韓国が日本より三権分立が遥かに進んでいるのは金芝河らの命がけかつ英雄的な戦いがあったからだろう。その後、憲法が改正され日本より優れたものができたと巷間で言われている。現に、現役(パククネ)あるいは引退した大統領が起訴されたり投獄されている。
『不帰』金芝河/中央公論社’74年から抜粋
私の思想は、民衆にたいする愛と、同時に彼らにたいする信頼のなかで芽生えた。私自身がその一員として抑圧された民衆のなかで成長しながら、私は抑圧者たちが社会に押し付けてきた民衆にたいする先入観ー卑賎、醜悪、道徳的墜落、天性的な代だ怠惰、卑劣な品性、無知、無気力といった一種の劣等人種的卑下がじつは何ら根拠のないものであり、むしろ抑圧者自身に振り向けられるべき性質のものであることを確認した。
私が体験した民衆たちの姿は、正直であり、勤勉であり、愚かしげに映っても天の知恵が豊かであり、無能で無気力に見えながらじつは偉大な力と強靭な意志を備えていて、あらあらしく見えても隣人にたいする人間らしい暖かい愛情をもった、優しい鮮やかな姿であった。
民衆を信頼することで、私は彼らがみずからの運命の鍵を手にするとき、すべての問題が正しい解決に導かれるものであるとの確信と同時に、そのような偉大な民衆の時代が必ずやってくるものとの不動の信念を抱くようになった。p360
つつみなく言って、民青学連事件は、池学淳主教と朴けい圭牧師、金東吉教授(延世大)をはじめとするすべての民主的人士と私、すなわち金芝河と李哲、柳演泰ら民主救国の学生たちによって、正々堂々とした合法的な精神のもとに組織されたものでした。つまり、民主的な憲法を回復して、ファッショ的な現維新憲法を撤廃し、日本の新しい形態の植民地主義的な経済侵略に反対しながら、祖国と民族の基本的かつ主体的な生存権を保証防衛していき、さらに民族の精神を守護しようとする運動であった。p110
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