菅首相達は、変異ウイルスの水際対策強化を、妨害し続けた !
コロナ変異ウイルスの深層・真相は ?
植草一秀氏ブログ「知られざる真実」
(第2847号:2021年4月27日)
1)〜5)は前回投稿済みです。以下はその続きです。
6)謝罪会見した森元首相は、逆ギレ恫喝発言を示した !
このことについて萩生田文部科学大臣は、「『反省していないのではないか』という識者の意見もあるが、森氏の性格というか、今までの振る舞いで、最も反省しているときに、逆にあのような態度を取るのではないか」と述べた。
全国の小中学校で、逆ギレ行動が全盛になっても、文科相は、「これは最も反省しているときの態度」だと評価しなければならなくなる。
コロナ問題が発生して、直ちにPCR検査と隔離」を基礎に置くべきだった。
しかし、安倍内閣、菅内閣は、検査拡充を阻止し続けてきた。
7)「PCR検査と隔離」を徹底しなければ、早期収束は不可能だ !
「PCR検査と隔離」を徹底しなければ、早期収束は不可能である。
結果として、日本は、東アジア最悪のコロナ被害国に転落した。
しかも、コロナ収束が優先されるべきときに、安倍内閣、菅内閣は、感染拡大推進策を展開した。
コロナ感染拡大が鮮明になっているのに、GoToトラベル(観光地全体の消費を促進する対策)全面推進の指令を、出し続けたのが、菅義偉首相である。
8)菅首相達は、変異ウイルスの水際対策強化を、妨害し続けた !
菅首相達は、変異ウイルスが確認されても、水際対策強化を妨害し続けた。
結果として、日本に、変異ウイルスが流入した。
緊急事態宣言発出は遅れ、コロナ感染再拡大が確認されて、解除すべきでないのに、解除を強行した。
わずか1ヵ月で、緊急事態宣言再発出に追い込まれた。
すべては、安倍内閣・菅内閣の東京五輪優先の方針がもたらしているゆがみである。
9)三度目の緊急事態宣言は、極めて中途半端だ !
三度目の緊急事態宣言は、極めて中途半端である。
首都圏の宣言対象を、東京に限定すれば、東京から隣接県に、人流が流出することは、火を見るより明らかである。
観光県の知事は、県境を超えた移動を、控えるように呼びかけるが、コロナ感染地からの観光客入れ込みを止めようとしない。
10)菅内閣崩壊シナリオに、変化は生じていない !
観光業界と癒着する首長が、地方における、コロナ感染拡大の原因を作っている。
中途半端な緊急事態宣言で、コロナ感染収束を実現できなければ、東京五輪が中止に追い込まれる。
菅内閣崩壊シナリオに、変化は生じていない。
(参考資料)
○イギリスと南アフリカ、それぞれの新型コロナ変異ウイルスの現在の状況は ?
(news.yahoo.co.jp:2020/12/27(日) 13:21)
◆ウイルスの変異とは?
変異とは、生物やウイルスの遺伝子情報の変化を指します。
変異が起こると、例えばウイルスが感染しやすくなったり、治療薬が効かなくなったり、ワクチンが利きにくくなったり、というウイルスの性質の変化が起こりえます。
現在、イギリス、南アフリカ共和国で新たな変異種が見つかり世界各国に広がっています。
現在の状況と、これまでに分かっていることをまとめました。
◆現在の変異ウイルスの広がりは?
イギリスの変異ウイルス VOC 202012/01
GISAIDデータベースにアップロードされたイギリスの全分離株の中で、VOC 202012/01変異ウイルスの割合(ECDC. THREAT ASSESSMENT BRIEFより)
イギリスでは「VOC 202012/01」と呼ばれる変異ウイルスが拡大しており、特に、拡大が顕著な南東イングランドでウイルス学的調査が行われたところ、症例の半分以上が新しい変異ウイルス(VOC 202012/01)によることが分かっており、最も早い症例は2020年9月20日に確認されています。
この変異ウイルスはこれまでの新型コロナウイルスよりも感染性が高く、再生産数(R)を 0.4 以上増加させ、最大 70% 感染性が増加する可能性が示唆されています。
したがって、この変異ウイルスが拡大することによって、新型コロナウイルス感染症の流行がますます広がることが懸念されます。
さらに、イギリス国外では、デンマーク(9例)、オランダ(1例)、ベルギー(4例) 、オーストラリア(4例)、スペイン(4例)、カナダ(2例)、アイスランド、イタリア、スウェーデンでもVOC 202012/01による感染例が報告されています。
またシンガポール、香港、ドイツでも検疫中の英国からの帰国者からVOC-202012/01が検出されたとのことですが、検疫でのみの検出であり、国内流行を意味するものではありません。
日本ではこれまでに羽田、関西国際両空港での空港検疫で5人からVOC-202012/01が検出されている他、英国に渡航歴のある30代男性ら東京都内の男女2人からも検出されています。
◆南アフリカ共和国の変異ウイルス: 501Y.V2
南アフリカ共和国における新型コロナの新規患者報告数(Worldometerより)
南アフリカ共和国では12月に入ってから新型コロナの新規患者報告数が急増していますが、12月18日、南アフリカ保健省はCOVID-19患者の急増と新規変異ウイルス(501Y.V2と命名)の割合が80~90%に増加していることを報告しました。
また、12月23日、イギリスは、南アフリカからの渡航者との接触歴がある501Y.V2の2例を報告しています。
現時点ではこの南アフリカの変異ウイルス 501Y.V2は日本国内では報告されていません。
◆英国や南アフリカ共和国の変異ウイルスはどのようなものなのか?
新型コロナウイルスの系統樹 赤線で囲んでいるのがVOC 202012/01変異ウイルス(nextstrainより)
新型コロナウイルスは常に変異をしており、これまでのところ、新型コロナウイルスは月に1〜2回程度のペースで変異を繰り返してきました。
つまり、現在の新型コロナウイルスの多くは、1月に中国で見つかった新型コロナウイルスとは約20箇所の変異が蓄積されてきている計算になります。
しかし、この「VOC 202012/01」と呼ばれる変異ウイルスは29もの変異が確認されており、これは通常想定されていた変異よりも早い速度で変異が起こったことが示唆されています。
系統樹、というウイルスの家系図のようなものがありますが、これによると、VOC 202012/01という変異種はかなり離れたところに位置しており、中間のウイルスがほとんどないことが分かります。
つまり、VOC 202012/01という変異ウイルスはこれまでのウイルスに観察されていなかった、短期間での複数箇所の変異が生じたものと推定されています。
このVOC 202012/01という変異ウイルスを特徴づける変異の一つにN501Yというスパイク蛋白の変異があります。
これまでの研究では、このN501Yという変異によってスパイク蛋白がACE2受容体により強固に結合することが示されています。
南アフリカ共和国で見つかった変異ウイルス(501Y.V2)でも同様にこのN501Yという変異が確認されており、感染性が増加している可能性が示唆されているものの、現時点では十分な証拠はありません。イギリスの変異ウイルスとは関連ない系統の進化と考えられています。
◆なぜ変異が起こったのか?
今回のイギリス、南アフリカ共和国、ナイジェリアでの変異種の出現の原因は明らかではありません。
イギリスでの変異ウイルスの増加は、新型コロナワクチンの接種開始よりも前に観察されていることから、この変異ウイルスがワクチン接種による選択圧によって生じたものではないだろうと考えられています。
◆ミンクを介して誘導された変異ウイルス「Cluster 5」 著者作成
デンマークでは、ミンク由来の変異種が問題となりました。新型コロナウイルスはヒトだけでなく動物にも感染することは以前から分かっていましたが、ヒトとヒトの間で感染を繰り返すよりも、ミンクという動物の間で感染を繰り返す、あるいはヒトとミンクとの間で感染を繰り返すことで変異が誘導されやすくなることが示唆されてます。
しかし、イギリスの変異ウイルスは、すでにイギリス政府はこの変異ウイルスと動物との間に明確な疫学的関連性がないことをヨーロッパCDCやWHOに報告をしていることから、その可能性も低そうです。免疫が極端に弱っている人では、新型コロナウイルスは、長期間持続感染することがあり、変異ウイルスが生じる可能性が指摘されています。ある1人の新型コロナ患者の中で新型コロナウイルスが長期間持続感染することで、免疫から逃れるために変異したウイルスが生き残り、他のヒトにも広がったという可能性は残されています。
これまでにも、免疫不全患者において、長期間ウイルスが検出され続けた患者に、回復者血漿が投与され、変異したウイルスが分離した事例が報告されています。
同様に、免疫不全患者の繰り返す再燃に対して複数回のレムデシビルやモノクローナル抗体を投与した症例でも、変異したウイルスが検出されています。
このように、免疫不全患者では、ウイルスに対する抵抗力が弱いため、ウイルスの増殖が起こりやすくなり、そこに抗ウイルス作用を持つ治療薬が投与されることによって、変異ウイルスが選択されやすくなるのではないかと考えられます。
◆変異ウイルスが広がるとどうなるのか?
イギリスの変異ウイルス:VOC 202012/01は、これまでの新型コロナウイルスよりも感染性が高く、再生産数(R)を 0.4 以上増加させ、最大 70%感染性が増加する可能性が示唆されています。
したがって、この変異ウイルスが拡大することによって、新型コロナウイルス感染症の流行がますます広がることが懸念されます。
ただし、変異ウイルスが、重症度に与える影響は変わらないとしても、感染性が増加し感染者が増えれば、重症者も増えることになります。
◆日本で変異ウイルスが広がる可能性は?
日本国内でこれ以上深刻な流行を引き起こさないためにも、今こそ一人ひとりが、感染対策を徹底すべき時です。