分科会提言無視なら辞表叩きつけよ
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2020年12月12日 植草一秀の『知られざる真実』
人の移動拡大がコロナ感染を拡大させる。 この自明の事実を否定する者がいる。 御用キャスターの辛坊治郎氏もその一人。 菅内閣の応援団を懸命に演じている。 「7月末にGoToが始まって、8月、9月の感染者数は激減している。 GoToが原因なら8月、9月増えなきゃおかしい」 と主張する。 これを単眼思考という。 感染に影響を与える重要な二つのファクターがある。 人の移動と季節性。 複眼思考できないと辛坊氏のような間違いに陥る。 さらに重要な見落としがある。 それは、人の移動変化と新規陽性者数変化の間にタイムラグが存在すること。 人の移動変化と3週間後の新規陽性者数変化とが連動する。 このタイムラグについて考えが及ばないのも単眼思考のなせる業だ。 3週間前の人の移動指数推移と新規陽性者数推移を比較するとその連動性がよく分かる。 3月20日から5月5日にかけて人の移動が急減少した。 これを受けて4月10日から5月26日にかけて新規陽性者数が急減した。 見事に、人の移動変化と新規陽性者数推移が連動している。 拡大→http://img.asyura2.com/up/d12/3939.jpg 5月5日から7月中旬にかけて人の移動が急速に拡大して、これを受けるかたちで新規陽性者数が8月7日にかけて再拡大した。 この感染再拡大を受けて8月初旬から8月末にかけて人の移動は再び減少した。 9月23日にかけての新規陽性者数減少は、この人の移動減少と季節性を背景にしたもの。 夏になると高温、多湿になり、部屋の換気状況も改善する。 この影響で新規陽性者数が減少した。 こうしたなかで10月からは東京都もGoTo事業に組み込まれて人の移動が再拡大した。 ここに季節性による感染拡大の影響が加わった。 3連休初日の11月21日に人の移動指数がピークをつけたが、これを3週間後追いして12月10日に新規陽性者数が過去最高を記録した。 GoToトラベルが感染拡大の原因になっていることは明白だ。 無症状の感染者がウイルスを運ぶ風の役割を果たしている。 大都市を出発地とする住民がGoToトラベルでウイルスを全国に拡散する。 大都市を目的地とする住民がGoToトラベルで大都市からウイルスを地域に持ち帰る。 コロナ対策分科会はステージ3相当地域のGoToトラベル事業の一時停止を提言している。 ところが、菅義偉氏がGoToトラベルの継続を言い張っている。 頑迷宰相が国民生命を脅かしている。 GoTo利権の大きさが浮き彫りになる。 全国各地の有名宿泊地の有力旅館は濡れ手に粟の巨大利益供与を享受している。 空前絶後の大活況だ。 GoToトラベルによって巨大利益供与を受けている富裕層の多くが自公支持者である。 法外利益を享受する有力観光資本は自公に対して「票とカネ」のキックバックを行う。 だから菅義偉氏はGoToトラブルに執着する。 その一方で、GoToトラブルからまったく利益を得ない人、GoToトラブルによって巨大な不利益を蒙る人が多数存在する。 基礎疾患を持つ人、高齢者にとってGoToトラブル事業はトラブルをまき散らす悪魔の事業でしかない。 コロナ対応に追われる医療従事者、介護従事者にとってもGoToトラブル事業は迷惑以外の何者でもない。 菅義偉氏は利権でつながる巨大観光資本のことしか考えていない。 このような頑迷首相を早期に退場させないと日本全体が滅びてしまう。 |