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彼の信念はブレない。https://t.co/UR1uTDZ1Lp
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山本太郎、都知事選勝利はあるか “素顔”は「礼儀正しく気配りの人」
https://dot.asahi.com/wa/2020062300040.html?page=1
2020.6.24 08:00 週刊朝日 2020年7月3日号より抜粋
独占インタビューに答えた山本太郎氏 (撮影/小泉耕平撮影)
左から、都知事選に立候補した小野泰輔氏、宇都宮健児氏、小池百合子氏 (c)朝日新聞社
無謀な闘いか、大波乱の幕開けか──。小池百合子・東京都知事の圧勝ムードだった東京都知事選(7月5日投開票)に山本太郎・れいわ新選組代表が出馬し波紋を広げている。国民民主党国会議員がこう語る。
「事前の情勢調査では、小池氏が6割以上の支持を集めて圧倒的に強い。東京都のコロナ対策が評価されているということだろう。山本氏の出馬でどれだけの票が動くか。結果次第で国政にも影響が出る」
現時点で山本氏の当選は容易ではない。しかし、仮に小池氏に肉薄する結果になれば「若手はれいわになびく」(立憲民主党関係者)と警戒する声もある。
山本氏の原動力は“怒り”だ。第一声の街頭演説後、安倍政権のコロナ対策について本誌記者から問われると、こうまくし立てた。
「(安倍首相は)貴族みたいな方ですよね。彼らは何年ロックダウンされても大丈夫なんです。でも、庶民は違う。非正規労働で働いている方は、1週間仕事が途絶えたら家賃が払えません。病気もできないし、ケガもできない。ステイホームなんてできないんですよ」
鋭い舌鋒は、時に野党にも向く。山本氏は野党統一候補とならなかった理由について、次の衆院選で野党の共通公約として消費税を5%にするという約束が実現しなかったことをあげている。消費税引き下げに最も慎重なのは野党第1党の立憲民主だ。街頭演説では「今、苦しんでいる多くの人々を助ける気概もないのに、たいした野党第1党だなという話ですよ!」と怒りを隠さない。
既存政党との闘いも辞さない山本氏は、自らを「空気を読まない」と公言する。公約には総額15兆円の都債(地方債)を発行しての都民全員への10万円給付など過激な政策が並ぶ。熱狂的な支持者がいる一方で、批判を受けることも多い。
ただ、実際の山本氏を知る人は一様に「礼儀正しく気配りのある人」と話す。ある省庁の官僚が証言する。
「国会質問のレクに行くと、野党議員では官僚を怒鳴りつけるような人も結構いる。でも、私が知る限り山本さんはそんなことはしない。準備した質問が時間切れで取り上げられず、後で『申し訳ありませんでした』と、わざわざ謝りに来てくれたこともあります」
山本氏の政治姿勢は、貧困に苦しむ人や身体障害者など社会的弱者に寄り添うことで一貫している。その信念が生まれたのは、2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原発の事故だ。俳優だった山本氏は同年4月に反原発運動を開始。「芸能人が政治について語るな」とたたかれながらも原発批判を繰り返した。
一方、自らの言葉で傷ついている人がいることに気づく。山本氏と親しい作家の雨宮処凛氏は言う。
「太郎さんは放射能被害を受けた地域に住んでいる人に『逃げろ』と言ったのですが、『逃げたくてもそんなお金はない』と言われショックを受けたそうです。原発事故によって、政治が人々を見捨てる構図が浮き彫りになった。原発問題が、社会的弱者や貧困の問題とつながっていることに気づいたんだと思う」
所属していた芸能事務所は11年5月に退所。フリーの俳優として活動したが、仕事は激減した。
そんな中、12年に公開された映画「EDEN」の主役に山本氏を抜擢したのは、映画プロデューサーの李鳳宇(リボンウ)氏。「フラガール」や「パッチギ!」などの名作を手がけた李氏は、自身も在日コリアンというマイノリティーだ。作品で、山本氏は新宿2丁目のショーパブで働くゲイの店長を演じた。李氏は言う。
「彼は悩みのある共演仲間には積極的に助言していた。正義感が強く、おせっかいなぐらい。私は彼の俳優としての才能を高く評価していたけど、映画の世界だけに収まらない人だろうなと、当時から感じていました」
李氏の予感通り、山本氏は芸能界から飛び出し、12年12月の衆院選に出馬。この時は落選したが、翌年7月の参院選に東京選挙区から再出馬し、約66万票を得て初当選した。
議員としては無所属で活動した後、小沢一郎衆院議員率いる自由党などに籍を置き、昨年4月にれいわ新選組を設立。同年7月の参院選で自身は落選したものの、重度の障害を持つ木村英子氏、舩後靖彦氏の2人を当選させ旋風を巻き起こした。
この選挙にれいわから立候補した一人が、「女性装の東大教授」として知られる安冨歩教授だ。山本氏に初めて会ったのは16年、参院選に出馬したミュージシャンの三宅洋平氏の応援演説の場だった。そこで少し言葉を交わした以降は連絡を取り合うことはなかったが、昨年7月の参院選直前になり、山本氏から「選挙に出てくれませんか」とメールが届いたという。共通の知人の縁も感じて10人の候補者の一人となった安冨氏だが、新党結成の舞台裏はどんなものだったのか。
「基本的には、れいわ新選組という組織は存在しないんです。選挙をするには“政党”という入れ物がいる。そのためにれいわ新選組は生まれた。さすがに参院選後には組織を整えるのかと思っていましたが、そうではなかった。公的組織編成ばかりではなく、私的にもそうです。私は、山本さんばかりか、参院選の候補者と飲みに行ったこともありません」
それでも、安冨氏は山本氏を政治家として評価しているという。
「組織ではなく、候補者や支援者の自発性に全てを委ねるのは、新しい組織論だと考えます。立候補したときには、公約に反対してもかまわないと私に断言しました。普通の党としてはありえないけど、あらゆる暴力、あらゆる差別に反対する彼の姿勢と一貫していると思います」
(本誌・西岡千史、上田耕司、吉崎洋夫)
れいわ山本太郎はどこへ向かう 「主演映画」ラストシーンにヒント?
https://dot.asahi.com/wa/2020062300041.html?page=1
2020.6.24 08:00 週刊朝日 2020年7月3日号
独占インタビューに答えた山本太郎氏 (撮影/小泉耕平)
都知事選の第一声をあげる山本太郎氏 (撮影/上田耕司)
東京都知事選に出馬を表明したれいわ新選組の山本太郎代表。昨年7月の参院選では、「消費税廃止」「奨学金徳政令」など独自政策を掲げ“旋風”を巻き起こした。落選後もその歩みを止めず、自らの信念を突き通していた。行く着く先とは。
* * *
山本太郎・れいわ新選組代表は落選後も、日本全国でれいわの看板政策である「消費税廃止」を訴え続ける一方、消費税の減税に賛同する国会議員たちとの交流を深めていた。
昨年8月には中谷一馬衆院議員(立憲)らと総勢8人で、世界で初めて消費税を廃止したマレーシアに視察に出かけた。中谷氏は当時の経緯をこう話す。
「仲間に勧められた山本さんの演説動画を見たら、消費税をゼロにした国としてマレーシアをあげていた。それで、消費税廃止後に経済がどうなったか研究したいと思ったんです。山本さんに連絡すると、すぐOKの返事をもらいました」
視察の日程は、1日5件の面会が入るハードなものだったという。
「山本さんとは同じホテルで、移動の車の中でも昼食のサンドイッチをほおばりながら、いろんな議論をしました。野党議員の間で相互理解が深まったと思っています」
昨年10月には勉強会「消費税減税研究会」を設立し、馬淵澄夫衆院議員とともに共同代表に就任。初回の会合には24人の現職国会議員と14人の元議員が参加した。馬淵氏が言う。
「山本さんは勉強熱心。ただ、参院議員時代の6年間のほとんどを一人で活動してきたので、国会で実際に政策を実現することに慣れていない部分もあったと思う。会の目的は消費税を恒久的に減税する仕組みを研究することですが、山本さんとしては、勉強会や議員連盟の作り方や運営方法も知りたかったのだと思う」
無所属で活動していた馬淵氏は6月3日、国民民主党に入党した。馬淵氏はこの時、山本氏から入党を後押しされたという。既存政党から距離を置いて活動する山本氏からすると、意外な行動だ。
「山本さんは今後の課題が見えているのでは。政党の運営は政策づくり、広報活動、企業や団体との交渉など多岐にわたる。プロの党職員が100人規模必要で、数年ではつくれません。今のやり方では、熱狂的なファンはついてきても、政党としての組織化が難しい。本気で政権を狙うなら、既存政党の運営ノウハウも必要になってくることをよく理解されていると思う」(馬淵氏)
山本氏は今後、どこに向かうのか。新宿2丁目のショーパブで働くゲイの店長を演じた山本氏の主演映画「EDEN」のラストシーンは、山本氏演じるミロと一緒に偏見や差別と闘い、悩みを共有するマイノリティーたちが、ミロを中心にしてダンスを踊って幕を閉じる。山本氏を抜擢した映画プロデューサーの李鳳宇(リボンウ)氏は言う。
「れいわ新選組を立ち上げた時、映画のラストシーンと太郎ちゃんの生き様が重なって見えた。日本の閉塞感を打ち破るために、これからも走り続けてほしいね。暴走しない程度に(笑)」
(本誌・西岡千史、上田耕司、吉崎洋夫)
【独占】山本太郎インタビュー「最終的には総理を目指す」「宇都宮さんとは財政への考え方が違った」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2da83846940800866c00018ac4e190d31752968e
AERA dot. 6/23(火) 8:00配信 週刊朝日 2020年7月3日号より抜粋
本誌の独占インタビューに答えたれいわ新選組の山本太郎代表(撮影/小泉耕平)
本誌の独占インタビューに答えたれいわ新選組の山本太郎代表(小泉耕平撮影)
本誌の独占インタビューに答えたれいわ新選組の山本太郎代表(小泉耕平撮影)
「五輪中止」などの公約を掲げて東京都知事選に出馬したれいわ新選組の山本太郎代表(45)。芸能界でも国会でも話題を巻き起こしてきた男が今回、新たな闘いに挑む理由は何か。そして、その先に目指すものは――。本誌は真意を確かめるため、独占インタビューを試みた。
──なぜ都知事選に立候補したんですか。
コロナ禍の中、たくさんのホームレス状態の人に会ったのがきっかけです。国や都に助けてもらえず、生支援団体につないだり、生活保護の申請に一緒に行ったりしてきました。
その中で、自分の力のなさに歯がゆさを感じました。自分には議員のバッジがない。党の国会での勢力は2議席しかない。だから、永田町で影響力を持つことができない。省庁に対しても働きかけはできても、なかなか前に進まない。
いまの状況を見れば、これは災害です。国が災害指定をすれば、労働者は会社と雇用関係を維持したまま失業手当を得られるんです。つまり、クビを切られずに済むにもかかわらず、安倍首相は災害指定をしないし、小池百合子都知事も国に何も働きかけない。
彼らの施策から透けて見えたのは、自分たちのことばかり考えている姿。安倍さんなら電通とかパソナとかとの“お友達関係”が疑われている。小池さんは知事選を意識してアピールばかりしている。人々の生活の底上げに興味がないんですよ。生活できない人が本当に増えていますよ。私は時間が空いたときに彼らに声をかけ、この状況を変えるのが都知事選だと考えました。自分が都知事になって、困っている人々を助ける都政にしたいと考えています。
──現職の小池知事が高支持率を維持している。勝算はあるんですか。
前回の都知事選で小池さんは290万票も取った。テレビをうまく使い、票に結び付けましたよね。今回もコロナ対策のリーダーとしてテレビに露出し続けたわけですから強いでしょう。 だけど、越えられない山ではない。勝てないなんて思っていませんよ。手ごたえ
はあります。
コロナ災害によって、国や行政からの支援がないと多くの都民が危機感を持っている。支持政党や支持候補者がいない人らが政治を考えるきっかけになったはずです。そういう人たちにどこまでリーチできるかが鍵になると考えています。
──五輪中止を公約に掲げています。中止による経済などへの影響についてはどう考えますか。
中止は残念ですが、特効薬などを確保できる見通しもなく開催するのは無責任です。五輪のせいで感染が拡大したら、世界に顔向けできないでしょう。
そもそも、イベントで一発火をつけることで経済を何とかしようというのはカジノと変わらない発想。そういう飛び道具に頼らず、人々の生活を取り戻す対策を先にやるべきです。
小池さんが五輪にこだわるのは、自分の周りに利害関係を持っている人が多いからでしょう。五輪を開いた知事として名前を残したいという思いもあるかもしれない。これは安倍さんと共通する部分です。そんな発想じゃ国民や都民のための政治なんてできませんよ。
──立憲民主党と共産党、社民党が支援する宇都宮健児氏との間で野党票が割れる状況をつくったことには批判の声もあります。山本氏と宇都宮氏とは何が違うのか。
確かに、僕と宇都宮さんには共通する部分がある。彼は困窮する人たちのために最前線で活動する「天使のような人」の一人で、尊敬しています。しかし、財政に対する考え方が根本的に違う。予算を現状の枠内で他に付け替えるだけでは、今回のような緊急時には対応できない。もっと大胆に支出すべきなんです。
私は公約として、全都民に10万円の給付、学校に通う高校生や大学生の授業料を1年間免除するなど、総額15兆円の緊急対策を掲げています。財源として都債を15 兆円発行して、日銀に買い取ってもらう必要もある。これに、立憲と共産党は乗れないでしょう。都債の発行は、日本維新の会推薦の小野泰輔さんも言い始めていますね。良いことだと思う。みんなもっと言うべきです。
──今後、他の野党との距離感はどう考えますか。
私がやりたい大胆な財政出動や消費税5%などの政策を野党の中で理解してもらうには、れいわ新選組自体が力を持たなければならないと考えています。そうしないと、消費税5%を野党共闘の条件にするという交渉もできないですから。だからこの選挙は負けられない。
もし知事になるくらいの実力があると示せれば、こちらはさらに交渉を進めるカードを手に入れられます。ただし、これはあくまでオマケで、そこを手に入れるために出馬したわけではありません。よく「党の宣伝のため違うんか」と言われますが、そんなケチなこと考えないですから。
──知事になったとして、途中で国政復帰もある?
知事になれば当然、4年間の任期は全うします。石原慎太郎さんは任期途中で辞任して国政に出ましたが、そんなことは考えていない。都民のために全力を尽くすことはもちろん、国会議員と連携しながら、党勢拡大に取り組んでいきます。次の衆院選や都議会選にも攻めていき、首都から国政を揺さぶっていきますよ。最終的には総理大臣を目指します。政権交代しないと、私のやりたいことは進められませんからね
(本誌・西岡千史、吉崎洋夫)