アメリカとイスラエルの将来の関係について
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2021年6月28日 マスコミに載らない海外記事
2021年6月6日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook
ホワイトハウス政権変化後、アメリカとイスラエル関係が悪い方に向かったのは誰にとっても驚きではあるまい。この要素が、十分長い間政権を握っていたとイスラエル人が感じたベンヤミン・ネタニヤフの政治的失脚に大いに寄与したのも秘密ではない。
今、個人的にも、イスラエル全体にとっても、関係での、アメリカ新指導体制の心変わりについてネタニヤフ自身に責任があるというのが多くの専門家の意見だ。イスラエル最高の権力の座からベンヤミン・ネタニヤフが去るのを見てジョー・バイデンが喜んだのは明らかだ。結局、就任後、新大統領はネタニヤフに最初の電話をするのに数週間待ったが、6月13日日曜日、宣誓から、ほんの数時間後、選挙勝利を祝うためナフタリ・ベネットに電話した。
腹を立て、憤慨して、首相の座を去るまでに、ネタニヤフは、イスラエルと、民主党のイスラエルの長期支持者を含め、アメリカのユダヤ人海外移住者との間にくさびを打ち込んでいた。イランでさえ、他のどのような国もアメリカとイスラエルの関係に同じぐらい大きな損害を与えられなかった。アメリカの主要ユダヤ報道機関の一つジューイッシュ・テレグラフィック・エージェンシーは、論説記事で、世界最大のユダヤ人海外移住地、アメリカのユダヤ人社会と彼の国の関係に打撃を与えるため、彼は出来る限りのことをしたと言って、世界中のユダヤ人の利益を守るために存在する国の指導者ベンヤミン・ネタニヤフを非難した。
かつて2001年に、私的会話で、ネタニヤフは、こう言ったとされている。「私はアメリカが何か知っている。アメリカは動かすのが非常に簡単で、正しい方向に動かすことができる。」2009年以来、アメリカのユダヤ人の目から見て、自身の評判に打撃を与え、民主党員に関する限り、完全にそれを破壊する政策に着手した事実からすれば、この言葉は特に皮肉に思われる。
民主党員にとって、2015年に、ネタニヤフは、議長である共和党議員ジョン・ベイナーに、演説するよう招かれて、彼はイランに関してオバマの政策を非難し、自身を共和党の大義に永久に結びつけた。イスラエル・メディアMaarivは2015年3月6日の出来事を次のように報じた。
「昨日イスラエル首相とアメリカ大統領間の対立は新たな頂点に達した。世界は、これまでそのようなものを目にしたことはなく、再び目にすることもありそうにない。外国国家の指導者が、議会に来て、大統領の背後に招かれ、大統領の政策を直接攻撃する熱のこもった演説をした。ネタニヤフは議会、アメリカの聖域中の聖域に入ったが、オバマは、それを決して彼を許さない。イスラエルの強固な支持者で、当時院少数党院内総務の民主党員ナンシー・ペロシは、ネタニヤフが演説を終えるまで、議場を出ていたが、彼女の感情を次のように述べている。「私は、アメリカ合州国の知性に対する侮辱を悲しく思って、首相の演説じゅうずっと泣き出しそうだった。」ペロシがそのように反応したらオバマがどのように感じたか想像するのは困難だ。 |
2015年3月、明らかに民主党大統領政権を信用しないネタニヤフ政権が、アメリカとイラン間の協議をスパイしていたという情報が漏洩した。記事はウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された。ホワイトハウスの反応は控えめに言っても腹を立てており、国務省はテルアビブの政策について、下記のように述べた。「ほとんど50年続いた占領は終わらねばならない。」オバマは、イスラエル・パレスチナ紛争の関係でアメリカ政策を再考するとはっきり脅した。彼はパレスチナ国家を作る提案にも言及した。
当時、これらすべての腹を立てた言葉が飛び回る状態で、MaarivのニュースサイトNEWSが大多数のイスラエル人のために、こう問うた。イスラエル国民はこれに値する何をしただろう?外交プロトコルを無視して、アメリカ大統領に礼儀正しい態度をとらない政府の長のために国民は連帯責任に甘んじるべきだろうか?彼らは、パレスチナ紛争や、イラン問題で、イスラエルの存在そのものが脅かされるのを許せるだろうか?単に、オバマとネタニヤフがお互い仲が良くないがゆえに?
それ以来、ネタニヤフの政策は、イスラエルと大多数のアメリカ・ユダヤ人間の溝を広げるのに役立っただけだ。例えば、2017年、彼は正統派でない集団にエルサレムの嘆きの壁で祈るのを許す計画をを廃止した。アフリカの亡命者をイスラエルから追い出す2018年の彼の脅迫は、彼を批判するのを避けていたユダヤ人指導者にさえ非難された。2019年の超右政党との連合を、常にイスラエル支持の姿勢を維持していた圧力団体AIPACを含め、主なユダヤ人組織は懸念した。
ドナルド・トランプがアメリカ大統領に選ばれ、イスラエルに、これまでは考えられなかったあらゆる種類の譲歩をした後、ネタニヤフの民主党との協力拒否はさらに激しくなった。例えば、ネタニヤフがヨルダン川西岸の一部を併合すると非常に公然と話したとき、最も親イスラエル派の民主党員さえショックを受けた。
イスラエル集団の民主党多数派リーダー、マーク・メルマンは、ネタニヤフ以前は、アメリカの二大政党は、イスラエルとの親密な関係に対する支持に関しては、多かれ少なかれ等しかったが、今イスラエルに対する、支持は益々党派問題になっていると述べた。何年もの間、中東のアメリカ政策を決定する上で主導的役割を果たした、多くのユダヤ人民主党議員、積極的にユダヤの青年組織に積極的に関与して、ネタニヤフを称賛していた人々が、今彼を好ましくない人物と見ている。
アメリカ人が言う通り、人がアメリカにつばを吐いても、それは一滴の水に過ぎないが、アメリカが人につばを吐くと、人は溺死する。明らかに、この発言は、ユダヤ人コミュニティーの多くを含め、アメリカ人の、ネタニヤフへの見方を表現している。
それが、アメリカ大統領が、それほど素早く、6月13日、就任式後、なぜナフタリ・ベネットを新イスラエル首相と呼んで、彼を祝い、アメリカの多くの人々が民主党が二国間関係を癒やし始めることができると期待している理由だ。もちろん、これは、新アメリカ政権だけに依存するわけではなく、新イスラエル政権も動くのをいとわないことを示す必要がある。
ウラジーミル・オディンツォフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/06/26/thoughts-on-the-future-relations-between-the-us-and-israel/
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