【京都市長選挙】庶民の税金で金持ちが潤う 地方と永田町の政治構図は同じ
https://tanakaryusaku.jp/2020/02/00022310
2020年2月2日 21:40 田中龍作ジャーナル
共産、れいわ推薦の福山和人候補のマイク納め。この日も相乗りを批判する立憲支持者のプラカードがあった(写真・奥)。=1日、河原町 撮影:田中龍作=
「皆さんの生活が苦しいのは皆さんの責任やない。税金が正しく使われていないからやないですか」…
京都市長選挙最終日のマイク納めで福山和人候補(弁護士=共産、れいわ推薦)は、聴衆に語りかけた。
生活保護訴訟などを通じて貧困の実態をよく知る福山ならではの訴えだった。「1%と99%の戦いですね?」と田中が問うと福山は大きく頷いた。
庶民は背骨が折れるほど重い税金を払わされているのに、その税金は金持ちをさらに豊かにするために使われている、というのだ。庶民は貧乏になる一方だ。典型のひとつに観光開発がある。
京都市政は外国人宿泊者数300万人(年間)を目指す。当然のごとくホテル誘致に勤しむ。
東・西本願寺の門前町として栄えた下京区はホテルやゲストハウスの建設ラッシュに沸く。
立憲支持者の大半が共産・れいわ推薦の候補に流れた。バツが悪かったのか。それとも相乗り批判を恐れたのか。福山哲郎・立憲幹事長は自公・立憲陣営の開票センターからコソコソと逃げるようにして姿を消した。=2日、中京区のホテル 撮影:田中龍作=
町家と細い路地が続いていた家並みは、コンクリートの箱で寸断された。古都の下町は無残な姿をさらしていた。
「ここら辺はかつて石を投げれば呉服屋や仏具屋に当たった。今は石を投げればホテルに当たる」。界隈で生まれ育った大学の非常勤講師はこう語り、肩をすくめた。
ホテル建設の需要で地価が上がる → 固定資産税が上がる → 相続税が払えない → 家(土地)を売って出ていく → 土地はホテルやゲストハウスとなる → 地価が上がる・・・悪循環だ。
マンションの家賃も上がったため庶民は住めなくなってしまった。相次ぐ小学校の統廃合が事態を象徴している。前出の非常勤講師は住み慣れた下京から郊外に脱出した一人だ。
統合後の小学校に設けられた投票所に一票を投じに来た有権者に話を聞いた。
年金生活者の女性(70代)は、今なお取り壊されずに済んでいる長屋に暮らす。「ホテルはここまで必要なのか?(行政は)何を目指してはんのやろ?」「(それより)福祉が良くなってほしい」。表情は穏やかだったが、一気にぶちまけた。
自公に立憲が乗る相乗りについて聞くと「政党が違うのにくっ付いてんのはおかしい」と首を傾げた。
国民民主の泉健太議員は自公陣営の開票センターにいるのに、福山哲郎・立憲幹事長の姿はなかった。=2日、中京区のホテル 撮影:田中龍作=
自営業の男性(60代)はさらに辛辣だ。「固定資産税が上がった。払っても払っても税金の払いに追われる。そこに消費税。すごく住みにくい」。こう憤った男性は現職の多選について「これ以上やるのは良くない」と首を横に振った。
30代の男性(自営業)は「町を壊したのは現職だ。市長と議会は利権のアヤトリをしているだけ」と吐き捨てるように言った。
ホテル開発やゲストハウス建設で地元の業者にカネが落ちるのならまだしも、そうではない。ホテルは東京の業者が運営し、工事業者は竹中工務店だったりする。ゲストハウスの所有者は中国人だったりする。
京都の街中にはもう住めない。最近は地下鉄が伸び交通の便が良くなった滋賀県に移り住む人が少なくない。
自公と立憲は人々の暮らしよりも東京や海外の資本が潤う政治を優先している。京都は特殊ではない。
京都と同じ政令指定都市の横浜でも、立憲は自公相乗り候補の林文子を応援した。三期目の林は中学校給食の代わりに配達弁当を推し進め、カジノ誘致をゴリ押しする。市民にとっていい事は何もない。
野党第一党が与党の補完勢力となって、庶民を苦しめる永田町の政治と同じである。(敬称略)
〜終わり〜
京都市長選 福山和人氏による最終演説で、立憲のプラカードを持った支持者が多数集まり、選挙戦はさらなる熾烈な争いに!! 京都市長選 無所属 福山和人候補 街頭演説(三条河原町)2020.2.1
当確は出たけれど…
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) February 2, 2020
新記事『【京都市長選挙】庶民の税金で金持ちが潤う 地方と永田町の政治構図は同じ』https://t.co/YTf6GedtNT
共産、れいわ推薦候補のマイク納め。この日も相乗りを批判する立憲支持者のプラカードがあった(写真・奥)。=1日、河原町 撮影:田中龍作= pic.twitter.com/Xte9qoeYaw
新記事『【京都市長選挙】庶民の税金で金持ちが潤う 地方と永田町の政治構図は同じ』https://t.co/YTf6GedtNT
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) February 2, 2020
共産、れいわ推薦候補のマイク納め。この日も相乗りを批判する立憲支持者のプラカードがあった(写真・奥)。=1日、河原町 撮影:田中龍作= pic.twitter.com/VtN4FZYh4Q