※2020年7月7日 朝日新聞1面
※2020年7月7日 日刊ゲンダイ 紙面をご覧ください
買収2900万円超、起訴へ 河井夫妻、特捜部方針 受領議員ら立件せず https://t.co/AZBXZviqZn
— 潮音 京香 (@shionekiku) July 7, 2020
特捜部は、克行議員について、選挙運動を取り仕切る立場の「総括主宰者」と認定する方針を固めたことも判明した。公選法では、総括主宰者の買収を「加重買収」とし、法定刑を重く規定している。
買収2900万円超、起訴へ 河井夫妻、特捜部方針 受領議員ら立件せず
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14539764.html
2020年7月7日 5時00分 朝日新聞
参院議員の河井案里容疑者(46)=自民党を離党=が初当選した昨年7月の参院選をめぐる買収事件で、夫で前法相の衆院議員、克行容疑者(57)=同=が地元議員らに配った疑いのある現金が逮捕時から300万円以上増え、総額2900万円超にのぼることが東京地検特捜部の調べでわかった。
特捜部は買収容疑の総額をこの金額で認定し、勾留期限の8日にも公職選挙法違反の罪で夫妻を起訴する。受け取った地元議員らの刑事処分は見送る方針。
一方、特捜部が、克行議員について、選挙運動を取り仕切る立場の「総括主宰者」と認定する方針を固めたことも判明した。公選法では、総括主宰者の買収を「加重買収」とし、法定刑を重く規定している。特捜部は、克行議員の買収容疑の一部について、この規定を適用する方針。
夫妻の裁判は公選法の規定により、起訴から100日以内の判決を目指す「百日裁判」となる見通し。ただ、現金を受け取った疑いがある人が90人超にのぼるため、公判が長引く可能性がある。
克行議員の逮捕容疑は、地元議員ら94人に計約2570万円を供与したというものだった。案里議員はこのうち5人に計170万円を渡した疑いがある。逮捕後の捜査で、新たに地元議員らへ300万円超を渡していた買収容疑が判明。特捜部は、起訴時の買収総額を2900万円超と認定した。
一方、特捜部と広島地検は、夫妻から現金を受け取った疑いがある広島県議などの地元議員、選挙スタッフ、後援会関係者の計90人超の立件は見送る。大半は克行議員が一方的に現金を渡していたことや、一部は返金していたことなどを総合的に考慮したとみられる。
特捜部の調べに対し、陣営幹部は、克行議員の選挙運動への関与について「あらゆる場面で指示をして仕切っていた」と供述。克行議員は案里議員の訪問先や日程、ポスターの貼り方などを事務所スタッフに細かく指示していたという。
特捜部は克行議員が「総括主宰者」にあたるか検討。判例では、候補者が正式に立候補した後の選挙運動で、中心的な存在として指揮を執った者を「総括主宰者」と定義しているため、昨年7月の公示後の克行議員による現金配布に限り、法定刑の重い総括主宰者による加重買収にあたると判断した。