住民が帰還しない富岡町、福島第二廃炉も効果なし
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2019/10/02(水) 19:45:40 めげ猫「タマ」の日記
2017年4月1日に避難指示が解除された福島県富岡町(1)には、778世帯の方が暮らしています(2)。一方で、事故時によって避難した住民を対象とした調査で、現在は富岡町に住んで入ると回答したかたは、2,992世帯中6%の148世帯です(3)。残りは概ね事故後に新たに移住された方です。福島第二が廃炉になりましたが(4)、住民の帰還には結びつかたかったようです。
福島県富岡町(とみおかまち)は、福島県沿岸部、中部ある町で、東京電力福島第二原子力発電所が立地します。原発事故によって全域は避難地域となりました(1)。以下に示します。
事故から8年7ヶ月が過ぎて、汚染されている福島
※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で10月1日時点に換算
※2 避難区域は(7)による
図−1 福島県富岡町
図に示す様に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えています(8)。それでも安倍出戻り内閣は「安全」だとし(9)、2017年4月1日に避難指示を解除しました(1)(7)。
同町には多くの原子力や関連した施設があります。
・福島第二発電所(10)
・指定(放射性)廃棄物処分場(11)。
・リンプルふくしま(指定廃棄物処分場PR施設)(12)。
・「東京電力廃炉資料館」(13)。
また北隣の大熊町には福島第一原発や中間貯蔵施設があります(14)(15)。福島第一では安定化作業では約6,500人の方が(16)、中間貯蔵施設でも3千人以上の方が働いています(15)。福島第二も含め同町や同町周辺には原子力の仕事が溢れています。
富岡町は町の復興に力を注いできました。
2016年10月 町営診療所再開(16)
2017年 3月 ショッピングセンターのグランドオープン(17)
2017年 4月 一部を除き避難指示解除(7)(18)
2017年10月 JR富岡駅再開(18)
2018年 4月 学校再開(18)
2018年 8月 リンプルふくしま開館(12)
2018年10月 県ふたば医療センター付属病院で多目的医療用ヘリ運用開始(19)。
2018年11月 東京電力廃炉資料館開館(13)
2019年 4月 こども園開園(20)
2019年 7月 富岡漁港再開(21)、福島第二原発廃炉の正式決定(22)
2019年 9月 福島第二廃炉届(4)
それでも住民は戻らないようです。以下に富岡町民の居住先を示します。
住民がなかなか戻らない福島県富岡町
※1(1)(23)を集計
※2 避難指示解除後の新規転入者を含む
図―2 富岡町民の居住先
図に示す様に町内居住があまり進んでいません。避難指示解除後2年5ヶ月の今年9月1日時点で
住民登録 12,854人中で町内在住は1,107人(8.6%)
です(2)。
でも増えたものをあります。以下に富岡町への転入者数を示します。
2017年4月以降に急増した富岡町への転入者
※(24)を集計
図―3 富岡町内の転入者数
図に示す様に避難指示が解除された昨年4月以降に急に増えています。避難指示解除によって富岡町内に住居を確保できれば誰もが富岡町に住むことができるようになりました。多くの方が富岡町に新たに移り住んだようです。
以下に在住者の増減と新規転入者を示します。
町内在住者増分と転入者がほぼ同じ福島県富岡町
※1(1)(23)(24)を集計
※2 過去分を含む
図―4 富岡町内在住者の増減と新規転入者数
避難指示解除直後は町内居住者増加数が新規転入者に比べ多かったのですが、その後は町内居住者増加数と新規転入者数がほぼ同じになりました。富岡町で町内在住者が増えている要因は住民の帰還でなく、新規の転入者です。
避難指示解除の新規転入者の合計は749人(男性573人、女性176人)
で、町内居住者1,107人の68%に達します。富岡町に住んでいるのは、事故前から住民でなく、大部分は避難指示解除後に富岡町に新規に転入して来た方です。
事故時によって避難した住民を対象とした住民以降調査で、現在は富岡町に住んで入ると回答したかたは、2,992世帯中6%の148世帯です。回答率が44.3%なので(3)、富岡町内に住んでいても回答しなかった方がいるかもしれませんが、それ程多くはないと思います。一方で富岡町に住んでいるのが778世帯です(2)。
富岡町内に住んで入る方の大部分は帰還者でなく避難指示解除後に新たに移り住んだ方です。
新規転入者の多くが男性です。福島第一で働くのは大部分が男性です(24)。富岡町や周囲には原子力関係の仕事が沢山あります。概ね原子力関係者です。8月中の
町内在住者の増分 22人
新規転入者 20人
で、新規転入者が町内在住者の増分とほぼ同じです。あらたに町に移り住んだのは、概ね新規転入者です。福島第二廃炉も住民の帰還には結びつきません。
避難指示解除は町の再生のスタートでなく、別の町ができるスタートです。廃炉に従事する男性の町、これが新たな富岡町です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
今年、4月以降の町内在住者の増分は185人、133世帯です(1)(23)。富岡町に移り住んだ方の多くは単身赴任です。富岡町は学校教育に力を入れています(24)。それでも原子力ムラの皆様は家族を連れて来るのにはためらいがあるようです。そして、福島の皆様も不安なようでうす。
福島を代表する果物にブドウがあります(26)。福島県福島市が最大の産地です(27)。今年も出荷が始まっています(28)。福島のブドウは一粒ひとつぶ、力強い甘さが特徴です(26)。福島県は福島産ブドウは「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ブドウはありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
※(30)を引用
図―5 福島産ブドウが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3036.html
(1)富岡町 - Wikipedia
(2)県内外の避難・居住先別人数【令和元年9月1日現在】/富岡町
(3)富岡町住民意向調査 調査結果が公表されました(平成31年4月24日更新)
(4)福島第二原子力発電所の廃止に伴う発電事業変更届出書の提出について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(7)避難区域の変遷について−解説− - 福島県ホームページ
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判 :日本経済新聞
(10)処分に向けた取組み|福島県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(11)アクセス|特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま|環境省
(12)東京電力廃炉資料館|廃炉資料館|東京電力ホールディングス株式会社
(13)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(14)中間貯蔵施設の概要|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(15)福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2019年⇒ 9月
(16)第11回 中間貯蔵施設環境安全委員会 開催報告 - 福島県ホームページ中の資料1)中間貯蔵施設事業の状況について [PDFファイル/11.08MB]
(17)広報とみおか(平成30年4月号)
(18)春の大感謝祭 さくらモールとみおか グランドオープン1周年イベント|イベント・催し情報 | 富岡町役場
(19)多目的医療用ヘリ正式運航開始 - 福島県ホームページ
(20)みんなで遊ぶの楽しみ、富岡・こども園開園 | 河北新報オンラインニュース
(21)福島・富岡漁港が再開、被災漁港の全てが再開 | 河北新報オンラインニュース
(22)福島第二原子力発電所の廃止について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(23)広報とみおか/富岡町
(24)福島県の推計人口(令和元年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(25)富岡町の学校教育に関するお知らせ | 富岡町文化交流センター 学びの森
(26)くだもの図鑑 ? くだもの消費拡大委員会
(27)くだものづくりがさかんな福島盆地
(28)トピックス | JAふくしま未来
(29)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(30)平野店 | お店を探す | ヨークベニマル