「米専門家、ワクチン接種済みの人がデルタ株の拡大を助けていることは『疑いようがない』」
(by Hilary Brueck Business Insider 2021/7/12)
https://www.businessinsider.jp/post-238324
・ ワクチン接種を済ませた人は、新型コロナウイルスのデルタ株の感染が広がったとしても、重症化したり、死亡する可能性は低いだろう。
・ だが、2度のワクチン接種を済ませた人が無症状のまま、周囲にウイルスを広げる可能性はある。
・ ホワイトハウスに助言をしている感染症の専門家は、ワクチン接種を済ませた人も引き続き、マスクを着用すべきだと話している。
アメリカは、新型コロナウイルスのワクチンが普及した状況を謳歌している。
バーでは見ず知らずの客同士が密集し、屋内のライブ会場では詰めかけたファンが一緒に歌い、2020年にロックダウン(都市封鎖)が始まって以来、見たことがないほど多くの人々が飛行機を使って旅行をしている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院者数、新規感染者数、死亡者数が減少傾向にある中、バイデン大統領は7月4日、「ウイルスは打ち負かされたわけではないが、わたしたちは知っている。ウイルスはもはやわたしたちの生活を支配していない」と語った。
「アメリカは再び1つになる」と大統領は付け加えた。
しかし、感染力の強いデルタ株の影響で、新型コロナウイルスの感染は改めて広がりつつある。
「実は、新規感染者数以上に入院者数が増えている州が複数あるのです」と、ワシントン大学医学部保健指標評価研究所(IHME)のクリストファー・マレー(Christopher Murray)所長はInsiderに語った。マレー所長は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータがウイルスの本来の広がりを覆い隠している可能性があると強調している。
CDCのガイドラインでは、ワクチン接種を済ませた人の検査は、症状がない限り行わないとされていることから、マレー所長は「ワクチン接種を済ませた個人間の感染を、わたしたちは恐らく大量に見逃しているだろう」と話している。
■ アメリカで急速に広まっているデルタ株
州レベルのデータを掘り下げると、デルタ株がいかに急速に広まっているかが分かる。
「14の州で感染が再拡大し始めています」とマレー所長は言う。マレー所長はIHMEのリード・モデラーでもあり、ホワイトハウスはパンデミックを通じて、IHMEの感染予測を頼りにしてきた。
「(感染再拡大は)デルタ株と、人々がマスクの着用を止め、基本的に予防策をほとんど取らなくなった影響です」とマレー所長は指摘する。
スクリプス研究所の感染症モデラーも、アメリカの新型コロナウイルスの新規感染者数の約60%はデルタ株が影響している可能性があると見ている。
■ ワクチンは重症化を防ぐ
新型コロナウイルスのワクチンは、全ての感染を防ぐわけではない ―― ワクチンはウイルスから身体をよりよく守るようデザインされている。アメリカで承認されているワクチンは非常に有効性が高く、それはデルタ株に対しても同じだ。
ワクチン接種を済ませた人の中には、ウイルスに感染し、頭痛や鼻水といった風邪のような比較的軽い症状を見せる人もいるし、感染しても自覚症状が一切なく、"サイレント・ スプレッダー(無症状のままウイルスをまき散らす人)"になる人もいる。
デルタ株は、ワクチン接種を済ませていない人たちに大きな打撃を与えている。IHMEのデータによると、ミズーリ州、アーカンソー州、ユタ州、ミシシッピ州など、複数の州で入院者数が増加傾向にある。ワクチン接種率が低迷しているのも、こうした地域だ。
■ 人口の半数がワクチン接種を済ませている場所で、デルタ株はどう広がる?
キングス・カレッジ・ロンドンの疫学者ティム・スペクター(Tim Spector)氏は以前、Insiderの取材に対し、デルタ株の方が致死率が高いという証拠はないものの、感染力は強いため「ワクチン接種を済ませた集団を突破(ブレイクスルー)し続けるでしょう」と語っていた。
スコットランドでは、人口の半数以上が2度のワクチン接種を済ませていて、71%は少なくとも1度目のワクチン接種を受けている。ところが、スコットランドは現在、最悪の感染状況に陥っている。
「ワクチン接種率の高さを考えると、(接種を済ませた人が)感染を拡大させる役割果たしていないと、スコットランドにおける爆発的な流行を説明できません」とマレー所長は言う。
ただ、CDCの変異株の追跡を手伝っている検査会社Helixのサイエンス担当のバイスプレジデントであるウィル・リー(Will Lee)氏は、ワクチン接種率が高い地域では新規感染者数は少ない傾向があると話している。
リー氏は、ワクチン接種を済ませた人はデルタ株に感染しても症状が比較的穏やかだとする研究を挙げ、ワクチン接種が済んでいれば、感染力はさほど長続きしないと指摘している。つまり、ワクチン接種を済ませた人はそれほど感染を広げないと考えることは、理にかなっているという。
「そうした感染の確率は恐らく低いでしょう」とリー氏は話した。
■ デルタ株 vs ワクチン
イギリスの5月の調査では、ファイザーのワクチンのデルタ株に対する感染予防効果(有効性)は約88%で、従来の95%から低下した。
モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンの有効性も、それぞれが発表していた従来の数字より低いだろう。
それでも、アメリカで承認されている3つのワクチンがいずれも、重症化や死亡を高い確率で予防していることは明らかだ。
自然免疫の助けもあるかもしれないが(政府はアメリカ人の3分の1以上がCOVID-19に感染したことがあると見ている)、以前の感染がデルタ株の感染拡大を止められないことは、ロシアの例が示している。
■ マスクは役に立つ
マレー所長は、「90%以上の人がワクチン接種を済ませた」アメリカ人の複数の集団で、COVID-19の流行が確認されているという。
「彼らの間で感染が広がっていなければ、それはあり得ません。それは疑いようがありません」
多くの感染症の専門家たちが屋内でマスクを着用し続けているのは、このためだ。
「わたしたちのモデルでは、ワクチンに控えめなマスクの利用を組み合わせるだけでも、デルタ株にブレーキをかけることができると見ています」とマレー所長は話している。
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新型コロナワクチンが感染を防ぐことができないことが明らかになり、
「ワクチンは重症化を防ぐ」と苦しい言いわけをしていますが、これも眉唾ものです。
接種率の高いイスラエルでは、重篤患者の6割が接種済みの人でした。
米国では極めて深刻なワクチン被害が出ており、効果と危険性を秤にかければ、
接種しない判断が賢明だということです。
(関連情報)
「ファイザーCOVIDワクチンはデルタ変異株にはほとんど効かないことをイスラエル首相が認める」
(拙稿 2021/7/18)
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/889.html
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(拙稿 2021/7/18)
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/891.html
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/892.html