“違法接待”菅首相の長男のCS放送を総務省が特別扱い! 当時の総務省責任者はNHKに圧力、有馬キャスターを降板させた山田内閣広報官
https://lite-ra.com/2021/02/post-5794.html
2021.02.13 菅首相長男のCS放送を総務省が特別扱い!担当は山田内閣広報官 リテラ
首相官邸HPより
菅首相の長男が総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた問題で、さらにとんでもない事実が明らかになった。国会での追及で、接待会食は12回にも及んでいた一方、菅首相の長男が勤める東北新社は2018年のCS 放送業務の認定において、総務省から不自然な特別扱いを受けていたことが判明したのだ。しかも、当時、その認定で職務権限があったのは、あの菅首相の子飼い官僚だった。
改めて、経緯を説明しておこう。菅首相の長男は菅正剛氏といい、現在、東北新社でメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を務めている。東北新社は映画製作・配給やCM・テレビ番組制作など映像分野で幅広く事業を手掛ける企業だが、事業の中核をなしているのがBS・CS放送関連事業。「スターチャンネル」や「スーパー!ドラマTV」「ファミリー劇場」「囲碁・将棋チャンネル」などグループでBS・CS8ブランド10チャンネルの運営をおこなっている。そして、正剛氏は「囲碁・将棋チャンネル」を運営する株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任している。
ところが、その正剛氏が、放送行政を管轄する総務省の官僚幹部を接待していたことを「週刊文春」が写真付きでスクープしたのだ。文春の報道では、ロン毛とヒゲが特徴的な正剛氏が高級すし店や料亭の前で手土産を持たせてタクシーチケットを渡す場面などがバッチリおさえられており、これは完全に利害関係者からの接待や金銭・物品等の贈与などを禁じた国家公務員倫理規定に違反する行為だ、
しかも、接待がおこなわれた官僚たちはみんな菅首相に近く、放送行政にも大きな影響力を持つ幹部だった。このような総務省の官僚幹部を呼び出して接待をおこなうことなど、普通の事業者には到底無理な話だ。つまり、正剛氏が「菅首相の息子」であるからこそ、官僚たちが接待に応じてきたことは明々白々だろう。
ところが、菅首相は国会でこの問題を追及されると、「息子は民間人、私人だ」と主張し、プライバシーを盾に答弁を事実上拒否したのである。
「私の親族であるとはいえ、公的立場にはない一民間人にかんするものであります。本人やその家族などの名誉やプライバシーにもかかわることでありですね、本来このような場で、お答えすべきことではないと私は思います」
こんな言い訳が通用するわけがないだろう。今回の問題は総務官僚による国家公務員倫理法違反が疑われるものであり、行政の長たる菅首相には事実をつまびらかにする責任があるのはもちろん、東北新社にいる長男が総務省幹部違法接待していた背景には明らかに、菅首相の存在がある。
■菅首相の長男のCSチャンネルだけがハイビジョンでないのに総務省の基幹放送事業に認定
正剛氏はもともと大学卒業後、バンド活動をしていたが、「バンドを辞めてプラプラしていたから」という理由で、菅首相が自身の大臣秘書官に採用。その後、自身と同じ秋田出身である東北新社の創業者・植村伴次郎氏(故人)に正剛氏を「鞄持ち」として預けた。正剛氏の入社後、菅氏が代表を務める政党支部「自民党神奈川県第二選挙区支部」には、植村氏とその息子から合計500万円の献金が行われている。
菅首相は国会答弁で正剛氏の東北新社入社を「自分の意思」「コネ入社でない」と説明したが、こうした関係を見れば、とても信じられるものではない。「バンドを辞めてプラプラしていた」息子を大臣秘書官に抜擢したあと、その後を案じて自分の人脈を駆使し入社させたのである。
しかも、問題は東北新社は正剛氏を衛星放送事業に関わる総務省の窓口に担当させたことだ。これは、東北新社=植村氏が献金でバックアップし、その一方、正剛氏を総務省の担当におくことで、菅首相の力を使って衛星放送の許認可などで特別なはからいを期待したとしか考えられない。
実際、接待が繰り返された昨年12月というのは、「週刊文春」によると〈〇五年末に認定された「スターチャンネル」の、放送法で定められた五年に一度の更新の時期〉だった。
「総務省の幹部が公務員倫理規程に違反する接待行為を受けたのは、明らかに菅首相の長男が担当だったから。接待を断ったら菅首相に睨まれて飛ばされかねない。その恐怖で接待を受けたんでしょう。正剛氏も東北新社側もそれを見越して、違法接待を持ちかけ、共犯者に仕立てた。そうすれば、無理難題をもちかけても断れなくなりますからね」(全国紙総務省担当記者)
実際、正剛氏が取締役を務める東北新社グループの子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、総務省からどうみても不自然な特別待遇を受けていた。
同社は「囲碁将棋チャンネル」を放送するCS放送局で、2018年、総務省に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けているのだが、当時、総務省はハイビジョン化を進めるために衛星基幹放送の大幅な組み替えを行なっており、この認定もハイビジョン放送であることが重視されていた。実際、このとき、認定を受けた12社16番組のうち11社15番組がハイビジョン放送だった。
ところが、「囲碁将棋チャンネル」1番組だけが、ハイビジョンではない標準テレビジョンなのに、基幹放送の業務認定を受けているのだ。
「今回、改めて取材したところ、この認定は当時、総務省内でも話題になり、『菅さんの案件だから、特別待遇だったんだろう』という見方が流れていたようだ」(前出・全国紙総務省担当記者)
■当時、職務権限があった総務省情報流通行政局長はNHKに圧力かけた菅の子飼い官僚・山田真貴子内閣広報官
しかも、この認定をめぐっては、正菅首相の子飼い官僚が直接、圧力をかけたのではないかという疑惑も浮上している。
というのも、「囲碁将棋チャンネル」が「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けた2018年4月、その認定を判断する最高責任者の総務省情報流通行政局長の職にあったのが、あの山田真貴子・現内閣広報官だったからだ。
山田内閣広報官といえば、安倍政権下の2013年から2015年まで広報担当の首相秘書官を務めたあと総務省に戻っていたが、菅首相が新政権発足にともなって官邸に呼び戻した典型的な“菅の子飼い”官僚。しかも、NHKに圧力をかけ『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターを降板に追い込んだ張本人とも目されている。
先ごろ発表された有馬キャスターの降板だが、原因は昨年10月26日放送の『ニュースウオッチ9』に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について有馬キャスターが「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」などと質問し、菅首相が「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」と逆ギレしたことだった。その後、山田内閣広報官がNHKの原聖樹政治部長に電話をし「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」と恫喝をかけたことで、つながったのである。
このケースを考えれば、菅氏の長男が取締役を務める「囲碁将棋チャンネル」の「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」においても、その判断の職務権限をもつ総務省情報流通行政局長にあった山田氏が、圧力をかけて、無理やり認定をさせた可能性は高い。
マスコミはこの問題について、『news23』や『報道ステーション』が報じたものの、ワイドショーなどは大きく取り上げていない。しかし、このまま放置すれば、安倍政権時代と同じく、政治の私物化、親族とおトモダチへの利権分配が繰り返されていくことになるだろう。
この問題を国会で取り上げた立憲民主党の後藤祐一衆院議員は、山田内閣広報官と正剛氏の会食についても調査するよう総務省に求めていたが、その癒着は会食があるかどうか以前の問題だろう。
放送行政を私物化する菅首相とその子飼い官僚を徹底類級する必要がある。
(編集部)
いまさら誰かの顔色をうかがって選ぶな/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102130000035.html
2021年2月13日8時51分 日刊スポーツ 東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事会・評議員会合同懇談会で言葉を交わす森会長(左)と川淵氏(代表撮影) ★元首相で東京五輪・パラリンピック組織委員会会長・森喜朗が辞意を表明した。ところが、事もあろうに組織委評議員会議長・川淵三郎を後継指名して影響力を残そうとして、事態は再び迷走し始める。11日に報道が出始めるころから、森の辞任を求める人たちから「なぜ83歳から84歳に指名されるのか」との正論が聞かれた。その川淵は就任前からその気になって「森を『相談役』にする」など調子に乗り始めた。 ★無論、これから手続きを踏むわけだが、「(辞任する)森が指名する立場なのか。それでは院政を敷くだけではないか」といぶかる声や、過去のアジア諸国への露骨な蔑視発言などから歴史修正主義、スポーツ根性論などを問題視する声もある。一方、関与するすべを持たない官邸は「若い女性はいないのか」と打診するなど、こちらも問題が起きたので女性にしようというステレオタイプというのか、事態の深刻さを理解しない対応が続いた。 ★つまり、本当に5カ月後に開催する東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの複雑な問題の整理、コロナの問題、スポーツ界のセクハラやパワハラの撲滅など、人格的にも実務的にも総合的な人材を探して川淵の名前が出てきたのだろうかという問いに答えを持つ人がいない。森が推薦したとか、IOCがいいと言っているとか、スポンサーが納得しているなどとして責任ある人選をしていない。にもかかわらず、名前が先行して白紙に戻るこのやりとりが世界から笑われているという現実からスタートしなければならない。今のままでは「なんでもいいから体裁を整えろ」と言っているのと同じだ。 ★森の辞任はスポンサーが難色を示し始め、信頼していた国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に手のひらを返されたことからの迷走でもある。だが、この段階で人材が皆無であることを憂うべきだ。五輪の実現か中止かの判断を全体を見回して判断し、いずれの決断をしても残務処理まで付き合える人材が必要なのだ。いまさら誰かの顔色をうかがうだけで選ぶ必要はない。(K)※敬称略 |
菅政権のヨタヨタ政治に今こそ水面下で野党共闘の戦略を練れ。
https://31634308.at.webry.info/202102/article_4.html?1613270306
2月の直近のNHK、毎日新聞の世論調査で内閣支持率は共に38%になった。不支持率はそれぞれ44%、51%である。NHKが支持率は2%下がり、毎日は5%上がった。今回毎日の支持率が上がったのは、ワクチン接種が好材料になったと思う。また、幸運だったのは菅の息子の接待事件が森会長のセクハラ問題で完全に隠れてしまったからだ。本来、菅息子の接待問題は別人格と菅首相が強調したが、そもそも菅息子が総務省の幹部役人に接触できるのは菅親の御威光のお陰である。菅政権はなるべく五輪問題に関わらないように見せている。野党は今が野党連合のチャンスなのだが、立憲の動きが見えない。共産の方が積極的である。戦略性が見える。千歳一隅のチャンスなのだから表面で見えなくても水面下できちんと動いてほしいものだ。
今日のサンデーステーションで松原氏が、次期五輪組織の選考委員会の不透明を指摘した。きっと菅政権がコントロール出来る人選を選ぶはず。そうすると、コロナ感染の状況がどんなことがあろうと五輪をやることになりそうだと。バイデン大統領が述べたように科学的な判断が出来る組織委員会にしてほしいと述べた。オーストラリアのコロナに対する対策と日本の超アバウトな対策に余りに違いがある。オーストラリアからは選手は来ないのではないか?怖すぎて。
https://okita2212.blogspot.com/2021/02/blog-post_14.html
2月 14, 2021 日々雑感(Daily miscellaneous feelings)
<13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった。両県の消防によると、50人超が負傷した。火災も宮城県塩釜市の県営住宅で発生したほか、仙台市と福島市のJR福島駅近くの集合住宅でも、各1件の火災が発生したとの情報がある。電線の断線といった情報も相次ぎ、東北から関東、東海の広い範囲では大規模な停電が発生した。日本卸電力取引所の情報公開サイトによると、東北で10基以上の火力発電が停止した。
気象庁によると、10年前の東日本大震災の余震とみられ、今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている>(以上「共同通信」より引用)
引用記事によると「13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった」そうだ。「気象庁によると、10年前の東日本大震災の余震とみられ、今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている」というから、余震に対する警戒を緩めてはならない。
地球にとって10年など45億4300万年の歴史に比べればほんの一瞬のことなのだろう。大震災と津波で甚大な被害を被った地域の人々にとって「またか」との感が深いだろうが、復興に向けた取り組みの決意を揺らがすことのないように願っている。
政府は災害復興に際して、大きな余震が同一地域を何度か襲うことを想定した「国土強靭化」を望む。以前と同程度のインフラなら、以前と同程度の地震に襲われれば同程度の被害を被る、ということだ。
だから耐震国土強靭化を基準とした公共事業を実施して頂きたい。建物や構造物の耐震構造は漸次新基準に適合したものに改善されているが、構造物に関しては以前と同じままのモノが放置されたままだ。
国土強靭化で補強すべきは地震対策だけではない。豪雨災害に対する河川の浚渫や堤防のコンクリート化、さらには山間部の砂防堰堤の整備など、やるべき課題は山積している。
もっと言及すれば、針葉樹林に特化した単一植栽事業が長年推進された森林行政は山の保水力と急斜面の地盤保体力を著しく失わせた。少しの雨量でも山の表土流出や崖地崩壊などが相次いで見られるようになっている。広葉樹などとの複合植栽や山林の保全なども「国土強靭化」に繋がることを忘れてはならない。
10年前の悪夢の記憶が甦った人も多いかも知れないが、さらに強く郷土を愛し、郷土の防災地域づくりに邁進して頂きたい。日本国民にとって郷土は地震大国のこの国土しかない。
地震と付き合って生きて行く知恵を後の世代に残せるように、私たちが地震被害に向き合って、見事に復興する必要がある。政府も一層の国土強靭化への取り組みを推進して頂きたい。
https://mewrun7.exblog.jp/29409733/
2021年 02月 14日
【全豪OPテニス・・・3位の大坂なおみは、3回戦で30位のジャバー(チュニジア)に6-2,6-3でストレート勝ち。全体的に好調な感じだ。<足や顔に止まった蝶の羽をやさしくつまんで、コート端に解放するシーンも。昆虫好きのmewはキュン。>4回戦では、元1位のムグルサと対戦することに。ここから大事な勝負が続く。(・・)また、女子ダブルスの青山・芝原組も3回戦に進出した。"^_^"
76位の日比野奈緒は、2回戦で、元TOP10のムラノデビッチ(仏)と対戦。5-7,1-6で敗れてしまったのだが、1セットめは上位でも通用しそうないいプレーをしていた。何かストレート、クロスのパッシングに、昇り調子だった時の錦織のショットに近いものを感じたりして。のびしろがいっぱいなので、今後が楽しみだ。<土居は早くも次の大会に出場して、1回戦で勝っていた。>みんな、ガンバ!o(^-^)o】
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昨日13日の夜11時8分、福島県沖深さ55kmを震源地にするM7.3の大きな地震が起きて、福島、宮城で震度6強を観測。周辺もかなり揺れて、一時は20万戸近くが停電する事態になった。
まだ暗いため、被害状況があまり判明していないのだが。既に100人近くが負傷。土砂崩れ、家屋倒壊などなどの情報もはいっているという。(-"-)<震源が深かったので、津波が起きなかったのが救いだった。>
被害者の方々にお見舞い申し上げると共に、まだ余震が続きそうなので、家の内外の食器やガラスの破片、建築資材の破片、土砂崩れや塀や道路などの破壊などなどに十分、注意していただきたいと願っている。m(__)m
<東京にも緊急地震速報が。最近、空振りが多いので、あまり身構えずにいたら、間もなく震度3〜4ながら、かなり長く揺れが続くことに。やっぱ速報が出たら、それなりに対応をしないとな〜、と反省。(~_~;)>
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ところで、先週は五輪組織委の森喜朗氏の問題発言&会長辞任のニュースが続くことになったのだが、菅首相はちょっとホッとしている部分があるかも知れない。^^;
先週の国会では、菅首相の長男の総務省に対する不正接待疑惑の問題がかなり扱われていたのだけど。メディアにあまり取り上げられずに済んだからだ。(**)
先月、東北新社に勤めている(&かつて菅総務大臣の秘書官を務めていた)菅首相の長男が、昨年10〜12月に総務省の幹部官僚を高級割烹などで接待した上に、高価なお土産やタクシー券を渡していたという事実を、週刊誌が報道。
このような接待を受けることは国家公務員倫理法違反に当たる上、もし菅氏の長男が何か請託をしたりそれに応じていた場合には、収賄罪に当たる可能性もある。(@@)
<東北新社は、総務省が担当している衛星放送の事業も行なっているので。>
野党が国会でこの件を追及したところ、菅首相は「本人かどうかわからない」「自分とは別人格だ」と逃げの答弁を行なうことに。
また、総務省の官僚も、会食した事実を認め、あとで返金を行なったと説明したのだが。具体的な話になると何度も「調査中で答えられない」と答弁を逃げまくる状態が続いた。(-"-)
野党側はこのような姿勢に怒って、8日の衆院予算委員会は紛糾。野党議員の多くが退席して、審議が一時中断する事態が起きた。
政府与党もこれはマズイと思ったのか、10〜12日になって、やっと少しずつ説明を開始。昨年に限らず、以前から何回もにわたって会食接待を受けていた事実が明るみになって来た。(・o・)
菅首相の長男(明治学院大卒)は、20代半ばまでバンドをやっていたとのこと。<キマグレンのメジャーデビュー前に、一緒に活動していたとの話も。>
しかし、菅義偉氏は、2006年に自分が安倍内閣の総務大臣に就任した際、何故か、全く政治や行政の素人である長男(当時25歳)を総務大臣秘書官に起用。長男は安倍氏が首相を辞める07年9月まで秘書官を務めていたという。(-_-;)
<国会議員の私設秘書とかではなく、大臣の秘書官(国家公務員の特別職)だからね〜。そのような立場に若く経験のない自分の子供を起用するのは珍しい(知人いわく、きいたことのない)ケースらしい。菅氏が息子の音楽活動を辞めさせて、一般社会で生活させるためにコネ人事を行なったと見ることもできよう。また、菅氏の長男は、この時に、今は幹部になっている総務官僚と知り合う機会があった可能性が大きい。>
『菅義偉首相の長男による総務省幹部の接待問題で、首相が代表を務める「自民党神奈川県第2選挙区支部」が2014〜18年、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の当時の社長から計250万円の献金を受けていたことが9日、政治資金収支報告書で分かった。
収支報告書によると、東北新社の社長だった故植村徹氏から14年と17年に100万円ずつ、18年に50万円の計250万円の寄付があった。同社の創業者で、植村氏の父親の故伴次郎氏は首相と同じ秋田県出身。
首相の事務所は共同通信の取材に「収支報告書の記載通り。さまざまな方とおつきあいがあるが関係は答えていない」と回答した。(共同通信21年2月9日)』<それ以前も献金があったという記事も見た。>
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菅氏の長男は、この後、2008年に東北新社に入社。現在は「統括部長」の肩書を持つほか、衛星放送の子会社である「囲碁将棋チャンネル」の取締役を兼務しているという。(・・)
東北新社の創業者は菅首相と同じ秋田県出身。菅氏に政治献金を行なっていたことも、確認されている。
古くは映画の翻訳や配給、アニメ事業などで知られていたのだけど。いまや衛星放送事業を含め映像に関するあらゆる事業を行っている「総合映像プロダクション」として、百億単位の売り上げを出している大会社。20代後半の未経験者が、簡単に途中入社できる会社ではない。
<それゆえ、元総務大臣&安倍首相の側近である菅義偉議員の存在、総務大臣秘書官を務め、総務官僚に顔をきくなどの理由で、入社が認められた可能性が大きいと見る向きもある。>
つまり、菅首相の長男は、菅氏と全く関係がない形で、東北新社にはいったり、総務官僚と会ったりできる立場ではないと。仕事や今回の接待においては、菅首相と全く「別人格」とは言い切れない部分があると思うのだ。(++)
また、総務省の官僚らは、菅首相の長男や同行者のことを利害関係人だと思わなかったと言っているのだが。相手が東北新社で衛星放送事業に携わっている人間であると認識している以上、それはまさに「ウソ」だといわざるを得まい。(-"-)
でもって、10日、12日の国会では、このような事実が明らかになっている。
『首相長男ら、衛星放送の認定更新直前に総務省幹部と会食
総務省幹部4人が、菅義偉首相の長男ら衛星放送などを手がける東北新社側から接待を受けていた問題で、2人の幹部は10日の衆院予算委員会で、東北新社の子会社が手がける衛星放送「スターチャンネル」の認定を同省が更新した昨年12月15日の直前に、菅氏の長男とそれぞれ会食をしていたことを明らかにした。
秋本芳徳・情報流通行政局長は同月10日、湯本博信・情報流通行政局官房審議官は同月14日にそれぞれ菅氏長男との会食を認めた。
質問した立憲民主党の今井雅人氏は、秋本氏の前任の情報流通行政局長である総務審議官も同月8日に会食をしているとし、「スターチャンネルの更新とわずか1週間の間に集中している」と指摘。そのうえで「(会食で)更新についての話はあったか」と尋ねた。
秋本、湯本両氏は「(会食で)東北新社の事業について話題に上った記憶はない」と説明した。
野党の立憲、共産、国民民主の3党の国会対策委員長は10日午前、国会内で会談し、@総務省幹部4人と菅氏長男の会食の状況A費用負担、タクシーチケット交付や贈答品の有無、について12日までに回答するよう政府に求めることで一致した。(朝日新聞21年2月10日)』
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『総務省幹部4人、会食でタクシー券と土産受領 接待問題
総務省幹部4人が菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から接待を受けていた問題で、総務省は12日、4人全員が昨年10〜12月の会食でタクシー券とお土産を受け取っていたと明らかにした。飲食費も全額か一部を負担されたとみられ、懲戒処分の対象となる接待や贈与にあたる疑いが強まった。
原邦彰・総務省官房長が12日の衆院予算委員会で説明した。幹部4人は昨年10〜12月に個別に会食し、いずれも東北新社の衛星放送子会社の役員を兼ねる首相の長男と、別の衛星放送子会社の社長を兼ねる東北新社の執行役員が同席。総務省には衛星放送の許認可権限があり、2人は接待を受けてはいけない「利害関係者」にあたるおそれがある。東北新社が負担した飲食代の金額やその後の総務省幹部らの返金額は明らかにされなかった。
国家公務員倫理規程は、利害関係者からの接待や金品の贈与を禁じている。過去には関係業者からタクシー券を受け取った総務省幹部が懲戒処分を受けた例もあり、首相の長男と執行役員が利害関係者と認定されれば、懲戒処分は避けられないとの見方が強い。
原氏は、幹部4人が首相の長男と昨夏以前にも会食していたことも明らかにした。昨夏以前の会食は秋本芳徳・情報流通行政局長が3回、湯本博信・同局官房審議官と谷脇康彦・総務審議官は2回、吉田真人・総務審議官は1回。以前の会食でもタクシー券を受け取ったかは、湯本氏が「受け取っていない」とし、残る3人は「記憶にない」と説明しているという。
総務省は東北新社側にも資料提出や説明を求めて事実確認を進め、幹部らの処分を検討する。武田良太総務相は「徹底的に真相を究明すべく調査を進める」と語ったが、調査範囲を広げるかは明言を避けた。(豊岡亮、藤田知也)(朝日新聞21年2月12日)』
これから、まだまだ新たな事実が出て来るのではないかと思うのだが。TVメディアも、一時は「電波停止」で脅しをかけて来た総務省をおそれず、しっかりと国民にこの問題を伝えて欲しいと思うmewなのだった。(@_@。
THANKS
清和会体質<本澤二郎の「日本の風景」(3994)
http://jlj0011.livedoor.blog/archives/28055894.html
2021年02月14日 jlj0011のblog
<国際社会から拒絶された「神の国」国家主義者の森喜朗>
東京五輪組織委員会の会長・森喜朗が墜落した。日ごろからの体質・価値観を非難されたものだ。密室談合による清和会政権の生みの親で、日本会議が引きずる戦前の価値観を、国際社会が容認しなかったためである。
数世紀前ならいざ知らず、21世紀に「天皇中心の神の国」という時代錯誤の国家論を踏襲、それをひけらかしながら、安倍晋三の後見人として、電通五輪利権に食らいついていたものだろうが、意外やコロナが襲来して延期、そこで日ごろの体質を披歴したとたん、米NBCやIOCに「不適格」の烙印を押されてしまった。
後輩の小泉純一郎や安倍、そして菅義偉も守り切れなかった。深層では、国家神道や教育勅語を継承する、清和会政治を国際社会が直撃したことでもある。さぞかし日本会議も、悔しい涙を流したはずであろうが、戦前の価値観を今時引きずっている方がおかしい。
<「典型的な役職乞食で有名だった」と清和会OB>
恥ずべきは、ほかにもある。責任をとって辞める立場でありながら、森は公然と同志のような人物を指名、相談役として居座ろうとしていたようだ。これはもうどうしようもない。
清和会体質そのものであろう。安倍もそうだった。自己の犯罪もみ消し人である官房長官を後継者に指名して、退陣後の検察捜査を押しつぶそうとしているのだから。仲間のトランプは、弾劾裁判に二度も掛けられるという悲哀をかこっている。
彼ら清和会体質の根源は、憲法を尊重擁護する姿勢が見られない、それどころか平和憲法を破壊しようとしてきた点にある。森の文教政策がそうだった。
安倍から直接「うちの祖父さんは、民主主義がわからない」と聞いたことがあるが、A級戦犯首相も同じだった。清和会政権は、戦後においても、日本没落の原動力となったことが既に明らかとなっている。そのことを批判しなかった、新聞テレビの右傾化責任は、筆舌に尽くせないほど重大なことである。
清和会OBに言わせると、森は「役職乞食」という。初めて耳にした日本語であるので、多少驚いた。どういうことなのか。
<日本体操協会を徳田虎雄から強引に譲り受けた!>
日本最大の病院を立ち上げた徳洲会の徳田虎雄は、過去においてなんらかの理由で、日本体操協会の会長をしていた。このポストを、首相退陣後の森が「譲ってほしい」と声をかけていた。
彼がラグビーの選手として早稲田大学商学部に裏口入学したことは、今ではよく知られている。日本工業新聞に入社したが、彼は産経新聞で働いた、と嘘をついていたことも、政界では有名な話である。筆者も永田町でよく聞かされていたものだから、社長の徳間康快に誘われて、一度だけ彼の事務所で会った、それ以外は右翼の青嵐会・台湾派ゆえに敬遠してきた。
なぜ縁のない体操協会に首を突っ込んだのか。今はわかる。そう五輪利権目当てだった。JOCに対して、体操協会の影響力は抜群というのだ。彼はここを足場にして、五輪獲得に動いたのだ。同じ青嵐会仲間の石原慎太郎が都知事(当時)だ。石原との連携で、安倍を動かして具体化させてゆく。なかなかしたたかな、森と石原と安倍の野望であろうか。指南役は電通だろう。
<森の狙いはJOCへの影響力、五輪利権獲得への布石だった!>
日本体操協会をよく知らないが、過去に五輪金メダル獲得で実績を上げてきた。そういえば、一時、千葉県知事候補になったスポーツ庁という不思議な役所の責任者が、この金メダリストだった。
スポーツの台頭は、ヒトラーのドイツ五輪を彷彿させるではないか。ヒトラー研究者が、日本会議にたくさんいるのだろう。獲得するためには、手段を選ばないのだ。嘘と買収で勝ち取った2020五輪だった。
<「背後に電通が指南していた」との憶測も>
全く手が付けられない東電福島の廃炉作業について、最近朝日新聞が特別記事を書いた。廃炉は無理なのだ。東芝製のプルトニウムMOX燃料を使用した3号機は、核爆発を起こしている。
廃炉するためには、数百年かそれ以上かかる。全く打つ手なしである。放射能汚染水の処理をどうするか。海の放流すれば、国際社会がNOを突き付けるだろう。嘘に嘘を重ねて獲得した2020東京五輪は、天も容赦しないはずだ。
神社信仰のお祓いで、めでたく処理など出来るわけがない。昨夜も福島沖の海中で大地震が起きて、東北から首都圏に住む人々を恐怖に陥れた。
嘘と買収で手にした五輪に大義は、全くない。健全なスポーツとは無縁の利権イベントそのものである。
しかし、言葉は便利なものだ。昨日、森が組織委員会で働いている職員に対して、不可解なメッセージを発していた。「電通の作文か」との指摘も。
彼は、嘘と買収で手にした五輪を、こともあろうに「偉大な仕事」だと決めつけた。ヒトラー流なのか。はたまた「スポーツが人との繋がりや絆に寄与する社会に、大きな役割を果たしている」ともうそぶいたものである。この作文を書いた人物が誰なのか、電通マターの新たな疑惑が持ち上がっているらしい。
一部のスポーツ新聞が書いた。五輪を春夏10回実施すると、放映権料だけで、実に1兆2700億円の収益が転がり込むと。五輪は、ギリシャのクーベルタンが期待した、健康で健全なスポーツでは、全くないのである。
JOCもIOCも営利事業団体である。東京五輪は電通利権の最たるものであって、国民生活を豊かにするものではない。まずは、ギリシャに返してはどうか。
<大義のない不浄な東京五輪は限りなくゼロ=老兵は消え去るのみ>
東京五輪は民間のスポンサーが、金儲けの手段として、主に財閥企業が活用している。この仲間に新聞テレビなども含まれているという。率先して五輪強行論の菅内閣の応援団となって、ジャーナリズムの使命を放棄して、不浄すぎる五輪強行世論づくりに汗をかいてきている。
不幸にして森問題で、国際社会から非難され、トップが更迭された。後継者選びでも、またいかがわしい人選が繰り返されることになる。森の意中の人は誰か。川渕も落馬してしまい、もはや青少年を鼓舞するような人格者が見つかるだろうか。橋本などは論外であろう。
東京五輪実施は、限りなくゼロであろう。利権アサリの老兵は去るしかないが、水面下で電通の、もがきふためく様子も見えてくるではないか。
2021年2月14日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
女性蔑視発言の森喜朗元首相「川淵後継」を止めたのはIOCだった
https://dot.asahi.com/wa/2021021400011.html
2021.2.14 12:14 週刊朝日オンライン限定記事
会長候補に浮上した橋本聖子元五輪相(C)朝日新聞社
小池都知事と菅総理(C)朝日新聞社
森喜朗元首相が女性蔑視発言で東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任した騒動は、後継選びを巡って混乱も招き、世界中に醜態を晒した。
政府関係者によると、森会長が後継指名した川淵三郎・日本サッカー協会相談役の新会長就任が一夜にして白紙になったのは、IOC(国際オリンピック委員会)サイドの介入だったという。
「混乱の原因は森会長が後任について、官邸が橋本聖子氏を推したにも関わらず、聞き入れず、川淵氏の後継の流れを強引に作ったことにあります。組織委会長人事はワンマン企業の社長人事とは訳が違います。後継指名などあるはずもないのに暴走し、IOCがこれに激怒しました」(前出の政府関係者)
IOCは今回の騒動で菅総理の事態の収拾能力のなさにも失望したという。菅総理は当初、かつて森氏がオーナーだった最大派閥である細田派への配慮もあり、自ら動くことを拒否し、橋本五輪大臣を経由した厳重な注意を伝達するのみで、「組織委員会で決める問題」というスタンスを崩さなかった。
すると、欧米のアスリート、スポンサーなどから批判が相次ぎ、静観していたIOCのバッハ会長は慌てて、「完全に不適切」との声明を発表。それでも菅政権は「誰が森氏に鈴をつけるか」で混乱するばかりだった。
こうした中で、決定打を放ったのは、小池百合子都知事だった。森氏とバッハ会長が決定した4者会談への出席を10日、「今、ここで開いてもあまりポジティブな発信にならない」と拒否してみせた。
「前夜には二階俊博幹事長と会談しており、森降ろしの流れを作ったのではないかと憶測を呼びました。開催都市トップの一撃に官邸、組織委は衝撃を受け、森氏の心もついに折れ、続投断念を決意しました。しかし、IOCや菅総理から『女性を後任に』と求められても、森氏は無視。逆に菅総理に『後任が川淵さんだったら辞めてもいいがそれ以外はだめだ」と迫り、菅総理もいったんはしぶしぶ飲んだ」(自民党関係者)
森・川淵会談により、川淵氏後継の流れを完全に作り、森氏の思惑通りに事態は進んだという。
「川淵氏から『就任の条件として森氏が名誉職として残ること』を提案させた上で森氏は了承。ここまでは森氏ペースだったが、IOCサイドが川淵氏に強く難色。理由は過去の差別的発言などでした。この一撃で事態が動きました」(前出の自民党関係者)
そんな中、ワシントンポスト紙は<森会長が女性蔑視発言の撤回、謝罪会見を開いた後に、当初、政府関係者や自民党幹部などが“続投”を後押ししていたことを「日本の古参で保守的な男性エリートの当初の反応は(社会の)怒りに耳を貸そうとしないことだった>と批判。さらに森氏が後任に川淵氏を選んだことについても一部から疑問の声が出ていることも紹介した。川淵氏はこうした流れの中で会長を辞退し、新会長選びの混乱は今も続いている。
内外のメディアからはこのままだと東京五輪の開催可否の重大判断がきちんとできない可能性も懸念されている。(本誌取材班)
組織委会長候補に橋本五輪相 五輪中止に向け“敗戦処理”か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/285183
2021/02/14 日刊ゲンダイ
橋本五輪担当相が最有力といわれるが…(C)日刊ゲンダイ
川淵三郎・日本サッカー協会相談役の“新会長就任”が一夜にして消え、東京五輪組織委員会のトップ選びは一から仕切り直しとなった。菅官邸まで乗り出し“五輪村”のボス選びは混迷を極めている。
12日開催された組織委の理事会・評議員会の合同懇談会で検討されたのは「ポスト森」の選定方法。
会合終了後、会見した武藤敏郎事務総長によると、御手洗冨士夫名誉会長(キヤノン代表取締役会長兼社長CEO)をトップに据えた「選考検討委員会」を設置し、後任候補者を選定するという。35人の理事の中から、10人弱の検討委員会メンバーを男女比をほぼ半々にして選ぶ。しかし、新会長選出は、17日に見込まれる都と組織委、政府、IOC(国際オリンピック委員会)の4者会談に間に合いそうにないという。
選考は“お手盛り”になる可能性が
「選考検討委のメンバーは、外部から招かず理事の中から選ばれる。森さんに『わきまえておられる』と評された人たちです。選考は“お手盛り”になる可能性が高い」(組織委関係者)
「ポスト森」には、すでに複数の名前が挙がっている。筆頭は、菅官邸が後押ししているとみられる橋本聖子五輪担当相だ。他には、鈴木大地初代スポーツ庁長官や、三屋裕子・日本バスケットボール協会会長の名が囁かれている。
「三屋氏は、今回ハシゴを外された川淵氏と近い。『川淵氏の無念を晴らす』という意味で推される可能性はあるでしょう。元女子マラソンの有森裕子氏や、元アーティスティックスイミングの小谷実可子氏を推す声もあります」(前出の組織委関係者)
鈴木大地氏(左)や三屋裕子氏の名も(C)日刊ゲンダイ
森派も菅官邸も組織委を“傀儡”に
複数の名前が飛び交う大混乱に乗じて、森一派も、菅官邸も、組織委を“傀儡”にするつもりだ。
「森前会長は辞任の意思を固めた直後、後任を巡って側近の遠藤利明元五輪相と相談。遠藤さんは橋本聖子を『ポスト森』に推したが森さんはあくまで川淵氏への“禅譲”を狙った。官邸にも相談せず勝手に川淵氏の後継を決めてしまった。でも、官邸から横ヤリが入って“川淵会長”が一夜にして消え、『橋本聖子新会長』の流れができています。森前会長の当初の計算は狂ったが、橋本氏も森前会長の直系の子分です。橋本大臣は、かつて森前会長が領袖を務め、現在も影響力が及ぶ自民党清和政策研究会所属。最終的には、森前会長と官邸の利害が一致しそうです」(自民党関係者)
さらに官邸は、橋本氏に五輪担当相を辞任させ、丸川珠代参院議員を五輪担当相に据えるプランを描いているという。もともと、「密室人事」で猛批判を招いていたのに、また政治的な思惑で後任を決めようというありさまだ。東京五輪に関し、著書がある作家の本間龍氏はこう言う。
「もう時間は残されておらず、誰がトップでも先行きは不透明です。『女性だから』『オリンピアンだから』という理由だけで橋本氏を会長に据えるというのなら、短絡的な印象は拭いきれません。政府は、橋本氏に『中止決定』に向けた“敗戦処理”をさせるつもりではないか」
こんな状態では、とても本番を迎えられそうにない。
【菅首相退陣の引き金を引く小池百合子都知事】
— サンデー毎日編集部 (@tsunday3) February 9, 2021
小池都知事が、夏の都議選に向けて勢いづきそうだ。1
月31日の千代田区長選で、小池氏が推す候補が自民党候補を破ったからだ。菅義偉首相が率いる自民党には暗雲が漂う。加えて今年は衆院選。展開によって首都決戦は退陣≠フ引き金になりかねない。 pic.twitter.com/tVAvCUhanT
菅首相 退陣の引き金を引く小池百合子都知事
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/society/2021/02/28/post-2721.html
サンデー毎日 2021年2月28日号
◇手中に!?首都決戦・都議選の連勝
◇ドンと手打ち&道の深層
小池百合子・東京都知事が、夏の都議選に向けて勢いづきそうだ。1月31日の千代田区長選で、小池氏が推す候補が自民党候補を破ったからだ。菅義偉首相が率いる自民党には暗雲が漂う。加えて今年は衆院選。展開によって首都決戦は退陣≠フ引き金になりかねない。
千代田区は、実に因縁の深い選挙区だ。
小池氏は2016年知事選で自民党主導の都政を批判した。その都議会自民党にドンとして君臨した内田茂・元都議は、千代田区選出だった。小池氏は内田氏を「ブラックボックスの象徴」とターゲットにして知事選に勝利。17年都議選でも千代田区に知事与党の「都民ファーストの会」候補を立てた。内田氏は引退を余儀なくされた。
この経緯を見れば、今回の区長選も小池知事が推す都民フ元都議の樋口高顕氏と、自民党の推薦を受けて内田氏をバックにつけて戦う元区議の早尾恭一氏のガチンコ対決のはず。ところが、小池、内田の両氏が「手打ちした」という情報が選挙前に駆け巡った。
自民党都連幹部は「確かに内田氏は早尾氏の推薦決定には首を縦に振らなかった」と言う。さらに告示後に「内田さんが区内の団体代表ら数人に電話し、早尾ではなく、樋口支持を頼んだ」(千代田区議)といった話も出回った。
別の同区議が解説する。
「内田氏は小池氏に恨みはある。だが、夏の都議選で娘婿の千代田区議・直之氏を当選させたがっている。千代田区で都民フの現職都議だった樋口氏が区長になれば、都民フは都議選で千代田区に候補を出さず、直之氏が当選できる。だから『内田氏が樋口氏を応援し、小池氏と手を結んだ』という話が真実味を帯びた」
だが、内田氏を支援してきた千代田区の財界関係者は「手打ち」を否定した。
「内田氏の一連の行動はあくまでも個人的な理由で、小池氏とは関係がない。早尾氏は千代田区が地盤の故・与謝野馨衆院議員の直系。内田氏は与謝野氏と対立してきたこともあり、早尾氏への推薦を認めたくなかった。周辺にも『娘婿がどうとかじゃない。あいつ(早尾)は区議会の実績も何もない。小池とは話などしていない』と言っていた」
※続き サンデー毎日、紙面文字起こし
小池知事側も否定した。
「内田氏から相談など一切来ていない。ハナからガチ対決だった」(側近の一人)
それでも「手打ち説」が広がり続けたのは、都議会自民党の知恵者がウワサを意図的に流し続けたのではないか、と前出の財界関係者は言う。なぜなら「手打ち説」によって内田氏の独走と見せかけ、党内の混乱を隠せる。さらに小池氏にも打撃を与えることができる。内田氏と「手を握った」と見られれば、小池ファンが離れて行くからだ。
都議会自民党は、こうした情報戦に長(た)けている。四半世紀以上、都議会自民党を取材してきたが、したたかさ、現実対応、あらゆる手を駆使して落としどころを作る手法は、中央の自民党とは一線を画している。私は「もはや党本体とは別の生き物」と称してきた。
例えば、1995年に都市博中止を掲げて当選した青島幸男知事に対しては、都庁幹部らを取り込んで孤立させる戦術で、1期での退陣に追い込んだ。石原慎太郎知事には当初、全面対決の姿勢だった。その後は石原人気を利用すべく方向転換しつつ、石原氏側近らの分断を図った。
今の都議会自民党の本音は、こうだ。
「前回(2017年)都議選で小池知事率いる都民フに惨敗し、第3会派にまで転落した。こんな屈辱はない。どんな手を使っても勝つ」(自民党ベテラン都議)
都議選は7月4日投開票に決まった。菅義偉首相は都議会自民党を全面的にバックアップするだろう。菅首相も小池知事は許せない。盟友の内田氏をたたきのめしたからだ。新型コロナウイルスへの対応でも、菅首相と小池知事はやり合ってきた。都議会自民党は中央直結のコロナ対策などの公約を、都議選前に打ち出すと思われる。
都議選が国政に「直結」した歴史
一方の小池知事はどうか。ある側近は言う。
「去年あたりから自民都連が都職員などを介し、知事を取り込もうとしていた。秋ごろから知事も気づき、逆に反自民へのスイッチが入った。新型コロナでも菅首相の東京イジメがすごくて、ますます戦闘モード。知事は都議会を都民フと公明党で回して行くつもり。都議選も公明を気遣いながら、都民フを全面応援」
そして、こんなウルトラC≠におわせた。
「都議選が大激戦になるなら、限定的に都民フ代表に就くかもしれない」(同)
夏の都議選。「底力の自民党がひっくり返す選挙区が出てくる」(都連所属国会議員)という見方がある。一方、党本部の選対幹部は厳しい見方をする。
「千代田区長選を見れば分かる。小池氏の無党派層への浸透は相変わらず強い。無党派はコロナ禍でも密を避けて期日前などむしろ熱心に投票に行き、自民の失政に批判票を投じている」
樋口氏は当選翌日、私にこう言った。
「知事と一緒に回り、街の中の方々のうねりを感じた。『変えてくれ』と。この勝利を大きな転機にする」
千代田区長選で勢いづいた都民フは、都議選で内田氏の動向にかかわらず、千代田区で候補を擁立する。自民党都連は決死の戦いでリベンジを期すだろう。
そして、都議選は単なる地方選ではない。過去に何度も国政に直結してきた。
01年は自民党都議たちが、当時の森喜朗首相の交代を求め、何と党大会会場で政権批判ビラを配った。これが契機に総裁選が前倒しされ、小泉純一郎政権が発足した。09年7月の都議選は、麻生太郎政権が迷走して自民党は惨敗した。翌8月の衆院選でも自民党は惨敗して政権交代を許した。衆院選もある今年はどうか。
「このまま行くと、都議選は国政のマイナス影響を受ける。ならば、振り回されないよう、独自に徹底的に戦う姿勢で行く」(前出の自民党ベテラン都議)
都議選全面激突≠フ行方は、菅政権をも大きく揺るがすことになるだろう。
すずき・てつお
1958年生まれ。ジャーナリスト。テレビ西日本、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリー。豊富な政治家人脈で永田町の舞台裏を描く。テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。近著『戦争を知っている最後の政治家 中曽根康弘の言葉』『石破茂の「頭の中」』
高齢者へのコロナワクチン接種 政府目標の達成は不可能?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/285181
2021/02/13 日刊ゲンダイ
厚労省と川崎市が実施した集団接種の初訓練(C)共同通信社
米ファイザー製の新型コロナワクチンについて政府は、医療従事者に先行接種後、4月1日以降に高齢者への接種を開始し、計2回の接種を3カ月以内に終える目標を掲げるが、実現はほとんど不可能だ。
優先接種される高齢者は2021年度中に65歳以上になる約3600万人で、接種主体の市区町村がクーポン券の印刷や発送の準備を急いでいる。ワクチンは3週間の間隔を空けて2回接種。厚労省は1回目を接種開始から2カ月以内に終え、2回目は1回目の接種開始から3週間後に並行する形でスタートさせ、同様に2カ月以内に終えることを目指す。
ただ、現場に詳しい医療関係者は「コロナ診療やその他の診療もあり、市区町村がワクチン接種に医師や看護師をどの程度投入できるかは不明で、3カ月はかなり高いハードル」と指摘。
13日の日本経済新聞によると、接種には医師が1日1万1000人、看護師・准看護師が2万8000人必要になるという。
「川淵会長」案は「森院政」発言と「あの疑惑」で吹っ飛んだ
https://www.news-postseven.com/archives/20210212_1635597.html?DETAIL
2021.02.12 20:15 NEWSポストセブン
密室談合で後継を決めようということ自体、反省の色は見えない(森氏と川淵氏=共同)
「東京五輪のドン」である森喜朗氏の女性蔑視発言から始まった五輪組織委員会の後任会長選びは、森氏が後継指名した川淵三郎・元日本サッカー協会会長の就任が突然、白紙撤回された。何があったのか。
「森さんは後任選びで目立ちすぎたし、川淵さんはしゃべりすぎた。これじゃ森院政のイメージが強くなりすぎて世論の批判をかわせないから、官邸から“待った”がかかった」(組織委関係者)
菅義偉・首相は森氏の失言を国会で追及されると、「私が判断する問題ではない」「(組織委は)独立した組織だ」と逃げ回ったが、自らが矢面に立ちたくないだけなのは誰が見ても明らかだった。ある自民党幹部は、後任会長人事をめぐっては、森氏と菅義偉・首相の間には最初から亀裂があったと語る。
「総理としては、国際的批判に答えるためには後任は女性会長が望ましいという意向を森さんに伝えた。しかし、森さんは耳を貸さなかった」
このままでは“わきまえない”女性会長が選ばれかねないと焦ったのか、辞任を覚悟してからの森氏の動きは早かった。正式な辞任表明の前日(2月11日)に、川淵氏と会談して会長就任を要請すると、川淵氏は記者団に「残る人生のベストを尽くしたい」と就任受諾の意向を表明、2人だけでさっさと後継のレールを敷いた。川淵氏は組織委員会評議員で選手村村長を務めている。森氏と近い“五輪ムラ”の住人に会長ポストを禅譲しようとしたのだ。
森氏は、2000年に小渕恵三・首相の急死で首相に就任する際、自民党内の正式な手続きを踏まずに、党実力者たちの「密室の談合」で選ばれたと批判され続けたが、組織委員会の後任選びも「密室」で決めようとした。しかし、その川淵氏がしゃべりすぎた。
まだ組織委から正式なオファーもないのに、「自分が(会長を)受けるならば、森さんには相談役でサポートしてほしいとお願いした」と、会談で森氏の延命まで相談していたことを記者団にペラペラと明かしてしまった。
そもそも川淵氏はツイッターで「無観客は開催の意味がない」(1月13日)と発言するなど、「無観客開催」を視野に入れているバッハIOC会長とは意見の違いがあり、IOCとの交渉力が問題視されていたが、「森院政」発言が致命傷になった。
翌12日朝、橋本聖子・五輪相が閣議後会見で、川淵氏の就任について「全く決まっていない」「何ら決定していない」と強調。「多くの皆さんの意見を聞きながら決定されていくという、どの公益財団法人にもあるような正式な手続きを踏まれていくことが望ましい」と、川淵後継に難色を示した。
「総理は森さんが後継指名したのでは世論が納得しないと判断した。川淵後継案を白紙に戻し、森さんに一度は蹴られた女性会長を軸にした選考のやり直しを指示した」(官邸スタッフ)
もうひとつ、官邸の「身体検査」で問題視されたという見方もある。
裏で手を回して会長人事を操ろうとする菅首相もまた「密室談合」が大好きな同じ穴のムジナ(時事)
「川淵氏が東京五輪の顔になることで、“あの疑惑”が噴出するのではないかという懸念が官邸にはあったのではないか」
そう指摘するのが自民党の元国会議員だ。
「日本では大手新聞が五輪スポンサーになっているため、あまり報道も出なかったが、海外では東京誘致に裏金が使われたとさんざん報じられている。この問題は、国内では日本オリンピック委員会の竹田恒和・会長が2019年に辞任して幕引きしているが、このスキャンダルに怒ったのが宮内庁だった」
宮内庁とは意外なキャストだ。どういうことか。
「東京開催は、滝川クリステルの『お・も・て・な・し』で注目された2013年の国際オリンピック委員会総会で決まったが、実は決め手になったのは高円宮妃 久子さまのスピーチだった。当時、オリンピック招致は政治色を伴うので皇族は関わらせたくないというのが宮内庁の考えだったが、安倍内閣と東京都が押し切ってサプライズで登場してもらった経緯がある。久子さまは流暢なフランス語と英語で委員たちの心をつかみ、貢献は大きかったが、その裏で不正なカネを出していたということなら、皇室に泥をかぶせたことにもなりかねない」(同前)
川淵氏といえば、久子妃とことのほか親しいことで知られる。2006年には、川淵氏の誕生日を祝したゴルフコンペに久子妃が参加し、コンペ後のパーティーではマリリン・モンローに扮して妖艶なダンスを披露し、川淵氏に「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」の歌をプレゼントしたこともある。これは、マリリン・モンローがケネディ大統領の誕生日にセクシーに歌った逸話を模した演出と思われるが、モンローはケネディ大統領の愛人だったと言われる関係だけに、この誕生会ダンスに「サービス過剰だ」との声も上がった。
川淵氏が組織委会長に就けば、久子妃との関係が想起される。すると、東京誘致の経緯と裏金疑惑が蒸し返される、というのが一部の与党関係者の心配なのだという。
森氏は政治家としても失言・暴言の常習犯だったが、川淵氏もまた言動が物議をかもし、毀誉褒貶が激しいことで知られる。これ以上、五輪問題でリスクを取りたくない官邸にとって、「相談役」発言や「院政批判」は川淵氏を切る格好の口実になったのかもしれない。
だからといって、それは官邸が森院政を排除することにはならない。森氏の後任には橋本聖子・五輪相の名前も挙がっているが、橋本氏は森氏が現職議員時代からのお気に入りで、やはり五輪ムラの住人だ。もし官邸が「女性でありさえすればいい」と考えているなら、それこそが女性蔑視ではないか。
森会長を辞任に追い込んだ“スナイパー”小池知事はズルい女 池知事「伏魔殿都政」を嗤う
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285201
2021/02/14 日刊ゲンダイ
小池都知事と組織委会長を辞任した森氏(C)日刊ゲンダイ
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任に追い込まれた。引き金を引いたのは東京都の小池百合子知事(68)というのが世論の見立てである。当初、森氏の女性蔑視発言に対する小池知事の反応は煮え切らなかった。驚いて見せたかと思えば、記者の「辞任すべきか」の質問には、組織委が判断することとして明言を避けた。
女性政治家のトップランナーとして、森会長への批判の狼煙を上げることもできたが敢えてしなかった。この態度は、物言わぬ関係者のような忖度の結果というより、世論の動向を見定めて自分に有利な状況が訪れるのをじっくり待っていたと解するべきだ。「ズルい女」を地で行く対応である。
実際、小池知事は17日に予定されていた4者会談への欠席を一方的に表明した。これが辞任の流れを決定的にしたことは疑いようがない。会談に出席し、その場で堂々と自らの考えを表明するのが筋であるが、そんな火中の栗を拾うことはしない。すっと身を引くことだけで相手に決定的なダメージを与えた。やはり、「ズルい女性」である。
選挙前にはフォローの風が吹く小池知事
さらに、小池知事は森氏から直電があったことをさりげなくマスコミに伝えることも忘れなかった。あたかも森氏が泣きついたような印象を醸し出した。自分が森氏よりも「上に立っている」とのイメージ操作をやってのけたのだ。
私は、築地市場の移転問題の渦中、小池知事と何度も直電でやり取りをしたが、電話の小池知事は、会見の時などよりも1オクターブ低い声で話す。口調も極めてぶっきらぼうだ。相手が私のような木っ端役人だったせいかもしれないが、とにかく電話で話すたびに寿命が縮む思いだった。
それはさておき、森氏の会長辞任に対して、都庁幹部OBから次々と連絡が入った。異口同音に、組織委のだらしなさを嘆く一方、小池知事の政治的センスの良さに驚嘆していた。また、選挙前になるとフォローの風が吹く強運を指摘する人もいた。
2016年夏の都知事選では、自ら崖から飛び降りて旋風を起こしたが、20年の2期目の都知事選は、春以降の新型コロナウイルスの感染拡大もあって、対立していた自民党との関係が改善されて不戦勝となった。そして、今回の森氏の辞任騒動である。自民党的な男尊女卑の組織体質に国民がノーを突きつけるほど、小池知事の株は相対的に上昇し続ける。その先に待っているのが衆議院解散である。
「おじさんやおじいさんはダメ。やっぱり小池さんじゃなきゃ」と国民に信じこますことができれば、衆院選の台風の目になることも夢ではなくなる。
政局巧者の弱点は優柔不断なこと
そんな強運続きの小池知事だが、弱点がないわけではない。
森氏の会長辞任劇では、小池知事らしい攻めの姿勢は鳴りを潜め、引きの態度が目立った。裏で糸を引く策士の顔を国民にさらしてしまったとも言える。つまり、小池知事のあざとさがこれまで以上に目に付いたのだ。国民も小池知事の正体に気づき始めていると見るべきであろう。
こうした小池知事の引きの姿勢は今回が初めてではない。17年の都議選で「都民ファーストの会」が圧勝。余勢を駆って「希望の党」を創設して国政に打って出たが、小池待望論があったにもかかわらず、最後まで自らが立候補することはなかった。
排除発言が「希望の党」敗北の要因とはよく言われることだが、小池知事本人が立候補していれば状況はまったく違っていたはずである。つまり、出るべき時に引いてしまったのが最大の敗因だったと私は思っている。
政局に長けた印象が強い小池知事であっても、実は肝心な時に引くことがある。決断力があるようで優柔不断でもあるのだ。森氏を辞任に追い込んだ引きの姿勢は意図的だったにしても、今後の政局では引いてばかりでは勝ち目はない。しかも、国民から批判の矢を浴びる局面も十分想定される。“スナイパー”は自分がターゲットにされた時が一番弱いのである。
澤章 東京都環境公社前理事長
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設
※2021年2月13日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年2月13日 日刊ゲンダイ2面
【しがみつけばつくほど泥沼】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 14, 2021
東京五輪 止めればすべてが円満解決
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/DuJ6XarF9k
※文字起こし
「私の不適切な発言が原因で大変混乱させてしまった」「五輪開催の準備に私がいることが妨げになってはいけない」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は12日、同組織委の理事や評議員、監事を集めた臨時の「合同懇談会」に出席。女性蔑視発言の責任を取り、辞任を表明した。
4日の謝罪会見以来、8日ぶりに公の場に姿を見せた森は冒頭あいさつで、「会長である私が、余計なことを申し上げたのか」「私の不注意もあったかもしれませんが、83歳、大変、情けない」などと謝罪の言葉を口にしたものの、なぜか自身の功績を自画自賛するかのような思い出話を延々と振り返っていたから唖然呆然だ。
揚げ句、「(蔑視発言と受け取られたのは)解釈の問題なのか。そう言うとまた悪口を書かれますが、そういうつもりで言ったわけじゃない」などと、まるで俺は悪くないと言わんばかり。
この期に及んでも言い逃れとしか受け取れない言葉を連発していたからクラクラしてしまう。まさに「頑迷固陋」という言葉がピッタリで、結局、自分の発言の何がいけなかったのか。なぜ、国内外から会長辞任を求める声が出ているのか。全く理解していないのだろう。
森は3日のJOC(日本オリンピック委員会)の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言して問題視されたわけだが、この日の森の話は実に約15分間にも及んでいたから、まるでマンガだ。
仲間内だけで後継を決める自民党の悪しき体質
新型コロナウイルスの影響で1年延期された五輪の開幕まで約5カ月半。感染再拡大により開催そのものが危ぶまれている中、ホスト国の組織委トップが直前で交代するのは前代未聞だろう。
このアホみたいな騒動にはIOC(国際オリンピック委員会)だけでなく、世界各国のスポーツ競技団体も呆れ返っているに違いないが、とりわけ、国民や五輪関係者らを驚かせたのが、森が組織委評議員で日本サッカー協会相談役の川淵三郎(84)に次の会長を要請し、既定路線のように報じられたことだ。
川淵は森と会談した直後の11日、報道陣に対して後任を依頼されたことを認めた上で、正式に決定した際には「人生最後の大役ということでベストを尽くしたい」などと発言。だが、半ば更迭同然で引責辞任に追い込まれた人物が、密室で後任候補を指名するなんて論外なのは言うまでもない。
会長の選定は組織委の理事会が担う決まりで、2014年1月に森が会長に就任した際の人選も、政府と東京都、JOCが中心となって調整した経緯がある。組織委は12日、森の後任を選ぶために選考委を設置する方針を固めたが、選考前に後任会長の名前が取り沙汰されていることが異常、異様なのだ。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「仲間内だけで後継を決めて『後はよろしく。分かってるな』という歴代自民党に受け継がれてきた人事をめぐる悪しき体質であり、モリカケ問題を抱えた安倍前首相が官房長官だった菅氏に首相を引き継いだのと同じ。そうやって悪事が発覚しないようにするわけで、民主主義国家としてはあり得ないでしょう」
菅政権は五輪をオモチャにするな |
川淵はまた、会長に就任した際は森に対して「相談役」への就任を要請する考えも示していたが、それでは結局、森が組織委に居座ることになり、何のために会長を退くのか分からなくなってしまう。さすがに強い世論批判を受け、川淵は前言を撤回して会長を引き受けない考えを表明。組織委の武藤事務総長も「(次期会長は)全く何も決まっていない」と白紙状態に戻ったことを強調していたが、このドタバタ劇に対しても、IOCは「日本の組織委は何をしているのか」と、首をかしげているのではないか。
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」との言葉を残したのは、連合国軍最高司令官だったダグラス・マッカーサー。この言葉は、日本では「潔く表舞台から退く」との意味で理解されているが、真逆なのが森だ。
「潔く退く」なんてこれっぽっちも考えていない。老害と揶揄されようが、卑怯者と非難されようが、権力の座にしがみつくためには今回の川淵指名のような「密室談合」もお構いなしだ。
もっとも、2000年4月に小渕首相が病に倒れた際、正式な手続きを経ず、数人の自民党議員による「密室談合」で後継首相のイスを分捕ったのが森だ。つまり、密室で物事を決める手法に慣れている上、罪悪感もないのだろう。だが、「密室談合」のような時代遅れの姿勢や考え方が、国内外で問題視されているのであり、女性蔑視発言に限らず、そういう悪しき慣習に対して森や周囲が無頓着であることも問題なのだ。
国民の命を危険に晒す五輪開催は無意味だ
それにしても、ここまで右往左往して醜態を晒しながらも、なぜ、東京五輪にしがみつく必要があるのか。固執するほど泥沼にはまるだけではないか。日経新聞編集委員の北川和徳氏は12日付の紙面で、<東京大会は本来、多様な価値観を認め合う新しい時代に合った持続可能な社会の構築につながるものだった。(略)結局はこれまでと同様、特定の業界への利益誘導型のイベントにとどまっていることは否めない。その象徴が森会長だった><限られた利害関係者だけの関心事に矮小化してしまった>と断じていたが、もはやコロナ禍で欺瞞の五輪をゴリ押しすれば悲劇的結末しかない。
新型コロナは今も世界中に感染拡大し、練習さえままならないアスリートも多くいる。今後、参加をボイコットする国も出てくるだろうし、何といっても日本国民の6〜7割が五輪の延期、中止を求めているのだ。
誰がどう考えても今、政府が全力で取り組むべきことはコロナ対策だろう。PCR検査を拡大し、陽性者を徹底隔離し、新規感染を封じ込める。大体、国民の命と健康を守らず、危険に晒す五輪開催に何の意味があるのか。
東京五輪を止めれば、ヒト・モノ・カネがコロナ対策に重点的に使えるようになるのは間違いない。中長期的な視点に立てば、開催中止が円満解決のカギになるのだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「森氏の女性蔑視発言は論外ですが、私がそれ以上に深刻な問題だと思ったのは『コロナがどういう形であろうと必ずやる』という発言です。森氏は首相まで務めた政治家です。つまり、何よりも国民の生命、財産を守ることを優先して考えるべきです。ところが、森発言の意味は犠牲もやむを得ないということ。そこまでして五輪開催を強行していいのでしょうか。無観客と言うが、選手、関係者だけでも数万人が来日するのです。コロナの集団感染が発生した場合、果たして東京都の医療機関は受け入れられるのか。新聞では菅政権の政権浮揚のカギを握るのが五輪開催などと報じられていますが、そうであれば明らかに五輪の政治利用でしょう。五輪を政治のおもちゃにするなと言いたいし、開催を強行して犠牲者が出た場合、誰が責任を取るのでしょうか」
誰が新会長に就任しても未曽有の混乱を招くだけだ。
福島県沖地震でまた朝鮮人差別デマが 差別批判や通報の動きに「ネタ」「パロディ」と反論する差別加担の動きも
https://lite-ra.com/2021/02/post-5795.html
2021.02.14 福島県沖地震で再び朝鮮人差別デマ 通報の動きに「ネタ」「パロディ」と反論も リテラ
『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹/ころから)
きのう13日夜23時8分ごろ、東北地方で最大震度6強の地震があり、宮城県、福島県、茨城県など100人を超える負傷者が出ている。しばらく、同規模地震が起きる可能性があるとして、気象庁は注意を呼びかけている。地震そのものにも引き続き注意が必要だが、今回の地震をめぐってネットではもうひとつ危険な事態が起きている。
昨晩の地震発生直後から、SNSでは、引用するのもはばかられるような極めて悪質な差別デマが飛び交っているのだ。
〈朝鮮人が福島の井戸に毒を入れているのを見ました!〉
〈BLMが井戸に毒を投げ込んでる!!!!!〉
〈こういう災害には必ず奴ら(特定アジア)が何かやるんだな。関東大震災以来ずっと…〉
〈バカ朝鮮人どもが喜んでるんやろな〉
〈災害に乗じた空き巣等の犯罪に注意。都心の外国人の多い地域は、特に戸締まり用心、火の用心。〉
言うまでもないが、これらのツイートはいずれも完全なデマである。2016年の熊本地震、2018年の大阪地震など、近年、災害が起きるたびに、外国人と犯罪を結びつける投稿が多数投稿されるようになっているが、上述したものは一例で今回も数多くの差別デマが投稿されている。
こうしたツイートには、心ある人々が、差別デマとしてtwitter社に通報しているが、その差別への抗議活動に対しても攻撃が加えられている。通報した人のことを「通報扇動」「通報のほうが差別」と非難したり、「ただのネタなのに」「ジョーク」「ただのパロディ」などと冷笑しながら差別行為を肯定する投稿が多数寄せられているのだ。
命に関わる状況での醜悪な差別ツイートが、それに対する批判を差別と同列扱いしたり、醜悪な差別を「ネタ」「パロディ」「ジョーク」などと言い張るとは、いったいどういう神経をしているのか。
だいたい、こうした差別デマが「ネタ」「ジョーク」などですまされないことは、関東大震災発生時のデマが朝鮮人虐殺を引き起こしたことからも、明らかではないか。1923年9月、マグニチュード7.9の大地震発生直後の数日間で、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒をいれた」「放火している」等のデマが広がり、日本人らによる大規模な朝鮮人のジェノサイドがおこなわれた。そうしたことが2度と行われないように、戦後、その反省が語り継がれてきたのではなかったか。
しかし、考えてみれば、こうした差別デマが跋扈するのはある意味当然の流れともいえる。近年は戦前戦中の日本の悪行をすべてなかったことにする歴史修正主義が跋扈し、関東大震災の朝鮮人虐殺を否定する言説までが大声で語られるようになっている。
そして、震災のたびに、関東大震災のときとまったく同じ「朝鮮人が毒を入れた」「略奪行為をしている」といった差別デマがばらまかれるようになった。
今回、差別デマへの注意を呼びかけている津田大介氏が、呼びかけを揶揄する者に応じる形で〈10年前のツイッターはこんなにベタな差別煽動はあふれてなかったので、必要な対応と思ってやっているだけです。〉とツイートしていたが、その通りだろう。
このような差別デマを放置したら、そのうち、関東大震災のときと同じようなジェノサイドが起きかねない。
そうした事態を止めるためには、政府やマスコミ、twitter社に対してこうした差別デマを否定する声明を求めていくのはもちろん、いま一度、歴史修正主義によって否定されようとしている関東大震災で起きた朝鮮人虐殺という歴史的事実を振り返る必要があるのではないか。
たとえば、『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹/ころから)には、震災当時の虐殺を目撃した市井のひとたちの証言や、公式・私的を問わない数多の記録が詳細に取り上げられている。
この本を紹介したリテラ の記事を以下に再録するので、あらためて、関東大震災と“朝鮮人虐殺”に直面した人たちの声に耳をすませ、史実を直視してほしい。
(編集部)
■目撃された「朝鮮人虐殺」の一部始終 警察の前でトビ口を頭に振り下ろし…
路上やネットに響き渡るヘイトスピーチ、本屋に山積みにされる嫌韓本、毎週のように週刊誌を飾る嫌韓特集……。これらの主張をひとつひとつ見てみると、そこにあるのはもはや歴史認識や主義主張の問題ではないことがよくわかる。捏造と妄想によって韓国・朝鮮人に対する憎悪、恐怖が煽られ、グロテスクな差別感情が一気に噴き出しているだけだ。
この風景を見て想起させられるのが100年近く前の9月1日のできごとだ。1923年9月1日午前11時58分。マグニチュード7.9、震度7の巨大地震、関東大震災に乗じて、日本でもジェノサイド「朝鮮人虐殺」が起きたのである。
倒壊・焼失家屋約29万3000軒、死者・行方不明者10万5000人以上に及ぶ壊滅的被害が広がる中、始まりは、人々の間で「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れている」「放火している」という不穏な噂が駆け巡ったことだった。
この噂は何の根拠もないデマだったが、瞬く間に広がりを見せる。そして噂を信じた日本人は自警団を組織して、朝鮮人たちを襲い、次々と虐殺していったのだ。民間人だけではなく、警察、軍もそれに加わり、当時の警察が立件しただけで233人、実際は少なく見積もっても1000人以上の朝鮮人・中国人が虐殺された。
ところが、ここにきて“嫌韓ブーム”にのってネトウヨ、保守派の間で、こんなストーリーが出まわり始めている。
「当時、実際に朝鮮人の暴動があったのは間違いがない。その暴動を鎮圧する過程で虐殺にエスカレートした」
「共産主義の国際団体のコミンテルンが日本で革命を起こすために、朝鮮人に暴動を煽った」
日本人だけが悪いわけではない、虐殺には正当な理由があったという謀略論である。さらには、虐殺そのものを否定する『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』(加藤康男/ワック)なる嫌韓本まで登場した。
歴史修正主義者やレイシストたちが侵略戦争の次に、このジェノサイドまでをなかったとことにしようと企図しているわけだが、一方で、こうした状況に危機感を抱いて一冊の本が出版され、話題になっている。『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹/ころから)だ。
この本の中心をなしているのは、虐殺事件の解説や歴史的分析ではない。著者は読者に「現実」を感じてもらうため、ひたすら当時の証言や記録を集め、事細かにそれを紹介していく。しかも、それは、公文書や軍の資料、戦後の検証記録はもちろん、被害者の朝鮮人、目撃した一般住民、さらには作家の芥川龍之介や国学者である折口信夫の証言まで、多岐にわたったものだ。
そうした資料からは、無抵抗な朝鮮人たちが虐殺されていった様子が想像以上に生々しく浮かびあがってくる。たとえば、当時、文芸評論家・中島健蔵が神楽坂で目撃した虐殺はこのようなものだ。
「(震災翌日の9月2日、群衆でごった返す神楽坂警察署前で)突然、トビ口を持った男が、トビ口を高く振りあげるや否や、力まかせに、つかまった二人のうち、一歩おくれていた方の男の頭めがけて振りおろしかけた。わたくしは、あっと呼吸をのんだ。ゴツンとにぶい音がして、なぐられた男は、よろよろと倒れかかった。ミネ打ちどころか、まともに刃先を頭にふりおろしたのである。
ズブリと刃先が突きささったようで、わたくしは(中略)目をつぶってしまった。
ふしぎなことに、その兇悪な犯行に対して、だれもとめようとしないのだ。そして、まともにトビ口を受けたその男たちを、(中略)警察の門内に押し入れると、大ぜいの人間がますます狂乱状態になって、ぐったりした男をなぐる、ける、大あばれをしながら警察の玄関に投げ入れた。」(『昭和時代』)
■生々しい子どもたちの証言も「朝鮮人の頭だけがころがっていました」
人々は朝鮮人と見るや、鉄線で縛り、家や列車から引きずり、集団で暴行した。それを止める人はほとんどいなかったという。人々は万歳、万歳と言いながら、朝鮮人という理由だけで集団で虐殺をしていく。その多くはどこにでもいる日本人──。同書は『風よ鳳仙花の歌をはこべ』( 教育史料出版会)に収録された葛飾区四ツ木橋付近の地元住民からの聞き取りを紹介しているが、そこには自警団と称する民間の日本人による凄惨きわまりない“朝鮮人狩り”の目撃証言がいくつも登場する。
「四ツ木橋のむこう(葛飾側)から血だらけの人を結わえて連れてきた。それを切って下に落とした。旧四ッ木はしの少し下手に穴を掘って投げ込むんだ」
「(自警団が殺したのは)なんとも残忍な殺し方だったね。日本刀で切ったり、竹槍で突いたり、鉄の棒で突き刺したりして殺したんです。女の人、なかにはお腹の大きい人もいましたが、突き刺して殺しました。私が見たのでは、30人ぐらい殺していたね」
さらに、自警団だけでなく、警察、軍隊まで出動して「戦争気分」で朝鮮人を虐殺した。当時、習志野騎兵連隊に入隊していた越中谷利一はこう記している。
「(亀戸駅付近に止まっていた列車の内外を調べ)その中にまじっている朝鮮人はみなひきずり下ろされた。そして直ちに白刃と銃剣下に次々と倒れていった。日本人避難民のなかからは嵐のように沸きおこる万歳歓呼の声──国賊!朝鮮人は皆殺しにしろ!」(『関東大震災の思い出』)
先の四ツ木橋付近の聞き取りでも、軍による朝鮮人虐殺の証言がいくつも出てきている。
「四ツ木橋の下手の墨田区側の河原では、10人くらいずつ朝鮮人を縛って並べ、軍隊が機関銃でうち殺したんです。まだ死んでいない人間を、トロッコの線路の上に並べて石油をかけて焼いたですね」
もっと生々しいのは子どもたちの証言だ。同書では、関東大震災から半年の間に書かれた子どもの作文を紹介しているが、そこには子どもならではのあまりにリアルすぎる目撃談が大量に出てくるのだ。
「朝鮮人がころされているというので私わ行ちゃんと二人で見にいつた。すると道のわきに二人ころされていた。こわいものみたさにそばによつてみた。すると頭わはれて血みどりにそまつていた」(横浜市・高等小学校1年女児)
「私たちは三尺余りの棒を持つて其の先へくぎを付けて居ました・それから方方へ行って見ますと鮮人の頭だけがころがつて居ました」(同1年女児)
「歩いて居ると朝鮮人が立木にゆはかれ竹槍で腹をぶつぶつさられ(刺され)のこぎりで切られてしまひました」(同小学校男児)
「するとみなさんがたが朝鮮人をつついていましたからは(わ)たくしも一ぺんつついてやりましたらきゆうとしんでしまひました」(横浜市尋常小学校4年男児)
虐殺は東京だけでなく、横浜、埼玉、群馬、栃木と広がり、朝鮮人だけでなく中国人も間違えて虐殺された。
まさに自分たちの先祖が犯した罪に慄然とするが、そこには保守派や歴史修正主義者が唱えるような「朝鮮人の暴動」や「謀略」の客観的証拠はまったくない。あるのは「日本人が何の罪もない無抵抗な朝鮮人を集団で虐殺した」という膨大な証言と記録だ。
■デマは読売新聞社主・正力松太郎が警視庁官房主事時代に広めた 回顧録ではデマと認め…
朝鮮人の暴動デマは、戦後、衆院議員、読売新聞社主として政界、マスコミ界に君臨した正力松太郎が警視庁官房主事時代に広めたことがわかっている。『九月、東京の路上で』でもそのことは指摘されていて、「デモや集会を取り締まり、朝鮮人学生のひそかな独立運動に目を光らせていた」正力がそのデマに振り回され、「軍人達に『こうなったらやりましょう!』と腕まくりをして叫び、警視庁に駆けつけていた新聞記者たちには『朝鮮人が謀反を起こしているといううわさがあるから触れ回ってくれ』と要請する」とある。
だが、その正力は後に、この朝鮮人暴動がデマだったと認めているのだ。正力の回顧録『米騒動や大震災の思い出』にはこんなくだりがある。
「しかるに鮮人がその後なかなか東京へ来襲しないので不思議に思うておるうちにようやく夜の10時ごろに至ってその来襲は虚報なることが判明いたしました。(中略)要するに人心が異常なる衝撃を受けて錯覚を起し、電信電話が不通のため、通信連絡を欠き、いわゆる一犬虚に吠えて万犬実を伝うるに至ったものと思います。警視庁当局として誠に面目なき次第であります(後略)」
普通の人々が持つ潜在的な差別意識と恐怖心、加えて震災で通信が寸断され、何が正確な情報が分からなくなった時、虐殺は起こった。歴史修正主義者やネトウヨがどういおうと、これはまぎれもない事実なのだ。
翻れば、90年後の現代日本も韓国、北朝鮮に対し、民族差別と恐怖とを同時に持ち合わせているように見える。社会に対する閉塞感、鬱憤を、分かりやすい弱者へと向けていく。歴史は今、まさに繰り返されようとしている。
8月20日未明に広島市を襲った集中豪雨と土砂災害もまた、甚大な被害を出したが、最近になって震災現場で空き巣被害が出たことで「外国人による犯罪」と指摘するネット上での書き込みがあり、それが拡散しているのだ。その噂の広がりから広島県警では「外国人が逮捕されたとの話は聞いていいない」と否定しているが、しかしネットの拡散は今も続いている。
嫌韓、外国人排斥がこれほど広がりを見せる今だからこそ、かつて日本人が起こしてしまった忌まわしい、そして恥ずべき自らの歴史を直視すべきではないだろうか。
(エンジョウトオル)
透明性が課題の組織委会会長選出なのに委員非公表、懲りない連中だな
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2021/02/post-461a67.html
2021.02.14 まるこ姫の独り言
やっぱりこの国は、政治が関わるとなぜか隠ぺい体質になる。 組織委員会の会長人事は隠ぺい体質の見本みたいなものだ。 森の女性蔑視発言、その後の謝罪会見で火に油を注いで、辞任せざるを得ない状況に陥っても、後任を自分で決めても誰も文句言わないと思ったのか、勝手に後任を決めて、その後任がうれしさのあまり、まだ決定したわけでもないのに、ペラペラしゃべりまくって、それを決定かのように伝えたメディア。 森も、後任と思ってしまった人物もメディアもすべて変だった。 真の民主主義国家なら許されるはずもないのに、なんちゃって民主主義国家らしく組織委員会を自分の持ち物と勘違いしている森、そして森から指名されて有頂天になってメディアで喋る川渕、そして今までの慣例通り森が勝手に決めたらそれが決定かのように報じるメディア。 同じような形態の学術会議には干渉しまくってきた菅総理。 野党が「森さんを辞めさせられるのはあなたしかいない」の質疑をしても、「私には権限がない」と突っぱねて来たのに、突如路線変更して、またもや人事に介入してしまうのはいかがなものか。 はしごを外された川渕は気の毒ではないけど気の毒に。 短い間にドタバタの連続だったが、会長人事は白紙に戻った。 結果的には、ようやく会長人事が透明性を担保できたにもかかわらず、ここへ来て会長人事をする選考委員のメンバーを非公表にすると言われている。 >五輪組織委新会長の選考委員会メンバーは非公表に 2/12(金) 23:24配信 スポーツ報知 >組織委はより透明性の高い手続きを取る必要があるとして、御手洗冨士夫名誉会長(85)を座長に据えた選考委員会を設置する方針を決定。御手洗氏が理事からアスリートを中心に10人弱を選ぶが、メンバー自体は非公表となる方向だ。 >組織委関係者によると、理事会内でもこの点は問題視されたが、名前が挙がった理事への自薦他薦や取材が殺到する恐れがあること、外圧を防ぐ観点から、最終的には非公表が決まったという。 はあ?だ。 透明性と言いながら、またメンバー非公表。 どこが透明性なのか。 日本の問題点の一つである、いろんな人事が密室で決まると批判されているのに、未だに日本的価値観が抜けきれない人が、政治や企業のトップに居座る図。 いつまでたっても、自民党的密室政治思考が抜けきれないようだ。 何のための透明性の高さを担保する設置委員会なんだか。。。 透明性を云々するのだったら、選考委員だって公表すればいいじゃないか。 そもそも、経団連の会長だった御手洗を座長に選出する時点で、もう結果は分かっているも同然だ。 下手したら、安倍晋三を会長にと言いかねない。 ヒエ〜 高齢者が悪いとは言わないが、森、そして川渕、そして御手洗。 似たような思考の持ち主ばかりじゃないか。 まったく、これで組織委員会が変わるとは到底思えない。 議事録も残さないのでは?と言われているから、政府の思惑通りの人選になる可能性大じゃないか。 いつものようにアリバイ作りのために選考委員会を作ったのじゃないの? そう疑われても仕方がない、密室、隠蔽体質は抜きれないようだ。 |
後任会長に橋本聖子氏が浮上も“セクハラ疑惑”が海外に拡散
https://jisin.jp/domestic/1951108/
2021/02/14 11:00 女性自身
2月12日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が女性蔑視とされる発言の責任をとって辞任を表明した。しかし会長後任をめぐって、波紋が広がり続けている。
「森氏は日本サッカー協会(JFA)相談役の川淵三郎氏(84)に独断で打診。川淵氏は受諾しましたが、選考過程が『透明性に欠ける』などと批判が殺到。結局、わずか一夜で白紙となりました。スポンサー企業など各方面からは、一日も早い組織委員会の立て直しが求められています」(社会部記者)
混迷を極めた状況のなか、後任候補に橋本聖子五輪相(56)の名前があがった。橋本氏は12日、記者団からの「組織委員会や政府から打診はあったか」という問いに「全くない」と否定。ところが後任会長には、橋本氏が浮上しているようだ。
「次期会長に求める資質として、武藤敏郎事務総長は『五輪・パラリンピックに何らかの経験がある人』と述べました。加えて、ジェンダー平等やダイバーシティなどの見識の高さも求められています。橋本氏はスピードスケートや自転車競技で、合わせて7つの五輪に出場した実績の持ち主。そのため、政府内では橋本氏を推す声もあるようです」(全国紙記者)
女性蔑視とされる発言の責任をとって辞任を表明した。
■“セクハラ疑惑”が懸念材料に
そんななか、14年8月に「週刊文春」で報じられた“セクハラ疑惑”が再燃している。当時、日本スケート連盟会長だった橋本氏は、酒に酔った勢いでフィギュアスケート男子の高橋大輔選手(34)にキスを強要したという。橋本氏は否定したが、世間からの批判もあり引責辞任を申し出た。だが「今後も会長職にあるべき」と慰留され、辞任を免れたのだ。
「後任会長候補の報道が出たことを機に、SNSでは“キス写真”が出回っています。またBBCワールドニュースの大井真理子キャスターも12日、橋本氏の“セクハラ疑惑”を報じた当時の『シドニー・モーニング・ヘラルド』の記事をツイート。海外にも拡散されたかたちとなりました。森氏の失言に続いて“五輪相もセクハラをしていた”と報じられると、『根本からポリシーを理解していない』と認識されてしまうのではないでしょうか……」(スポーツ紙記者)
橋本氏が後任会長に浮上しているという報道について、Twitterでは厳しい声が広がっている。
《川淵三郎氏に代わる後任候補に挙がってるけど、これが五輪憲章にふさわしいトップでしょうか。政治家のパワハラ、セクハラは絶対にダメでしょ。世界の世論が許さないよ》
《まさに「圧倒的な立場の差」を利用したセクハラと思われる疑惑で、男女とか被害者の認識関係なくアウト。森氏の後任どころか、ついでにこんなのが五輪相だったのか…と世界にバレてしまったお粗末さ》
そもそも組織委員会には、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構顧問副委員長の河野一郎氏やパナソニック株式会社代表取締役社長の津賀一宏氏など計6名の副会長が在籍している。後任会長を選任するにあたって右往左往する状況に、副会長の存在意義を問う声もあがっている。
《副会長何人もいて代わりができないんでしょうか? 代わりができない副会長の選考にも問題ありですよね》
《そもそも会長に何かあったときに代われる副会長とか会長代行とかいなかったのか?》
「透明性のあるプロセスで早急に決める必要がある」として、選考検討委員会を立ち上げた組織委員会。果たして後任会長に選ばれるのは、誰なのだろうか――。
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