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2019年10月15日09時00分 〜
記事 [政治・選挙・NHK266] 台東区のホームレス排除は憲法違反だ(植草一秀の『知られざる真実』) 
台東区のホームレス排除は憲法違反だ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-927c99.html
2019年10月15日 植草一秀の『知られざる真実』


日本国憲法に次の条文がある。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

台風19号の襲来に際して、台東区が設置した避難所に避難した路上生活者が台東区の職員によって利用を拒絶された。

台東区は通常の避難所とは別に、外国人観光客や日本人の帰宅困難者のために東京文化会館を解放したが、路上生活者は東京文化会館の入り口付近に、塀で囲まれている箇所があり、そこに避難したが、台東区の職員から移動するようにと告げられ、避難を拒絶された。

テレビではNHKが「命を守る行動をしてください」と繰り返し叫んでいた。

史上最大級の台風が東京を直撃した。

屋外にとどまることは命の危険に直結する。

台東区職員が示した行動は人間性が疑われる行動だ。

世田谷区は同区と神奈川県との境を流れる多摩川の河川敷に住んでいる路上生活者(ホームレス)の人たちに対し、事前にチラシを配って台風と避難所の情報を知らせた。

対応に天と地の開きがある。

台東区長は自民党の区議、都議を経て区長に就任した服部ゆくお氏。

世田谷区長は社会民主党国会議員を経て区長に就任した保坂展人氏である。

どちらの対応が正しいのかは明白だ。

台東区の対応は憲法違反である。

日本国憲法前文は、

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

と明記している。

また、

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

の条文も置かれている。

台東区の服部区長の対応は、安倍内閣の基本姿勢と通じる。

安倍首相は国会質疑で、「生活保護は権利である」ことを認めなかった。

「生活保護」は生存権を守るための制度であり、この制度を利用することは国民の権利である。

ところが、安倍首相は生活保護を「権利である」と明言せず、多くの地方自治体が生活保護の利用を極力抑制する行政運営を行っている。

路上生活者が生命の危機に直面し、避難所を訪れても、これを排除するのは安倍内閣の冷酷な対応と平仄を一にする。

日本国憲法第25条は、すべての国民に、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障している。

台風襲来の際に、命の危険が生じ、避難所を訪れた国民に対して、避難所の利用を拒絶することは、日本国憲法第25条に反する違憲行為である。

そもそも「路上生活者」をこの状態に放置していることが憲法第25条に抵触する。

日本の政治をどう変えるべきか。

何よりも重要なことは、国家がすべての国民に保障する最低ラインを引き上げることなのだ。

そのための具体的施策が、最低賃金の大幅引き上げであり、最低保障年金の引き上げ、生活保護制度の是正だ。

生活保護制度利用の要件を満たしているのに生活保護制度を利用できていない国民が8割以上を占めている。

利用要件を満たす人に対する実際に利用している人の比率を捕捉率という。

日本の生活保護制度捕捉率は国際比較上も極めて低い。

国民が権利としての生活保護制度を利用しにくい「空気」が作られている。

日本の主権者は「弱者を排除・差別する政治」を選ぶのか、それとも、「生存権保障によって弱者をなくす政治」を選ぶのか。

問われているのは私たち主権者の判断でもある。







関連記事
<台風19号>「人命」より「住民票」? ホームレス避難所拒否で見えた自治体の大きな課題〈AERA〉
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/436.html




http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/469.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 二階「まずまず」発言の責任/政界地獄耳(日刊スポーツ)<黙殺する官邸も同罪、本来なら更迭が筋!>
二階「まずまず」発言の責任/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910150000076.html
2019年10月15日8時12分 日刊スポーツ


★「とにかく人命第一」と首相・安倍晋三が言うものの、13日に台風19号の緊急役員会で自民党幹事長・二階俊博は「予測に比べると、まずまずに収まった感じですが、それでも相当の被害が広範に及んでいる」と発言した。会議後には「日本がひっくり返るような災害と比べたら、という意味で、1人亡くなっても大変なことだ」と言い訳の予防線を張った。

★この物言いは党内でも眉をひそめる発言だろう。高いところから国民を見下ろす殿様の思いだろうか。恐怖や不安、情報過疎に陥った被災者、固唾(かたず)をのんで台風が過ぎ去るのを待った人たち、消防や警察、自衛隊の不休の努力と政治はこんなにかけ離れてしまったのか。自民党は時たま、要職の人物がこんな無神経な発言を繰り返す。ただ今回はそれをたしなめる幹事長の発言となれば、ことは重大、国民はなめられたものだ。

★その二階派で復興相を務めていた今村雅弘は17年4月4日、東日本大震災の自主避難者に対し国に責任はなく自己責任だと発言。同25日の二階派のパーティーであいさつし、この震災に対して「(発生場所が)東北で地方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な被害があった」と発言。1時間半後に官邸から事実上更迭された。

★趣旨は通じるとか前後の文脈を見ればと擁護する人もいるかもしれない。だが政治家だ。政権与党の幹事長や閣僚の発言だ。揚げ足ではない。権力者としてのたしなみの話をしている。その場で適切な言葉を使い分ける生業(なりわい)だからこそ、失言は大きな責任が伴うのではないか。こういった国民を突き放す政治が二階派、ひいては二階自身の価値観なのだろうか。この発言を黙殺する官邸も同罪だが、本来なら更迭が筋だろう。(K)※敬称略










http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/470.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 死者数百名になる ゼネコン逃げるな! 

※画像補足 台風による大雨で増水、氾濫した千曲川。中央下の堤防が決壊した
=長野市穂保で13日午前8時15分、本社ヘリから 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20191014/ddm/001/040/158000c


死者数百名になる ゼネコン逃げるな!
http://blog.livedoor.jp/pat11/archives/51976477.html
2019年10月15日 自民党的政治のパンツを剥ぐ

これが当たり前だ

@ゼネコン=建築土木組織上部に
A安倍政権が
B機能発注する

内容は

a戸別衛生復旧
b孤立死者発見管理
cダム〜下流応急処置

もちろん
出来高精算だ

ゼネコン上部は 各ゼネコンに
現死者確認数 河川被災規模 浸水戸での規模で ゼネコンに分担させる
@福島18A神奈川12B宮城10C栃木4D群馬2E埼玉2F静岡2G岩手2
H長野2I茨城2千葉・・

***

神戸大震災では 各ゼネコンは
神戸対策本部を本社機能上部におき 復興させた

今回は 
@1階に集中する 汚水
A道路寸断され 孤独死の恐れ
B死者確認困難 

****

こんなこと 安倍政権はやるのが当たり前なのに
首相は家に帰り ぼや〜としてしまう
なんなんだ この政権は

こわいのは
企業ボランティアをヘタにすれば 村八分になると
自治体からの発注がくるまで 知らん顔

自治体は 安倍政権の消費税だの 5輪だの 放射能だの心配で
大げさ御法度
結局グチャグチャ





http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/471.html

記事 [政治・選挙・NHK266] れいわ新選組・山本太郎の研究 トリックスターか、令和日本の革命児か(文藝春秋) 



 文藝春秋10月号 9月10日発売
拡大→http://img.asyura2.com/x0/d9/23878.png


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http://img.asyura2.com/x0/d9/23890.png


http://img.asyura2.com/x0/d9/23891.png





















http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/472.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 山本太郎「パワポ5万ページのプレゼン」反・消費増税、反・安倍自民。東京新聞・望月記者と白熱討論 11日発売の月刊誌プレジデント
7月の参院選では比例代表で約228万票を獲得した、れいわ新選組代表の山本太郎。
自身は落選したが、特定枠で重度障害者2人が当選を果たした。
なぜ、多くの国民は彼の言葉に動かされたのか。
東京新聞・望月衣塑子記者がその秘密を探った。


プレジデント2019年11/1号
https://presidentstore.jp/category/MAGAZINE01/011920.html




PRESIDENT(プレジデント)2019年11/1号(「嫉妬」の黒い心理学) 雑誌 – 2019/10/11
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B07Y98NXSL/asyuracom-22



http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/473.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 台東区“避難所ホームレス排除”に賛同する差別的主張が…ウーマン村本は「納税での選別」思想を真っ向批判(リテラ)
台東区“避難所ホームレス排除”に賛同する差別的主張が…ウーマン村本は「納税での選別」思想を真っ向批判
https://lite-ra.com/2019/10/post-5027.html
2019.10.15 台東区ホームレス排除で跋扈する差別にウーマン村本が反論

    
    台風対応を告知する台東区ホームページ


 台風19号により全国各地で避難指示・避難勧告が出されたが、そんななか東京都台東区が、避難所でホームレスの受け入れを拒否するという信じがたい対応をとり、問題になっている。

 これは、路上生活者支援などをおこなう団体「あじいる」が、10月12日にツイッター、ホームページなどで報告し明らかになったものだ。「あじいる」のホームページによれば、上野駅や東京文化会館周辺で野宿者たちに食料やタオルを提供するとともに、台東区が設けていた自主避難所への避難を呼びかけていたところ、ひとりの男性が「その小学校に行ったけど、自分は●●に住民票があるから断られた」と消沈した様子で話したのだという。

 区の告知には住民票のことなど書かれておらず、驚いた「あじいる」スタッフが避難所に行き確認したところ、現場にいた区の職員は「住所の無い人は利用させないようにという命令」を受けていた。さらにその場で、台東区長が本部長となる台東区災害対策本部にも問い合わせたところ、「台東区として、ホームレスの避難所利用は断るという決定がなされている」という返答があったという。

「あじいる」スタッフは、ツイッターでも、こうした台東区の対応について〈事実上、台東区の災害対策は、ホームレスを排除しています。〉と批判した。

 実際、台東区の対応はまさに指摘の通りだった。避難所では名前・住所の記入を求め区内に住民票がないと答えたホームレスに対し「区民が対象」とし、受け入れを拒否。「区民が対象だから」とする一方で台東区は、区民ではない帰宅困難者や外国人旅行者向けの一時滞在施設も複数設けていたが、ホームレスの人たちをそちらへ案内することもしなかったという。

 しかも受け入れを拒否された79歳の男性が、「Buzz Feed」の取材に明かしたところによれば、一時滞在施設となっていた東京文化会館の入り口付近の壁に囲まれた場所に避難していると「ここは避難場所の入り口なのでここにはいないで下さい」と、施設付近から強制的に排除されたのだという。

 台東区は「差別ではなく、住所不定者をどうするかとの観点が抜けていた」などと釈明しているが、旅行者や帰宅困難者との対応の差を見れば「区の住民票の有無」など建前にすぎない。そもそも台東区には山谷もあり、ホームレスの存在が抜け落ちていたなどという言い訳は明らかにごまかしだ。

 台東区は、明らかにホームレスを差別し、排除したのだ。命の危険に関わる緊急事態のさなかに、ホームレスであることを理由に避難所から排除するというのは憲法25条で保障されている生存権の侵害であり、命の選別という究極の差別だ。到底許されるものではない。

 しかもこの差別方針は、混乱した現場担当者の偶発的不手際などではなく、区としてあらかじめ正式に決定していたもので、確信犯だ。「あじいる」スタッフの告発を受け、台風がまさに接近中だった12日に多くの人が抗議の声をあげたが、台東区がそのホームレス排除の方針を変更することはなかった。

■台東区へのグロテスクな賛同であふれかえったヤフコメ欄

 すべての人命を守るべき行政により公然と命が選別された。それだけでも深刻な事態だが、さらに暗澹とさせられるのは、この台東区の対応を擁護・支持する声がネットにあふれていることだ。

 たとえば、この経緯を報じたニュースのヤフコメ欄にはこんなコメントが並んでいる。

〈もし自分が避難所に避難して、狭か限られたスペースの中、横に路上生活者の人が来たらすごく嫌だし、安心して眠れない。〉

〈現実問題として避難所内でも事故や事件が発生します。偏見や差別ではないと思っていますが、身元が不確かな方がいると、やはりハイリスクと考えざるをえません。〉

〈なんだかんだ言っても、周りに路上生活者の人がいると安全面、衛生面、精神面で不安が生じると思います。
役所の人は避難している住民の方の気持ちを代弁してくれた、というように感じました。
普段は国民の3大義務を放棄しているのに、有事には権利を主張することに違和感を覚えます。よって私は区役所の方の行為に賛成します。〉

〈受け入れのキャパシティの問題があるのなら義務(就労、納税)を果たしている人を優先するのは仕方ないのでは?
税金を払ってるのに払ってない人のせいで行政の支援を受けれない方が問題だと思う〉

〈実際は身元もはっきりしない浮浪者を地域住民と一緒に収容するのは防犯上も問題があると思う。衛生面においても。〉

〈非情な意見だが住民登録があり、きちんと税金を払っている人が優先的に避難所を利用できる様にすべきであり、権利があると思う。
人命も大事だと思うが、人命という大義名分がまかり通るならホームレスで避難があふれる。
ちゃんと税金も納め、頑張っている人が利用出来ずにバカを見る世の中にはなって欲しくない。〉

 念のために言っておくが、これはひどい意見をわざわざ選んでいるわけではない。台東区の対応を批判する声はほとんどなく、「受け入れ拒否は当然」と、むしろホームレスの人や支援団体のほうを非難する声ばかり。

 ここは本当に近代民主主義国家なのだろうか。「ホームレスの人がいると衛生や防犯が心配」などという剥き出しの差別心を公の場で発露することになんの躊躇もない人間がこんなにたくさんいるとは、近代民主主義国家どころか差別大国としか言いようがない。

■ウーマン村本「税金は払える人が払えばいい。誰であっても見捨ててはいけない」

 こうした差別心を正当化しているのが、「税金を払っていないから当然」というトンデモ論理だ。

 基本的人権というのは、税金を納めた人にだけ与えられる特権などではなく、納めている税金の多寡や就労の如何にかかわらず、すべての人に保障されているものである。公共サービスを受けることは納税の対価ではない。ましてや、今回は史上最大級の台風が直撃し人命に関わる事態だ。税金の多寡つまりは収入の多寡によって、命の選別がなされていいわけがない。たとえば、避難所のキャパシティに限りがあるからといって、納税額や収入の高い者から順番に受け入れ、収入の低い者は切り捨てられると言われて、納得できる人などいるのだろうか。

 税金を払っていないホームレスに避難所を使わせる必要はないというこうした意見に対して、ウーマンラッシューアワーの村本大輔がこんな正論をツイートしていた。

〈ホームレスを区が受け入れないのは税金を払ってないからというツイートをみた。おれは高い税金を払ってる。それは税金を払えない人の分も負担させてもらってる。だから社会ってのは税金を払ってない人もいていい場所。税金は払える人が払えばいい。社会は誰であっても1人も見捨ててはいけない。〉

〈税金を払えない人たち、その身内が心苦しくなるような空気を作るな。アホ。〉

〈このツイートでおれのことを偽善者というやつがいる。偽善綺麗事は余裕あるやつが言えばいい。言えないやつは余裕ができてからでいい。お金、心、余裕があるやつが配ればいい。ないやつは出来た時に配ればいい。誰も悪くない〉

〈生まれたときから障害を持って親に捨てられてホームレスになった人もいる。彼は死んでいいのか?おまえもおれもいま稼いで税金払ってるのはたまたまな。明日交通事故にあって動けなくなって社会が見放したときに何を思う。色んな人がいる。もちろんおまえみたいな考えも。それはそれでいい。〉

■排除はホームレスだけじゃない! 日本の避難所は海外に比べあまりに劣悪

 国民の命と安全を守ることは近代国家の最低限の責務だ。税金を納めた者だけが享受できる特権ではない。しかし、現実にはこうした正論は全く届かず、税金を払っていないというだけで攻撃され、被災したホームレスや貧困者が行政から見殺しにされても自業自得、そんな差別思想がまかり通るようになった。

 いや、排除されているのは、ホームレスだけではない。この国では、被災者全体が十分な保護や保障を受けられられず、放置されている。

 たとえば、ホームレスが排除されたその避難所一つとってもそうだ。日本人は体育館でお風呂も入れずプライバシーもなく雑魚寝状態で寝泊まりすることを当たり前のように受け入れているが、国際基準で考えれば、こんな避難所しか用意されていないということ自体、ありえない。

 弁護士の大前治氏は「現代ビジネス」で、日本の避難所の生活環境が、海外の避難所にくらべて、かなり劣悪であることを指摘している。

〈日本と同じ地震国であるイタリアでは、国の官庁である「市民保護局」が避難所の設営や生活支援を主導する。2009年4月のイタリア中部ラクイラ地震では、約63,000人が家を失った。これに対し、初動48時間以内に6人用のテント約3000張(18,000人分)が設置され、最終的には同テント約6000張(36,000人分)が行きわたった。
このテントは約10畳の広さで、電化されてエアコン付きである。各地にテント村が形成され、バス・トイレのコンテナも設置される。
ただし、テントに避難したのは約28,000人であり、それより多い約34,000人がホテルでの避難を指示された。もちろん公費による宿泊である。
(「現代ビジネス」2018年7月10日)

 これはイタリアだけが特別被災者にやさしいというわけではなく、日本の避難所が国際基準以下、難民キャンプ以下なのだという。

〈災害や紛争時の避難所について国際赤十字が提唱する最低基準(スフィア基準)は、次のように定めている。
・世帯ごとに十分に覆いのある生活空間を確保する
・1人あたり3.5平方メートルの広さで、覆いのある空間を確保する
・最適な快適温度、換気と保護を提供する
・トイレは20人に1つ以上。男女別で使えること
 これは貧困地域や紛争地域にも適用される最低基準である。経済力の豊かな日本で、この基準を遵守できないとは思われないが、実際には程遠い。〉(「現代ビジネス」2018年7月10日)

■小泉政権で始まった自己責任論は安倍政権で自然災害被害者にまで広がった

 なぜ、日本ではこのような劣悪な環境が当たり前のように放置されているのか。そして、その劣悪な避難所にすら、「税金を納めている人間以外入れるな」というグロテスクな考え方が広がっているのか。

 背景にあるのは、明らかに小泉首相から始まり、安倍政権で拍車がかかっている新自由主義政策、そしてその政策が生み出した弱肉強食的な価値観と自己責任論だ。

 自由競争を野放しにして格差、貧困を広げる一方で社会保障を「自己責任」として切り捨てるこの方針は十数年で、様々な制度に反映され、国家が公的責任を逃れ、個人にすべての責任を押しつける傾向を助長させてきた。

 しかも、安倍政権はさらにそれをエスカレートさせ、生活保護受給者やホームレスだけでなく、自然災害の被災者にまで、自己責任を押し付けるようになっている。

 たとえば、昨年3月に内閣府防災担当が出した「避難勧告等に関するガイドライン改定」の冒頭に〈「自らの命は自らが守る」意識の徹底〉が謳われている。警報を出すが、出したあとは、自己責任でやってくれ、ということだ。

 また先月、福島県議会が、東日本大震災・福島原発事故での自主避難者に無償提供していた国家公務員宿舎からの退去を求め提訴する議案を可決したが、被災者をまるで“不法占拠者”のように扱うこの措置の背景にも政府・財務省の意向があったことがわかっている。

 これはおそらく、安倍首相の思想、体質がもろに反映されたものだろう。本サイトでも繰り返し指摘しているが、安倍首相は、大災害が起きても、平気でお友達と会食をしたり、ネトウヨネット番組に出演したりという、被災者をないがしろにする行動を繰り返してきた。そして、先の台風15号では関係閣僚会議も開かず、総理指示も出さず被害を拡大させ、今回の台風19号でも、13日夕方、まだ被害が拡大し、救出作業が続いているのに、とっとと私邸に帰り、ラグビー観戦。日本代表の勝利に大はしゃぎして、〈台風で大きな被害を受けた被災者の皆さんにとっても元気と勇気を与えてくれる〉などと、台風被害を過去のもの扱いするツイートを投稿した。

 何度批判されても迅速な災害対応がとれず、相変わらずこういう態度を続けているというのは、安倍首相自身が「自然災害も自己責任なのになんで国が面倒を見なきゃいけないのか」と考えているからだ。

■政権に乗せられた被災者、ホームレスへの攻撃は国民自身に返ってくる

 そして、こうした安倍首相の姿勢はその支持者に広く行きわたっている。今回の台風についても、安倍首相の支持者たちは、おそらく心の中でこう考えているはずだ。災害に耐えうる建物に住まないのが悪い。災害インフラの弱い地方に住んでいるのが悪い。ハザードマップを見れば危ないところだってわかるのにそんなことも調べずに住むのが悪い。引っ越さないのが悪い。

 誰もが都心の安全な場所の頑丈な建物に住むお金があるわけではない、ということも理解せず、「そのお金がないのは、本人の自己責任」「被災して生活が立ちゆかなくなるような資産形成しかしてこなかったバカや怠け者のために、なぜ税金を使わなければいけないのか」。それが彼らの本音なのだ

 だからこそ、台東区の避難所からのホームレス排除を「税金を納めていないのだから当然」などという声があんなに大量に湧き上がってくるのである。連中にとって、自助で生活を再建することのできない被災者は、“たかり”でしかないのだ。

 これはもちろん、安倍首相自身もそうだろう。安倍首相は今日の国会でホームレス排除についても問われたが、「各避難所では、避難した全ての被災者を適切に受け入れることが望ましい」などと建前的なことを、しかも「望ましい」という他人事な表現で口にしただけだった。

 こうした思想を持つ総理大臣が支配している以上、今後も「税金を納めていない人間」の排除はどんどん進むだろうし、避難所の生活環境が改善されることもありえない。それどころか、もし避難所の改善を訴えようものなら、「何を贅沢を言っているのか」と炎上し、避難生活を送る人たちに「普段の生活よりいい生活しやがって」「焼け太り」「税金泥棒」などの罵詈雑言が浴びせられることになるだろう。

 しかし、政権や富裕層にとって都合がいいだけのこんな詐術に乗せられて、弱者に刃を向け続けた結果、いったい何が起きるのか、国民はわかっているのだろうか。有名なニーメラーの警句ではないが、ホームレスを「自己責任」と断罪し「くさい」だの「怖い」だの差別心丸出しで攻撃している者も、次に災害が起きたときに切り捨てられるのは自分かもしれないことを肝に銘じておいたほうがいい。

(編集部)




http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/474.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 台風19号で断水 町の自衛隊給水支援に神奈川県が“待った”(日刊ゲンダイ)
 


台風19号で断水 町の自衛隊給水支援に神奈川県が“待った”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263282
2019/10/15 日刊ゲンダイ


神奈川県山北町は前夜から断水、町の交流施設も屋根まで土砂が(同町提供)

 首都圏を直撃した台風19号。断水が発生した神奈川県山北町で、到着した自衛隊の給水車に、県が「待った」をかけ、水が捨てられるという信じがたい事態が起きた。

 人口約1万人の山北町は県の最西端に位置する。丹沢湖があり、夏はバーベキュー客で賑わう。 12日夜、台風19号は神奈川県を直撃し、山北町で断水が起きた。町は、約20キロ離れた駒門駐屯地(静岡県御殿場市)の陸上自衛隊に「翌日(13日)、給水車を要請するかもしれない」旨連絡していた。13日朝4時に、自衛隊から「県知事から防衛相に自衛隊の派遣要請をする必要があります。町は県に依頼してほしい。自衛隊としては、給水車3台を午前6時に出発させます」と連絡があった。

 早速、町の防災課が県に依頼すると、マニュアルを盾に難色を示した。県のマニュアルによれば、自衛隊の派遣要請は、どうしようもなくなった時の最終手段だが、山北町の状況は該当しないというのだ。

 給水車3台は午前7時少し前に町に到着。県と町で押し問答が続いたが、県は最後まで首をタテに振らず、給水車3台の貴重な水は捨てられた。結局、県が別途手配した給水車は2台で、到着も13日の午後と遅れた。


県民不在(黒岩神奈川県知事)/(C)日刊ゲンダイ

町長「目の前にある水をなぜ捨てなければいけないのか」

 山北町の湯川裕司町長(67)が憤る。

「前夜から断水が発生していて、“どうしようもない状況”でした。午前7時に給水車3台が来てくれて、目の前に水があるのに、なぜ捨てなければいけないのか。いろいろと手続きがあるのは承知していますが、ケース・バイ・ケースで対応できないものか。県民が困っているのですから」

 県は13日午後1時40分、自衛隊に相模原市への派遣要請を出している。どうして、わずか数時間前の山北町の給水車に、県はかたくなに抵抗したのか――。湯川町長は「県には、町が余計なことをしたと見えたのでしょう」と言う。県を差し置いて、町が自衛隊と連携したことがおもしろくなかったのか。県は、県民の安全よりも、ちっぽけなメンツを優先させたのである。

「県の職員は威張るだけ。いざという時は他人事で何もしません」(神奈川県政担当記者)

 9月の台風15号では、千葉県の森田健作知事が登庁せず、初動対応も遅れた。

「森田知事は自民党ベッタリのタレント知事。神奈川県の黒岩祐治知事は、菅官房長官に知事にしてもらったような人です。二言目には“官邸とのパイプ”をアピールし、省庁や市町村は無視して好き勝手やっています。菅長官さえ押さえておけば身分は安泰とタカをくくっているのでしょう」(前出の記者)

 災害大国に、森田氏や黒岩氏のような住民不在のポンコツ首長は不要だ。



















http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/475.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 台風19号が襲来しても、国民の安否よりラグビー観戦を優先する安倍氏の幼稚な本性が露呈した:彼はなぜ、国民が怒っているのか理解できない!(新ベンチャー革命)
台風19号が襲来しても、国民の安否よりラグビー観戦を優先する安倍氏の幼稚な本性が露呈した:彼はなぜ、国民が怒っているのか理解できない!
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/4010801.html
2019年10月15日 新ベンチャー革命 2019年10月15日 No.2490


1.台風19号襲来で、国民が被災している最中、安倍氏は堂々とツイッターでラグビー戦のことを発信しているとは、なんと無神経か!

 ネット情報によれば、あの安倍氏は、台風19号の被害が深刻化しているというのに、あろうことか、彼の関心は、国民の被災ではなく、ラグビーの日本チームの勝敗の行方にあることが判明しています(注1)。

 なぜ判明したかと言えば、安倍氏の公式ツイッターで、そのことを堂々と発信したからです。

 このツイッターの文章を、安倍氏自身が書いたのか、その側近が書いたのかはわかりませんが、よくも平気で、こんな能天気なツイッターをアップするものです。

 ほんとうに、あきれてしまいます。

2.安倍氏の周辺には、長老の御意見番はいないのか

 日本国総理大臣の身分で、こんな無神経なことをするとは、この人はアタマがおかしいのかと、国民はみんな思います。

 本ブログでは、安倍氏をサイコパスと観ていますから(注2、注3)、
こういう奇異な行動もありなのかなと思います。

 安倍氏本人は、国民感情が読めないわけですから、彼にアドバイスする者がいなければ、彼は暴走してしまうのでしょう。

 今の安倍氏には、彼を諌める役の御意見番がいないのでしょう。

 これはこれで、今の安倍政権の中枢が、非常に危うい状態になっていることを意味します。

3.今の安倍政権に必要なのは、故・後藤田氏のような長老の御意見番

 今の安倍氏の周辺には、故・後藤田氏のような長老はいないのではないでしょうか。

 本ブログの見方では、安倍氏を傀儡化している米国戦争屋ジャパンハンドラーが、彼らにとってコントロラブルな安倍氏に変な入れ知恵されると困るので、ご意見番を徹底的に排除していると観ています。

 今、そのことが裏目に出て、安倍氏は多くの国民を怒らせているのです。

 さて、上記、後藤田氏は生前に、安倍氏には祖父・岸信介の血が流れているので、絶対に総理にしてはいけないと言っていたと言われています(注4)。

 この話はデマかもしれませんが、今の安倍氏の一挙手一投足を見れば、あの後藤田氏なら、いかにも言いそうな発言だと思わせます。

4.かつて、安倍氏の家庭教師だった平澤氏は、安倍氏から徹底的に冷遇されている

 政界には、かつて安倍氏の家庭教師をやっていた人物がいます、それは平澤氏です(注5)。

 しかしながら、安倍氏は平澤氏を徹底的に冷遇しています。

 このような安倍氏の対応は極めて幼稚そのものです。彼の性格を知っている政治家は、逆に、徹底的に安倍氏に対してイエスマンに徹しています。

 このザマでは、安倍氏が政権を握っている限り、国民はまったく浮かばれないということです。

 いまだに、安倍自民を支持する国民は、是非、再考願います。

注1:阿修羅“安倍首相が台風被害拡大の中「ラグビー」勝利に大はしゃぎツイート!「夜を徹して救助」命じながら自分は私邸に帰り試合観戦(リテラ)”2019年10月14日
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/467.html

注2:本ブログNo.2488『安倍氏は巨大台風19号襲来の前夜でも平気で高級仏料理を堪能:野党はサイコパス・安倍氏を国会で追及すべき!』2019年10月13日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3984167.html

注3:本ブログNo.2489『台風19号で国民が被災しても、馬耳東風の安倍氏:それでもなお、安倍自民党を支持できる国民は、安倍氏と同じ穴のムジナでしかない!反省すべき!』2019年10月14日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3999124.html

注4:togetter“後藤田正晴さんが「安倍晋三だけは総理にしてはいかん。ヤツには岸信介の血が流れている」と発言したという話はデマ”2018年5月3日
https://togetter.com/li/1223746

注5:社会科学者の随想“平澤勝栄家庭教師も成蹊大学の先生たちもお手上げだった安倍晋三君の教育問題、その知的水準に関する深刻な日本全国区的な迷惑事項”2016年5月20日
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1057592702.html




http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/476.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 予算委員会、見る方向が違うと真逆になる話。ネトウヨ界の「Dappi‏ 」と人物は野党が悪いと(まるこ姫の独り言)
予算委員会、見る方向が違うと真逆になる話。ネトウヨ界の「Dappi‏ 」と人物は野党が悪いと
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2019/10/post-f777d5.html
2019.10.15 まるこ姫の独り言


あまりに物事がさかさまになっていて訳が分からなくなる。

共産党、小池晃
>今日の会見で「15日から予定されている参院予算委員会は、野党各党と連携し、与党に開催の延期を求めます。これだけの大災害が起こったもとで、政府に対しては、災害対応に全力を集中することを求めます。政府は救命・救急活動、被災者の安全確保と復旧に全力をあげるべき局面です」と表明しました。

立憲民主党、福山哲郎
> 被災状況がひろがる中、本日、与野党国対委員長会談を開き、芝国対委員長から明日の予算委員会延期を申し入れましたが、残念ながら自民党は拒否しました。各閣僚は被災現場に赴くか、各省庁で指揮をとってほしい、と訴えましたが、聞き入れられず。

私も、今日参議院予算委員会が開かれると聞き、今までどんなに野党が要請しても開かれなかった委員会が、これほど早く開かれるのは何なのかと思っていた。

どうも野党は、災害状況が大きいので政府一丸となって災害対策に充てるように予算委員会の延期を申し入れたが、それが聞き入れられなかったと言う事のようだ。。

今の優先順位から言ったら、予算委員会より災害対策だと思うが、この政府は予算委員会が先だと。

あれだけ平時の時、予算委員会から逃げ回って野党が要請しても開かれなかった予算委員会が、有事の今、災害対策より優先して開かれる。

不思議だ。

優先順位から言ったら、災害対策であり、閣僚がその強い姿勢を見せる事だろうに。

と思っていたら、ネトウヨ界で有名人らしいが、「Dappi‏ 」と言う人物が政府のやっている事の真逆をツィートしている。

Dappi‏


無理矢理国会を開催しようとしているのは政権与党。

災害の足を引っ張っているのも政権与党。


森ゆう子の質疑の時になぜ今まで予算委員会を開かなかったのかと委員長に質していたが、理事の反対によって開けなかったと言っていた。

前回、野党が規則に基づき要求していた予算委員会は開催しなかったのに、今回は野党が延期を求めていたのに開催したという事だ。

それを「Dappi‏ 」と言う人物の野党が無理矢理に開催しようとしているというような印象操作は何なのか。

これですぐにつられてしまうネトウヨたち。

「野党は安倍首相叩きと国民が苦しんでる姿が好き」と言う人まで出てきてしまう。

大雑把に考えて、政権与党=権力者、野党=国民の代弁者と言う思考能力はないらしい

予算委員会で野党は、二階の「まずまず」発言に対して総理の見解を聞いていたが、それに対しても野党の揚げ足取りとか、いちいち突っ込む野党にも問題があるとの声を聞くが、安倍首相が国会で「厳重注意をする」と言えば収まる話じゃないか。

死んでも謝りたくない65歳児には困ったものだ。

ネトウヨたちには、野党は誰のためにあるのかと言う意識が欠落している。

権力者に寄り添って、野党を腐して自分の生活は良くなるのか。

アホだな。




http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/477.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 東京に寄港の中国海軍駆逐艦 台風見舞いで2カ国語の横断幕(日刊ゲンダイ)



東京に寄港の中国海軍駆逐艦 台風見舞いで2カ国語の横断幕
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263284
2019/10/15 日刊ゲンダイ


(中国の駐日大使館のツイッターから)

 台風19号に伴う災害派遣に注力するため、中止となった自衛隊観閲式に参加するため訪日した中国海軍のミサイル駆逐艦「太原」が14日、台風被害へのお見舞いのメッセージが書かれた横断幕を掲げて東京の晴海埠頭に入港した。

 横断幕には「台風被災心より御見舞、早期復旧心より御祈念」と中国語と日本語で書かれている。

 自衛隊観閲式は同日に神奈川県沖で実施されることになっていて、駆逐艦は中国海軍として初めて参加する予定だった。

 横断幕を掲げた駆逐艦の写真は中国の駐日大使館のツイッターに投稿され、日本人とみられる人たちが「ありがとう」「心遣いに感謝します」などと書き込んでいる。



台風19号 中韓から哀悼のメッセージ
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20191014-00000541-nnn-int
10/14(月) 22:19配信 NNN


動画→https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20191014-00000541-nnn-int

台風19号の被害について韓国の文在寅大統領が14日、安倍首相に哀悼のメッセージを送った。

メッセージの中で文大統領は、「多数の大切な人命が犠牲になり、莫大な経済被害が発生した」として哀悼の意を示した。その上で、「日本政府と国民が心を合わせ被害を早期に収拾し、被害を受けた日本国民が一日も早く平穏な日常を取り戻すことを心より祈る」と記している。

一方、中国外務省も14日、台風被害について「犠牲者に哀悼の意を示し、その家族や負傷者に対して心からお悔やみを申し上げる」とコメントした。また、「被災地と被災者ができるだけ早く通常の生活に戻ることを願っている」としている。


台風19号被害の日本に 韓国・文大統領がお見舞い(19/10/15)


韓国の大統領府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が台風19号で被害を受けた日本に向けてお見舞いのメッセージを送ったと発表しました。

 文大統領はメッセージのなかで、台風19号によって多数の犠牲者が出ていることに深い哀悼の意を表しました。そのうえで、「被害を受けた多くの日本国民が一日も早く平穏な日常を取り戻すことを心よりお祈りします」と記しました。メッセージは14日午後、外交ルートを通じて安倍総理大臣宛てに送られたということです。また、中国外務省の報道官は記者会見で、国営の新華社通信の記者の質問に答える形で「犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、犠牲者とそのご家族に心からお見舞い申し上げます」と述べました。





http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/478.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 食の安全保障を放棄する日米FTA 東京大学教授・鈴木宣弘(長周新聞)
食の安全保障を放棄する日米FTA 東京大学教授・鈴木宣弘
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13592
2019年10月15日 長周新聞


すずき・のぶひろ 1958年三重県生まれ。東京大学農学部卒業。農学博士。農林水産省、九州大学教授を経て、2006年より東京大学教授。専門は農業経済学。日韓、日チリ、日モンゴル、日中韓、日コロンビアFTA産官学共同研究会委員などを歴任。『岩盤規制の大義』(農文協)、『悪夢の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来』(KADOKAWA)、『亡国の漁業権開放 資源・地域・国境の崩壊』(筑波書房ブックレット・暮らしのなかの食と農)など著書多数。

◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇

これ以上国民の命と暮らしを生贄にしてよいか

 日米貿易協定(FTA)の第一弾が決まった。まさに「失うだけの日米FTA」だったことが明らかになっている。まず貿易自由化をめぐる現在地を確認したい。

 12カ国によるTPPは、「国論を二分」といわれる反対運動の成果が米国であらわれ、8割近い米国民の反対世論が大統領選の全候補にTPP離脱表明をさせ、最も強硬だったトランプ大統領がこれを破棄した。これでTPPは終わったはずだったが、日本は米国抜きの11カ国で昨年12月30日にTPP11を発効した。ここで日本は、米国が抜けたにもかかわらず米国を含めた12カ国に譲った枠をそのまま盛り込んでいる。米国のかわりにオーストラリアやニュージーランドが大喜びで日本にさらに安い農産物を送り込んでくる状況になっている。

 そうなれば当然、米国は「俺の分はどうしてくれる?」と黙っていない。だからTPP11と日米2国間貿易交渉(FTA)は最初からセットだった。日本政府は「TPP11発効は日米FTAを避けるためだ」と嘘を言ったが、実際には避けられないので早急に交渉を開始。そこで国民をごまかすためにFTAを「TAG(物品貿易協定)」という言葉に換え、日米共同声明の日本語訳やペンス副大統領の演説内容まで改ざんして「日米交渉はFTAでなくTAGだ」と言い張った。

 ところが日米貿易交渉がまとまった今、誰もTAGなどといわない。その場しのぎのごまかしのために適当につくった言葉だったということの証だ。「浅知恵、極まれり」である。

 TPP11で米国分も譲っているのだから、日米FTAでさらに米国に譲れば簡単に「TPP超え」になる。しかも今回は巨大なお土産つきだ。米中貿易摩擦の尻ぬぐいのために300万dもの飼料用トウモロコシを米国から買えと言われ、これを約束した。「トランプ親分が粗相をしたので、お尻を拭くのは日本でございます」という露骨な話だ。こんな恥ずかしいことは国民に説明できないので「虫のせい(害虫被害)」だといった。すぐバレるような幼稚な嘘で塗り固めて次に進めていく。

 さらに今年2月1日、EUとの自由貿易協定(EPA)を発効した。これはTPPが頓挫して格好がつかない官邸が「EUにはTPP以上に譲歩していいから早く進めろ」と成果を急がせ、喜んだEUの「チーズは全面関税撤廃で」という要求に「はい、わかりました」と答えた。欧州に対してもTPP以上の譲歩だ。TPP11と日米FTA、日欧EPAの三つを揃えたら、TPPをはるかに超える規模になっている。


日米貿易協定を合意した日米首脳会談(9月25日)

片務的な「つまみ食い」協定

 今回の日米FTA第一弾はどのように決まったのか? まさにトランプ大統領の選挙対策だ。自分がほしい牛肉、豚肉は「早く譲れ」といい、TPPで撤廃する約束だった自動車の関税撤廃はやらない。

 日本側は米国の合意内容の文書(譲許表)を隠して「自動車関税の撤廃は決まったが、そのスケジュールは明記されていない」と説明したが、署名後に出てきた米国側文書(和訳はせずに今も目に触れにくくしている)には関税撤廃そのものが「今後の交渉次第」としか書かれておらず、日本側の説明は完全な虚偽で、それを隠ぺいして国民をだまして署名してしまったことが明るみになった。このような虚偽と隠ぺいが許されてよいのであろうか。

 TPPで撤廃する約束だった牛肉の関税撤廃も米国はやらない。これも、日本からの和牛肉のわずか200dの輸出枠が拡大したかのように説明して、日本側はTPPよりも多くを勝ち得たと虚偽の説明をした。

 日本の輸入牛肉については、TPPで米国も含めて61万dという低関税の輸入枠を決めたが、FTAで米国に新たに24万dの枠をつけた。この「二重」のサービスでTPP超えになっている。しかも、枠を超えて高関税への切換え(セーフガード)が発動されたら、それに合わせて枠を増やして発動されないようにしていく約束もしていることが判明した。

 米国は、自国に有利なものはTPP基準以上でやらせ、都合の悪い約束はTPPでの約束を反故(ほご)にした。米国だけに都合のいい「つまみ食い協定」である。

 ただし、牛肉と同じように「二重の枠」が設定されるとみられていた乳製品(バター、脱脂粉乳)など33品目については今回米国にはなにもつけていない。「日本も頑張ったじゃないか」という評価があるが、ここにはちゃんと再協議規定がある。米国が自分がTPPで得るはずだったものを手放すわけがなく、とりあえずトランプ氏が関心のあるものだけを発表し、後は先送りにしているだけだ。

 そもそもTPP水準が大問題なのだが、これをもって「TPP水準でおさめた」と書く新聞も大間違いである。

 記者会見で日本の交渉責任者は、自動車関税撤廃の日米交渉について「日本は農産物のカードをすべて切ったので、もう交渉カードがないのでは?」との問いに、「カードはある。TPPでの農産品の関税撤廃率は82%だったが、まだ米国には40%も出していない」と答えた。つまり自動車輸出を守るために農業を差し出していくことを認めた。TPPで米国の量も含めて輸入枠を差し出しているわけだから、さらに今後33品目にも米国のために「二重」の枠をつくるということだ。

 今回、米国からのコメの追加輸入枠(7万d)がとりあえず回避されたのは、コメの主産州であるカリフォルニアが民主党の支持基盤だから、トランプ氏の関心外というだけの話だ。米国のコメ団体は15万dにしろと要求しており、再協議することになるだろう。コメについてはWTO枠77万dの輸入枠のうち「密約」枠36万dが米国にすでに毎年供与されており、そこに7万dを追加する新「密約」がおこなわれることも十分あり得る。

 日本が求めていた自動車や部品の関税は撤廃せず、協議の時期も明示していない。日本の対米輸出の四割が自動車と自動車部品だ。国際法では一方的に不利な状況をつくる差別的なFTAを原則禁じており、全品目を含めるのなら許すというのが国際ルールだ。だからいままでの貿易協定は9割の品目を含めるようにやってきたが、今回は自動車と部品を入れないことで6割を切っている。政府は「自動車と部品も関税撤廃された」とウソをついて米国の関税撤廃率を92%と発表したが、ここから自動車関連のシェア41%を引くと、実際は51%でしかない。これは過去に例のない低いレベルで、前代未聞の国際法違反にあたり、国会承認はできない。

 歴史的にふり返れば、WTOの前身であるGATTは、1929年の米国の大恐慌を発端として世界のブロック経済化と関税引き上げの報復合戦などの保護主義化が最終的に第二次世界大戦につながった反省を踏まえて1947年に締結された。つまりWTOの基本精神は、戦争の反省から生まれた無差別的原則にある。日米FTAは、戦争を防ぐために戦後の世界が築き上げてきた国際ルールを壊すことになる。

 そもそも米国が自動車に25%の追加関税をかけることが国際法違反であり、EUは「犯罪行為は許さない。WTOに訴える」と対抗しているが、日本は「犯罪者にお金をあげて許しを請う」てしまった。その結果、米国と一緒にさらなるWTO違反の犯罪行為に手を染めてしまった。これは国際貿易秩序を無茶苦茶にしていくことになる。

米国の余剰食糧の廃棄場に

 8月25日の日米首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領からうれしそうに「米国の余剰トウモロコシ数百億円分を買う約束について話してくれ」と促された安倍首相は「害虫被害があるので前倒し購入する」と応じた。年間輸入量(1000d)の3カ月分、275万d(約550億円)という膨大な量の購入が突然決まった。苦し紛れに「害虫被害があるから必要」といったが、農水省は「食害はほとんど起きていない」と認めた。その後「被害は確認できていない」と表現を変えたが意味は同じである。

 しかも、食害を懸念している日本の飼料用トウモロコシは葉や茎を青刈りして牧草のように家畜に与える粗飼料であるのに対し、米国から輸入するトウモロコシは実(粒状)の濃厚飼料だ。両者は用途が違うため単純に代替できない。

 8月8日に虫の食害が確認できたから25日に輸入を決めたというが、5月にトランプ氏が「参院選までは黙っておくが、選挙後の8月には大きな数字を発表する」とツイートしていたのだから、その時点で輸入が決まっていたと考えるのが自然だ。日本側は一生懸命その理由を探していたのだ。ところが後付けだからつじつまがあわない。

 「安い餌が入って畜産農家は助かるのでは?」という意見もある。だが、米国が日本にトウモロコシを売りつけるのは米国のシカゴ相場が下がっているからだ。日本に輸出することで米国のトウモロコシ価格を上げて米国の農家を救うのが目的だ。シカゴ相場が上がれば飼料コストも上がるから日本の農家はいい迷惑でしかない。

 民間が輸入するにしても一般の商社が対応できないとなると、今「潰すぞ」といわれている全農などが無理矢理に購入することになる。「日本に置いておく場所がない」となると、ニューオーリンズの全農グレインの施設にしばらく置いて、米国から直接アフリカなどの第三国に二束三文で売り払い、代金決済だけ全農でやる可能性もある。これは当事者にとっては大変な損失になる。

 それならトウモロコシからバイオエタノールを作るか、いっそのこと「米国からエタノールを買ったらどうか?」というのが有力案として浮上している。だがエタノールを買うのなら、あの虫は本当になんだったのか? という話になる。こういう幼稚な理屈がくり返されている。

 トランプ氏は「自動車25%関税」で脅せば日本が譲歩することに味をしめ、当面引っ込めても、また要求があればこれをちらつかせてくるだろう。日本側は「自動車25%関税」は回避できたというが、協定本文に「協定のいかなる規定も安全保障上の措置をとることを妨げない」と明記されている。これは、安全保障を理由にした自動車への25%の追加関税はいつでも実施できることを意味し、「追加関税は阻止できた」というのも虚偽である。逆に、「安全保障のために食料の国境措置は守る」とわが国も主張する気概が必要だ。

 8月25日の早い段階ではある新聞社の記者は「日本が約束したトウモロコシ輸入量は(300万dではなく)1000万dだ。政府高官の話だから間違いない」といっていた。「自動車25%関税」で何度も脅されて300万dを3年買えば、本当に1000万dになりかねない。まさに「底なし沼」だ。

 「前倒し購入」であって年間輸入量は変わらないという日本側の説明もあり得ない。それならトランプ氏と米国農家があれほど喜ぶわけがない。国内向けの稚拙なごまかしで平気でやり過ごそうとする姿勢が度を過ぎてきている。

 しかし、過去に日本が「勝ち取った」といえる日米交渉が存在したのかといえば、そもそも米国の占領政策として「コメを食べるとバカになる。小麦を食え」といわれ、「大豆、小麦、トウモロコシも全部米国から輸入して、人間も牛も豚もそれを食べて生きていけ。日本人は農業などするな。米国の余剰食糧の廃棄処分地なのだ」という政策の下で、小麦もトウモロコシも自給率がほぼゼロ%に近づくまで輸入している。

 人間も牛も「満杯」なのにさらに300万dねじ込まれる。戦後の占領政策の総仕上げといえる段階にある。

「とどめ刺せ」人事の農水省

 現在、経産省は独裁といっていいほど官邸で力を持っている。私が知る彼らの行動パターンは、自分たちの天下り先である自動車や鉄鋼、電力、石油業界の利益拡大のために食料と農業を差し出していく交渉スタイルでずっとやっている。だから国内では農業がいかに悪いかを徹底的に宣伝する。

 彼らにとって自動車への高関税や数量制限はこれ以上にない人質を取られたようなものであり、こうなったら国民の命を守る食料・農業を生け贄にして根こそぎ差し出そうという段階だ。



 一番影響が出ているのが酪農だ。前述三つの貿易協定による打撃のうえに、国内では生産者の共同販売が「不当な利益を得ている」といってやり玉にあげ、酪農協による生乳の共販を弱体化させる法改正をした。これは大手による買い叩きをしやすくするために農家をバラバラにするのが目的だ。中小零細の酪農家がまとまって大手と交渉するのは国際的な独占禁止法のカルテルからも除外される正当な権利なのに、日本だけがそれをやめさせる法律を作った。

 当然、牛乳の減産が加速し、一昨年の北海道のブラックアウトでは東京でも牛乳が消えた。これは一過性の出来事ではない。もう何かのきっかけで牛乳が店頭から消える段階にまで日本の食が蝕まれている。「安くなったから自由貿易バンザイ」という話ではなく、いざとなったら食べるものがないという状態をつくることを認識しなければならない。

 「これはやり過ぎだ」と官邸に進言した事務次官候補の農水省生産局長はクビになった。逆らう者はその場で処分される。人事権を握っている官房長官、副官房長官はやりたい放題なので農水省は身動きが取れなくなる。それを逆手にとり、起死回生をかけて官邸(経産省)への忠誠を誓った人物が事務次官になった。

 単純な「論功行賞」ではなく、農業を命や環境、地域、国土を守る特別な産業という扱いをやめて、官邸の「お友だち」にとって損か得かを基準にする。つまり日本の家族農業経営や農業関連組織に「とどめを刺せ」という人事だ。果ては農水省を経産省に吸収することまで考え始めている。だから彼は職員への就任の挨拶で「農水省を葬式に出すために事務次官になった」という信じがたい発言までしている。

 そして種子法廃止をはじめ、海や山を含めて地域で頑張っている人たちを潰して、そのビジネスとお金をむしり取るために法律を撤廃、改定し、新法まで作るという恐るべきことが進行している。

 その後、新事務次官にかわって変化が期待されたが、頑張ろうとする姿勢を示したとたん、10年以上前に握られていた2003年のセクハラ問題が週刊誌で報じられ、NHKはじめ全メディアの総攻撃にあって黙らされた。世の中は人事とカネと恫喝だ。それを天才的に使いこなすのが官房長官で、国会でウソの答弁をさせられた某財務省官僚には官邸機密費から2億円が流れたという話もある。ちなみに原子力の教授が6億円もらって福島原発事故のときにテレビで「大丈夫」発言をくり返し、大学の研究室に戻ると学生に「窓を閉めろ、東京も危ないんだ」といったという話もある。これが6億円の効果だ。

自由化で進む輸入食料依存

 地域農業は全国的にみると「限界集落」といわれるような農村地域が増えて農業が疲弊している。さらに5年、10年で高齢化が進み、後継者が育たなければどうなるか。この脆弱化した農業構造に自由化が加わる。この二つを加えた複合的影響が本当の影響だ。

 これらを考慮して計算すると、例えば牛肉の自給率は2035年には16%、豚肉は11%だ【表参照】。国産が1割台の時代になる。こうなると消費者は選ぶことさえできなくなる。国産を選ぶことができないことがなぜ深刻なのか。



 まず食の安全基準のさらなる緩和が進む。日米交渉でまず決まるのが、BSE(牛海綿状脳症)対策としての輸入条件の撤廃だ。米国産牛の月齢制限を20カ月齢としていたものを、TPPへの「入場料」交渉で30カ月齢にまで緩めた。今度は30カ月齢もやめなければならない。

 食品安全委員会の幹部によると「国会ではこれ以上緩めないといっているが、あれは本当ではない。本当は米国に今日やめろといわれたら今日にでも緩めないといけないので準備万端整えてタイミングを待っている」という。なぜ緩めなければならないのかといえば、米国はBSE清浄国だからだ。米国内ではどんなに感染していても検査自体をほとんどやっていないのだ。そして、ついに日米FTA交渉過程の5月17日に月齢制限を撤廃してしまった。

 もう一つは、禁止農薬の防カビ剤「イマザリル」など。その根は深く、1970年の「日米レモン戦争」に遡る。日本では収穫後に禁止農薬をかけることはできないが、米国は収穫物に防カビ剤を大量にかけて輸送してくる。禁止農薬がかかっていたレモンを日本側が「不合格」として海洋投棄すると、怒った米国に「自動車輸出を止めるぞ」と恫喝されて震え上がった。そして、防カビ剤イマザリルは収穫前にかけると農薬だが、収穫後にかけたら食品添加物であるとしてこれを認めた。いまでもそれがどんどん入ってきている。

 食品添加物に分類されると食品への表示が義務づけられる。禁止農薬が入っていることがバレるから「これは不当な米国差別だ。表示するな」とまた米国が怒り出した。それでTPPの裏交渉で改善を約束し、今回のFTAでは表示の撤廃が待ち受けている。

 イマザリルのような防カビ剤は浸透するので皮を剥いて食べても体内に入る。このような自由貿易協定は「農家には申し訳ないけど、消費者は安くなっていいな」という話ではない。いざというときに食べられないばかりか、とんでもないものを食べざるを得ず、命の危険にさらされる。農家の問題ではなく、国民の命の問題であることを認識しなければならない。

輸入農産物に潜む危険

 安全基準の問題だけでなく、現在すでに入ってきている輸入農産物がいかに危ないか。検疫結果を見ると、米国の農産物からはあれだけ防カビ剤をかけても「アフラトキシン」という発がん性の猛毒のカビがたくさん見つかり、ベトナムからの食品にはあり得ない化学薬品やE-coli(大腸菌)がたくさん見つかっている。港で防疫されているのかと思ったら大間違いで、輸入品の検査率はいまや7%だ。あとの93%は素通りでみんな食べている。手遅れなのだ。

 心配になった知人が現地の工場を視察にいくと、肉や魚が工場に着いた時点でかなりの異臭を放っているという。つまり腐っている。それをうまく切り刻んで、串刺しにして日本の居酒屋さんで「おいしいね」「安いね」と食べている。賞味期限なんてあってないようなものなのだ。日本の業者は「安いものを」と要求するので、どんどん安くなるがどんどん危なくなる。安いものには必ずワケがある。

 牛肉でいえば、米国だけでなくカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコも使っているのが成長ホルモン「エストロゲン」。牛に耳ピアスで人口的に注入する薬だが、米国の牛肉からは、日本の牛に自然にあるエストロゲンの600倍も検出されている。

 エストロゲンがすごいのは、例えばウナギの餌にポツンと一滴垂らすとオスのウナギがあっという間にメスになる。ものすごい作用があり、成長も促進する。乳がんや前立腺がんを引き起こす可能性が高いといわれる。

 EUは国内使用を禁止し、輸入も止めている。だが日本では国内使用は禁止していても、輸入については米国を恐れてザル(素通り)になっている。

 すでに自給率は牛肉は4割を切り、豚肉も5割を切る。消費者のために国内生産で禁止しているのに、輸入で6、7割も入っていれば消費者は食べるから禁止する意味がない。検査機関に確認すると「検出されないので検査をやめた」という。よく聞けば40年前の機械を使っているので精度が悪くて検出されないという。

 牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤「ラクトパミン」は、長期の発がん性だけでなく、人間に直接中毒症状を起こすということでEU、中国、ロシアでも輸入が禁止されているが、日本は例によって国内使用は禁止だが輸入はザルだ。

 EUは米国産牛を全部ストップしている。オーストラリアはEU向けの牛に成長ホルモンが入ると売れないので使わないが、検査しない日本向けの牛には投入している。EU33カ国では米国産牛の輸入を止めてから17年(1989〜2006年)で、乳がんの死亡率が顕著に減った(アイスランドは45%減)という学会誌データさえ出てきている。

 これから日本では米国の乳製品がさらに増える。米国は600億円分ほどの乳製品をまた日本に売れると喜んでいる。米国のホルスタインには、M社が開発した遺伝子組み換え牛成長ホルモン(注射1本で乳量が2〜3割増える)が注入されている。米国はこれを「絶対安全」といって1994年に認可したが、その4年後に勇気ある研究者が「乳がん7倍、前立腺がん4倍」という学会誌論文を書いたので消費者が動き出した。

 そこでM社と食品医薬品局が組んで「成長ホルモン不使用」の表示をやめさせようとしたり、「表示する場合には成分は変わらないと書け」と圧力を掛けた。だが米国の消費者は譲らず、スターバックスやウォルマートに店としての「不使用」を宣言させた。商品に表示できなくても流通ルートで「不使用」を示すことは違法ではないからだ。これほど米国で問題になった成長ホルモンが、認可もされていない日本には素通りで入ってきてみんなが食べている。



 私も農水省入りした40年前からこの成長ホルモンについて調べるために米国に行き、M社、認可官庁、実験した世界的権威の大学教授の三者にインタビューした。三者とも口を揃えて「安全」といい、理由までまったく同じことをいう。それもそのはずで、M社の社長が認可官庁の長官に天上がり、長官がM社の社長に天下る。上と下がグルグル回る「回転ドア」といわれる図式【図参照】になっている。

 そして、M社から巨額の研究資金をもらって世界的権威の教授が実験して「大丈夫だ」とお墨付きを与える。企業からの巨額の研究資金で金の扉のような研究室にいる教授が「本当は危ないんだ」などといえば、研究室から追い出されて教授職を剥奪されるだけならまだしも、命も危なくなるという噂さえあるのがこの世界だ。

郵政の次に狙われる「JAマネー」

 米国の政権と結びついている「オトモダチ」は日本で優遇しなければいけない。米政権のいうことを聞かなければ日本のリーダーは潰されるからだ。

 典型的なのが、米がん保険のA社だ。最近、かんぽ生命が不正契約問題で叩かれているが、社内文書で「かんぽの商品は営業自粛だが、A社の商品を3倍売れ」という指令が出ているという話もある。日本郵政の本社は2700億円をかけてA社に出資し、果てはA社を買収する案まで出ている。単なる買収ではなく、「寄生虫に母屋を乗っ取られる」ような買収だ。

 なぜ郵政を民営化するかといえば、ウォール街がゆうちょマネー350兆円を「喉から手が出る」ほどほしいから、これを「対等な競争条件」の名目で解体しろと米国にいわれ、当時の小泉首相が実行した。それだけでは済まず、A社がかんぽ生命を見て「かんぽは大きすぎるから競争したくない」というので、「日本はTPP交渉の入場料として“かんぽ生命はがん保険に参入しない”と宣言しろ」と米国に迫られ、所管大臣がしぶしぶ「自主的に」宣言した。日本の政治家が「自主的に」といったときは、「米国の言うとおりに」と置き換えると意味が通る。

 さらに、その半年後には全国2万局の郵便局の窓口でA社のがん保険を売るところまで来た。「市場を全部差し出せ」というのが米国のいう「対等な競争条件」なのだ。そのうえでの今回の事件であり、徹底的にむしり取られる。

 郵政の次に狙われているのが「JAマネー」だ。JAの貯金と共済の155兆円もの資金が東京に集まっている。これも米国が喉から手が出るほどほしいから「農協には悪いけど潰れてもらいます」ということになった。「農業所得向上のための農協改革」などウソで、すべて引き剥がすためだ。

 @信用・共済マネーの分離、A共販を崩して農産物をもっと買い叩く、B共同購入を崩して生産資材価格をつり上げる、CそれでJAと既存農家が潰れたら「オトモダチ企業」が農業参入する。規制改革推進会議の答申の行間はそのように読める。地方ではビジネスとお金が農業協同組合を中心に回っている地域も多い。これを潰して全部自分たちのものにしようという話だ。

米国で決まる日本の食品安全基準

 さらに米グローバル種子企業M社のために6連発で法改定などをしている。まず、豆腐に書いてあるような「遺伝子組み換え(GM)でない」の食品表示をなくす。微量の混入が見つかったら業者を摘発して公表することになっている。これも米国が要求してきたことだ。

 「日本のGMの義務表示は世界でもっとも緩いから許してやる。だが『遺伝子組み換えでない』という任意表示は、米国が安全といっているGMへの不安を煽る誤認表示だ」と米国にいわれ、消費者庁が動いた。「消費者のためにGM食品の表示を厳格化する」というので、毅然と立ち向かうのかと思いきや、出てきた答申は「緩い義務表示は緩いままでいい」「遺伝子組み換えでないという表示はできなくなりました(微量混入でも摘発するという脅しで怖くてやれなくしてしまう)」である。これも米国の要求通りになった。

 M社のトウモロコシをネズミに食べさせる安全性検査の期間は3カ月と決まっている。なぜか?4カ月目からがんが出るからだ。それを調べたのがフランスのカーン大学だ。GM食品を2年間ネズミに食べさせたところ、ネズミはがんだらけになった。除草剤「グリホサート」の発がん性も確認され、これは世界保険機関も認めている。米カリフォルニアでは裁判でM社に多額の損害賠償の判決も下っている。

 日本は米国の穀物の世界一の消費国だ。米国では小麦もトウモロコシも大豆もすべてグリホサートを直接かけている。遺伝子組み換えへの不安に加えて発がん性のある除草剤の残留した穀物を日本人が世界で一番食べているという深刻な問題がある。

 日本では農家が雑草にかけるが、米国では遺伝子組み換えでトウモロコシも大豆も枯れないように変えているので、草も作物も一緒に除草剤をぶっかける。小麦は遺伝子組み換えになっていないが、雨に降られる前に急いで収穫するためグリホサート入りのラウンドアップをかけて意図的に枯らしている。

 なぜ小麦だけは遺伝子組み換えにしていないのか? それは「大豆やトウモロコシは日本人とメキシコ人と家畜が食べるものだが、小麦は直接米国人がたくさん食べるからとりあえずやらない」というのが米農務省幹部の説明だ。



 グリホサートは小麦にもかかっているので、国産小麦でない日本の食パンからも0・2ppm前後が検出されている【表参照】。国会議員30人の髪の毛をフランスに送って検査すると7割の人からグリホサートが出てきた。それだけ日本人は輸入穀物からグリホサートを吸収し、それは子や孫の代まで影響を及ぼす可能性がある。だが世界各国が厳格化しはじめて市場を失いつつある米国は「日本だけはいうことを聞け」と指令を出した。

 しかも米国ではグリホサートに耐性をもった草が増えてきたので散布量を増やさなければならなくなり、日本の安全基準をそれにあわせて変えさせた。小麦は6倍、トウモロコシは5倍、そばは150倍にも緩めることを決め、日本は2017年12月25日に「クリスマスプレゼント」といって差し出した。日本の食品安全基準値はわれわれの命を基準にするのではなく、米国が必要とする農薬の量で決まっているのだ。

 自給率の高いコメのグリホサートの基準値は0・01ppmなのに、小麦の基準値は30ppmと恐ろしく高い。食パンに含まれる0・2ppmもコメを基準に考えれば大幅な違反だ。

種もグローバル企業に献上

 いま日本向けにGM小麦を導入しようとしている米国にとって邪魔なのは、全農の傘下にある株式会社・全農グレインの存在だ。全農グレインがニューオーリンズに保有する世界最大級の穀物船積施設では非GM穀物を分別して管理、輸送している。これが米グローバル種子企業M社にとっては不愉快で仕方がない。そこでM社やカーギルが全農グレインを買収しようとしたが、親会社の全農は協同組合だから組合への参入資格がなければ手も足も出ない。だから、いま日米合同委員会で「全農を丸ごと株式会社化しろ」といわれている。


全農グレイン穀物倉庫

 オーストラリアでは、同じ手口で協同組合系のAWB(小麦独占組織)がカーギルになった。はじめは「株式会社化しても譲渡不可の農家株式を作るから大丈夫」といっていたが、あっという間に譲渡可能になり、カムフラージュでカナダの肥料会社が買収し、1カ月後にはカーギルに買収された。

 日本でも政府は「農家株式をつくれば大丈夫」とまったく同じことを言っている。つまり政府が「大丈夫」といったときは「一番危ない」ということだ。どこかに必ず実例がある。

 そして種子法の廃止だ。グローバル種子企業にとって公共の種は邪魔であるから「種子法はやめろ」、さらに「優良なコメの種は全部差し出せ」と要求され、日本はそのまま法律にしてしまった。平昌五輪のときに、韓国でイチゴの苗が勝手に使われたと日本は怒っていたのに、コメの種はグローバル企業に差し出す法律まで作った。

 そして差し出した種の権利を高めてあげるために種苗法を改定して農家の自家採取を禁止し、種は毎年企業から買わなければいけないものとした。全部つながっている。

 「陰謀論をいうな」という人もいるが、これも中南米でM社がさんざんやってきたことだ。そこで猛反発を受けて追い出されたから日本にやってきた。M社は製薬会社のB社と合併しているので、食品のGM化と種の独占で日本人が病気になっても、その病気の治療にB社の薬を使えば二度おいしいということで「これが新しいビジネスモデル」とまでいっているそうだ。

 種子法廃止、種の譲渡、種の自家採取禁止、非GM表示の実質禁止、全農の株式会社化、グリホサートの残留基準値の大幅緩和ときて、七連発目はゲノム編集食品の野放しだ。「遺伝子を切り取るだけで組み換えていないから安全だ」といって、世界中で異変が起きているという論文がたくさんあるのに米国の指令で日本だけ野放しにした。消費者庁が「せめて表示だけはしないとたいへんなことになる」と抵抗したが圧力で潰され、まったくわからないままわれわれはもう食べることになってしまった。なぜ病気になったのかもわからないという恐るべき状況になっている。

規制改革で私腹肥やす「オトモダチ」

 日本国内でもきわめて少数の「有能」で巨万の富を得ている人たちが、貿易自由化を積極的に推進し、露骨に私腹を肥やすために政府の会議を利用して地域を苦しめている。代表的なのは、O社のM元会長、人材派遣会社大手P社のT会長(K大学の名誉教授)、Lファームも展開しているL社の社長を務めたN氏。M氏の会社の社外取締役がT氏とN氏であり、このMTN3人セットで地域を食い物にしている。

 T氏はK県の中山間地で「なんでこんな所に人が住むのか。早く引っ越せ。こんな所に人が住んで無理して農業をするから、税金使って行政もやらなければならない。これを非効率という。原野に戻せ」といった。農家が潰れても、農業参入を求めているA、P、L、Oなどの企業が条件のいい所で農業をやって利益が上がれば農業所得倍増政策は達成できたようなものだ、ということを平気でいう。

 T氏は人材派遣会社会長として1億2000万円の年収があり、大学でも給料があり、講演料は1時間あたり150万円だ。それでもまだ足りない。「今だけ、カネだけ、自分だけ」の「三だけ主義」の権化として政治を利用していく。国家戦略会議の委員として首切り自由特区と短期雇用で人間を雑巾のようにグルグル回す雇用改革法案を成立させ、もうけるのはT氏の人材派遣会社、家事支援外国人受入事業特区を決めて受注するのは自分の会社なのだから非常に露骨な「利益相反」だ。「今だけ、カネだけ、自分だけ」の正反対のとりくみで地域を守ってきた人たちが、彼らのもうけのために潰される。

 2016年、私は山本太郎氏と一緒にこれを追及するため参考人として内閣委員会に行き「これは国家戦略特区ではなく、国家私物化特区だ」といったが、最初から決まった人のためにルールに穴を開けるのだ。その後に問題になったナントカ学園と同じ構造が農業でもたくさんおこなわれている。

 農地を管理する市町村の農業委員会が任命制になったので、もうかりそうな市町村の委員にMTNがセットで入ろうかという噂さえある。

 漁業調整委員会も任命制になった。「鈴木さんがノリ養殖をやっても500万円にしかならないが、大手食品商社がマグロ養殖をすれば1億になる。これが成長産業化だ」というもので、江戸時代から沿岸で頑張ってきた漁師たちは非効率であり「いらない人たち」だという発想だ。だからタダで財産権を巨大企業に渡せという法律までつくった。空港を造るための強制収用でもたいへんなことだが、公共目的ではなく、オトモダチ企業のもうけのために補償もせずに無理矢理ひきはがしていく。憲法違反だ。

 山でも同じ。O社がバイオマス発電をやるために国有林の皆伐を認めた。丸ごと燃やしてハゲ山にしても、あとの植樹は住民が国民の税金でやるからやらなくていい。森林環境税などを使えばいいのだという。水道と同じコンセッション方式だ。食べるだけ食べて、食い逃げしても後始末は住民、国民が払う。企業にとってこんなおいしい話はない。

 MTNは洋上風力発電でも千葉の銚子沖にも入ってきている。このようにかなり特定の人たちが農林水すべてに入ってきている。米グローバル企業も含めて日米のごく少数の「オトモダチ」のために、われわれの生活や命が差し出されようとしているということだ。こんなもののために潰されるわけにはいかず、実力で跳ね返さなければいけない。

生産者と消費者の強力なネットワークを

 日本の流通構造は歪(いびつ)であり、スーパーが強すぎる。スーパー対メーカーが7:3、メーカー対酪農家が9:1という力関係だ。酪農家が協同組合で頑張っていても、しわ寄せは生産者にくるという世界で最も問題のある構造だ。

 08年の餌危機のときも、餌代がキロあたり20円も30円も上がって生産者が「何とかしてくれ」といったが、大手スーパーA社の「牛乳は安売り商品だ」という一言でメーカーも値段を上げられず、バタバタと農家が倒れた。これは日本が一番多かった。「今だけ、カネだけ、自分だけ」。スーパーは買い叩いてビジネスできればいいし、消費者も安ければいいじゃないかで、みんなで自分の首を絞めている。作ってくれる人がいなくなったらビジネスもできないし、食べることもできない。

 カナダでは牛乳1g300円。それでもカナダ人は「米国の成長ホルモン入り牛乳は飲みたくないから支えますよ」という。それで生産者も、流通も、加工も、小売りも適正なマージンをとってみんなで幸せなんだから、これこそが持続できる適正なビジネスのあり方だ。買い叩きビジネスは誰も幸せにしない。このことをもっとしっかりと浸透させていかないと危うい。

 スイスの国産卵は1個80円。輸入するフランス産の6倍もするが、国産のほうが売れている。小学生の女の子に聞くと「これを買うことで生産者のみなさんも支えられるが、そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」といとも簡単に答えたという。

 スイス人は「生産者の皆さんも本物を作ってください。そのかわり、われわれは農産物に込められた価値をみんなで分担していきますよ」という。これによって生産から消費までの強力なネットワークができ、その流通シェアがスイス全体の5割を超えてきた。だから既存のスーパーの流通も安売りがなかなかできない状態になっている。つまり自分たちの安心・安全な食は、自分たちの手で守る。国の方向性がどうあれ、私たちの力でその流れを作っていくことができる。生産から消費までのネットワークを強化することで、自由化で安くてもいかがわしいモノが入ってきても、いかがわしい連中が地域に入ってこようとしても、排除できる。

 イタリアの住民はロンバルディア平原の田んぼを見てこういった。「田にはおたまじゃくしも住める。洪水を止め、水もろ過してきれいにしてくれる。みんな世話になっているのにお米の値段に反映できていない」。そして米の値段と別に、税金から個別具体的なコメに込められた多様な価値への対価を支払う壮大な直接支払いシステムをEU全体で作り上げた。わかりやすいから国民も納得して払えるし、生産者も誇りに思って作れる。こういうものは日本の政策にはない。

 米国はコメ1俵4000円と安く売っているが、農家の必要最低限な所得として1俵1万2000円を固定して、その差額を100%政府が保障している。最低価格が確保されるから、それを目安に農家は経営ができる。コメも、バターも脱脂粉乳も大豆も同じだ。それが世界の常識だ。農業政策とは、国が国民の命を守るための安全保障の要としてやるものだ。



 ところが日本では「過保護な農業」は「競争にさらせば輸出産業になる」などという。「こんにゃくの関税1700%」というきわめて特殊な事例をとりあげるが、日本の農産物関税は平均11・7%で、EU(19・5%)の半分しかない【グラフ参照】。野菜のほとんどは3%だ。それが農産物品目の9割を占めている。そもそも過保護で国境が閉鎖されていたら自給率が37%まで下がるだろうか? それだけ考えても嘘だとわかる。

 「政府が価格を決めて作物を買い取る遅れた農業保護国」というのも大嘘だ。日本はそのような政策をほぼすべて廃止した世界で唯一の国だ。米国もカナダもEUも、農畜産物の価格低下を防ぐために、価格を設定して無制限に政府が買い取る。その仕組みがないのは日本だけだ。

 「日本の農業所得は補助金漬け」というが、日本はやや増えてきても3割だ。フランスもイギリスも90%を越え、スイスは100%だ。「収入の9割以上が補助金というのが産業なのか」と思われるかもしれないが、国民の命を守り、環境を守り、地域、国土を守っている産業は国として支えるのが世界の常識なのだ。

 それに逆行する日本では自給率が死語になり、かわりに「自給力」という言葉が使われるようになってきた。その定義をよく見てみると「いざというときには校庭にイモを植えて数年しのげる」と書かれている。これが農業政策であっていいのか深刻に考えなければならない。

総仕上げを許してはならない

 武器ばかりに何兆円もかけても台風など全国で多発する災害から国民を守ることはできない。筆者のところにも、台風15号に見舞われた南房総の現地から「牛乳工場が動いていない。搾乳できない農家、搾乳しても行き先のない牛乳、牛舎倒壊、牛の死亡、廃業する農家。かなり悲惨だが国の対策室がいまだにない」「現在も停電が続いていて、満足に水が飲めない家畜の世話に奔走している農家が数多くいる。自家発電を手配した農家も、せっかく搾乳した牛乳が集乳されず、廃棄している。憤りと不安を禁じ得ない」という切実な声が寄せられている。

 このような深刻な事態に食料、水、電気、その他のライフラインを確保してみんなの生活が元に戻るように普段から備えておくのが安全保障だ。いざというときに食料がなくて、自動車や戦車の鉄板をかじるとでもいうのだろうか。国のリーダーが国民の命を犠牲にして我が身を守り、国民をごまかすために労力を使っている場合ではない。

 かつてブッシュ米大統領は、自国農家に向かって「食料自給はナショナル・セキュリティ(国の安全保障)の問題だ。みなさんのおかげでそれが常に保たれている米国はなんと恵まれていることか。それに引き換え、食料自給できない国を想像できるか? それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」といった。その国とは日本のことであり、「そうしたのはわれわれであり、もっともっと徹底しよう」という意味である。

 農業地域にある米ウィスコンシン大学の教授は「食料は武器であって標的は日本だ。直接食べる食料だけでなく、日本の畜産のエサ穀物を米国が全部供給すれば日本を完全にコントロールできる。これを世界に広げていくのが米国の食料戦略だ」という趣旨の発言をしている。日米FTAは、こうした戦後の米国の占領政策の総仕上げといえる。

 食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うことである。日本の資源・環境、地域社会、そして日本国民の主権と命が奪われていくという取り返しのつかない愚かな政策に対し、「運命共同体」である生産者と消費者、国民一人一人が事態の本質を正しく認識し、覚悟を新たに自分たちの力で命と暮らしを守るための強力なネットワークを築いて行動を起こしていくことが必要である。



http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/479.html

記事 [政治・選挙・NHK266] ホームレス拒否の台東区長はスッパリ陳謝。二階幹事長、安倍首相は陳謝は言えない。(かっちの言い分)
ホームレス拒否の台東区長はスッパリ陳謝。二階幹事長、安倍首相は陳謝は言えない。
https://31634308.at.webry.info/201910/article_14.html?1571141636

一昨日、本ブログで以下のタイトルで記事を書いた。
『台東区は台風の危険な状況においてもホームレスは避難所に入れない。https://31634308.at.webry.info/201910/article_12.html
この中で、「区長の思いが本当なら、公助、共助の観点からすがってきた者を外に追い出すことはしないはずである。新聞にこれだけ取り上げられた以上、区長はマスコミにはっきり職員の是非の見解を表明すべきだ。」と書いた。

マスコミに出たことにより台東区にも相当抗議の電話やメールがあったのだろう。区長が早速、謝罪コメントを出した。 『服部区長は「避難所での路上生活者の方に対する対応が不十分であり、大変申し訳ありませんでした」と陳謝。さらに「今回の事例を真摯(しんし)に受け止め、災害時にすべての方を援助する方策について検討し対応を図っていく」』と述べたという。

この区長は潔く、陳謝した。それに比べて、二階幹事長、安倍首相は実に腹ただしい。安倍首相は国会で「まずまず収まった」ことを問われたが、内容をよく知らないのでコメントは無いと言った。ここには内容という内容はない。そのままズバリの発言である。また、二階氏の方も、記者から撤回、謝罪は無いかのかと問われて、最初はまったく反省、陳謝などの言葉はなくはぐらかした。最後の会見では益々炎上するのを恐れて、「不適切な発言だった」と述べた。あくまで陳謝の言葉はない。言うと沽券に関わるのか言えないのだ。

時間が経つほど、災害の大きさ、死亡者の数が増して来ている。やはり、狩野川台風に匹敵するか、それ以上の規模の台風であることがわかる。台風の威力は従来の規模より格段と凶暴化してきている。政治家は謙虚でなければならない。今回の件は首相も幹事長も他人事の話でしかない。

台東区長が陳謝コメント 台風19号の避難所に路上生活者入れず
https://mainichi.jp/articles/20191015/k00/00m/040/208000c
毎日新聞2019年10月15日
服部征夫・東京都台東区長
 台風19号が接近した際、東京都台東区が避難所を訪れたホームレスの男性の利用を拒んだ問題で、同区の服部征夫区長は15日、「対応が不十分だった」と不手際を認めるコメントを発表した。
 服部区長は「避難所での路上生活者の方に対する対応が不十分であり、大変申し訳ありませんでした」と陳謝。さらに「今回の事例を真摯(しんし)に受け止め、災害時にすべての方を援助する方策について検討し対応を図っていく」として、新たに区役所に検討組織を設置したと明らかにした。
 この問題は15日の参院予算委員会で取り上げられ、安倍晋三首相は「各避難所においては避難したすべての被災者を適切に受け入れることが望ましい」と述べた。【江畑佳明/統合デジタル取材センター】

http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/480.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 国土強靭化がコレか。(日々雑感)
https://okita2212.blogspot.com/2019/10/blog-post_88.html
10月 15, 2019 日々雑感(My impressions daily)

<今回の台風19号では、国が13日夕までに「堤防決壊」を確認した21河川のうち、7河川が国管理の大規模河川だった。広範囲で大量の雨が降ったことにより、複数の支流から大量の水が一気に流れ込み、一般的には整備が進んでいるとされる大規模河川の堤防の対応能力も超えてしまった。国土交通省は、近年相次ぐ大規模災害を受けて緊急対策を進めているが、堤防整備が間に合っていないのが実情だ>(以上「毎日新聞」より引用)


 台風19号で全国各地の河川の堤防が決壊した。濁流が市街地や農地に流れ込み、深刻な被害を与えている。

 なぜ堤防が氾濫ではなく、決壊するのか。それは堤防に芯が入ってないからだ。ただ土を積み重ねただけの堤防では短期的な増水には耐えられても、時間をかけた増水には耐えられないからだ。

 土を積み重ねただけの堤防は時間とともに堤防の土に水が浸透して対水力が著しく低下する。大量の水を含んだ土は自重で崩れるように、堤防も脆くなる。

 そうした水を含んだ「ドベ」に還る堤防が崩壊するのを防ぐために、土を積み上げただけの堤防に芯となるコンクリートの壁を入れなければならない。そうすれば増水しても「氾濫」で済み、「決壊」にはならない。擁壁工事で用いられるL字型のコンクリート壁を入れていれば「氾濫」で市街地側が抉られても「芯」が倒壊することはない。

 そうした工学的な検証はこれまで充分に行われて来たはずだし、土木工事の専門家から行政に再三指摘されて来たはずだ。それでもなぜ堤防の「強靭化」をして来なかったのだろうか。

 各地の決壊した堤防の断面写真を見る限りでは、いずれも土を積み固めただけのものだ。それでは増水の時間の経過とともに堤防は脆弱になり決壊するのは自明の理だ。なぜ安倍自公政権は政権発足当時の「国土強靭化」を公約通りに実施しなかったのだろうか。

 外敵により日本国民は戦後一人も亡くなってはいないが、自然災害では何万人も亡くなっている。今回の台風19号だけで数十人が犠牲になり、多くの家屋や田畑が濁流に呑み込まれた。戦争は自然災害という形で毎年のように繰り返され、毎年のように犠牲者が出ている。

 なぜ国土強靭化は公約通りに実施されなかったのか。なぜ公共事業費は削りに削られたのか。政権与党は江戸時代さながらの土を積み固めただけの堤防を放置している現状を国民に説明する義務がある。



http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/481.html

記事 [政治・選挙・NHK266] 安倍晋三首相が「非常災害対策本部設置」を表明したのは、13日午前のことで「いかにボーッと生きているか」が分かり、これでは、総理大臣の資格はない(板垣 英憲)
https://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/1e93bf6d5a2640fe54daa6c615ddb887
2019年10月15日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」

◆〔特別情報1〕
 「河川護岸工事、山崩れ防止砂防ダム造りに手を抜いてきた安倍晋三首相の内政軽視が、甚大な被害を招いて死傷者が増大している」−これでは、自衛隊明記の憲法改正どころの騒ぎではない。安倍晋三首相は、気象庁が10月11日、史上最強と恐れられた台風19号が伊豆半島に上陸しそうになって注意喚起していたのに、午後6時34分、東京・有楽町のフランス料理店「アピシウス」で、谷内正太郎前国家安全保障局長、山内昌之東大名誉教授、辻慎吾森ビル社長らと食事し、午後9時40分、公邸に帰ってきていた。12日午後7時前に静岡県の伊豆半島に上陸。気象庁は、「台風は北北東に進む見込み、中心が通過した地域も引き続き暴風や大雨、高潮、高波に厳重に警戒してください。今後は北北東に進み、関東地方などを通過する予定」と警告した。だが、安倍晋三首相が首相官邸で関係閣僚会議を開き、「今般の極めて広範囲に渡る甚大な被害を踏まえ、本日、『非常災害対策本部』を設置する」と表明したのは、13日午前だった。豪雨で川の堤防が壊れる「決壊」が発生したのは13日夕方の時点で、21河川の24か所に上り、水が堤防を乗り越える「越水」による氾濫は、国や15の都県が管理するのべ142の河川で確認され、1都10県に被害、死者35人、行方不明18人、負傷者187人を記録していた。安倍晋三首相の危機管理意識が、いかに鈍く、「いかにボーッと生きているか」が分かる。上皇陛下のごく近くにいる吉備太秦は、「これでは、総理大臣の資格はない」と手厳しい。



http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/482.html

記事 [政治・選挙・NHK266] ライブドア言論弾圧犯人特定<本澤二郎の「日本の風景」(3466)<池田大作氏を裏切った創価学会現執行部!>
https://ameblo.jp/honji-789/entry-12535856934.html
2019-10-15 09:41:40 honji-789のブログ

<池田大作氏を裏切った創価学会現執行部!>

 グーグルもヤフーも区別のつかないIT人間が、偶然にライブドア言論弾圧事件の真相を、検索をしていて発見した。「ライブドアの株主」などいい加減に検索していたところ、ホリエモンと池田氏の関係と、同氏が筆頭株主であったことが判明した。2019年3月25日をもって、突然、予告もなく消されてしまった日中友好派の、長い歴史と伝統を有する「ジャーナリスト同盟」通信を押しつぶした言論弾圧の真犯人は、池田大作氏を事実上、葬った創価学会の現執行部であろう。断定できる。

<日中友好派「ジャーナリスト同盟」通信を潰したのは原田・谷川一派>

 池田氏の活動で評価できる点というと、筆者の知る限り、周恩来ー松村謙三ラインの日中友好派を貫徹したことだ。同時に彼は、仏法の平和主義を徹底した護憲平和を公明党の原点にした。

 神社神道の改憲軍拡に敵対した。そこを松村も周恩来も信用しての、池田・学会との交流であった。

 この池田路線は、安倍・日本会議と癒着した太田ショウコウ・山口那津男の公明党執行部、それに追随した創価学会の原田や谷川によって放棄されてしまった。公明党が「戦争党」に変身したのは、池田氏が体調を崩した時期からである。権力に媚びる公明党創価学会の醜悪な対応を、まともな信仰者は「鎌倉幕府に屈しなかった宗祖・日蓮大聖人にもとる行為」と断罪している。

 事情通は「創価学会の執行部は、池田側近の正木理事長を更迭することによって、太田の狸と山口の狐に同調、権力の奴隷と化した」と分析している。批判する言論に対して、弾圧が加えることになる。その第一弾が「ジャーナリスト同盟」通信だった。

 筆者は、ライブドアを自在に操れるのは悪しき官邸と分析、これを月刊誌「月刊タイムス」に寄稿したが、詫びてここに訂正するほかない。犯人は池田裏切り集団の原田や谷川一派と言わざるを得ない。

<池田ライブドア株を奪い取っての言論弾圧>

 なぜ、こんな大それた犯罪行為を強行できたものか。その原因をつかむことができた。

 ライブドアというと、真っ先にホリエモンが登場する。彼に資金的支援をしていたのが、なんと池田氏だった。ということは、ライブドアの言論弾圧事件を、彼も知っているのであろう。

 いえることは、池田株は池田家の所有のはずである。だが、創価学会現執行部が握っている。名義替えが、本人の知らないところで、強行されたのであろう。

詐欺や脱税の臭いがしてくる。専門家の判断を仰ぎたい。

<月刊誌「財界にっぽん」も倒産へと追い込む>

 言論弾圧は、月刊誌「財界にっぽん」でも表面化した。同誌を利用してきた創価学会は、富士大石寺派の日顕批判を毎回、大々的に行ってきた。そのため、毎月、数千部を購入したという。

 筆者もそこで東芝病院の医療事故死事件を大連載した。「木更津レイプ殺人事件」も20回、連載して、やくざ退治をしない警察に対して警鐘を鳴らしてきた。やくざ強姦魔の悪逆非道ぶりを紹介してきた。

 政治評論では、安倍内閣の暴政を批判してきた。

 この雑誌も、突然、倒産に追い込まれてしまった。社長や編集長に事情を聴くと、創価学会が手を引いたため、という説明である。この雑誌は、安倍内閣の根幹をえぐるような鋭い記事も少なくなかった。大半は奉仕原稿だったのだが、国税が介入してきて、倒産してしまった。

<「ライブドア筆頭株主」検索で判明>

 冒頭にも指摘したように、偶然インターネットでの検索で判明した。ホリエモンと池田氏の関係である。同氏が筆頭株主だったことから、日中友好派の「ジャーナリスト同盟」通信が消されてしまったものだ。

 池田氏が健在であれば、消されることはなかった。今朝ほど、事情を知った清和会OBの友人が「電波法違反事件」と連絡してきた。

 公共の電波を悪用することは法律違反となる。総務省に掛け合うしかない。

 現時点でいえることは、創価学会の池田裏切り集団の原田や谷川が関与した言論弾圧事件である。彼らは池田株を何らかの手段を用いて、奪い取ったうえでの「ジャーナリスト同盟」通信弾圧であった。

 いったん、悪しき道に入ると、人は次々と悪事を働く。その原因は、いずれ結果として表面化する。仏法・儒家・道家の東洋哲学は、因果を説いている。因果応報は、世の常である。

<筆者の立ち位置=日中友好=平和軍縮=護憲平和>

 筆者の立ち位置は、右翼でも左翼でもない。いうなれば中庸である。左右に動じない。国際関係では、協調主義である。どこの国とも友好を基本にしている。隣国の中国とは、当然のことながら友好である。これをライフワークとして今も取り組んでいる。

 軍縮平和の宇都宮徳馬さんの信念でもある。護憲平和だ。池田氏も、ほぼこの立場と思われる。改憲軍拡反対である。

 ゆえに安倍・自公政治の監視と批判を強めることになる。安倍の改憲軍拡に傾斜した、池田裏切り集団の公明党創価学会に批判を加えることになる。

 ジャーナリストの矜持である。

<極右安倍改憲軍拡にのめりこんだ公明党・創価学会執行部NO>

 アベ内閣は、戦後最悪最大の極右・改憲軍拡政権である。放任すると、戦争さえも強行する危険な政権である。

 翻って、日本国憲法ほど真っ当ないい憲法は、この地球に存在しない。非戦と政教分離、三権分立は、近代法の鉄則であるが、それらをしっかりと網羅した素晴らしい憲法である。

 公明党のいう加憲は破憲に塩を送るに等しい。

 断固として反対する責務が、主権者たる国民にある。池田裏切り集団の公明党創価学会を許してはならない。

<木更津の戦争遺児・沖縄の野原善正ら池田親衛隊を評価>

 筆者は、池田親衛隊と称する池田側近グループの存在に期待をかけている。池田裏切り集団に対抗する親衛隊は、真っ当なまじめな信仰者であろう。

 その最初の引き金を引いた勇者が、木更津市の戦争遺児のK・T子さんである。彼女は、太田ショウコウを断罪した最初の学会の勇者だ。特定秘密保護法を、安倍と共に強行した太田を断罪した最初の池田親衛隊の勇者である。

 無念にも、JR巌根駅近くで介護施設「かけはし」を営業している、富津出身のやくざ浜名に強姦され、逃げ出そうとして殺人的ドーカツに屈して即死した。彼女は今も地獄から太田断罪を続けている。

 二番手が、沖縄に革新的知事を誕生させることに主要な役割を果たした野原善正である。彼を山本太郎や小沢一郎が注目、先の参院選で東京選挙区で山口狐に対抗させた。次期衆院選では、第二、第三の野原が手を上げるであろう。

 池田親衛隊には大義がある。大義は、いずれ結実するであろう。すでに創価学会は二つに分断している。裏切り集団内で、山口狐の後継人事で混乱していることも分かってきた。

 信濃町の城郭には、小さい穴どころか、大きな穴が開いている。15号台風に次いで、19号台風の河川の氾濫は、公明党国交相ら太田・石井らの負の実績であることも目下、証明された。

 池田裏切り集団の言論弾圧事件の発覚も、地球温暖化と同様に天の怒りではないだろうか。

2019年10月15日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)



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記事 [政治・選挙・NHK266] 国民党と自民党に連立構想の話、玉木も否定せず。国民党の議員は、政策が合う党に移るべし(日本がアブナイ!)
https://mewrun7.exblog.jp/28626387/
2019年 10月 15日

【13日に行なわれたJRA秋華賞は、4番人気クロノジェネシスwith北村友が優勝。斉藤崇調教師はGI初勝利だった。(*^^)v祝

 2着は2番人気のカレンブーケドール、3着は10番人気のシゲルピンクダイヤ。1番人気のダノンファンタジーは8着に沈んだ。

 12日は京都もかなり雨が降ったので、13日の芝は稍重だったものの、もっと重そう(=はずまなさそう?)な感じで、切れ味が勝負の馬はつらかったかも。全体のタイムが1分59秒9、5番手から差したCジェネシスの上がりが36.1、ほぼ最後方から差して来たSPダイヤでさえ35.6だったのを見ても、ハードな馬場だったのがよくわかる。

 まあ、そんな中、Cジェネシスは、桜花賞、オークスともに3着で、底力のあるところを見せ付けたかなと。オークス後は5ヶ月休養し、20kg増で秋華賞に臨んで来たのだが、体が大きくなったのが功を奏したかも知れない。やっぱ、今年の3歳牝馬は混戦だと思うし。馬場がよければ、Dファンタジーやエクスポワールも、もっと上位に行っただろう。

 とりあえず5−8の馬連はとったのだけど。シゲルピンクダイヤは、トップロードのナベちゃん(渡辺)が調教師として、オペラオーの和田騎手に託した馬で。以前から、個人的に応援していただけに、三連複がとれずに残念。(1−14Wにしちゃったのね。)距離がどこまで行けるのか、まだ未知数なんだけど。(16〜20くらいなのかな?)さらなる活躍を期待している。】

* * * * *

 ところで、mewは、今、とりあえず立憲民主党を最も応援しているのだけど・・・。

 野党ができるだけ一つの塊になって、安倍自民党に対峙すべきだという声が強くなっている中、
mewは、果たして、立憲民主党が国民民主党が一つの政党に合流した方がいいのか、ずっと悩み続けている。_(。。)_

 国民党には、mewと考えが合わない(立民より自民に考えが近い)保守改憲派の議員が少なからずいるからだ。

<最近だと『立民党はブレる国民党と安易に連携するな+自民や維新と連携話のある国民党は早く割れるべき』『国民党、立民党との衆院統一会派結成を了承か&政策や理念の合わない議員は合流すべきでない』『安倍自民に対抗して、立民と国民、社保などが共同会派を結成。でも、党合流は待って欲しい』とかね。>

 結局、立民党、国民党+αは、臨時国会を目前にして9月27日に、衆参で共同会派を組んだのであるが。今後、党合流に向けた協議が行なわれる可能性が大きいという。^^;

 そんな中、mewが「やっぱ、国民民主党は一緒にやりたくないかも!」と思うようなニュースが出ていた。(@@)

<同時に安倍自民党は、本気で国民党を取り込もうとしているんだ〜とも実感させられるニュースでもあった。>

 先週9日、元国民新党代表の亀井静香氏が、この夏に自民党と国民党の連立構想が持ち上がり、安倍首相も玉木代表も賛成していたという話を暴露したからである。(゚Д゚)

『大連立構想あったと亀井氏 国民民主、異論で頓挫?

 亀井静香元金融担当相は9日のBS−TBS番組で、今年夏ごろ安倍晋三政権と国民民主党との間で大連立構想が持ち上がっていたと明らかにした。「安倍首相もOKした。(国民の)玉木雄一郎代表も結構だと(言った)」と述べた。頓挫した理由について、国民側が「立憲民主党などの野党で固まろうという方向に流れた」と指摘した。

 憲法改正などを念頭に置いた構想だったとみられる。亀井氏は「玉木氏は政権をもぎ取る覚悟をしたが、あの党の連中がああでもない、こうでもないと言って駄目にした。玉木氏の人間の弱さだ」と語った。(産経新聞19年10月9日)』

 しかも、この亀井氏の話を、国民党の玉木代表は否定しなかったという。(~_~;)

『玉木氏、夏の大連立構想否定せず 「いろいろあった」

 国民民主党の玉木雄一郎代表は10日、今年夏ごろ同党と安倍政権との間で持ち上がっていたとされる大連立構想について、否定も肯定もしなかった。国会内で記者団に真相を問われ「参院選の後か前か、いろいろなことが(あった)。政治は一寸先は闇で光、ということだ」と語った。

 大連立構想は、亀井静香元金融担当相が9日のBS―TBS番組で明らかにした。安倍晋三首相と玉木氏の双方から賛同を得たが、国民が立憲民主党などとの野党連携に傾いたと指摘していた。(共同通信19年10月10日)』

* * * * * 

 この話が、民進党から自民党にはいった長島昭久氏などに近い前原、渡辺周氏あたりの改憲派ルートが動いたのか。それとも、亀井氏がこの話を知っているということは、国民党にはいったばかりの小沢一郎氏が絡んでいるのか。

 両党の間で、誰がどう動いたのかは、知る由もないのだが・・・

 ただ、安倍首相や自民党幹部は、7月頃には、憲法改正に関して、国民党の取り込みを示唆する発言を公の場でもしていたし。

 国民党の玉木代表も、7月には安倍首相と改憲の議論や協議を進めると語っていたわけで。両党の間で、改憲の協力→連立構想の話が出たとしても、全く不思議ではないのである。(-"-)

<7月7日『参院選、国民党の改憲候補に注意。安倍が国民党改憲派の取り込みを示唆。公明は逃げの姿勢』、7月28日『国民の玉木が改憲議論や安倍との協議を進めると宣言。突然の手のひら返しで党内外に動揺、批判』>

* * * * *

 安倍首相&改憲仲間は、もともと自民党or自公与党だけでなく、維新や民主党系の野党(or非自民政党)を巻き込む形で、憲法改正の発議を行ないたいと考えていた。
 彼らは、自民党以外の政党が改憲に協力的であること(=改憲が安倍自民の独善的な目標ではないこと)を示して、国民に安心感を与え、賛成多数を得たいと目論んでいるからだ。(-"-)

<同時に、彼らはもし公明党が9条改憲で協力拒否しても、改憲が実現できるぐらい野党からの賛同者を集めておきたい。>

 そこで、彼らは橋下維新が、民主党の保守系議員を巻き込んで、100人規模の非自民の保守政党と作り、改憲に協力してくれることを期待していたのだが。維新は、そこまで拡大できず。

 また17年には、元自民党の小池百合子氏が元民進党の前原誠司氏と組んで、保守系の希望の党を立ち上げたものの、「排除の理論」への反発もあって、思ったほど議席がとれずに終わった。

 希望の党の議員の多くはやむを得ず、旧民進党に出戻って国民党を作ったわけだが。そこには、憲法や安保軍事で、立民党より自民党の方が考えが合う保守派、改憲派の議員が少なからずいるわけで。参院選後、8月2日に開かれた議員懇談会でも、自民党との連携を望む声が出ていたという。^^;

『国民民主が2日に開いた両院議員懇談会では、出席者から立憲への強い不満が示され、「自民党との連立を検討すべきだ」との声も上がった。これに対し玉木雄一郎代表は、立憲との統一会派を含め共闘強化の可能性を追求していく考えを強調した。(時事通信19年8月5日)』

 そんな中、8月5日に、立民党の枝野代表が国民党の玉木代表と国会内で党首会談を行って、立憲の衆院会派入りを提案したのであるが・・・。

 この時、枝野代表は、市民連合が野党に要望した共通政策に賛同する議員と一緒に会派を組みたいと要望。重要政策の一致を求めた。

 肝心な政策の部分が一致していなければ、同一会派での国会運営でも選挙協力でもうまく行かないし。ましてや、将来、同じ党として活動することは困難だからだ。(・・)

 そこには、安倍政権の9条改憲反対、安保法制反対、原発ゼロ実現などの項目が記されているのだが。国民党の中には、これらに賛同できない議員がいる。(-_-;)

 もしかしたら、この頃、国民党は自民党とも、連立構想の協議をこそっと行なっていたのかも知れない。^^;

 一部メディアの中には、枝野代表が統一会派づくりに動いたのは、山本太郎氏のれいわ新選組が世間の注目を浴び、票を伸ばしたことが、枝野代表を焦らせたのではないかと見るところがあったし。
 小沢一郎氏も、こんなことを言っていたのだけど・・・。

『「枝野さんは立憲民主党の将来に、かなり過大な見通しを持っていたが、山本太郎君が率いる『れいわ新選組』が参議院選挙で出した結果に、非常に影響を受けた」・・・「この結果を見て大きく認識を改めたようだ。山本太郎君に表彰状を出さなくちゃいかん」』(NHK10.2)

 まあ、立民党にとっては、確かに山本れいわにネットの注目や浮動票をとられたのは痛かったとは思うけど。枝野代表は、小沢氏が思うほどには、山本氏を脅威には思っていないように感じる。

 枝野代表は、むしろ、国民党が自民党と連携or連立しようとしているのを知って、自民党とは合わない議員を早めに、立民党側に引き入れようとしたのではないかと思うのだ。(・・)

<国民党には、本当は旧民主党、民進党のまま活動したかった中道左派系の議員がまだかなり存在するわけで。立民党の中には、国民党が早く2つに分かれて、中道左派の議員は立民党に合流して欲しいと考えている人がいる。mewもそう思っている。(問題は旧民主党が築いて来た組織、資金をどうするかってことなのよね〜。)>

* * * * *

 しかし、玉木代表は結局、国民党全体で、衆参とも立民党と共同会派を組むことに決定。

 何か「それぞれが異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあうことを確認」するとかい合意書を交わして、共通政策が一致しない問題に関して、玉虫色の決着をつけてしまったのであるが。

 国民党の桜井充氏は、共同会派を組むことに疑問を呈して離党。自民党への入党も否定しなかった。^^; 

『国民民主党の桜井充参院議員(63)=宮城選挙区=が9月30日、参院議員会館で記者会見し、離党の意向を表明した。「無所属の自由な立場で格差拡大の是正など社会の在り方を変える政治活動をしたい」と述べた。(略)

 立憲民主党や国民などの会派合流に関し「疑問を感じる点もあった」と指摘。与党を巻き込むため会派には所属せず、党を離れる決断が必要だったと強調した。

 今後の政治活動で自民入りを目指すのか問われ「受け入れてくれる政党があれば、お世話になることもある。その中の一つが自民であることは間違いない」と可能性を排除しなかった。(河北新報19年10月1日)』

 たぶん国民党には、他にもこのような動きをする議員が出て来ることだろう。(・・)

 年内にも衆院解散というウワサがたえないが。だからと言って、立民党は安易に国民党全体と合流すべきではない。少なくとも重要政策が一致する議員だけ入党を承認すべきだと強く言っておきたいmewなのだった。(@@)

 THANKS




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記事 [政治・選挙・NHK266] 台風19号被害拡大 災害頻発列島で疑問だらけの対策対応<1>危機だけは伝わった気象庁の警戒呼び掛けは役立ったのか(日刊ゲンダイ)



台風19号被害拡大 災害頻発列島で疑問だらけの対策対応<1>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263277
2019/10/15 日刊ゲンダイ


52の堤防が決壊、被害は拡大するばかり(C)共同通信社

「命を守れ」と連呼しながら、肝心の情報は自治体のHPに丸投げしたテレビの限界

 8月の九州北部の大雨や、関東地方を襲った9月の台風15号をはるかにしのぐ記録的な豪雨と暴風で大惨事をもたらした台風19号。国交省や総務省消防庁によると、宮城や福島、長野など、少なくとも37の河川で52カ所の堤防が決壊。水害の影響などで、これまでに11県で計56人の死亡が確認された。消防庁によると、7県の計約76万人に避難指示が続き、計約3万8000人が避難所に。行方不明者は16人で、警察や消防が捜索を続けている。

 頻発する大災害はまるで何かに呪われているようだが、気象庁は今回、台風19号が日本列島を直撃する3日も前に異例の会見を開き、国民に注意を呼び掛けた。

 にもかかわらず、なぜ、悲劇を防げなかったのか。ささやかれているのは、テレビ報道の限界だ。

「命を守るための行動をしてください」。気象庁やNHK、民放アナが繰り返し使ったフレーズだが、違和感や戸惑いを覚えた国民は少なくなかっただろう。「自己責任」を迫られているような突き放した物言いに加え、具体的にどう行動すればいいのかが、よく分からなかったからだ。

 画面上でも「避難指示」や「避難勧告」「避難準備の指示」が出た自治体名が示されたり、読み上げられたりしたが、それ以上の説明はなし。結局、自治体のHPで詳細な情報を確認しなければならなかった。

 地震や津波、豪雨などの防災情報はふだん、スマホアプリを利用しているというITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう言う。

「『命を守るための行動』と連呼されても、ヘルメットをかぶれと言われているのか、すぐに逃げろと言われているのか分からない。次の行動につながるような具体的な情報が欲しかったと思います」

 今回の台風でも、刻々と変化する浸水被害の状況を伝えたり、消防や自衛隊に救助を求めたりするのは、SNSなどネットの方が圧倒的に早かった。

 気象庁や消防が発表する情報を右から左に垂れ流すだけの災害報道はすでに時代遅れ。テレビでは「命は守れない」ことを国民も学んだに違いない。


気象庁の訴えは…(C)共同通信社

危機だけは伝わった気象庁の警戒呼び掛けは役立ったのか

「国民の皆さま、被災地の皆さまに早めの対策をお願いします。自分の大切な人、地域や近隣の人で避難が1人で難しい人にも、適切な台風の備えができるよう気を配っていただければ」

 日本列島に上陸すると予想された12日から3日も前に会見を開き、異例の呼び掛けを行った気象庁。その後も会見を開き、河川の氾濫や土砂崩落の危険性について警鐘乱打し、12日午後には、1都6県の一部に「大雨特別警報」を発表した。かつて経験したことがない超大型台風の襲来という危機感だけはヒシヒシと伝わってきたが、結果的に大きな犠牲が出てしまったことから、「悲痛な叫び」とも言える気象庁の呼び掛けが必ずしも役立ったとは言い難いだろう。政治評論家の森田実氏は「国や国会議員に災害の備えに対する真剣味が足りないため、危機を訴える気象庁だけが際立った面はある」と言い、こう続ける。

「最近の傾向でみられるのは、国や都道府県が市町村の現場に防災業務を丸投げし、災害に対して傍観者になっていることです。千葉県でも問題視されましたが、職員が本気で現場の状況を把握しようとしない。丸投げされた自治体も怠慢なのです。これでは気象庁からの情報がうまく届かないのも無理はないでしょう。その上、今、国民生活に最も密着しているはずの市町村職員の数は減る一方です。地方自治体行政の現場が急速に劣化していることも、台風被害を防げなかった背景にあるでしょう」

 総務省によると、全国の地方公務員数は18年4月現在、約273万7000人で、94年のピーク時から55万人も減った。全国では高度成長期以降に整備された道路や橋、トンネル、河川などのインフラが老朽化を迎えるため、対策は待ったなしだが、自治体現場では対応しきれないのが現状だ。

 行政の劣化が台風被害の拡大を招くのだ。







 



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記事 [政治・選挙・NHK266] 台風前の買い込みで空になった商品棚、でも韓国製品だけ売れ残る=中国ネット「あれは確かに…」「日本人のコメントは理性的だな」

13日、新浪新聞の微博アカウント・微天下は、台風を前にしての買い込みでも、韓国製品は売れ残っていたと日本メディアが報道したことを伝えた。これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。写真は韓国のインスタントラーメン。


台風前の買い込みで空になった商品棚、でも韓国製品だけ売れ残る=中国ネット「あれは確かに…」「日本人のコメントは理性的だな」
Record china配信日時:2019年10月14日(月) 11時30分
https://www.recordchina.co.jp/b752030-s0-c30-d0062.html

2019年10月13日、新浪新聞の微博(ウェイボー)アカウント・微天下は、台風19号を前にして、日本のスーパーやコンビニでは商品棚から多くの商品が空になったが、韓国製品は売れ残っていたと日本メディアが報道したことを伝えた。

記事は、産経新聞の報道を引用。インターネット上のニュースでは、インスタントラーメンなど、韓国製品だけが多く売れ残った商品棚の写真が紹介されており、「命にかかわる災害を前にしても日本人が韓国製品の購入を避けるほど、日韓の対立が深刻なことを物語る」と伝えた。

しかし、日本のネットユーザーからは「嫌韓以前の問題で、単にまずい」「日本人の口に合わない」「辛い食べ物は水が必要だから災害時には適切ではない」などのコメントが寄せられていると伝えた。

これに対し、中国のネットユーザーから「あれは確かにまずい」「日本のインスタントラーメンは確かに韓国よりおいしい」「日清のカップヌードルがあったらほかを買う理由がない」などのコメントが寄せられた。

また、「客観的に言って辛い食べ物は非常用に適していない」「日本人のコメントは理性的だな。メディアに煽られていない」「なんでも食べるのは中国人だけ」などの意見もあった。(翻訳・編集/山中)

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記事 [政治・選挙・NHK266] れいわ・山本代表、「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」を呼びかける(ハーバー・ビジネス・オンライン)
れいわ・山本代表、「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」を呼びかける
https://hbol.jp/204097
2019.10.15 横田一 ハーバー・ビジネス・オンライン

消費税廃止したマレーシアを視察、データをもとに聴衆に説明


9月24日、札幌市内で街頭演説をする山本太郎代表

 参院選で2議席を獲得して脚光を浴びた「れいわ新選組」の山本太郎代表が、北海道を第一弾にした全国ツアーを9月18日から開始。「消費税5%減税」を目玉政策にした「安倍政権打倒」を呼びかけ始めた。

 9月24日の札幌駅南口での街頭記者会見には、約1000人が集まった。

「民主党政権の誕生前を彷彿させる熱気と聴衆の数でした。聴衆からの質問にていねいに答えながら、データをもとに消費税廃止などの政策を説明していく発信力は、小泉進次郎環境大臣以上でしょう」(札幌市民)

 そんな熱気が最高潮に達したのは、「政権交代の旗印として消費税5%減税を掲げよう」と山本代表が訴えたことに聴衆が呼応、大きな拍手が沸き起こった時のことだ。

 山本代表の訴えの特徴は、政策の裏づけとなるデータを示しながら説明していくことだ。消費税廃止(減税)の説明で用いたのは、立憲民主党の中谷一馬衆院議員から誘われて8月下旬に視察したマレーシアの経済指標だった。

 マハティール首相が消費税廃止を掲げて政権交代を果たした同国では、実質国内生産(GDP)が2019年四半期で前年比4.9%も上昇していたのだ。これに対して、日本は1.2%増と低迷している。同時期の個人消費を見ても、マレーシアが7.8%増に対して日本は0.7%増と、差は歴然。消費税廃止の効果は明確に現れていたのだという。

「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはずがない!」と強調


8月に視察したマレーシアの経済指標データを示し、消費税廃止のメリットを紹介

 ただし、消費税廃止に伴う課題についても山本代表は説明。「マレーシアは消費税廃止による税収減を埋め合わせようとして、高級品購入に対してかかる間接税(SST)を復活させた。しかし、これだけでは税収減を補填しきれないので、さらなる所得税強化を検討している」ということも解説した。

 そして、消費税廃止後の消費の推移をグラフで示したうえで「マレーシアの消費税廃止は正しい政策選択であった」と山本代表は結論づけた。

「消費税廃止で増えた消費は、間接税復活で減ったが、再び上昇に転じた。注目点は、間接税復活で減ったとはいえ、底(消費税廃止後、最も下がった時期)の消費額は消費税廃止前よりも大きいこと。税収不足分はさらなる所得税アップや、消費が増えたことによる将来の税収増で埋めることが可能だろう」

 一連のデータを説明したうえで、山本代表は「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはすがない!」と強調したのだ。

 マレーシア視察報告をしながら消費税廃止を訴えるのは、山本代表の“定番ネタ”となっていた。札幌に続く翌25日の旭川での街頭記者会見でも、同じデータを大画面に映し出して説明。北海道ツアーを終えて、消費税が10%に上がった10月1日の新宿街宣でも、同じパターンで紹介していた。

「消費税5%減税」を野党結集の旗印に、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかける


札幌駅前での街頭演説には、約1000人がつめかけた

 次期総選挙での「安倍政権打倒」に向けた現実論をセットで語るのも、山本代表のもう一つの特徴だ。「れいわ新撰組」の目玉政策である消費税廃止の目標を掲げつつも、早期政権交代を実現するための“妥協案”も提示していたのだ。

「消費税廃止にすることができるのは『れいわ新選組で政権取れるまで待つのかよ』という話です。消費税を廃止することを目標にもって、まず少なくとも減税を目指していくのが大事ではないでしょうか。『5%に減税する』と、野党がまとまって選挙を戦えば、政権交代できると思いませんか?」(山本代表)

 最終目標としての消費税廃止を放棄するのではなく、そこに近づく第一歩として実現可能性の高い「消費税5%減税」を野党結集の旗印(共通政策)にして、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかけたのだ。

 札幌でも旭川でも新宿でも、約2時間の街頭記者会見が終わった後も、聴衆の高揚感がすぐに消え去ることはなかった。山本代表とのツーショット写真撮影の希望者が長蛇の列を作り、近くに設置されたポスター提供とカンパ募集、ボランティア登録ができるコーナーにも、多くの人だかりができていた。

これから九州行脚へ、山本代表の全国ツアーは続く


9月25日の旭川駅前での街頭演説にも、約400人の聴衆が集まった

 北海道から始まった全国ツアー(街頭記者会見)は“れいわ旋風”を各地に起こす役割を果たし、支持者拡大へと確実につながっている。結党から約半年の「れいわ新選組」がすでに野党第二党の国民民主党を上回る政党支持率を記録しているのは、山本代表の存在感と期待感の賜物といえるだろう。

 旭川でのツーショット撮影が終わったのは、開始から2時間半後の21時すぎ。気温10℃以下の寒さの中で囲み取材が始まった。「消費税5%減税で野党が一致できるのか」との問いに、山本代表は自信たっぷりにこう答えた。

「(いち早く賛同した)共産党だけでなく、『消費税5%減税を旗印にすれば、次期衆院選挙で政権交代できる』と話す野党議員は何人もいます」

 北海道に続く全国ツアー第2弾は九州(10月15〜20日、24〜28日)へと向かうという。「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」の狼煙を上げ始め、いまや永田町の“台風の目”のような存在となっている山本代表から目が離せない。

文・写真/横田 一
横田一
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数


山本太郎 北海道総集編 全国ツアー 2019年9月 ありがとう!







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