国営事業すべて赤字の中国が存在できる仕組み
高速鉄道4万キロはすべて赤字、利用者はほとんど居ないのが実態
財政とはファンタジーである
日本の財務省や政治家や評論家は、日本の財政赤字を追及するのが好きだが、中国の財政赤字には決して触れない。
もし「あなたはなぜ中国の財政赤字には触れようとしないのですか?」と聞いたら、言葉を濁すか大声で騒いでごまかすだろう。
中国の財政赤字、日本の財政赤字、アメリカの財政赤字は財政ではなく政治問題で、もっと言えば理念の問題だからです。
世界各国の財政基準はすべて異なり、日本では地方自治体や民間の高速道路、民間福祉団体、将来生じる保険年金の赤字もすべて政府の赤字にしている。
隣の韓国はこれらすべてを民間債務で計算しているので、GDP比率50%の健全財政です。
健全財政で有名なドイツも「含めない派」だし米中も同様、もし日本基準で計算するとこれらの国はすべてGDP比200%を超えます。
この中で最も不透明なのは中国で、国営事業すべては赤字なのに政府債務GDP比は20%の超優良財政となっている。
家計と企業を含めた日本の対GDP比率は382.7%、中国の総債務は303%、韓国250%、米国250%、欧州256%などとなっている(ジェトロ資料)
仮に政府の借金ゼロで民間が多くてもそれはそれで問題になり、政府債務はいくらでも民間債務に付け替える事が可能です。
例えばVW排ガス相当の時もドイツ政府は支援しなかったが、政府が銀行に圧力をかけて10兆円ほど融資させました。
日本政府が政府の借金を増やさないために、三菱銀行や三井銀行の借金にしてしまうような事で、ドイツは自分で言うほど健全ではない。
政府債務も民間債務も、あっちをつけたりこっちを消したり操作可能で、結局つきつめると「認めるか認めないか」の理念の話に行きつく
中国や韓国は認めなければ債務は存在しないと考えているので、民間債務も政府債務も公称よりずっと多い
アメリカもベトナム戦争から湾岸戦争まで兵士にはらう年金を計上しておらず、膨大な政府債務を隠している
中国鉄道路線の9割以上が赤字路線
中国は数字自体が意味不明で、鉄道建設費だけで毎年50兆円以上使い、最近10年で建設した路線はすべて赤字です。
中国高速鉄道は2007年に運営開始され2020年に約4万キロ、年間約3000キロのペースで建設しています。
中国は旧日本軍のおかげで在来線が広軌つまり新幹線と同じ幅なので、在来線に高速鉄道が走る区間も含まれている。
在来線に高速鉄道が走る区間は1万キロ程度と考えられ、高速鉄道専用区間としては20年現在で3万キロ程度でしょう。
中国は2035年に高速鉄道7万キロを目標に掲げていて、今までの開業ペースからは楽に達成可能です。
年間3000キロだったのを年間2000キロ建設にしても、2035年には総延長7万キロになります。
中国鉄道の赤字は公式には2018年に約60兆円だが、驚くことにこれには鉄道建設費が含まれていません。
中国国家鉄路集団は政府が保有する線路に電車を走らせるだけの組織なので、鉄道建設を行っていないからです。
中国の高速鉄道で黒字は北京=上海線だけで他は全て赤字、しかもこれは鉄道建設費を含んでいない。
無人都市に人が住んでいる事にし高速鉄道や空港を建設、すべてGDPに計上している
架空の住人でGDPを水増ししている
日本の新幹線建設費はミニ新幹線は1キロあたり約6億円、だがフル規格の北陸や九州はキロ50億円以上かかっています。
中国の高速鉄道建設費も日本とあまり変わらないので、年間2000キロ建設としても年間10兆円かかっています。
いままで専用線路だけで150兆円かかり、今後の3万キロ建設は物価上昇でもっとかかるでしょう。
中国高速鉄道は運営するだけで赤字なので建設費は丸ごと赤字、全額を政府が負担し政府債務になっている筈だがどこにも計上されていない。
中国は毎年2万キロの在来線を建設し、毎年1000キロもの地下鉄建設を行っていて、最近建設したものはすべて赤字です。
しかもやはり建設費を除いて赤字なので建設費は丸ごと政府債務、空港でも高速道路でもすべてこうなっています。
数年前話題になった南シナ海の岩礁埋め立てと要塞化は、島ひとつで10兆円もかけたと推測されているが当然赤字です。
中国は軍事費だけで10兆円以上、公安費用も10兆円の合計20兆円軍事費をつかっているが、軍事費に売り上げは発生しません。
宇宙開発ではアメリカと張り合っていて、ここにも年間5兆円以上はつぎ込んでいると考えられるが売り上げはゼロです。(外国や民間からのわずかな委託は有る)
中国は不動産市場がGDPで大きな割合を占めていて、国家事業として土地開発とマンション販売をしている。
その結果1万人以上の無人団地がゴロゴロあり、架空の住民が住んでいることにして架空のGDPを計上しています。
高速鉄道も架空の利用者、空港も架空の旅行者がいることにし、どんどんGDPを水増ししています。
結局GDPというのも「認めるか認めないか」の理念の話にたどり着き、いくらでも増やしたり減らしたり可能です。
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日本の財政赤字は先進国最小
韓国政府はIMFの指摘に対し、「将来払う借金は”現在の借金ではない”」と言い放った。
日本政府も同じことを言ったらどうか
国の借金についての誤解
経済原則では資産と債務は常に同額で、どちらかが多い状態は起こりえないとされている。
だが企業に債務超過があるように国家でも外国からの借金が多ければ、国全体が赤字という事になります。
旧ソ連は外国からの僅かな借金が返せず崩壊し、1998年の韓国は数千億円だかを返済できず国家破産しました。
これらは外国からの借金が返済できなかった例で、国内では債務と資産は釣り合っていたはずです。
韓国の特徴は家計債務が異常に多い事で、家計債務だけでGDP比100%に達しぶっちぎりの世界最悪だそうです。
日本は公的債務が多く、アメリカや中国も資産と同額の借金が国内のどこかに存在しています。
日本の総資産は、1京883兆円(2018年)なので同額の負債がどこかにあり、そのうち公的債務が1000兆円くらいだという話です。
例えば日本政府が1000兆円の借金を返すと、国債などが返済され1000兆円の資産もなくなります。
投資家は1000兆円の現金を受け取るが、現金とは日本銀行が発行した債権で、日銀の借金になります。
本来は物やサービスで提供するべきだが、今はとりあえず「1万円」と書いた紙切れで代用するのがお金という考え方です。
紙切れはとても便利で、今は印刷せずネット上だけで発行したことにしているが、やはり借用書のようなものです。
財務省は「日本には1000兆円の借金があるから返さなくてはならない」と信じ込ませようとしているが、そういう話ではないのです。
韓国の政府債務は不明
せいぜい1000兆円の政府の借金を民間の借金に付け替えるという事で、本当に借金をなくしたら資産1000兆円もなくなり日本は今より貧しくなります。
国の借金問題とは借金がどこに偏っているかが問題で、借金は必ずどこかに存在する。
ドイツの財政は健全と言われているが、それは政府の借金が少ないだけで、民間なり家計なりに借金があるのです。
世界の多くの国は政府や公的機関の借金を秘密にしていて、日本政府だけが詳細に発表しています。
アメリカの国全体の借金は国家機密で、大統領すらこれを公開することは許されていません。
中国も同様で国全体の借金を調べることは出来ず、おそらく習近平も中国の公的債務がいくらなのか知りません。
2019年に韓国経済研究院が発表した報告書によると、韓国の政府債務は年平均14.4%増加し、世界で3番目に増加ペースが速かった。
計算は国際決済銀行(BIS)統計を元にGDP比の負債比率を算出したので、ある程度客観的な数字と言える。
2014年にIMFは韓国の政府債務が実際より小さく報告しているとして是正勧告をしたが、今もそのままのようです。
韓国政府発表の政府債務残高は、2000年代からGDPの30%台で推移していました。
2014年の韓国政府債務はIMFの計算で1959兆ウォン(216兆円)、韓国のGDPは約1500兆ウォンなのでGDP比130%になります。
2014年3月にIMFは「韓国が報告している政府債務残高を修正する必要がある」と警告しています。
この時の韓国側の言い分では「年金や保険の赤字は将来返済するものなので、現在の借金ではない」という事でした。
考えてみれば日本の借金1000兆円の大部分も、今すぐに支払うものではないので、韓国の計算では現在の借金では無い。
それから6年が経ち韓国の政府債務はもっと増えている筈で、GDP比200%は超えていると考えられます。
2020年の韓国政府債務は政府発表ではGDP比50%だが、実際はGDP比200%以上なのです。
ドイツやアメリカや中国など「健全財政」の国の中身もこんなもので、政府債務は計算方法を弄れば簡単に数分の1にできるものです。
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