小池都知事が想定五輪中止シナリオ
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2021年4月27日 植草一秀の『知られざる真実』
『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書) https://amzn.to/2S2cN9P に日本政治の現状を規定する構図を解説した。 自公政治を支えているのは主権者全体の25%に過ぎない。 この25%の人が政治を私物化している。 いびつな状況である。 このいびつさを支えている条件が三つある。 第一は主権者の半分が参政権を放棄していること。 第二は自公政治打破を求める国民が分断されていること。 第三は25%の人々が確実に選挙に動員されること。 この三つの条件がそろって、 「25%の人が政治を私物化する」 状況が生み出されている。 逆に考えることが重要だ。 1.すべての有権者が必ず選挙に足を運ぶ。 2.自公政治打破を求める人々が連帯する。 だが、 3.25%の既得権益者が選挙に動員されることを防ぐ手立ては少ない。 しかし、1と2の条件が整えば、政権刷新が可能になる。 それでも、4.25政治決戦では3の条件も崩れた。 この点は重要だ。 自公を支持する既得権益勢力でさえ、自公候補者への投票を拒絶した。 自公の金権腐敗体質、コロナ大失政に対する批判が沸騰したのだと思われる。 安倍政治、菅政治の堕落は目に余る。 森友、加計、桜と不祥事が続いた。 すべて、不正な政治私物化事件だ。 問題が明らかになっても責任を取らない。 国会では嘘をつき通す。 いまや内閣総理大臣を尊敬する者がいなくなった。 政治のトップが、悪事が発覚しても嘘をつき続けて開き直る行動を示すなら、日本全国の子どもたちが、この行動を模倣するだろう。 女性蔑視発言が問題視され謝罪会見した森喜朗氏が、記者から質問され「面白おかしくしたいから聞いてんだろ」と逆ギレ恫喝発言を示した。 このことについて萩生田文部科学大臣は 「『反省していないのではないか』という識者の意見もあるが、森氏の性格というか、今までの振る舞いで、最も反省しているときに逆にあのような態度を取るのではないか」 と述べた。 全国の小中学校で逆ギレ行動が全盛になっても文科相は、「これは最も反省しているときの態度」だと評価しなければならなくなる。 コロナ問題が発生して、直ちに「検査と隔離」を基礎に置くべきだった。 しかし、安倍内閣、菅内閣は検査拡充を阻止し続けてきた。 「検査と隔離」を徹底しなければ早期収束は不可能だ。 結果として、日本は東アジア最悪のコロナ被害国に転落した。 しかも、コロナ収束が優先されるべきときに、感染拡大推進策を展開した。 感染拡大が鮮明になっているのにGoTo全面推進の指令を出し続けたのが菅義偉首相。 変異株が確認されても水際対策強化を妨害し続けた。 結果として変異株が流入した。 緊急事態宣言発出は遅れ、感染再拡大が確認されて解除すべきでないのに解除を強行。 わずか1ヵ月で緊急事態宣言再発出に追い込まれた。 すべては五輪優先の方針がもたらしているゆがみだ。 三度目の緊急事態宣言は極めて中途半端。 首都圏の宣言対象を東京に限定すれば東京から隣接県に人流が流出することは火を見るより明らか。 観光県の知事は県境を超えた移動を控えるように呼びかけるが、感染地からの観光客入れ込みを止めようとしない。 観光業界と癒着する首長が地方における感染拡大の原因を作っている。 中途半端な緊急事態宣言で感染収束を実現できなければ東京五輪が中止に追い込まれる。 菅内閣崩壊シナリオに変化は生じていない。 |