ベータ株」
◆N501Y変異ウイルスは、英国株のほか南アフリカ株、ブラジル株にもある。
◆「L452R」という変異は、カリフォルニア変異ウイルスと呼ばれるB.1.429(またはCAL.20C)という変異ウイルスなどが持つ変異です。
◆スパイク蛋白のE484QとL452Rという2つの変異を指すものですが、なぜ二重変異と呼ばれているのでしょうか。
インドで報告されている新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、
「E484Q」はスパイク蛋白の484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からQ(グルタミン)に置き換わったことを指す変異です。
◆N501Y変異ウイルスは、英国株のほか南アフリカ株、ブラジル株にもある。
◆南米で別の変異ウイルス:F490S変異ウイルス