35年後には夫婦で月額13万円… 「本当にもらえる年金額」早見表
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マネーポストWEB 9/22(日) 16:00配信 女性セブン2019年9月26日・10月3日号
「経済成長率−0.5%」なら「夫婦の年金はこんなに減る」早見表
8月27日に公表された年金の「財政検証」では、経済成長率や物価上昇率が高い順に、将来、どれぐらいの年金がもらえるのか「6つのケース」が試算されたが、最も経済成長率の高いケース(経済成長率0.9%)でも、公的年金は約2割も減ることがわかった。低成長が続く昨今、将来、どれくらい悲惨な状況が待っているのか、年金は本当はいくらもらえるのか、知っておくことが賢明だ。
そこで今回は、政府の試算のなかでも最も現実味のある経済成長が進まないケース(経済成長率マイナス0.5%)に従って、サラリーマンの夫と専業主婦という、政府が想定する「モデル世帯」が受け取る年金額を試算した(表参照)。
ここではあえて、将来の物価の変動は考慮せずに算出した。今のお金の価値のままならば、どれくらい年金が減るのか、どれくらいのお金で老後を暮らさなければならないかが、より実感できるからだ。
別掲した早見表を見ていただければ一目瞭然だが、若い世代になればなるほど、受け取れる年金はどんどん少なくなる。
たとえば、55才の夫の生涯平均年収が350万円の場合、65才になった時に夫婦で受け取れる額は17.5万円。現在65才の人の年金額19万円と比べると、1.5万円も少なくなる。
それだけではない。実は年金は、受給を開始してからも減額されていく。現在55才の人なら、65才から受け取り始めて、75才になる頃には15.9万円、85才では14.7万円、95才では11.3万円まで減らされる。夫婦2人分の年金額が月11万円とすれば、食費や光熱費、通信費だけですぐになくなる額だ。「年金博士」として知られる、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さん(社会保険労務士)が指摘する。
「年金財政を支え続けるためには、少ない年金からさらに受給額を減らしたり、受け取る年齢を上げるなどするしかありません。最も可能性が高いのが後者です。現在の65才から、70才への引き上げを目指しているのは明らかです」
安倍晋三首相が議長を務める「人生100年時代構想会議」では、「80才まで働くことを考える」という発言まで飛び交った。年金受給開始年齢のゴールは実に「80才」という見方まであるのだ。
また、専業主婦は、夫が厚生年金に加入していれば、妻自身が保険料を払わなくても、「第3号被保険者」として国民年金を受給できるお得な仕組みがあるのだが、見直しが進みそうだ。
厚労省は2002年の年金部会で、(1)夫の厚生年金を妻と2分割、(2)第3号に保険料負担を求める、(3)第3号の年金給付を減額、(4)第3号の対象者を縮小していく──という改革案を提示した。以来、年金制度改革のたびに、保険料負担がないことは不公平だとして主婦を狙い撃ちにする「第3号」の廃止議論が高まってきた。北村さんが話す。
「今すぐ第3号が廃止されるとは考えにくいが、パート主婦への厚生年金適用拡大によって、実質的に第3号は減っていくとみています」
政府は、これまで保険料を払ってこなかった主婦層にも狙いを定め、年金の担い手を増やそうとしている。さらに、高齢者を働かせることで年金の受給開始年齢も引き上げようというのだ。年金の入口を増やし、出口を絞る先にあるのは、国民の負担増にほかならない。