新年の野党の見解・詳報とは ?(下)
安倍政権を「終わり」にし、野党連合政権に道開く年に !
党旗びらき 志位委員長のあいさつ
枝野代表・玉木代表の見解は ?
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年1月5日より抜粋・転載)
以下は前2回の続きです。
◆安倍政権を「終わり」にして、新しい
希望ある政治に切り替える年に
政治のモラル破壊、内政・外交の破綻が行き着くところまできて、八方ふさがりの安倍政権が最後にすがっているのが憲法9条改定です。この間、野党の一致結束したたたかいと国民の世論によって、4国会連続で、安倍首相が狙った自民党改憲案の憲法審査会への提示を阻止してきたことは重要な成果であります。
しかし、安倍首相はなおあきらめていません。首相がただ一つブレずに執念を燃やしているのが9条改憲であり、数を頼んでの強行の危険性を私たちは絶対に軽視するわけにいきません。ここで手を緩めず、この企てに終止符を打つために全力をあげようではありませんか。
あらゆる問題で、国民のたたかいを広げに広げ、安倍政権を包囲し、今年――2020年を、「終わり」が見えてきた安倍政権を本当に終わりにして、新しい希望ある政治に切り替える年にしていこうではありませんか。(拍手)
歴史的党大会の成功、「党勢拡大大運動」の目標の総達成をかちとろう
第28回党大会――きわめて重要な、文字通り歴史的意義をもつ大会
安倍政権を倒し、野党連合政権をつくっていくうえで、日本共産党が自力をつけ、躍進することは、決定的に重要であります。
1月14日から始まる第28回党大会は、直面するたたかいの発展にとっても、中長期の展望に立って世界と日本の流れを見定め、党の発展方向を示すうえでも、きわめて重要な、文字通り歴史的意義をもつ大会となります。
16年ぶりに綱領が改定されます。綱領一部改定案は、世界情勢論を中心に行い、それとの関係で未来社会論の一部を改定するものですが、それは綱領の全体を21世紀の情勢の進展にそくして発展させる大きな意義をもつものとなっています。
一部改定案が示した中国に対する判断の見直し、核兵器廃絶、ジェンダー平等、貧富の格差の是正、気候変動の抑制などの現代の焦眉の課題、そして、「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道」との規定などに、注目と共感が広がっています。綱領一部改定は、綱領の全体に新鮮で豊かな生命力を吹き込むことになるでしょう。
第一決議案(政治任務)は、来たるべき総選挙にむけて、共闘の発展と、日本共産党の躍進という「二つの大仕事」をやり抜く方針を明らかにしています。
ここで私が強調したいのは、野党連合政権の実現を掲げて衆議院選挙をたたかうというのは、わが党の98年の歴史にとっても文字通り初めてのことだということです。かつて体験したことのない挑戦を行おう、その大方針を示しているのが第一決議案であります。
第二決議案(党建設)は、2022年――党創立100周年をめざす党建設の大方針を示しています。党建設をめぐる歴史的情勢を大きくとらえるならば、「日本共産党を除く」の「壁」が崩壊し、後退から前進に転ずる新しい条件が大きく広がっています。
党建設の現状は、一方で危機が存在しますが、他方でそれを前向きに打開する大きな可能性が存在しています。第二決議案は、このことを深く解明し、党創立100周年にむけた目標と方針を明らかにしています。
党大会決議案で、党建設を別建てにしたのは、わが党の歴史でも初めてのことですが、ここにいまわが党があらゆる知恵と力を集中して突破するべき死活的な課題があります。
全党の同志のみなさん。日本の前途にとっても、わが党の前途にとっても、文字通り歴史的意義をもつ第28回党大会を、全党の奮闘で必ず大成功させようではありませんか。(拍手)
◆「“隠れ共産党”宣言」から 「日本共産党入党宣言」へ
大会成功にとって最大のカギとなるのは、「党勢拡大大運動」を、全党みんなが力をあわせて必ず成功させることです。私は、この運動を成功させる条件は大いにあると思います。
3年前、2017年の党旗びらきで、私は、岡山大学名誉教授の小松泰信さんが、農業協同組合新聞(電子版)のコラムで「“隠れ共産党”宣言」をしたというニュースを紹介しました。
その数年前から選挙で共産党に投票していた小松さんが、安保法制やTPP(環太平洋連携協定)を強行する安倍政権に怒りを爆発させ、わが党の綱領をホームページで読んだところ、「農業を基幹的な生産部門として位置づける」と明記されていることを発見し、感動してコラムを執筆したといううれしいニュースでありました。
その小松さんが昨年8月、日本共産党に入党し、「日本共産党入党宣言」をされました。最後に小松さんの背中を押してくれたのは、小松さんの話に影響を受けた青森県の男性が、自分も「共産党員になって参院選をたたかいたい」と決意したことを伝える「赤旗」記事を見たことにあったといいます。
“人さまにこれだけ影響をあたえておいて、自分は入らないではおられない”。こういう思いで入党を決意されたとのことです。そのときに小松さんが詠んだ一首を紹介します。「魂が今だと叫び 背中蹴る 八月二十日 党籍を得る」という短歌ですが、啖呵(たんか)を切ったと申しましょうか(笑い)、すばらしい決意であります。
今話題のDVDがあります。とことん共産党「隠れ共産党宣言から入党宣言へ」であります。小松さんが「入党宣言」に至るドラマを、ユーモアたっぷりに語ったDVD(22分)です。各地で、「声をあげながら笑いが起こる面白さ」「出されたコーヒーを忘れるほど見入った」など歓迎されております。
ぜひごらんいただきたいと思いますが、このDVDを見て39人もの方が新たに入党を決意されたとのことであります。
とくに共感を呼んでいるのは、小松さんがDVDのなかで、「党に入ることは、組織に縛られることでなく、自分を律すること」と語っていることです。「小松さんの言うように、入党とは拘束されることでなく、羅針盤をもった人生を自ら選びとることだ」
――こういう共感が広がり、入党の輪が広がっていることは、本当にうれしいことであります。
小松さんに、そうした全国の入党の動きをお知らせして、感想をお聞きしたところ、次のようなメッセージを寄せてくれました。ご紹介します。
「各地の『集い』におじゃました時、職場でいじめられた経験、家族・親族の不理解など、入党をめぐる苦闘について語る方もおられました。入党の重さというか、私もタイミングなどいろいろあって悩みや迷いがなかったかというとウソになるし、一人ひとりにとってためらいを乗り越える、重い決断があったと思います。
党員の生き方をつらぬくことの重みを実感しました。そんな中、教員の先輩の党員が、『よく突き抜けてくれたね』と声をかけてくれました。急に出てきた私が『入党宣言』で目立つことになり、申し訳なく思っていましたが、『私たちが突き抜けられなかったことをやってくれてうれしい』と言われた。これはうれしいことでした。
『後悔はないのか』とも聞かれますが、実にさわやかな気分です。『後悔』の文字はありません。ただ、間違いなく言えるのは、一人でも多く党員を増やす必要があるし、日々の『赤旗』をきちんと読む必要があるということです」
そして、こう結ばれています。「1月から日曜版の配達を開始します。1人の党員として、新しい年、『宣言』した以上のことをやるつもりです」(拍手)
小松泰信さんは、50代後半から共産党に投票するようになったとのことですが、党との組織的つながりがあった方ではありません。それが情勢の激動の中で党綱領に出あい、「隠れ共産党宣言」を行い、さらに「日本共産党入党宣言」を行い、さらに「赤旗配達宣言」を行った。
そのことが、日本共産党に人生の進路を託そうと真剣に考える多くの人々の背中を押し、新たな仲間を広げている。みなさん、このことは、日本共産党がいま大きく前進し、発展し、飛躍する可能性があることを、生きた形で証明しているのではないでしょうか。
(拍手)
四国の保育園支部の経験――ともに学び、ともに成長する姿勢で、強く大きな党を
もう一つ、紹介したいのは、全国各地で、大会の第二決議案が示す法則的な活動によって、「大運動」の目標を達成した支部が次々に生まれていることです。
四国のある保育園支部は、昨年9月に「赤旗」読者になった20代の職員に働きかけ、12月に党に迎え、目標を達成しました。今大会期、この支部は20代〜40代の6人を党に迎え、党員を10人から15人へと1・5倍にしています。
この支部では、3年前の2017年に、20代の党員が党も職場もやめてしまったことから党員拡大への自信を失っていたといいます。
ところが、県委員会主催の保育関係党員会議で、若い世代を党に迎えてきた別の支部から、「党員を迎えてこそ職場は変わる」「党員拡大に三振はない。信頼関係が深まる」と励まされ、保育や労働組合で頑張り、入党者を広げてきたとのことです。支部で中心になっている方から次のような話が寄せられました。紹介します。
「大会の第二決議案が提起した『一人ひとりの党員の初心と可能性が生きる党』へ、『楽しく元気の出る支部会議』、とくに元気の出る支部会議の努力を大事にしてきました。そのために、話をよく聞くこと、背中を押して励ますことに心がけています。保育は、命を守り育てる仕事で、しんどいことがたくさんあります。
それをさらけ出して話し合い、必ず変えられると励ましあっています。支部は『笑顔』と『元気』がモットーです。学ぶことも、保育士として成長することもあきらめない――そのことを絶えず自分に言い聞かせています」
第二決議案は、「一人ひとりの党員の初心と可能性が生きる党になろう」「ともに学び、ともに成長する姿勢で、入党を働きかけよう」「『楽しく元気の出る支部会議』の努力を発展させよう」と呼びかけていますが、この精神でコツコツと粘り強く取り組むことこそ、党を大きくする大道であることを、四国の保育園支部の経験は教えているのではないでしょうか。
「党勢拡大大運動」の期限は1月末です。年始めからスタートダッシュして、すべての支部と党員が立ち上がり、党大会を跳躍台としつつ、1月末までに「大運動」の目標の総達成に挑戦しようではありませんか(拍手)。さらに、2月以降も、支部が主役で、末広がりに運動を発展させ、党員と「しんぶん赤旗」の3割増で党創立100周年を迎えようではありませんか。(拍手)
◆大激戦の京都市長選挙―― 全国からの連帯と支援を訴える
最後に、一言訴えたいのは、党大会直後、1月19日告示、2月2日投票でたたかわれる京都市長選挙で、市民の共同予定候補・福山和人さん勝利をかちとることであります。
このたたかいは、市民の暮らし第一の京都市政をつくり、まち壊しにストップをかけ京都の歴史と文化を守るたたかいであるとともに、京都から日本の政治を変えるたたかいであります。今年初の全国的意義をもつ重要な選挙になります。
大激戦で必ず勝利をかちとるため、全国からの連帯と支援を心から訴えるものであります。(拍手)
以上をもって年頭にあたってのあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)
(参考資料)
○「日本政治が大きく転換し始めた年。転換していくのが立憲民主党の責任・役割」
枝野代表
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2019年12月26日より抜粋・転載)
Q:IRをめぐり秋元司議員が逮捕されたことの受け止めと、今後カジノに関してどういう構えで対応していくのか ?
枝野代表: カジノに関しては、反社会的勢力がこれを悪用、利用するのではないかを含め、従来からやるべきはないと一貫して申し上げており、国会でもそういう対応をしてまいりました。
進めていた人間自体が反社会的勢力だったいう問題だと思っていますので、カジノの正当性そのものが根底から覆った問題として、年明け以降もしっかりやっていきたい。
安倍内閣の副大臣としての職務権限に基づく疑獄事件でありますので、政府として総理や官房長官が明確に見解を示されるべき。
○【茨城】「政治に緊張感を取り戻す」
玉木代表が水戸市で街頭演説
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2019年12月26日より抜粋・転載)
玉木雄一郎代表: 演説の中で玉木代表は「自民党は、安倍政権となってから弱者への『惻隠(そくいん)の情』をなくしてしまった。必要なのは分断ではなく、統合の政治だ。国民のことを第一に考える政治だ」と今の自民党政治を批判。「国民民主党は、働く者、納税者の立場に立つ。正直で、偏らない政治を実現するために、仲間たちと力を合わせて頑張っている」と、党への支持を訴えた。
さらに玉木代表は「桜を見る会」の問題や自民党に所属していた現職議員の逮捕にも言及しながら、「政治には緊張感が必要だ。政党が切磋琢磨し、お互いどうすれば国民の生活が良くなるかを考え、政策で競い合う。国民にもう一つの選択肢を示そうと結党したのが国民民主党だ」と主張した。
政治に今一度、緊張感を取り戻し、政策本位の論争を行う、あるべき姿に変革すべきだと訴えた。