「新型コロナ」は感染しても抗体さえできないままやり過ごすヒトが17%(スペイン)ほどいるとされるので、そのヒトたちは今となってはどんな検査にも引っ掛からない。
また、コロナウイルスは普通の風邪を引き起こすウイルスの仲間なので、抗体検査の精度によっては、他のコロナウイルスに感染したことでできた抗体を間違って陽性判定する可能性もある。(その逆に、新型コロナウイルスの抗体を見逃す可能性も:英国では抗体検査350万キットが精度の問題で廃棄)
統計学的手法の問題もあるがさておき、転載する抗体検査で大半を占める3万8216件はソフトバンクグループの従業員らしいので、属する企業の「対策」や「活動規制指針」などの影響を受けている可能性が高いので、その陽性率を一般に敷衍するのは無理があると思う。
それを承知でお遊びとして、東京都の「新型コロナ」感染者数を推測すると、
東京都人口約1,400万人:
(ソフトバンクグループ従業員の陽性率0.23%)感染者数:32,200人
(医療関係者+SBG従業員の陽性率0.43%)感染者数:60,200人
(医療関係者の陽性率1.79%)感染者数:250,600人
6月8日現在の東京都の陽性者は5,396人なので、6倍から46倍の非確認感染者がいる可能性がある。
東京都の「新型コロナ」関連死者数は311人(6月8日現在)なので、
陽性者: 5,396人の場合、致死率5.8%
感染者数: 32,200人の場合、致死率1.0%
感染者数: 60,200人の場合、致死率0.5%
感染者数:250,600人の場合、致死率0.1%
PCR検査を積極的に行ってきたシンガポールとロシアのデータ:(6月9日現在)
人口千人 陽性者 陽性率 死亡者 致死率
シンガポール: 5,847 38,514 0.3% 25 0.06%
ロシア: 145,930 485,253 0.7% 6,142 1.3%
(但し、シンガポールでは建設関連外国人労働者30万人弱の宿泊施設でメガクラスター発生)
なんとなくだが、致死率を0.2%〜0.5%の範囲と考えると、東京都の感染者数は6〜15万人の範囲かなと...。
日本全体で致死率5.4%・東京都で致死率5.8%はあまりに高い値だと思う。
日本が、米国の致死率5.6%やブラジルの致死率5.3%と同じレベルの致死率というのはちょっと腑に落ちない。
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ソフトバンクグループ、従業員など4万人にコロナ抗体検査 陽性率0.43%[ニューズウィーク日本版:ロイター]
2020年6月9日(火)21時00分
ソフトバンクグループ同社従業員や医療機関の関係者を中心とする4万人以上を対象に新型コロナウイルスの抗体検査を実施した結果、陽性率が0.43%だったとの速報値を発表した。写真は2014年12月、東京で撮影/Toru Hanai)
ソフトバンクグループは9日、同社の従業員や医療機関の関係者を中心とする4万人以上を対象に新型コロナウイルスの抗体検査を実施した結果、陽性率が0.43%だったとの速報値を発表した。任意提出のデータに基づいており、無作為抽出とは前提が異なる。
4万4066件を対象に検査を実施し、陽性だったのは191件だった。検査期間は5月12日─6月8日。検査対象のうち5850件が医療関係者で、陽性率は1.79%。その他の3万8216件の陽性率は0.23%だった。
孫正義会長兼社長はツイッターで、簡易検査を無償提供する意向を表明していた。孫氏はこのほか、マスクや防護服、フェイスシールドなどの医療機関への提供も進めている。
(平田紀之)
[ロイター]
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/4043.php