開き直り? ゴーン「人質司法」批判を認めた法務省の本音
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2020/01/24 日刊ゲンダイ
先進国の刑事司法の考え方は「取り調べは言い分を聞くための場」/(C)日刊ゲンダイ
これでは「人質司法」を認めたようなものだ。保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告が長期勾留を批判し、海外メディアからも日本の司法制度を疑問視する声が出ていることを受け、21日、法務省が反論する解説をホームページに掲載した。
<我が国の刑事司法について、国内外からの様々なご指摘やご疑問にお答えします>と題したページはQ&A形式で、設問数は14。たとえば、<日本の刑事司法は「人質司法」ではないですか>との問いに対しては、<日本の刑事司法制度は、身柄拘束によって自白を強要するものとはなっておらず、「人質司法」との批判は当たりません>などと説明しているほか、<長期の身柄拘束が行われているのではないか>との問いには、<日本における身柄拘束の期間は必要かつ合理的なもの>などと回答している。
見逃せないのは、<日本では、なぜ被疑者の取調べに弁護人の立会いが認められないのですか>との問いに対する答えだ。
<被疑者の取調べに弁護人が立ち会うことを認めるかについては、刑事法の専門家や法律実務家、有識者などで構成される法制審議会において、約3年間にわたってこれらの問題が議論されました。そこでの議論では、弁護人が立ち会うことを認めた場合、被疑者から十分な供述が得られなくなることで、事案の真相が解明されなくなるなど、取調べの機能を大幅に減退させるおそれが大きく、そのような事態は被害者や事案の真相解明を望む国民の理解を得られないなどの意見が示されたため、弁護人の立会いを導入しないこととされた経緯があります>
弁護人が立ち会うと、なぜ、被疑者から十分な供述が得られないのか。なぜ、真相が解明されなくなるのか。この回答では、立ち合いを認めない理由がさっぱり分からない。それでは、弁護人の立ち合いを認めている米国や英国、フランスでは真相が解明されていないのかといえば、そんなことは決してないだろう。
「日本の検察は供述証拠を重視し、それを真相解明のモデルにしてきた。弁護人の立ち合いを認めた場合、そのモデルが崩れると考えているのでしょう。立ち合いを認めたら、確実に立証レベルが下がると考えているわけです」(元検事で弁護士の落合洋司氏)
つまり、法務・検察は従来型の捜査手法をいまさら切り替えられないと“白状”しているわけだ。しかし、それでは「検察ストーリーに沿った自白の強要」と「風を吹かす(リーク)」という問題点はいつまで経っても改善されないことになる。
元最高検アドバイザーで、新宿さきがけ法律事務所の山下幸夫弁護士(東京弁護士会)はこう言う。
「法務省は『有罪証拠の自白をとるために取り調べをしていますよ』と認めているわけですが、今の先進国の刑事司法の考え方は、取り調べは言い分を聞くための場であり、有罪の証拠を得るための手続きではありません。(法務省の見解は)世界的には通用しないと思います」
開き直り? ゴーン「人質司法」批判を認めた法務省の本音
— eiga323秋津島信 (@eiga323) January 24, 2020
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これでは「人質司法」を認めたようなものだ。保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告が長期勾留を批判し、海外メディアからも日本の司法制度を疑問視する声が出ていること・・・
「法務省は、有罪証拠の自白をとるために取り調べをしていますよ、と認めているわけです」
— まんぞう manzou (@manzou49640404) January 24, 2020
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