https://news.yahoo.co.jp/articles/a1c58c09fff2f96961afa773853d8fce15a573eb
知事「これは全国初になると思います」
大阪府の吉村洋文知事は17日午後、大阪府庁で定例会見を開き、大阪府や大阪市、大阪大、大阪市大などが連携して開発している新型コロナウイルスのワクチンについて、今月30日に人への投与・治験を始め「これは全国初になると思います」と発表した。
【中継】大阪府・吉村知事「ワクチン開発、オール大阪で取り組んでいる」(2020年6月17日)
DNAを組み込んだワクチンの部類としては安全なもの
[写真]報道陣の質問に答える大阪府の吉村洋文知事=17日午後、大阪府庁で
吉村知事によると、これはDNAワクチンといい、新型コロナウイルスを弱らせるワクチンではなく、DNAを組み込んだワクチンの部類としては安全なものと説明した。
今月末に市大の医学部付属病院の医療従事者に投与
[写真]ワクチン研究開発について、図を使って説明を行う吉村知事
吉村知事の説明によると、ワクチン開発は3月に着手しすでに完成。4月に連携協定を進め動物実験を行い、安全性を確認したため今月末に市大の医学部付属病院の医療従事者に投与をするという。
そして安全性を確認した上、10月にはこれを数百名程度の規模に対象を拡大し、今年中には10万から20万の単位での製造が可能になるとしている。
ただ、これは現実に一般のワクチンとして投与するには国の認可が必要なため、認可を得るのは来年の春から秋にかけてになるため「その時期の実用化を目指す」との見通しをも示した。
知事は会見で、この10月の対象拡大については「治験という形での実施になりますが、医療従事者に限るのか、それ以外の方にするのかということについては病院と相談をしながら進めていきたいと思っています」と述べた。
新型コロナウイルスとの闘いを大きく反転攻勢させていきたい
[写真]会見で吉村知事が使用したワクチン治験の説明図
吉村知事は「国内においては大阪のワクチン以外にも様々なところで開発が進んでいるとおもいますが、なんとか国産のワクチンを開発し、日本における新型コロナウイルスとの闘いを大きく反転攻勢させていきたい。30日は人への投与を実施することになるが、これを皮切りに大阪で実現させたい」と話している。
また「やはりワクチンの開発っていうのは非常に難しいですし、これは世界のどこの製薬会社、それから研究者も、しのぎを削ってる分野なので、一朝一夕にはいかないだろうというふうには思っています。今回のDNAワクチンも非常に安全性は高いですし、僕もこれに大きく期待はしてます。ただ、これからの部分もやっぱりあります。今、治験をやって、じゃあどのぐらい効果があり、どのぐらい効果を維持するのか、そういったことも研究しながら進めていくわけですから、そう簡単にいくものではない」とも話していた。
クラスター調査をしてお知らせして検査して囲い込むことを続ける
[写真]大阪府の吉村洋文知事=17日午後、大阪府庁で
このほか会見では報道陣から、16日に感染者が3人出たことについてどうみているかと質問もあった。
吉村知事は「いま保健所の方で3人についてのクラスター調査をやっているところです。もちろんウイルスは0になっていないので大阪でもこれから出てくると思います。昨日の3人でいうと、2日前に判明した方と友人じゃないけど同じ飲食店を利用していたと聞いていますので、そういったクラスター調査をして、関係者の方にお知らせをして検査をして囲い込むことをやり続けるしかないんじゃないかなと思っています」と答えていた。
また「府民の皆さんにもやっぱりきちんとお伝えしなきゃいけないのが、ウイルスは0にはなってないから、これからも感染者は出ますということ。これはきちんとお伝えしなきゃいけないと思ってます。その中で危険として許容できない感染というのはどうなのかっていうのをきちんと大阪府で定義していきたいと思います」と続けた。