世論調査:大阪都構想の賛否拮抗、「反対」が7 ポイント増え41 % !
維新の会の深層・真相は ?
(www.yomiuri.co.jp:2020/10/26 05:06)
読売新聞:「大阪都構想」の賛否を問う住民投票(11月1日投開票)を前に、読売新聞社は23〜25日、大阪市内の有権者を対象に世論調査を実施した。都構想の賛否は「賛成」が44%、「反対」が41%で拮抗きっこうした。「答えない」は15%だった。1か月半前の前回調査では賛成が14ポイント上回っていたが、反対が増加した。
都構想は、大阪市を廃止し、約60万〜75万人の四つの特別区に分割する都市再編策。住民投票で賛成多数になれば、2025年1月1日に大阪市は廃止される。
住民投票の実施が決まった直後の9月4〜6日の前回調査では賛成48%、反対34%だったが、今回はこの時より賛成が4ポイント減り、反対が7ポイント増えた。支持政党別では、日本維新の会を支持する層は9割が賛成した。自民、公明両党の支持層では、反対が賛成を上回っており、ともに前回調査より反対の割合が増えた。
住民投票に「関心がある」と答えた人は「大いに」と「多少は」を合わせて84%。投票に行くと答えた人は「必ず」と「なるべく」を合わせて95%に上り、いずれも前回調査から増加した。
調査は大阪市を対象に無作為に作成した番号に電話をかける方式で実施。有権者在住が判明した1186世帯の中から756人の回答を得た。回答率は64%。
○大阪都構想住民投票世論調査:質問と回答
◆大阪市を廃止し、4特別区を新設する大阪都構想の賛否を問う住民投票に、
関心がありますか、ありませんか。
・大いに関心がある:46%、・多少は関心がある:38%、
・あまり関心がない:11%、・全く関心がない:4%、・答えない:1%
◆11月1日に実施される住民投票では、投票に行きますか。
・必ず行く:71%、・なるべく行くつもり:24%、・たぶん行かない:3%、
・行かない(棄権):2%、・答えない:1%。
◆新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、大阪市は住民投票を延期
すべきだったと思いますか。
・思う:35%、・思わない:54%、・答えない:11%。
◆大阪都構想に賛成ですか、反対ですか。
・賛成:44%、・反対:41%、・答えない:15%。
▼【前問で賛成と答えた人だけ】賛成する理由を選んで下さい。(複数回答)
・府市の二重行政がなくなるから:89%、・大阪全体の成長につながるから:78%、
・松井市長や吉村知事が推進しているから:62%、・地域の実情に応じた政策が行えるから:57%、
・住民サービスが充実するから:42%、・区割りなど制度案が良いから:30%、
・その他:0%、・とくにない:―、・答えない―
▼【前問で反対と答えた人だけ】反対する理由を選んで下さい。(複数回答)
・大阪市がなくなるから:73%、・住民サービスが低下するから:68%、
・行政の無駄削減につながらないから:67%、
・新型コロナウイルスなど他に優先すべきことがあるから:65%、
・区割りなど制度案に不満だから:55%、
・府と市の関係は今もうまくいっているから:45%、
・その他:2%、・とくにない:2%、・答えない:1%。
◆大阪都構想の具体的内容について、どの程度知っていますか。
・よく知っている:10%、・ある程度知っている:63%、
・あまり知らない:23%、・全く知らない:3%、・答えない:1%。
◆松井市長と吉村知事は大阪都構想の具体的内容を、十分に説明していると思いますか。
・十分に説明している:37%、・説明が不十分だ:51%、・答えない:12%。
◆大阪都構想が実現する場合、大阪府の名称を「大阪都」に変更することに賛成ですか、
反対ですか。
・賛成:32%、・反対:47%、・答えない:22%。
◆2015年の大阪都構想に関する住民投票では、賛成に投票しましたか、反対に投票しましたか。
・賛成:39%、・反対:40%、・投票しなかった(棄権):9%、
・投票権なし、忘れた、答えない:12%。
◆大阪市の松井市長を支持しますか、支持しませんか。
・支持する:54%、・支持しない:35%、・その他:3%、
・答えない:8%。
◆大阪府の吉村知事を支持しますか、支持しませんか。
・支持する:70%、・支持しない:20%、
・その他:3%、・答えない:7%。
◆今、どの政党を支持していますか。
・自民党:24%、・立憲民主党:2%、・公明党:4%、
・共産党:4%、・日本維新の会:24%、・国民民主党:0%、
・社民党:―、・NHKから国民を守る党:―
・れいわ新選組:0、・その他の政党:0
・支持する政党はない:36%、・答えない:6%。
……………………………………………
【調査方法】調査は10月23〜25日、大阪市を対象に、無作為に作成した番号に電話をかける方法で実施。有権者在住が判明した1186世帯の中から756人の回答を得た。回答率64%。
小数点以下四捨五入。数値の合計は100%にならないことがある。0は、0.5%未満。―は回答なし。
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(参考資料)
○維新の会、設立から10 年、「俺たちこそ自民党」
政権との太いパイプ、アピール=訂正・おわびあり
(www.asahi.com:2020年4月19日 5時00分)
地域政党「大阪維新の会」は19日、設立10年の節目を迎える。自民党から分裂して生まれ、大阪政界を席巻。新しい世代の議員も加わり、地域に根ざした政党として定着しつつある。一方、2025年の実現をめざす大阪都構想以降のビジョンは不透明で、地域政党を母体とする国政政党「日本維新の会」は広がりを欠いている。(笹川翔平、吉川喬、新田哲史、坂本純也)
「いよいよ2度目だね。もう1回住民投票をやるなんてすごいね」
東京都心の高層ホテル最上階のレストラン。首相の安倍晋三は昨年12月27日夜、大阪維新の会創設者の橋下徹、大阪市長の松井一郎をこう言って持ち上げた。官房長官の菅義偉を含めた年末恒例の4人の会食は、2時間半に及んだ。
4人の縁は橋下が大阪府知事選に立候補した2008年にさかのぼる。当時、自民党府議だった松井は府議団政調会長として橋下の当選に奔走。党選挙対策副委員長だった菅が力を貸し、橋下知事誕生を支えた。
民間活力を重視する成長戦略を好む4人は波長があう。それでも連立に踏み込むわけではない。松井は安倍や菅に繰り返してきた。「僕らが(内閣の)外から協力したほうがいいでしょう」
■持ちつ持たれつ
安倍政権にとっては、ほとんどの野党が反発する法案でも、与党ではない維新が賛成すれば国会運営の「強硬色」を薄めることができる。維新にとっては、大阪では「反自民」の立場で既得権益批判を展開しつつ、各地域で自民が売りにする「政権との太いパイプ」を訴えることができる。
持ちつ持たれつの両者は協力し合って大阪での主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)開催などを実現してきた。国政ではカジノを含む統合型リゾート(IR)関連法の成立に維新が協力。首相が悲願とする憲法改正をめぐっても、維新は衆参の憲法審査会での議論を行うことに前向きな姿勢を示す。
維新は元々、自民から派生して始まった。09年4月、府議だった松井が自民会派を割って自民党所属のまま新しい府議会会派「自民党・維新の会」を立ち上げた。知事になった橋下が「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)への府庁移転を打ち上げ、これを実現させるためだった。
わずか6人の会派だったが、これを核として10年4月19日、橋下を代表に地域政党「大阪維新の会」を設立。元自民議員を中心に府議会では24人が集まり、第2会派となった。大阪市議と堺市議も加わり、計30人の議員での船出だった。翌11年の府議選で維新は過半数、大阪市議会では第1会派に躍り出た。
「反対なら選挙で僕のクビを取ればいい」「独裁と言われるぐらいの力が今の日本の政治に求められている」「大阪は行政の仕組みが間違っている。大阪丸という船を造り直さなくてはいけない」――。歯切れ良く訴え続ける橋下に注目が集まり、みんなの党とともに「第三極ブーム」に乗って12年には国政にも進出する勢いを得た。
■選挙スタイルも
ところが、大阪都構想の是非を問う15年の住民投票でつまずいた。1万741票差の僅差(きんさ)ながらも否決に終わり、橋下は政界引退を表明した。橋下はコメンテーターとして維新を側面支援し続けるが、政界から去ったことで、維新の「自民回帰」が進んだ。
その象徴の一つは選挙手法だ。橋下が代表だったころは、代表の演説で「浮動票」を狙ってきたが、今は「どぶ板」が基礎となる。当選5回の府議、岩木均は党内で「選挙の職人」との異名を取る。自民の府議や衆院議員秘書を経て、03年に初当選。人口約19万人の大阪市平野区を5ブロック8支部に分け、勉強会やプロ野球観戦など年間約50日を支部やサークルとの会合に充てる。休日に各種団体や地域の集会を8件掛け持ちすることも。休日は年に1週間もない。
その成果が如実に表れるのが年末に2回開く「年忘れ会」だ。昨年も地方議員としては破格の計800人を集めた。この規模に維新市議も「年会費をもらうより、1票入れてもらうより、足を運んでもらうことが一番ハードルが高い」と驚く。
岩木ら維新創設メンバーの多くは自民を飛び出したとき、一つの選挙区で同じ党の候補者が争った中選挙区時代の選挙スタイルを体にたたき込んでいた。それを党内に浸透させ、維新に選挙の強さをもたらしている。
昨年の統一地方選で、府議会では橋下時代の11年以来となる単独過半数を得た。市議会では、11年の33議席を大幅に上回る過去最多の40議席を獲得。単独過半数まであと2議席に迫った。維新幹部はこう言い切る。
「自民から生まれた維新は、選挙スタイルも自民から受け継いだ。本質的には俺たちこそが自民なんだ」―以下省略―