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専門家に聞いた 首都圏・大阪のタワマン“水没危険”エリア
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/263469
2019/10/18 日刊ゲンダイ
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停電と断水が続く武蔵小杉のタワマン(17日)/(C)日刊ゲンダイ
台風19号で浸水した川崎市の武蔵小杉の47階建てタワーマンション(タワマン)は今も停電、断水が続いている。富裕層人気に支えられてきたタワマンは近年、自治体の都市開発計画などを利用しながら首都圏や大阪などで乱立してきたが、今回の武蔵小杉のケースによって、水害に対する脆弱さが露呈した面は否めない。武蔵小杉と同じように水没危機が高いタワマンエリアはどこか――。専門家に聞いた。
■低地のタワマンに要注意
武蔵小杉の場合、近くを流れる多摩川の水位が大雨で上昇し、タワマンの排水管に川の水が逆流。地下3階にある電気設備が浸水の影響を受けたために停電したという。
つまり、大量の雨が降った場合、たとえ堤防の決壊を逃れたとしても、河川の水が逆流してくるような低地が危ういということだ。そこで住宅ジャーナリストの榊淳司氏に、水害が懸念されるタワマンエリアを聞くと、首都圏では武蔵小杉に近い下丸子のほか、川口、南・北千住、浅草だという。
近くに荒川が流れる埼玉県川口市。かつては浸水しにくい自然堤防上に住宅が立ち並ぶ一方、低い湿地帯は水田が広がっていた。ところが、東京圏のベッドタウンとして人口が増加し、湿地帯の宅地開発化が加速。タワマン建設も進んだという。荒川は国の浸水被害想定でも約126万人に影響が及ぶとされる地域で、低地のタワマンは要注意だ。
荒川と隅田川に挟まれた北千住や、隅田川に近い南千住、浅草は、地形がフラットで水がたまりやすいため、水害の危険性があるという。
■大阪は中津、北浜
大阪では、淀川に近い中津、大川沿いの北浜にタワマンが並ぶ。海からは離れているものの、やはり低地という点で要警戒だ。
「人気先行で拡大を続けてきたタワマンですが、今後、洪水対応が重要なポイントになるのは間違いない。ディベロッパーは止水対策や、万一の浸水に備えた対応を消費者に示すことが求められる。既存のタワマンも、補修するなどして対策を講じていくことになると思います」(榊淳司氏)
不動産経済研究所が17日発表した今年度上半期(4〜9月)の首都圏(1都3県)マンション発売戸数は、前年同期比21・7%減の1万1996戸。上半期としてはバブル崩壊後の1992年度以来、27年ぶりの低水準で、タワマン人気の陰りがマンション不況に拍車を掛けることになるかもしれない。