日米貿易協定:首脳会談で、合意文書に署名 !
=TPP水準まで農産品開放−日米首脳が会談
安倍政権の日米関係の深層・真相は ?
(www.jiji.com:2019年09月26日01時37分より抜粋・転載)
【ニューヨーク時事】安倍晋三首相は、9月25日昼(日本時間26日未明)、トランプ米大統領とニューヨーク市内で会談し、日米貿易協定交渉の最終合意を確認した文書に署名した。
会談後に共同声明を発表する見通しだ。日本は、米国が重視していた牛肉、豚肉、小麦の市場を環太平洋連携協定(TPP)水準まで開放。米国は、幅広い工業品の関税を撤廃・削減するものの、TPPで約束した、自動車の関税撤廃には応じない。
両首脳は、最終合意を歓迎。安倍首相は、「発効すれば日本の投資が増え、両国の経済関係は発展する」と述べ、トランプ大統領は、「米国農家にとって大きな勝利だ」と強調した。
交渉は、茂木敏充外相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による、23日の協議で最終合意に達した。市場開放規模はそれぞれ、約70億ドル(約7500億円)となる見込みである。
日米とも国内の法的審査が間に合わなかったため、日米貿易協定への正式な署名は、月内にも閣僚・大使レベルで、行う方針だ。
○日米貿易協定で、コメの無関税枠設けず
と茂木外相
(topics.smt.docomo.ne.jp:2019年09月26日05時01分より抜粋・転載)
共同通信:
【ニューヨーク共同】茂木敏充外相は、9月25日(日本時間26日)、日米首脳が貿易協定締結で最終合意した後に記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)で認めた米国産コメの無関税枠を新協定では設けないと明らかにした。
★米国産の牛肉・豚肉は、TPP水準まで関税を一気に引き下げる。
★日本の自動車や関連部品への関税撤廃は見送られ、米国への譲歩が目立つ内容となる見込みである。
(参考資料)
茂木外相は、「交渉をとりまとめた」のではなく、
米国の要求を一方的に呑まされた !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/09/23より抜粋・転載)
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1)日本政府が公言した、TAGの正体は、
包括的な通商協定であり、FTAに該当する !
日本政府が、TAG(物品貿易協定)と称している、FTA(自由貿易協定)が、ニューヨークで9月25日午後に署名、調印されると伝えられている。
TAGは “a Trade Agreement on goods”の略称である。
FTAは “a Free Trade Agreement”の略称である。
米国政府が、公表している日米通商交渉は、
“a Trade Agreement on goods, as well as on other key areas includingservices”:である。
日米物品貿易協定ではない、包括的な通商協定であり、FTAに該当するものだ。
2)ペンス副大統領の言葉は、日本政府の
懇願を米国政府が受け入れた可能性大だ !
米国のペンス副大統領は、2018年10月4日の講演で、
“a bilateral Free Trade Agreement with Japan”、と述べた。
ところが、ホワイトハウスサイトにおける講演録では、“a bilateral free-trade deal with Japan”
に書き換えられた。
日本政府の懇願を米国政府が受け入れたものと見られる。
もちろん、米国政府がただで懇願を受け入れることはない。見返りが十分に提供された。
WTOのルールで、FTAでなければ、2国間での関税率引き下げは認められない。
米国政府に特定の優遇関税を適用するには、協定がFTAであることが必要である。
3)安倍首相は、何回も、国会答弁で
米国をTPPに引き戻すと発言した !
4)日米FTA交渉で大枠合意するとの
トランプ氏発言に、安倍首相は反論しなかった !
安倍首相は何一つ反論できなかった。
そして、8月末のフランスG7会合の際の日米首脳会談で、日米FTAの大枠合意が一方的に宣言された。交渉の責任者は、茂木敏充氏である。
茂木氏は、日米交渉を取りまとめた功績を評価されて、9月11日の内閣改造で外相に抜擢されたと伝えられている。
安倍内閣の説明通りに報道する、日本のマスメディアは、木偶(でく)の坊以下の存在だ。
5)茂木敏充外相は、「交渉をとりまとめた」
のではなく、米国の要求を一方的に呑まされた !
「交渉をとりまとめた」のではなく、米国の要求を一方的に呑まされただけである。
時代が時代なら、茂木敏充外相は桜田門外の変で抹殺されてもおかしくない状況だ。
日本政府は、米国からの要求を、一方的に呑まされた事実を、覆い隠すために懸命だ。
コメの無関税枠の設定を行わない、自動車輸入関税の撤廃を、将来実施するかたちだけの可能性、
米国による自動車輸入に対する、制裁関税発動の可能性の否定、などを協定文書になんとか盛り込むことに懸命になっている。
6)日本政府の対応は、全体の構図から見れば、
「焼け石に水」の対応でしかない !
しかし、全体の構図から見れば「焼け石に水」の対応でしかない。
日米FTAは日本の一方的譲歩によって決着される。
そもそも、「米国をTPPに回帰させ、日米FTA交渉をやらない」という安倍首相の国会発言という重大な責任が存在する。
10月4日に招集される臨時国会では、安倍首相の責任が厳正に追及されねばならない。
7)真実を報道しない、日本メディア
の御用化は、目を覆うばかりである !
8)安倍内閣の正体は、ハゲタカ資本の命令に隷属している !
安倍内閣は、日本一次産業を守ること、国民の生命と健康を守ることを放棄して、ハゲタカ資本の命令に隷属している。
最大の問題は、日本が自由貿易協定に積極的になることを正当化する唯一の根拠である、日本の自動車輸出、自動車部品輸出の関税撤廃が、日米協議で完全に消し去られたことだ。
TPP交渉においても安倍内閣は完全な「売国対応」を示していた。
はなから日本の国益を放棄し、米国にひれ伏してTPP交渉への参加を認めてもらった。
9)今回の日米FTAでは、安倍内閣は、
「売国対応」し、米国への隷従を強めた !
今回の日米FTAでは、そのレベルを超えて、米国への隷従を強めた。
今回の日米FTAは、160年前の日米修好通商条約以来の売国不平等条約だ。
国会は売国交渉を主導した茂木敏充担当相の即時罷免を求めるべきだ。
2018年度の日本の対米輸出は、15兆4702億円である。
このうち、自動車が、4兆5241億円、自動車部品が、9295億円で合計5兆4536億円だ。
10 )自動車および自動車部品の輸出は、対米輸出全体の43.7 %である !
自動車および自動車部品の輸出が、5兆4536億円で、対米輸出全体の43.7%を占めている。
WTOには、2国間で関税を撤廃、あるいは引き下げる、FTA協定を締結する場合、「すべての貿易について関税を撤廃しなければならない」というルールがある。
米国が、日本からの自動車輸入の関税撤廃を協定に盛り込まない場合、日米FTAが、WTOルールに抵触する可能性が浮上する。
11 )これまでのFTAでは、9 割以上
の比率での関税撤廃が盛り込まれてきた !
WTOの「すべての貿易について関税を撤廃しなければならない」とのルールには明確な数値的基準がないため、全体の何%部分の関税撤廃で、このルールを満たすのかが、明確に定められているわけではないが、これまでのFTAでは、9割以上の比率での関税撤廃が盛り込まれてきた。
この点を踏まえれば、米国が協定のなかに、米国の自動車輸入関税について「将来の関税撤廃」に含みを持たせる可能性はある。
そうしないと、日米FTAがWTOルールに抵触する恐れが高いからだ。
12 )日米FTAにおける、期限の定め
のない関税撤廃条項に意味はない !
13 )安倍内閣は、日本がメリットを得られる
唯一の分野の関税撤廃を、24年間も封印した !
14 )日本から米国へのSUV輸出の関税率は、25%である !
15 )米国は、白昼堂々と、SUV等に、
25%という高率関税を維持している !
16 )安倍内閣は、主権者の利益を守る事を
放棄し、宗主国米国の命令に従っている !
17 )米国従属の安倍政権・売国政府
には、退場してもらう以外に選択はない !
その要求を片鱗も示さずに、米国の要求を呑むだけであるなら、そのような売国政府には退場してもらう以外に選択はない。
臨時国会では、安倍売国害交(国益を損なう外交)の実態を、主権者の前に明らかにする必要がある。