大手ジム営業中止で “成果報酬”激減…個人レッスンは壊滅 コロナ感染恐怖 倒産の現場
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2020/04/10 日刊ゲンダイ
休館になったスポーツジム(C)日刊ゲンダイ
新型コロナウイルスの勢いが増している。政府の外出自粛の要請は、飲食店や小売店に大きな影響を及ぼしたが、これより先に打撃を受けたのがスポーツジムだ。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を下船した静岡県の60代男性が、下船直後にスポーツジムを利用したとの報道が流れた3月1日以降、全国のスポーツジムは臨時休業や会員減の荒波に揉まれている。
大手ジムは集団感染防止のため、3月上旬からヨガやエアロビクスなどのスタジオプログラムの実施を取りやめた。さらに、施設のある自治体内で感染者が出た場合や、外出自粛が要請されると、3日から2週間の臨時休館措置を取り、施設の営業を全面中止している。大手各社は、休業分の会費返金や退会対応にも追われている状況だ。
インストラクターと会員が一対一で相対するパーソナルトレーニングの業界でも、自粛の流れは早くから広がった。集団感染とは遠いイメージのあるパーソナルジムだが、ある運営大手は、ジムを予定通り訪れる会員が大幅に減り、会員が設定した目標達成に応じて支払われる“成果報酬”が見込めなくなった、という。
目標達成に応じて払われる“成果報酬”とは、たとえば、利用者が3カ月で5キロ痩せたら、スポーツジムに30万円の報酬、というものだ。この“成果報酬”は、意外に多い。
「インストラクターにはアルコール消毒やマスク、そしてトレーニング中の会員との接触についても指導している。でも、ジムというだけでひとくくりにされている」と運営大手の担当者。
同社は対応策として、目標設定期間を、2カ月の場合は3カ月に、3カ月の場合は4カ月以上に延長した。さらに、食事管理なども利用者が自宅からスマートフォンなどで相談できる態勢を取った。会員を引き留めるために、必死に企業努力している。
「会員さんにとっても、相当額の入会金を払って入会した以上、目標は何としても達成したいはずです。こんなウイルス問題で目標を諦めてほしくない」(前出の担当者)と見えぬウイルスに対抗している。
一方、個人経営レベルの小さなジムは、対策を取りたくても取れないもどかしい状況が続く。都内のレンタルスペースで、ボクシング教室を運営する男性講師は、外出自粛要請が出た3月下旬以降も、教室の運営を続けている。1回当たり5〜10人が参加枠だ。生徒らの「通いたい」との熱い要望だけでなく、教室を停止すると自らの生活にも支障を来す切実な問題もあるからだ。
「当面はこの状況で続けるしかない。集団感染のことを考えると本当は自粛が良いことかもしれないが」と、男性講師は複雑な表情。
運営資金が潤沢な大手に比べて、個人経営の零細ジムは数回の休みが命取りになる。先の見えない外出自粛の“トンネル”に、インストラクターたちの表情は暗い。 =つづく
(東京商工リサーチ情報部)
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スポーツジム
個人レッスンまで壊滅
クルーズ船の影響が・・・
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