「トリチウムの人体への影響を軽くみてはならない」 (河田昌東 VIDEO NEWS 2021/4/17)
https://www.videonews.com/interviews/20210417_kawata
ゲスト: 河田昌東(かわた まさはる)氏 分子生物学者
司会: 神保哲生
概要
政府が福島第一原発に蓄積され続けている汚染水の海洋放出を認める決定をしたことを受けて、分子生物学者で放射性物質の人体への影響などに詳しい分子生物学者の河田昌東氏に、トリチウムの人体への影響について聞いた。
政府は今回海洋に放出されるトリチウム汚染水はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に則った日本の放射性物質の海洋放出の安全基準を大きく下回る水準まで希釈されることが前提となるため、人体への影響は問題がないとの立場をとっている。
しかし、河田氏はそもそもICRP勧告はトリチウムのOBT(Organically Bound Tritium=有機結合トリチウム)としての作用を明らかに過小評価していると指摘したうえで、トリチウムの人体への影響が明らかに軽く見られていると警鐘と鳴らす。それはトリチウム水がほとんど水と変わらない分子構造をしているがゆえに、人体の組織内に取り込まれやすいという、まさに水素同位体であるトリチウム固有の性質を考慮に入れていないからだ。
水素に中性子を2つくっつけただけのトリチウム水は、水とほとんど変わらない分子構造をしているため、容易に体内の組織に取り込まれる。人体がトリチウム水(HTO)と普通の水(H2O)の違いを識別できないからだ。しかし、体内に取り込まれたトリチウムは取り込まれた組織の新陳代謝のスピードによって体内にとどまる時間は異なるものの、長いものでは15年間も体内の組織内にとどまり、その間、人体を内部被ばくにさらし続ける場合がある。トリチウムの人体への影響はセシウムのように単に体内に存在している間だけ放射線を出す放射性物質のそれとは区別される必要があると河田氏は言うのだ。
また、トリチウムは中性子を放出するとヘリウムに変わるが、その際にトリチウムと有機結合していた炭素や酸素、窒素、リン原子が不安定になり、DNAの科学結合の切断が起きると河田氏は言う。体内に入ったトリチウムはトリチウム自体が出すベータ線によって人体を内部被ばくにさらすことに加え、構成元素を崩壊させることで分子破壊をもたらすという、他の放射性物質とは明らかに異なる性質を持っている。それががんを始めとする様々な病変の原因となっていることが故ロザリー・バーテル博士らによって指摘されている。
河田氏にトリチウムの人体への影響と今回の政府が決定した海洋放出の問題点などを、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。
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トリチウムを分離するのは必ずしも不可能ではなく、重量差を利用した分離など
いろいろな研究がされているそうです。
問題は、そういった研究開発にお金を出さず、安易に海洋放出をしようとする
政府・東電の態度だと指摘されています。
研究開発軽視の姿勢はこの問題だけではなく、再生エネルギーやコロナワクチンなど、
あらゆる分野に及んでおり、それが技術立国日本の凋落を招いている元凶と言えます。
(関連情報)
「[復習] トリチウムのベータ線は微弱だから大丈夫とは言えない 他の放射性核種にはない
特有の危険性がある」 (拙稿 2020/12/1)
http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/200.html
「『トリチウムは極めて危険 官僚はウソをつくな!』 多核種除去設備等処理水の公聴会で
西尾正道先生が怒りの発言」 (拙稿 2018/9/3)
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/278.html
「西尾正道氏講演会 染色体を破壊するトリチウムの排出基準はEUは100Bq/L 日本は6万Bq/L
科学的根拠なし」 (拙稿 2018/9/13)
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/312.html
「(死せる水トリチウム)三重水素の恐怖の正体とは?矢ヶ崎克馬教授」
(阿修羅・お天道さまはお見通し 2017/3/9)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/636.html
http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/476.html