もはや国難 少子化対策を20年続けても成果出ない深刻事情
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2019/10/17 日刊ゲンダイ
女性活躍推進という最も大切な観点が…(C)日刊ゲンダイ
「国難とも呼ぶべき少子化に真正面から立ち向かってまいります」
第200回国会で安倍晋三首相は、こう所信表明で述べた。わが国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム(1947〜49年団塊世代)期に約270万人、第2次ベビーブーム(71〜74年団塊ジュニア世代)では約210万人あった。
ところが、75年には200万人を割り、2016年には100万人を切った。そして、19年には90万人を割ると予想されているのだ。これは団塊ジュニア世代以降、わずか半世紀経たずに半数以下に出生数が減ったということだ。
第1次ベビーブーム期に4・3を超えていた合計特殊出生率(女性が一生の間に産む子供の数)は、直近の18年は1・42(厚生労働省人口動態統計)まで下がり、人口置換水準(人口が維持される水準)の2・07を大きく下回ったのだ。
この国難を政府は黙ってみていたわけではない。94年には共働き家庭の育児支援などを盛り込んだ「エンゼルプラン」をスタート。男女共同参画、育児介護休業法など、数々の女性活躍推進を目指した少子化対策に国を挙げて20年以上も続けてきているのだ。内閣府少子化対策関連有識者委員で、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子アナリストが言う。
「政府の少子化対策は結局子育て支援が中心で、未婚化対策の支援ではなかったんです。適切な時期に子供を産み育てることが可能な、女性活躍推進という最も大切な観点が欠落していました」
厚労省人口動態統計(19年6月7日公表)によると、18年に生まれた子供の数は91万8397人と前年同期比2万7668人減った。子を産んだ女性の年齢が44歳以下の各年齢層で減少し、30〜34歳は33万4906人と1万人以上減少、25歳から29歳では23万3754人と約7000人も減っているのだ。
少し前(14年)の数字だが、大学教授や企業経営者からなる民間組織「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)の人口減少問題検討分科会は、出産に適した20歳から39歳の女性の人口を推計した。それによると、40年時点で全国約1800市区町村のうち約半数の896市区町村で、20歳から39歳の女性人口が5割以上減少。その時点までに人口1万人を切る自治体が523に上る「消滅可能性都市」になると指摘しているのだ。
人口減少日本に課題を突き付けた「未来の年表」著者の河合雅司氏が言う。
「出生率を変えるのは、子供を一人でも多く産める環境に変えられるかです。仕事を持つ女性は働き方も収入も男性社会中心の仕組みの中で働いています。そこで女性に子供をもっと産めと言っても無理な話。育児と仕事、介護も含め、男女同じような働き方の選択肢が増える社会の仕組みに変えていかなければ、少子化の流れは止まりません」
日本はいま、国難の危機が加速している。
(ジャーナリスト・木野活明)
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2019年10月16日
対策を20年続けてとあるが、ほんとか?何もやってないの間違いでは?
— tomi3 (@tomi_all) 2019年10月17日
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— 吉川 幸男 (@FP_Yoshikawa) 2019年10月17日
ニッセイ基礎研究所 天野馨南子 談『…適切な時期に子供を産み育てることが可能な、女性活躍推進という最も大切な観点が欠落していました』