御用学者列伝 _ 伊藤隆敏・伊藤元重
2020年05月27日
不幸の倍増を狙う官僚 / 増税をしたい財務省
黒木 頼景
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html
日本国民が政府に対し、「デフレ経済からの脱却を!」と叫んでかなり久しい。平成の初めにバブル景気が崩壊すると、政治家の無策で日本経済はずっと低迷したままだ。昭和50年代から60年代にかけて青春を贈った世代と違い、平成の時代に青春を迎えた若者は、“清貧”とか“質素”という雰囲気で育った。ゆえに、親が楽しんだ“豊かさ”とは縁が無い。今更嘆いても仕方がないけど、左巻きのマスコミは当時、日銀の三重野康(みえの・やすし)総裁を「平成の鬼平」と持て囃していた。しかし、実際は「平成の必殺仕事人」なんじゃないか。三味線屋の「勇次(中条きよし)」なら、三味線の糸を悪党の首に巻き付け、ギュッと締め上げれば拍手喝采となるけど、三重野総裁は、善良な庶民に「金融引締」という糸を巻き付け、グイッと釣り上げたから土地成金も真っ青だ。首を絞められた一般人は、声も出せずにもがき苦しむ。この仕置屋家業の総裁は、公定歩合を3.75%から4.25%、そして5.25%に上げると、更に6%へと引き上げた。実際、破産や倒産で首を吊った人もいたから、日銀と大蔵省の役人は、チャールズ・マンソン(Charles Manson)よりも恐ろしい平成の「ハングマン」だ。(1980年代には「ザ・ハングマン」というTVドラマがあって、黒沢年雄や名高達郎が現代版の「必殺仕事人」を演じていた。マンソンは悪名高いカルト指導者で殺人鬼。)
「官界」という天空に住む高級官僚は、どんなに庶民が苦しもうとも、自分達の方針に揺るぎない自信を持っており、消費税のアップでドンドン入ってくる税収を「自分の富」と思っている。信じられないけど、財務官僚は平民から集めた税金を“摑み銭”と考えているのだ。「公金というのは俺達の裁量で分配する分け前だ!」と豪語する官僚は、各省庁や民間企業に対し、「予算が欲しけりゃ跪け!」と言い放つ。ササン朝ペルシアのシャプール1世(Shaur the Great)じゃあるまいし、「何様のつもりだ?!」と言いたくなるが、財務官僚は笑みを浮かべ、「高等文官試験に合格した“お役人様”だよ! 」と答える。彼らの自慢は学歴で、水戸黄門みたいに「おいテメエら ! この銀時計が目に入らぬか !」と言い渡す。(今は「銀時計組」というのは無いけれど、役人の気持ちは昔のままである。) まぁ、狡猾な官僚から見れば、豪腕幹事長と呼ばれた小沢一郎や江沢民の傭兵だった二階俊博なんて、経済の基礎も解らぬ木偶の坊だ。(対日工作の責任者だった曾慶江なら笑みを浮かべて同意するだろう。それにしても、歴代の自民党幹事長はおぞましい。金丸信を筆頭に加藤紘一、野中広務、古賀誠、中川秀直、山崎拓、森喜朗、谷垣禎一と思い出しただけでも寒気がする。)
何はともあれ、権力者の「お役人様」に付き従って有名になろうとするのが、曲学阿世のタカリ屋で経済学を生業とする大学教授だ。彼らは“お座敷”に呼ばれる藝者と同じで、旦那衆(高級官僚)から“お呼び”がかかれば、いつでも霞ヶ関に参上する。実質的には権威付けの道具にされるだけ、と判っているが、偉くなったような気分を味わえるので、ちぎれるほど尻尾を振ってしまうのだ。それに、気取った学者ほど権力に憧れてしまうので、評議員という魅力に抵抗できない。リベラル派を自認する学者ほど、「何とか委員会」というのが大好き。今回、武漢肺炎で疲弊した日本経済を再建すべく、政府は有識者会議を作ったが、「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーを見ると愕然とする。なんと、この会議の中には東京財団の研究員を務める“あの”小林慶一郎や大阪大学の大竹文雄教授が含まれているのだ。彼らは東北大震災が起きた後、復興増税を唱える東京大学の伊藤隆敏(いとう・たかとし)教授や伊藤元重(いとう・もとしげ)教授らに賛同した御仁である。両教授は「震災復興にむけての3原則」という提言書を発表し、この中で増税を掲げていた。まともな国民は言葉を失い、「えぇぇぇ〜、多くの人々が不幸のどん底にあるのに、新しい税金を拵えちゃうのぉ〜」と天を仰ぐが、権力に媚びた学者には赤い血が流れていないのだ。そこで、増税に関する彼らの言説を紹介したい。
消費税は、資本も労働も、生産意欲を減退させにくい税であるから、経済成長に与える影響が軽微である。消費税を5%から10%に引き上げることで、現在の消費税収入を倍増させるとして、毎年約10兆円程度の収入増になる。消費増税は、消費意欲を減退させ、景気後退を招く、という批判がある。しかし、2つの意味で、この批判はあたらない。第一に、復興のための政府投資、民間投資がおこなわれるために、来年度は投資拡大が予想されている。消費が減退しても、投資拡大で、総需要としては相殺されるので景気悪化にはつながらない。第二に、消費税率の引き上げ後には、消費が落ち込むということが知られている。しかし、それは数ヶ月で回復するはずだ。
この説明を読んだ商店のオバちゃんや工場のオヤジさんは、どう思うのか? おそらく、「えっ、これって本気で言ってるの?」と驚くだろう。渋谷で遊んでいる女子高生ならともかく、自分の店を切り盛りしている経営者は、こんな“セールス・トーク”に騙されない。個人商店のオヤジは、赤字になっても公的補助なんか貰えないから、日々、厳しい競争に曝されながらも絶え間ない努力で乗り切ろうと頑張っている。(財務省や経産省のボンクラ官僚は、岡野工業の岡野雅行社長みたいな苦労人を見習え ! ) ところが、永田町や霞ヶ関には、国民搾取しか思いつかない愚連隊ばかり。日本社会を転覆したい民主党は、大震災を口実に復興増税を実現し、左翼が求める「脱原発」にも応じていた。(というより、共犯者だから仕方がない。) これにより、日本各地の自然が破壊され、無駄な太陽光パネルが設置されると、電気料金に「再エネ発電促進賦課金」が上乗せだ。従うしかない個人や中小企業は、重税に苦しみながらも必死で堪えている。だが、この「悪法」は2040年くらいまで続くというから恐ろしい。「エルム街の悪夢」だって約二年で終了だったのに。(米国では1984年に劇場公開され、日本では1986に公開された。)
安倍政権は国民搾取の「鞭打ち」と判っていながら、財務省と御用学者の言葉を信じて消費税を二度もアップ。伊藤隆敏や伊藤元重は握手を交わしてガッツポーズだ。今さら呆れてもしょうがないけど、東大の教授って、ホント「碌でなし」が多い。だいたい、消費税を上げたことによる景気低迷が、「数ヶ月」で回復する訳ないじゃないか ! 実際、消費税をアップしたら、見る見るうちに消費が低迷し、日本経済は奈落の底へと急降下。慌てた政府は、あれやこれやと全て武漢肺炎のせいにしているが、1月から3月期のGDPを調べてみれば一目瞭然。前年比で0.9%減、年率換算で3.4%のマイナス成長だった。したがって、消費増税が原因であることは明らか。ところが、もっと恐ろしいのは、4月から6月期に現れるGDP増減率である。只でさえ普段の仕事が止まっているんだから、個人の住宅購入とか企業の設備投資が増えることなど有り得ない。 新車の販売数なんか本当に悲惨だ。4月の国内販売台数(登録車+軽自動車+商用車)を見ると、トヨタが9万4318台(前年度同月比−20%)、ホンダが4万5006台(−19.5%)、ダイハツが3万6539台(−26.8%)となっている。
そもそも、津波や地震で日本経済が大打撃を受けたのに、復興税を創設して更に国民を苦しめるなんて前代未聞だ。いったい、東大教授は何を考えているのか? 歐米の先進国ではとても考えられない。ところが、我が国には伊藤隆敏教授に賛同する学者がゾロゾロいた。伊藤教授は自分の研究室ホームページで賛同者のリストを載せているから、誰でも彼の「仲間」を知ることができる。ここで、賛同者が寄せたコメントの幾つかを紹介したい。
清水 順子 (専修大学) 2011年5月25
日々将来を担う大学生に講義をしている身として、震災国債を乱発して将来世代に 増税のツケを回してはいけないことを痛感しております。今こそが増税の必要性を 誰もが認め、覚悟を持ってそれを受け入れることのできる絶好の機会だとも考えております。また、電力削減手段の一つとして、CO2の排出権取引のように、市場の力を導入して 電力消費権をやり取りするという案も大賛成です。
川ア 健太郎 (東洋大学) 2011年5月25
「将来世代にツケを回さない」=「復興財源が増税」という経済学の示す「原則」が、広く国民に受け入れられるため、その説明責任が「政治」にあることは明らかです。現政権には、その責任を十二分に果たすことを切に願います。
大来 洋一 (政策研究大学院大学) 2011年5月26日
「増税は不人気」なのですが、最近では国民も復興のためなら受け入れる、という人が 多いように思います。義捐金と同じだ、と説得すれば容易なのに、政治家は何をおそれているのでしょうか。
もう、スリッパで頭をひっぱたきたくなるが、日本の大学教授なんて、いくら試験秀才でも判断力は小学生以下だから、何を以て叱られているのか解らない。まさしく、蛙のツラに小便だ。ところが、自尊心だけは一丁前だからホント始末に悪い。ただし、彼らよりもっと悪質なのは、役人上がりの大学教授である。例えば、大阪大学教授や東京大学の客員教授、中央大学法科大学院の特任教授を歴任した森信茂樹(もりのぶ・しげき)は、特に酷い。現在、彼は東京財団政策研究所の研究主幹を務めているが、元々は財務省の官僚である。森信氏は武漢肺炎で疲弊した日本経済を分析し、政府がどのような経済対策を実施すべきか、世間に提案していた。しかし、その内容を庶民が読むと「えぇぇっ〜、こんな頭をしているのぉぉ〜」とビックリする。森信氏は言う。
経済対策として、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」などは消費減税を提唱している。しかし、対策の緊急性、消費に与えるインパクト(経済効果)から考えれば、消費税減税より給付金で対応する方が、はるかに効果がある。消費税をひとたび減税すると、引き上げる時期を巡って政局になり、無駄な政治駆け引きやエネルギーが浪費される。消費税率の5%から10%への引き上げが、法律の成立した2012年8月から19年10月まで2度の延期とそのたびの選挙で、合計7年の年月を要したことは記憶に新しい。将来につけを回すような対応ではなく、最大限の経済効果を発揮する対策に限定すべきだ。(森信茂樹 「コロナショックには『消費減税』をしてはいけない4つの理由」 PRESIDENT Online、 2020年4月1日)
さぁぁ〜すが、元財務官僚 !! 「消費減税、絶対反対 !」とは・・・・。まぁ、せっかく上げた消費税率を下げるなんて、何が何でも赦せないんだろうなぁ〜。森信氏は「無駄な政治的駆け引き」が繰り返され、「エネルギーが浪費される」と懸念しているが、それは国民の利益じゃなく、財務省の“利権”を考えての心配だろう。なるほど、 消費増税を巡っては、二度の延期とその都度の選挙があったから、元役人の考えでは合計7年の歳月を“浪費”したことになる。たぶん、森信氏は「アホな国民が7年も反対したから、俺達は大変な苦労をしたんだ !」と言いたいんだろう。彼は消費税を下げないため、様々な「問題」を列挙し、それとなく屁理屈を捏ねていた。氏曰く、
第1に、即効性の問題である。消費税を減税するには、経過措置の規定など多くの改正法案作成作業が必要となる。補正予算を組むだけで対応できる給付金と比べて、はるかに時間を要する。また事業者の経理システムの改修、タクシーなどの認可制料金や郵便料金のような公共料金、診療報酬や介護報酬などを再設定する必要があるので、準備に少なくとも3カ月以上を費やすことになるという問題がある。
第2に、減税までの消費の手控え、元に戻す際の駆け込みなど、余分な経済変動、不安定化が生じる。
第3に、新型コロナ問題が広がる中で、経済的な被害の少ない方がおられる。例えばIT事業などを行っている高所得者、大企業正社員、公務員、年金生活者など、所得に関する限りほとんど打撃がないと思われるが、消費減税をすれば、彼らにも恩恵が及ぶ。一般に消費税は逆進性があり、低所得者には負担がきついといわれるが、それは所得に対する消費税負担の割合のことを言っている。しかし消費税は消費額に対して比例的にかかるので、高所得者が車やマンションなどの高額商品を買えば、金額ベースの負担額は大きい。逆に言えば、今回消費税を5%引き下げるという手段をとった場合には、車やマンションなど高額商品を買う高所得者ほど減税額が大きくなる。つまり消費税減税は、お金持ちほど優遇されるということになる。これは財政資金の使い方としていかにも無駄といえよう。したがって、そのような効果をもたらす消費税減税という選択肢はとるべきではない。後述するような、生活困窮者への助成に集中的に回すことができる対策手段を講じるべきだ。
もう、読み続けるのが厭になるけど、森信氏が如何に消費減税を反対しているのかだけは解るだろう。彼は消費減税をすると、メルセデス・ベンツを買うような金持ちだけが得をするから、吉野家の牛丼で満足する庶民には「ご利益」が薄いのであぁぁ〜る、と嘯(うそぶ)く。でも、西友やイオンで食料品や衣料品を買う平民は、毎回毎回「余計な消費税」を取られて大変だ。例えば、ボーナスを減らされた家庭の主婦がヤマダ電気に行って、電子レンジと炊飯ジャーを購入し、その合計金額が10万円だったとする。しかし、こうした庶民は勘定を払う時、レジ係の店員から“別個”に1万円を請求されて、思わず「アッ !」と真っ青になってしまうのだ。高級官僚は「当然だ」と言い放つが、庶民にとって1万円札というのは貴重だぞ。クレジット・カードのポイントを貯めて「何を貰おうかなぁ〜」とウキウキしている平民は、給料が上がらないのに「なぜ消費税が1万円もするんだ !!」と激怒している。
以前、当ブログで述べたけど、消費税を導入した竹下内閣の頃、筆者は馴染みの散髪屋に行って、床屋のオッちゃんに「3%なんて序の口だよぉ〜。大蔵省の役人は将来的に28%くらいを目指しているんだから」と話したことがある。でも、床屋の主人は「そうなんですかぁ〜? そんなに上げられたら困っちゃいますねぇ〜」と笑って答えていた。確かに、消費税が30%なんて信じられないが、高級官僚は庶民の暮らし向きなんかに興味は無い。有るのは省益のみ。事務次官の岡本薫明(おかもと・しげあき)を始めとする財務省のお偉方は、「健全財政」を目指して、ひたすら増税路線にまっしぐら。下界の住民がいくら反対しようかお構いなし。もし、しつこく抵抗するなら、「年々、社会保障費が増大するから、それをカバーするためにも財源の確保が重要です。みなさん、病気になった時や老後の生活が心配でしょう。また、子供に負担を掛けないためにも、今、増税に賛成して国の借金を無くしましょう」、と脅しをかける。恐怖心を煽って大衆を動かすのが役人の手口だ。
こうした役所の脅迫に、大震災やウイルス騒動が加われば鬼に金棒だ。一般人というのは感情に左右されやすいから、疫病とか不況で動揺すれば理性を失い、仔犬のように何でも言うことを聞く。役人にとったら国家的悲劇は「天佑」と思えるくらい、増税を実現できる絶好のチャンスだ。そして、こうした大増税の下地を均(なら)すのが、役所に飼われた御用学者の務めである。さっそく、東京財団の小林慶一郎や一橋大学教授の佐藤主光(さとう・もとひろ)が発起人となって「緊急提言」を発表した。ここにも、伊藤元重や森信茂樹が賛同している。この緊急提言では「感染拡大の抑止」とか「長期的な産業構造変化の促進」が盛り込まれているが、刮目すべきは「経済的インパクトの軽減」であろう。小林・佐藤の両名は次のように述べていた。
家計への支援として消費税の減税を主張する向きがある。しかし、緊急時において重視すべきは(不要不急なものを含む)消費への補助ではなく、最低限の生活が確保できるような収入への支援であろう。家計の所得の急減を補償するためには選択的な現金給付が望ましい。(「経済政策についての共同提言 新型コロナウイルス対策をどのように進めるか?」 2020年3月18日)
伊藤氏と佐藤氏は、国民救済のために特別給付金の配布を提言するが、消費税の引き下げやゼロ%への誘導には反対のようだ。どうして日本経済を苦しめる消費税を撤廃しようとしないのか? 武漢ウイルスの蔓延で世界恐慌になっているんだから、少しでも消費意欲を喚起すべきなのに、給付金を“ちょこっ”と与えて「終わり」なんて、あまりにも酷いじゃないか。普通の日本人は、病気でグッたりした猫ちゃんを元気づけるために、毎日、高価な「チャオチュール」を“ご褒美”にして、「早く良くなってね !」と願うのに、財務官僚や御用学者ときたら、ビーフ・ジャーキー1本で誤魔化そうと謀っている。政府与党の議員も財務省には逆らえないから、地元の有権者に「どうか御理解ください」と頭を下げて、こっそり舌を出す。
でも、霞ヶ関のお役人様は冷酷無情で、プライマリー・バランスの実現へとひた走る。彼らは財政出動に不満で、所得保障の如き“余計”な支出は大嫌い。国民に甘い餌を与えたら、クルっと表情を変えて、ヤクザ並に脅しをかけ、「この落とし前はつけてもらうぞ ! 必ず武漢増税に賛成してもらうからな !」と凄む。もし、このまま安倍総理が続投となれば、またもや財務省に屈服するかも知れないし、万が一、安倍政権が総崩れとなり、岸田文雄に総理の椅子が禅譲されれば、財務省は万々歳だ。「身内」の岸田が総理大臣になれば、首相官邸と財務省は表裏一体となる。岸田じゃ日本版のトマス・クランマー(Thomas Cranmer)かウィリアム・ロード(William Laud)だ。(クランマーはヘンリー8世治下のカンタベリー大司教で、ロードの方はチャールズ1世に仕えた大司教。) まぁ、菅義偉や石破茂が総理大臣になっても同じだから、日本の未来は非常に暗いと言えよう。
ちなみに、東京財団の「研究者」リストを覗くと、曰く付きの面々がゾロゾロいる。例えば、日本の政治を分析して米国に報告するジャラルド・カーチス。通産官僚上がりで元外務大臣の川口順子、NHKが贔屓にするアメリカ政治の専門家と称する久保文明、支那人に擦り寄る高原明生、左巻きで有名な政治学者の北岡伸一、復興増税に賛成した土居丈朗など、色々な意味で豪華なメンバーだ。この東京財団は独自の政策を提示するシンクタンクと称しているが、その財政的基盤は日本財団から来ている。日下公人や曾野綾子を「看板」にした日本財団といえば、会長の笹川陽平が直ぐ目に浮かぶ。この笹川氏は慈善活動に取り組む一方で、矢鱈と反日活動にのめり込んでいた。彼は支那人と自衛官の交流を促進したり、日比混血児を支援して日本国籍を取らせたり、と様々な社会活動をしている。慈善家という仮面の下に何か別の顔があるんじゃないか、と疑うのは筆者だけだろうか。(ここでは詳しく述べないが、笹川氏の行動には胡散臭い点が多々ある。)
話を戻す。昔、ユダヤ人社会学者のジェルジュ・コンラッド(György Konrád)が言っていたが、知識人というのは常に自分と結びついた特殊利害を持っていて、彼らの利益にっとて都合の良い知識を「至高の知識」とか「普遍的価値」にして吹聴するそうだ。おそらく、諮問委員会のメンバーになった小林慶一郎や大竹文雄は、学者としての信念を貫くより、役所への忠誠心を優先したのかも知れない。確かに、財務省を敵にまわして在野の知識人で終わるより、権力の蜜にタカって有名になった方が得である。大学教授というのは「蛹(さなぎ)症候群」という病に冒されており、「早く蝶(長)になりたい」と望んでいる。つまり、どんなに下らない有識者会議でもいから、「委員長」とか「座長」になると殊のほか喜ぶ。何しろ、政府の“お招き”を受ければ、世間から「うわぁぁ〜、すごぉぉ〜い!!」と称讃されるし、テレビ番組に出演すれば両親や親戚から拍手喝采だ。女房や子供だって「お父ちゃん、やったね !」とVサイン。褒められた本人だって気分がいい。これは教授の女房も同じだ。亭主が花形学者になると、教授の奥様は上機嫌。見栄張りが集まる婦人会に行けば、“わざと”「うちの主人は今、政府の仕事で忙しくて・・・」と愚痴をこぼし、皆の前で鼻高々となる。
大学という「楽園」に暮らす経済学者には「失業」という恐怖は無い。だから、一般国民が消費税の続行や新増税でどれだけ苦しもうが、お構いなし。「努力して乗り越えないさい!」と説教して終わりだ。産経新聞の田村秀夫や政策工房の高橋洋一会長たちは、消費増税に憤慨して財務省や御用学者を批判するが、もしかしたら財務省の中枢には単なるアホじゃなく、日本経済を縮小させようとする「確信犯」がいるのかも知れないぞ。つまり、この確信犯は外国勢力の手先になっており、わざと国益に反する経済政策を宣伝しているということだ。なるほど、財務官僚には省益を第一に考える連中が多い。でも、彼らの中には「善良な役人」を装った裏切者が潜んでいる。過去には、大東亜戦争を仕組んだ近衛文麿や風見章のような極悪人もいたから、外国人に飼われた犬がいてもおかしくはない。日本には防諜組織が無いから、上級のスパイや工作員、あるいは官僚組織に陣取る日本人エージェントの摘発はほぼ不可能だ。日本人は経済分野の問題を経済評論家ばかりに尋ねるが、国家の経済政策は時として軍事・外政の分野に跨がっているから、謀略戦の視点からも検証すべきである。財務省の中には、徴税ばかりに夢中になる「鮫」もいるけど、その一方で金や女で釣られた「鯛」が泳いでいるのかも知れないぞ。
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