3. 2019年9月20日 00:00:20 : yL5Gzq7kkU : VmVNM0RML3doVWc=[514]
サウジアラビアの軍事費はロシアより大きい。しかし軍事的にはロシアの足元にも及ばない、話にならない。それはなぜか?
サウジアラビアはアメリカ製の兵器を買っている。日本と同じだ。
http://www.asyura2.com/19/cult22/msg/642.html#c3
★阿修羅♪ > アーカイブ > 2019年9月 > 20日時分 〜
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サウジアラビアはアメリカ製の兵器を買っている。日本と同じだ。
http://www.asyura2.com/19/cult22/msg/642.html#c3
https://www.srf.ch/news/international/freisprueche-im-fall-fukushima-nachlaessigkeit-kann-man-den-managern-offenbar-nicht-vorwerfen
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c52
スイスの報道の読者コメント:
日本は犯罪率が非常に低いのに、
上層部の政府と官僚は、縁故事業で潤い、
原発推進の産業界の言いなり。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c53
>温度が下がっても、他にどんな副次的な影響が出るかわからない。
ジオ・エンジニアリングの副作用は、これから100年かけて研究していけばよい。
すでに世界では研究が進んでもいる。
日本では、山本良一氏が熱心だ。
まあ、やるとしてもティッピングポイントを超えそうだという時点だろうな、今より+1℃〜2℃ぐらい気温が上昇した場合だ。
かといって、ぼくは寒冷化すると考えているから、あくまでも万が一を考えてのことだ。
周りがマスコミが将来も含めて世襲好きの日本人にアピールできるまた利用できると判断しているだけだ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/640.html#c8
それは、あなたの勝手な思い込みでしょう。 ネットのユーチューブビデオとか、個人がやっている情報ビデオはウソがほとんどだから、あんなのばっかり見ているとバカになるよ。 27.みたいなバカにね。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/638.html#c34
東京五輪は延期するしかない。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/633.html#c28
その実験はインドの農業地帯で行われました。
収穫前でお金が足りない状況と、収穫後でお金に余裕がある状況の農民に対して検査を行ったのです。
こうすることで、お金持ちと貧乏人を比べるのではなく、同じ人間がお金に余裕がある時とない時で、どう知能や判断能力に変化が出るかを調べることができます。
結果、お金への欠乏が知能に与える影響は、やはり大きいことがわかりました。
知能検査での正解率は、収穫後のほうが約25パーセントも高かったのです。
この違いはIQに置き換えると9~10ポイント相当にもなります。
これは「トンネリング」という、目先の欠乏に意識が行き過ぎて、他のことが見えなくなる視野狭窄現象が起きているからだそうです。
▼貧乏人ほどムチャクチャな方法でカモられる理由
お金がないとギャンブルなどで一発逆転を狙ったりする人を見て、周囲の人は「アホだなぁ」なんて思っているものですが、これってそもそも金銭的欠乏が脳のシェアを使いすぎていて本人の判断能力が下がっているからともいえると思います。
こういう脳の状態だと、ギャンブルでなくても、無駄遣いをしてしまったり、失敗する可能性が高い投資に手を出したりすることにつながり、無駄なリスクを負いやすくなる。
ずる賢いやつらにカモにされやすいわけです。
▽記事内容を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい
h ttps://r25.jp/article/721630611537498701
2019/09/19(木) 23:51:30.62ID:/ZK25hnM0
>1-99
山本太郎支持者のことやな😁
【悲報】れいわ新選組支持者、ほとんど40代か50代だった
https://i.imgur.com/5iLPqYK.jpg
悩みかかえ・・・れいわ支持
98 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ニククエ bfc2-4pFB) sage 2019/07/29(月) 16:47:38.66 ID:r8ptcOVu0NIKU
彼だけが私を勇気づけてくれた・・・
非正規の仕事を転々とし、神経を擦り減らし、体調も崩した50代の男性。
なんと貯金5万円のうちから、1万円をれいわ新選組に寄付
https://i.imgur.com/WRvErbl.jpg
122 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ニククエWW 8aae-FnrL) sage 2019/07/29(月) 16:50:38.90 ID:pY353rMd0NIKU
>>98
山本太郎に騙された子供部屋おじさんの末路
h ttps://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1568753653/
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/540.html
ドローンで千葉県の被災情報収集を実現させたのは国民民主の青木あい先生です。
その惨状を正しく伝えたからこそ、政府もガン無視をキメることが出来なくなり、動かざるを得なくなったという意味で、野党としては障がい者を参議院に突っ込んだ山本太郎先生に続く快挙と言えるでしょう。
この功績を上げたのは、生活の党でも自由党でもれいわでもありません、「国民民主の」青木あい先生です。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/632.html#c24
多摩散人です。
>原発止めたら何年何か月後に江戸時代になるんですか?
ここに答えが書いてあるよ。
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/238.html#c136
>改憲しないと何年何か月後に侵略されちゃうんですか?
私は最善策は改憲だが、次善策としては護憲派と一緒に9条をいくらでも破ればよいと言う立場です。日本は9条を破って「戦争不放棄」「戦力保持」「日米安保堅持」の政策をとっており、護憲派もそれに賛成しているので、とりあえずは侵略が迫っていることはない。しかし、9条を破って軍拡を続けても、油断があれば危ないことにもなるでしょう。
>何年何か月後に
9条を守って「戦争放棄」「戦力不保持」「日米安保はやめて非武装」の政策をとれば、3日後に北朝鮮、中国、ロシア、アメリカ、オーストラリア、台湾、その他の国の中の「どれか(複数)」が日本を侵略するでしょう。
>事故後8年経過で、まだ福島の県外避難者が3万人以上存在する現実。現状で100万tオーバーの汚染水。予算も工期も見通しの立たない廃炉作業。放射能で汚染された広大な土地。
台風が来て千葉が停電になっても阿鼻叫喚だというなら、事故後8年目の今も原発事故由来の阿鼻叫喚だよ。
事故や事故で苦しんでいる人がいるから阿鼻叫喚だと言うなら、人類史上は阿鼻叫喚のれんぞくでしょう。
詳しく言うと、「日本は阿鼻叫喚になる」というのは、私が言い出したことではなく、反原発派が言い出したことなんです。事故後すぐから事故後3年目くらいでした。反原発派が「原発事故の放射能を軽く見るな、もうすぐ日本中が放射能の被害で阿鼻叫喚になるぞ」と予言したんです。あなたも、その時の日本社会の雰囲気を憶えているでしょう。その時、そういう人は「今、県外避難者がいるから、今すでに阿鼻叫喚だ」とは言わなかった。「もうすぐ放射能の被害で、死者や病人が沢山出て、日本は阿鼻叫喚になるぞ」と言って、国民を脅したんです。そこで、私が、「「もうすぐ」とは事故後何年で阿鼻叫喚になるんですか」と質問したんです。そうしたら、色々な答えがあったが、「事故後5年目くらいだ」という答えが一番多かったので、私は「では、事故後5年目に検証しましょう」と言ったが、阿鼻叫喚は影も形もなかった。事故後8年目の今でも、原発事故の放射能に由来する病人や死者は、一人も確認されていないんです。
阿鼻叫喚とは、日本国中が地獄のようになるということです。あなたがそうだと言うなら、私は否定しないが、阿鼻叫喚の中にいる人の証言を出してくださいよ。
今日はこれまで。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/608.html#c66
ところが北朝鮮は1,9程あってほぼ人口が維持できる状況である。GDPだけを見ると北朝鮮など屁にもならないように見えるが、外国人労働者を大量に入国させている韓国にしてみれば北朝鮮から若年労働力が入ってくるのは大歓迎のはずだ。同じ民族なら言葉も生活習慣も同じだ。これを利用すれば一気に飛躍できる。
これを突破口にすれば南北統一も夢ではない。アメリカとの関係、中国との関係が問題となるが米韓軍事同盟が廃止となれば可能性はある。ドイツの統一の経過は参考になる。まあ半世紀ぐらいはかかるかも知れんが。
http://www.asyura2.com/19/cult22/msg/635.html#c2
こちらの牧田寛氏の記事が問題点が良くまとまっているのでよろしければご参考に。
ハーバービジネスオンライン 牧田寛
東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する
https://hbol.jp/174094?display=b
(以下、冒頭部分を転載)
>去る8月30日から31日にかけて、東京電力福島第一原子力発電所(福島第一:1F)で貯まり続ける「トリチウム水」の海洋放出について社会的同意を求めるための公聴会が福島県と東京都の三会場で経済産業省(経産省:METI)により開催されました。 その7日前に当たる8月23日に河北新報により、8月27日にフリーランスライターの木野龍逸氏により「トリチウム水」には、基準を超えるヨウ素129などの放射性核種が含まれていることが報じられました。 (参照:処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度 | 河北新報 2018年08月23日木曜日、トリチウム水と政府は呼ぶけど実際には他の放射性物質が1年で65回も基準超過(木野龍逸) ? Y!ニュース 2018年08月27日月曜日) これら報道への反響はたいへんに大きく、30日からの公聴会は全会場、全日程で大荒れとなり、市民からは反対の声が多勢を占める結果となりました。 一体何が起きたのでしょうか。
(転載終わり)
その後をざっと要約すると、そもそも福島第一原発は豊富な地下水脈の上に建てられてしまったので、常時その地下水をくみ上げて枯らす井戸が稼働している必要があった。しかし、事故後はその井戸が稼働しなくなってしまったので、地下水がどんどん湧き出て来て原子炉から放出された放射性物質を含む汚染水が大量に出来てしまうようになった。
しかし、2013年以降は多核種除去装置が稼働してトリチウム以外の核種はだいたい取り除けるようになった。残ったのは水素の放射性同位体であるトリチウムを含んだ水である。そのトリチウム水をこれまでは放出せずにタンクに貯めて来たがもう限界である。
トリチウムそのものは大量に摂取したり、常時浴び続けたりしない限りは「大きな被害は起りにくい」ので、海洋放出しても大丈夫だろうという意見が出て来た。(この記事の著者もそうするしかないだろうと思っていた)
ところが・・・
トリチウム水という名は実はその実態とはかけ離れていて、実際には他の危険な核種も無視できないレベルで含んでいる事実が発覚。
(以下、上記記事2ページより転載)
>結論ありきの政府・東電の公聴会
https://hbol.jp/174094/2
>これまで政府と東電は、一般向けにはALPSなどでトリチウム以外の核種は除去しており、「トリチウム水」には他の核種は検出限界以下、または基準以下しか含まれていないと説明してきました。 そのためあらゆるPA活動や公聴会が「トリチウム水の海洋放出」への理解を求めるものでした。 ところが、23日の河北新報での報道では、その「トリチウム水」から、告知濃度限度を超えるヨウ素129が2017年の1年間で60回検出されたこと、さらにルテニウム106、テクネチウム99を加えると2017年だけで65回、告知濃度限度を超えていたことがわかりました。加えてその後、ストロンチウム90の告知濃度限度超過もわかりました。 さらにヨウ素129とルテニウム106は、昨年から今年にかけての84回の分析のうち45回と過半数で告知濃度限度を超えていたと報じられています。(※前出木野氏の記事による) これまで東電は、ルテニウムを除き、トリチウム水ではトリチウム以外の核種は検出限界以下であると説明し、30日31日の公聴会は「トリチウム水」にはトリチウム以外の核種は含まれない(検出限界以下である)ことを大前提として行われました。 実際問題として、PAのセレモニーとしての「公聴会」はシナリオが決まっていますから、前提が覆されるような事実が出てきても「トリチウム水」の海洋放出というシナリオの書き換えができません。結果、公聴会当日は海洋放出への反対意見が相次ぎ、大荒れとなりました。 結局、公聴会2日目の8月31日が締め切りだった市民への意見募集は、9月7日消印有効と延長されるなど、PAとしては惨憺たる結果に終わっています。(参照:経産省)
>まっとうな手順を無視した政府・東電
>今回、なぜこのように経産省、東電の目論見は崩れたのでしょうか。委員の発言にあったように、政府、東電は、大型タンクでの長期間保管は議論の俎上に上げないという内々での申し合わせをし、海洋放出を唯一の現実的解にして公聴会を締めるつもりでした。これはいつものPAの手法で、公聴会の形骸化そのものでした。 そもそも、「トリチウム水」という説明が事実と異なっていたことが第一の問題です。「トリチウム水」ならば、放射性核種はトリチウムのみであり、総量規制、濃度規制を遵守し、経過と結果について情報を誠実に公開すれば、市民の合意のもとにロンドン条約との整合性をとった上で海洋放出処分ができるはずでした。 ところが実際にはトリチウム以外に告知濃度限度を超えるヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99、ストロンチウム90が過半数の測定で検出されていました。東電はそのことを認識していましたが、生データを公開していたものの、事実を説明していませんでした。生データは膨大であり、精査しなければわかりません。そうした上で、東電はこれまで、「測定している62種類の放射性物質は、他核種除去装置によって告知濃度限度以下まで除去でき、残るはトリチウムだけである」と説明してきたのです。 これでは、放射性物質の海洋放出処分の大前提である市民の同意は得られません。同意を得るための大前提である信頼が崩れてしまったのです。
(以下、3ページ目より)
>今後、「トリチウム水」(ALPS処理水)はどうなってしまうのか?
https://hbol.jp/174094/3
>ここで福島第一の「トリチウム水」の現状を見てみましょう。 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会説明・公聴会説明資料pp.5によれば、構内のALPS処理水の平成30年3月時点での状況は以下のようになっています。 タンク貯蔵量:約105万m3 タンク建設計画:137万m3(2020年末) ALPS処理水増加量:約5〜8万m3/年 ALPS処理水のトリチウム濃度:約100万Bq/L(約0.02μg/L) タンク内のトリチウム量:約1000兆Bq(約20g) そして、この発表資料にはありませんが、報道されたように「トリチウム水」(ALPS処理水)には、トリチウム以外のベータ核種が含まれており、全ベータ核種合計(トリチウムを除くベータ核種合計)は100Bq/Lとされてきています。しかし、実際には100〜1000Bq/Lでかなりの揺らぎがあるようです。 先にも申し上げたように、この全ベータ核種合計を表に載せないこと自体がきわめて不誠実です。 次にALPS処理水とSr処理水のタンク容量の推移の実績と予測を示します。
*「福島第一 タンク建設の見通し/多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会説明・公聴会説明資料 pp.25」 図版有り*
これらから、2年後にはALPS処理水は130万トン、トリチウムの全放射能量は1.3PBq(ペタ=千兆)と見積もられます。 福島第一原子力発電所は、事故前にはトリチウムを年間で2TBq(テラ=1兆)放出していましたので、通常運転時の500年分のトリチウムがタンクの中に存在することになります。現在も事実上の目安とされている福島第一の事故前のトリチウム放出管理目標値は、22TBqでしたので、この管理目標を遵守すると単純計算で約60年、実際にはトリチウムの半減期が約12年ですので、2020年以降の増加量も勘案して環境放出には約25〜30年かかることになります。ただし、地下水などの経路からのトリチウム放出の分を加えなければいけませんので、実際には30〜40年かかることになります。 国と東電は、7年間で海洋放出を完了するつもりですので、これもつじつまが合いません。 また、トリチウム以外の全ベータ核種(全ベータ核種)の濃度を保守的に500Bq/Lと仮定すると、全ベータ核種の放射能量は、0.65TBqとなります。福島第一の事故前のトリチウム以外の液体廃棄物の放出管理目標値は、1年あたり0.22TBqでしたので、こちらは地下水経路も含めて10年程度で十分でしょう。 結局、ALPS処理水を事故前の環境放出基準を遵守して海洋放出する場合、40年程度の期間を要し、結局今の小型タンクでは耐久性や管理の煩雑さから維持できなくなると考えられます。 トリチウム放出管理目標値を変更するのならば、それは別に審査と市民による合意の手続きを経ねばなりません。また、放射性物質を生産を行わない陸上施設から海洋に放出しますので、ロンドン条約との整合性をとる必要があり、条約締結国からの合意を得る必要があるでしょう。この環境基準を大きく緩和するという手続きについて政府、東電はたいへんに軽く見込んでいると思われます。過去の公害、鉱毒などによる環境破壊と被害の歴史を省みれば、とても考えられない行為です。
(転載終わり)
ざっと、こんなところです。
まあ、韓国が文句言った以前に、国内での公聴会が大荒れになったというのですから、まずは国内問題として議論すべきではないですかね。
皆さんはどう思われます?
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/895.html#c62
枝野、福山、野田、菅、玄葉達が、中心にいては、ダメ。
こいつらは、退場してほしい。
●12 増税反対 氏
「差別に当たるかもしれないが、枝野の見た目としゃべり方は最悪だ」
その言う通り
大衆は、イメージで判断します。
「見た目としゃべりかた」が酷い枝野は、代表の資格ない。
野田と管と一緒に消えてくれ。
なぜここ数年で、一日運動会ができなくなったか、
今までの要因とは違うものが加わったからだ。
放射能被ばくと仮定すれば、すべてを矛盾なく説明できる。
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/889.html#c31
公聴会は大荒れだったそうです。
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/103.html#c13
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9月14日の読売新聞に掲載された「Hanada」の広告では、この記事が最も大きく紹介され、完売御礼大増刷出来! の文字も。
「10月号は発売後すぐに売り切れになったので、増刷しています。普段は7万部刷るのですが、今回は12、3万部くらいになったようですね」
と話すのは、記事を執筆したジャーナリストの篠原常一郎氏。
「文在寅が先頭に立って朴槿惠大統領を失脚に追い込み、政権を掌握してからは、文大統領と彼の側近は、メディア各社で保守派の理事や経営陣を追放しているのです。そのため、韓国主要メディアは、北朝鮮寄りの報道が多くなりました。自由な言論はなくなったと、韓国の保守系ジャーナリストは嘆いています。北朝鮮との際限ない同調、むしろ手先ではないかと疑いたくなる文大統領ですが、文大統領や、北朝鮮を礼賛する主体思想(北朝鮮の政治思想)の信奉者の動きを取材していると、思わぬものを入手することになったのです」
それが、「誓詞文」だった。
「2000年6月15日、韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記が首脳会談を行い、連邦制での南北統一を互いに協力することで共同声明を出しました。その14年後、『南北首脳会談14周年』を記念して、韓国の朝鮮労働党秘密党員が、金正恩委員長に祝意と忠誠を示す“誓詞文”を送っているのです。10箇条の誓約を立てていますが、その内容は驚くべきものです」
「敬愛する金正恩将軍様に謹んで捧げます」という書き出しで始まる“誓詞文”の一部を抜粋してみると、
〈栄光の朝鮮労働党に限りなく忠実な南の地の革命戦士である我々は偉大な指導者金正恩将軍様に次のように固く盟誓いたします〉
〈1、歴史的な6、15北南共同宣言発表14周年を迎えて、我々南朝鮮の革命戦士は(中略)共和国南半分で朴槿惠傀儡徒党の自由民主主義体制を叩き潰し、全朝鮮半島に主体思想を実現するのに、一命を藁のように捧げます〉
「藁のように」とは、韓国では簡単に命を投げ出すという意識を示す慣用句だという。
〈5、我々は、南側政府の警察、検察など司法部と行政部に浸透し、政府の行政機能を麻痺させ、金正恩将軍様の指導と領導に従うようにいたします〉
〈9、我々は、いったん有事にはまず第一に軍および警察の武器庫を襲撃し、銃を奪って南朝鮮の国軍、警察、情報機関などを襲撃し、右翼反動勢力を射殺し、金正恩将軍の挙族的な南朝鮮革命と統一戦争に合勢します〉
つまり、革命によって自由民主主義体制を倒し、主体思想の下で南北統一を目指すということだが、さて、この“誓詞文”、はたして本物なのか。
「“誓詞文”は、韓国の元左派グループが人を介して私へ託してきました。真贋を確かめるため、脱北者に見せたところ、本物だろうと。根拠の一つに、韓国特有の言葉づかいで書かれていることを挙げていました。そこで韓国の研究者の協力を得て日本語に訳しました。今回の記事はハングル語に訳されて韓国内に出回っていますが、国民の間で衝撃が走っています。今、韓国は言論統制が厳しいので、メディアは報じてはいませんが、わざわざ青瓦台の前でこの誓詞文を読んでいるところをYouTubeで流している人もいます」
文在寅政権により、日韓合意で慰安婦問題の最終的かつ不可逆的解決を目指して設立された「癒やし財団」が一方的に解散され、韓国大法院による徴用工への日本企業慰謝料支払い判決などで、日韓関係は戦後最悪と言われている。篠原氏は、日韓関係について、記事で次のように解説している。
〈旧知の韓国を専門にする研究者は、筆者に冷ややかにこう解説した。「いや、文在寅とその仲間たちは、いまの状況にむしろ嬉々としているよ。(文大統領は)学生時代から左翼運動に参加し、検挙された経験もある筋金入りの反体制派が権力を握ったら、既存国家の支配体制を支えるあらゆる関係を破壊する革命をやる。日韓、米韓関係を破壊しつつ、半島の南北統一で自立した国家づくりをするという夢想で動いているんだから」〉
「すでに、“誓詞文”に掲げられた誓約は実行に移されつつあるとみています。娘の大学不正入学疑惑が報じられた法務部長官のチョグク氏は文大統領の側近ですが、彼も主体思想の信奉者と言われています。現在、裁判官や判事に主体思想派が送り込まれています。検察解体を狙っているのです」
“誓詞文”には、文在寅大統領の他に、国情院院長の林東源、盧武鉉政権時代の法務部長官の康錦肅、オーストリア代理大使の李相哲などの他、著名な学者、芸術家、歌手なども名を連ねているという。
「名を連ねた個人や団体が、国家保安法による取り締まりから逃れるために、名前のハングルの綴りを実名とは微妙に変えています。音読みでは同じですが、最後の1文字を変えています。これが、逆にこの文章の信憑性の裏付けにもなりますよ。逮捕された前大統領の朴槿惠の親族は無罪を主張していますが、私の原稿を読んで喜んでいるそうです」
今のところ篠原氏に対して、韓国政府からは何の反応もないという。
週刊新潮WEB取材班
2019年9月19日 掲載
新潮社
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190919-00583558-shincho-kr
http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/883.html
ただし韓国軍の監視や偵察の能力が低下した事実には言及しなかった。飛行禁止区域の設定によって無力化した前方の無人機監視領域について、韓国軍はこれを有人偵察機のU2、金剛(RC800)、ハイタカ(RF16)などで補うとしているが、これもまともに行われていないことが分かった。
合同参謀本部が保守系野党・自由韓国党の李種明(イ・ジョンミョン)議員に提出した「9・19軍事合意中間評価」によると、韓国軍は軍事合意以降、ハイタカの標的となる574カ所のうち、10%に当たる59カ所が監視範囲制限の影響で識別されていないと評価した。米国の監視・偵察機U2もこれまでの3565カ所の標的のうち、143カ所の標的を識別できず、その識別率が4%低下した。李議員は「飛行禁止区域の設定で偵察区域が後方に押し戻され、北朝鮮に対する偵察能力が弱体化した」と指摘し「飛行禁止区域の解除など、特段の措置を下さねばならない」と主張した。
国防部はこの日、東海と西海の北方限界線(NLL)周辺の緩衝区域における敵対行為について「全面中止を忠実に実行している」と説明したが、これについても「事実とは異なる」との指摘が相次いでいる。李議員は「現在、西海地域ではおよそ13門、東海地域では3門ほどの海岸砲が開かれていることが分かった」と主張した。すでに知られている西海の海岸砲のほかに、東海でも海岸砲がすでに開かれているというのだ。9・19軍事合意によって艦砲や海岸砲の砲口、砲身にはカバーを掛け、砲門は閉じることになっているが、北朝鮮はこれを堂々と開けている。これについて韓国軍は「換気のため一時的に開けたものと理解している」と説明した。
韓国軍周辺では「9・19軍事合意の多くが北朝鮮だけに有利」との指摘もある。韓国と北朝鮮は監視所(GP)の試験撤去を進め、いずれも11カ所のGPを撤去したが、影響で南北間のGP数の割合はその格差がさらに広がった。撤去前も韓国側は60カ所、北朝鮮側は160カ所で2倍以上の差があったが、双方が同じ数のGPを撤去したことで、その差は3倍に広がった。
西海NLLに近い咸朴島の要塞(ようさい)化も同様だ。韓国軍が軍事活動を中断した一方で、北朝鮮は無人島の占領作戦を進め、江華島近くの咸朴島に仁川国際空港や仁川港が識別範囲に入る探知距離40−80キロのレーダーを設置した。板門店共同警備区域(JSA)は非武装化されているが、当初合意された南北の自由往来は北朝鮮側の非協力的な態度によって実現していない。韓国政府は今年5月にこの地域を開放したが、見学が可能なのは韓国側だけだった。
一時中断していたミサイルなど発射体による挑発も再び日常化した。北朝鮮は今年だけでイスカンデル・ミサイルや超大型放射砲(多連装ロケット砲)など「新型4点セット」による挑発を10回強行した。しかし韓国国防部は「ここ1年の間に北朝鮮による9・19違反行為は1件も発生しなかった」と強弁している。予備役将校の団体「星友会」は「北朝鮮は軍事境界線周辺での拡声器放送やビラ散布の中断、陸海空における敵対行為の中止など、彼らに有利な部分だけを実行に移させ、ミサイル挑発は続けている」「今後政府は9・19軍事合意の破棄などを検討すべきだ」と主張した。
一方で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月17日、韓国大統領府で行われた主席・補佐官会議で「(非武装地帯〈DMZ〉など前方の地域はもちろん)後方の基地でも地雷の除去作業を計画通り進めよ」と発言したことが分かった。これを受けて大統領府国家安保室は韓国軍の各司令部に文大統領の指示を伝えたという。与党などからは「米朝実務者協議再開の動きが表面化すれば、韓半島での地雷除去などで南北対話の雰囲気を高めることができる」と期待する声も上がっている。
ヤン・スンシク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
記事入力 : 2019/09/19 10:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/19/2019091980036.html
http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/884.html
「福島県は安全です!」 原発御用タレント・カンニング竹山のツイートが大炎上
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/735.html
カンニング竹山、福島第一原発を視察 (デイリースポーツ)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/758.html
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/103.html#c14
アメリカ軍産最後の砦のバカは韓国叩きと消費税を法人税にマネーロンダリングしてアメリカ企業に貢ながら抵抗させられている。
韓国がロシアに付いたので嫌がらせさせられているバカ。
ロシアのプーチンに会いに行く理由は様子伺いだろう❗
国民生活よりもアメリカ軍産が大切だよね‼️
見返りは不正支持率と選挙の保障
http://www.asyura2.com/19/cult22/msg/616.html#c9
彼らの子孫がのうのうと生きられる世界にしてはいけない
これはあらゆる売国奴、売国政治家などにも言えることです
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/104.html#c16
韓電関係者は「開発計画を補完・再樹立して再び許可を申請するか持株を売却するか、あるいは行政訴訟を提起するか検討したい」と明らかにした。今年上半期、韓電の営業損失は9285億ウォン(約837億円)を記録した。
019年09月19日14時11分
[中央日報/中央日報日本語版]
https://japanese.joins.com/article/782/257782.html?servcode=300§code=300
http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/885.html
これでは持ちませんわ。 安倍、さいなら〜さようなら〜
覚悟の上での、安倍政権に功労した大臣ばかりの内閣となりました!
法律をひん曲げても、よく仕えてくれました、、、と安倍の慰労内閣。
人格者ゼロ、能力無し、犯罪者内閣、、、、デスワ。
年内に解散するのでしょう?
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/648.html#c9
↓ 控訴すれば、控訴審でさらに争われることになる。
https://www.asahi.com/articles/ASM9M35HBM9MUTIL008.html
↓ 御用弁護士: 河合弘之 ←ぺっ♪
https://www.youtube.com/watch?v=k2Ds2UggVOM
↓ 指定弁護士らが会見
http://www.videonews.com/press-club/190919-toden1/
結論: 地震による配管破断、、4号機プルト密造 ←知らんぷり♪ぺっ
まぁ、、茶番だね💢 『 赤旗 』志位和夫 ←知らんぷり♪ぺっ うさぎ♂ 朝麦しよー♪
福島原発爆発は、一体何だったのだ?
全員無罪だと! これが司法か? 開いた口が閉じられません。
国会議員だけでなく、司法も大掃除がいりますな〜。
日本。主権者国民は今からが、大変です。
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/104.html#c18
恥を知りなさい! 君たちの正体は皆さんご承知です
この旧民主党議員は安部創価別働隊であることは明らかだ!
国民の敵安倍同様の売国奴である事は自明の理
>尾瀬国立公園は、福島県、群馬県、新潟県、栃木県の4県にまたがる。そのうち4割の16,000ヘクタールを東京電力が保有する。
公園内には、厳しい規制がかけられた特別保護区があり、そのうち東電の保有地は7割にも達する。
https://blog.goo.ne.jp/humon007/e/1b95de6b05ce8fbfa965356b19393df2
↓ 山の放射能汚染地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0&mid=18IMfntM-hzknD0oK0sMpgK9DsHo&ll=36.524877498597256%2C139.35598399469995&z=8
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-404.html
結論: 小出も逃げ出すんだよ!!あほ 空気なんて、、ばか うさぎ♂
μSv/h:Bq/kg ←勉強してね♪ぷっ まぁ、日帰りかなー??あほ 立ち入り禁止♪♪
永渕健一、まずこいつの顔写真を世間に知らそう。“犯罪者”としてお天道様の下を歩けないようにするため…。
指名手配犯のような顔写真を拡散させよう。
みんなの認識を改めよう。裁判官は“正義のひと”ではないんだと。
いままで、みんな、勘違いしていなかったか? 裁判で決まったんだったら、仕方ないと…。でも、違うだろう。今回、それがはっきりした。
裁判官、および裁判所は“アンタッチャブルな存在”でもない。前代未聞の10万人デモを裁判所にかけよう。目指すは三宅坂の最高裁判所事務総局。ここが裁判所の司令塔だ。
繰り返す。裁判所、および裁判官は“正義の組織”“正義のひと”ではない。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c6
>赤外活性ガスは、基本的には増えるほど宇宙への放射は増える。
これ違うのではないでしょうか。 なぜならば 、 例えば布団をかぶると、布団の中は温まりますが、布団の外側は基本的にはあまりあたたまりません。 この違いは何かと言うと、熱源が布団の中にあり、 熱源に近い所ほど強い赤外放射をするからです。
二酸化炭素ガスについて言うと、濃度が高さによってかなり違ってきます。 高度が低いところほど、 二酸化炭素ガスの濃度は高くなり、赤外放射は強い訳であって、宇宙に対する赤外放射は主に上空高度が高いところで行われるため、二酸化炭素が増えれば基本的には地上の温度がより上がっていくということになると思います。
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/710.html#c64
なぜ生活保護は助けない?所持金600円の母子家庭を追い返し、不正受給4万4,466件の闇=鈴木傾城 2019年9月19日
https://www.mag2.com/p/money/771965
18日、40歳無職の男がネットカフェに火をつけて逮捕された。「職や住居を転々とする生活に疲れ、人を刺すか火をつけるか考えた」と語っている。ここまで堕ちながら、なぜ生活保護を受けないのか?という疑問が湧く。しかし、生活保護は彼らを助ける仕組みにはなっていない。
なぜ救えぬ?今日さえ生き抜けないシングルマザーを追い返す窓口
「職や住居を転々とする生活に疲れた」
2019年9月18日。東京都新宿区新宿3丁目にある『マンボー新宿靖国通り店』で、40代の無職の男がトイレットペーパーや雑誌に火をつけて放火し、その後、近くの交番に出頭して逮捕されている。
「職や住居を転々とする生活に疲れ、人を刺すか火をつけるか考えたが、火をつける方が簡単だと思った」
男はそのように語っている。彼もまた住所を失って、転々としているネットカフェ難民だった。住所を喪失し、あちこちを転々としながら綱渡りのように生活する生き方には限界がある。
なぜ火をつける前に生活保護でも何でも助けを求めない?
日雇いやフリーターや非正規雇用は、その日その日の賃金は得られるかもしれないが、生活は不安定で貯金もできない。いったん歯車が狂うと、カネも住むところもない中で路頭に迷う。
若いうちは耐えられていた「その日暮らし」は、歳を取れば取るほど体力的にも精神的にもキツいものになっていく。彼も、精神的に疲弊し、自暴自棄に陥って判断能力を失っていったというのは、その行動でうかがい知れる。
「そんなに苦しければ、火をつける前に生活保護でも申請すればいいではないか」と考える人もいる。それは、まさに最優先で検討すべき自己救済である。
しかし、生活保護を申請しても、そこでまた茨の道が待っている。
生活保護は申請しても、絶対に受理されるとは限らないのである。
今日さえ生き抜けないシングルマザーを追い返す申請窓口
所持金600円になって、すがる思いで生活保護を申請に行ったが、すげなく追い返されたケースが2012年に京都府舞鶴市であった。33歳の彼女は子供3人を抱えたシングルマザーで、しかも4人目を妊娠中だった。
光熱費や家賃も滞納し、冷蔵庫も洗濯機もなかった。明日どころか今日を生き抜くのも危機にある中で、追い返されてしまっているのだ。
女性は3人の子供の父親とは離婚して別の男性の子供を妊娠したが、その男性とも連絡が取れなくなっていた。しかし、担当職員は「胎児の父親の連絡先が必要」と強硬に言い張った。
彼女ばかりか子供の生命にすらも関わるようなこのようなケースは、迅速に処理されなければならないはずだ。この事例はレア・ケースではなく、生活保護申請の多くの窓口で日常的に起きていることでもある。
「生活保護はどうしても嫌だ」の理由
「申請に行っても厳しい対応をされる」という事実は広く行き渡ったので、もはや路頭に迷う寸前の人でも、「申請しても受理できない」「どうせ断られる」というあきらめが最初にあって申請しないことも多い。
また、中には「生活保護はどうしても嫌だ」という人もいる。私は以前、歌舞伎町のネットカフェに寝泊まりしながら場末の激安デリヘルに勤める20代の女性にインタビューしたことがあるが、彼女もそうだった。
彼女は太っていて外観をあまりうまく飾れない女性だったので、場末のデリヘルに所属していてもほとんど収入にならなかった。そのため、明日にでも生活が破綻してもおかしくないような状態にあった。
どうしても駄目なら生活保護を申請してみてはどうかと言うと、彼女は「一度、相談したことがあるがやめた」と答えた。理由を聞くと、このように答えた。
「生活保護を受けようと思ったら、最初に親や親戚に援助してもらえないか連絡をするって言われた。親や親戚なんかに連絡してもらいたくない。だからやめた」
場末の激安デリヘルに勤めている女性の中には、親と反目に近いほど険悪な関係になっていることが多い。自分の境遇を知られるとか、親に援助の連絡がいくとか、そういうことをされるのなら「死んだ方がマシ」と思う人もいる。
生活保護は、誰でも受け入れられるものではなかったのだ。
「経済的弱者は努力が足りない」は間違った批判だ
日本で経済的弱者が急増している。弱肉強食の資本主義が生み出す格差社会の中で経済環境が悪化し続けているのだから、蹴落とされてしまう人たちが増えているのは避けることができない。
2019年10月1日からは消費税が8%から10%になるのだが、経済苦境にある人々はますます窮地に陥っていく。当然、生きることすらもままならなくなる生活破綻者も増えていく。
特に、貯金も何も持たない高齢者が危機に直面する可能性が高い。そして、その次にシングルマザーの家庭も追い込まれてしまうだろう。
こういった人たちを追い込ませないで、きちんと保護するための制度が「生活保護」である。
生活保護を受けるような人間は努力が足りないと批判する人も多いが、これは明らかに間違いだ。どんなに努力しても、運もなく、環境にも恵まれず、体力や障害や病気や年齢に阻まれて、一定期間、這い上がるのが難しくて絶望に沈む人たちはいる。弱い立場に追い込まれ、餓死寸前にまで追い込まれ、一刻も早く救済しなければならない人たちも少なからずいる。
にも関わらず、一番保護されなければならない本当の弱者が保護されないことが、しばしばある。
いったいなぜ、このようなことになっているのか。
「不正受給」が真面目な日本人を激怒させている
日本人は他人に対して冷徹な民族ではない。本来は弱者をきちんと守ってあげたいと考える民族だ。団結力も強く、困っている人に対する配慮や気遣いは世界でもトップレベルにある。
それなのに、なぜ日本人は生活保護を受けようとする人たちを批判する風潮になっているのか。
それは、「一部の悪人」が生活保護を不正受給して、弱者の最も大切なセーフティーネットを食い物にしているという事実が次から次へと明らかになっているからだ。
働けるのに、わざと働かないで生活保護を不正受給する悪人もいる。本当は仕事をしているのに、仕事をしていないように見せかけて生活保護を不正受給する悪人もいる。
マンションを買うような金があったり、ベンツを買うような金があったりするのに、生活保護を不正受給する悪人もいる。本来は生活保護をもらう立場にない人間が、生活保護を受けながら、のうのうと遊んで暮らしている。
こうした不正が真面目な日本人を激怒させている。
不正受給は4万4,466件
良心を持った多くの日本人が、生活保護を申請する人たちに苦々しい思いを持つようになったのは、まさにこのような生活保護を不正受給する詐欺師のような人間が山ほどいるからだ。
厚生労働省は2018年に「2015年度の生活保護費の不正受給数が4万4,466件となり、過去最多を更新した」と発表したことがあった。不正受給の合計額は167億円。不正によって、莫大な税金がむしり取られているのだ。
不正受給が犯罪だとすると、生活保護費の不正受給だけで4万4,466件の犯罪が起きていたということになる。詐欺師がうごめき、生活保護そのものが胡散臭い制度になってしまっている。
この詐取される受給費は私たちの税金である。これでは、普通に税金を納めている人が激怒しても当然だ。
このような不正受給する人間が増えれば増えるほど、生活保護は単に詐欺師を養うためのシステムのように見られる。そして、本当に生活保護を必要とする人たちの手に保護が行き渡らなくなる。
不正受給者を排除する仕組みが必要
生活保護申請が拒絶されたり、批判されたり、不必要なまでに厳しい監視下に置かれたり、減額されたりする大きな理由は、社会システムを詐取しようとする不正受給者が山ほど存在するからでもある。
このままでは、一部の悪人によって生活保護というシステム全体が機能しなくなるようなこともあり得る。
本当に必要としている弱者を守るためにも、生活保護を悪用して不正受給する詐欺師を何とかして排除していく仕組みが必要だ。不正が入り込まないような仕組みを作らなければならない。
収入がきちんと管理できるような仕組みにすることも重要だし、申請者に対するきめ細かいヒアリングも必要になる。このまま放置していると、いずれにしても生活保護無用論のような極論まで出てきてしまう。
まずは不正受給者を徹底排除し、生活保護が本当の意味で弱者の保護になるようにしないと、日本の底辺は大変なことになってしまう。
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片山さつき大臣に国税への100万円口利き疑惑が浮上! 生活保護不正受給バッシングの裏で自分こそ疑惑まみれ
https://lite-ra.com/2018/10/post-4319.html
生活保護バッシングを煽動してきた片山さつき
片山地方創生担当相が、生活保護受給者や貧困家庭の子どもなど社会的弱者を標的にしたバッシングの急先鋒になってきたことを忘れてはならないだろう。
2012年4月にもち上がった次長課長の河本準一の親族が生活保護を受けていた問題では、河本のケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、片山氏はメディアに登場しては河本の大バッシングを展開。片山氏が巻き起こした生活保護バッシングによって、「生活保護費は削るべき」「不正受給許すまじ」という空気が見事につくり出され、その後、安倍政権は生活保護費をどんどんと削減している。
さらに、2016年には『NHKニュース7』が紹介した、シングル家庭で経済的に困窮している女子高生のレポートがネット上で炎上すると、片山氏は鬼の首を取ったかのように参戦。Twitter上でこの女子高生を、こう非難しはじめたのだ。
〈拝見した限り自宅の暮らし向きはつましい御様子ではありましたが、チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思い方も当然いらっしゃるでしょう。経済的理由で進学できないなら奨学金等各種政策で支援可能!〉
〈私は子ども食堂も見させていただいてますが、ご本人がツイッターで掲示なさったランチは一食千円以上。かなり大人的なオシャレなお店で普通の高校生のお弁当的な昼食とは全く違うので、これだけの注目となったのでしょうね。〉(原文ママ)
貧困を訴えるのなら、1000円のランチなんて食うな、アニメグッズやコンサートになど行くな──。曲がりなりにも国会議員であるというのに片山氏は、未成年の女子高生に「貧乏人は贅沢するな!」と公然と批判したのである。
この片山地方創生担当相の言動をいま一度踏まえて、ぜひ「週刊文春」のスクープ記事を読んでほしい。
「生活保護はずる貰い」
「貧乏人には趣味の支出も許さない」
などとがなり立ててきた一方で、片山氏は「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」と言って口利きを約束するという“犯罪行為”を働いていた疑いがあるというのである。そんな馬鹿な話があるだろうか。
片山氏は“日本人が本来もっていた「恥の文化」が失われている”などと喧伝し、生活保護に強烈な偏見を社会に広め、本来、生活保護を受け取らなければならない人びとに行き渡るようにするのが政治の仕事であるにもかかわらず、逆に後ろめたさを植え付けた。だが、「恥」を覚えるべきは、片山地方創生担当相のほうではないのか。ともかくこの疑惑について、片山地方創生担当相にはしっかりとした説明を求めたい。
▲△▽▼
まるで湧き水のように疑惑が吹き上がりつづけ、その勢いが止まらない片山さつき地方創生担当相。
国税への100万円口利き疑惑を筆頭に、2016年6〜7月に複数の団体から受けていた200万円の献金や、2012年の「片山さつきカレンダー」の販売収入が政治資金収支報告書に記載されていない問題などが浮上。さらに昨日には、さらに記載漏れの収入が少なくとも計20万円分あったとして2014年と16年の収支報告書を訂正した。
しかも、明日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、さらに2016年参院選の際に支出された選挙関係費488万円の政党交付金が、収支報告書では288万円しか計上されていないという新たな疑惑が掲載されるという。
生活保護バッシングの急先鋒としてメディアで生活保護叩きを展開していた際には「不正受給許すまじ!」とあれだけがなり立てていた張本人が、これまで判明しているだけでトータル計700万円もの国民を欺く杜撰な金銭管理をやっていたとは……。だが、なにより呆れ果ててしまうのは、片山地方創生担当相の“言い訳”だ。
まず、100万円口利き疑惑では、金銭を受け取っていた私設秘書の南村博二氏について、「(南村氏は)当初から秘書ではない」などと明言したが、国会に出入りできる私設秘書用の通行証を南村氏に持たせていた事実がすぐさま露呈。また、「週刊文春デジタル」が公開した、口利きを依頼したX氏に対して片山氏が「私はちょっと高いんじゃないかと(南村氏に)言った」などと語っている電話音声データについても、「自分の声かどうか、ちょっとあれでは判断ができない」などと言い出す始末。
あれがニセモノの音声データならばすごい声マネ芸人がいるものだと感心するレベルだが、もはや言い逃れはできまい。というのも、「週刊文春デジタル」は明日にも、片山地方創生担当相の新たな音声データを公開するというからだ。
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/394.html
▲△▽▼
「片山さつき新たに収支報告書を訂正」またか?これで累計700万円(まるこ姫の独り言)
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2018/11/post-88bc.html
2018.11.09
片山さつき、国会始まってそうそう、政治資金収支報告書が余
りにずさん過ぎて、次から次へと次へと指摘されている。
今回、政党交付金の額に200万円のずれが生じていることが
発覚したが、すでに疑惑として何件も上がっている。
どこまでこの疑惑の連鎖になっていくのか想像がつかないが
文春によると、今回の200万円を訂正すれば、累計の訂正額
は700万円を超えることになるという。
就任僅か一カ月で、収支報告書の訂正が続くようでは。。。
>片山さつき氏 新たに収支報告書を訂正 野党が批判
11/8(木) 11:52配信 テレ朝 news
>片山氏が代表を務める政党支部の政党交付金の使途等報
告書によりますと、2016年に488万円の政党交付金が片山氏
個人宛てに支出されています。一方、政治資金収支報告書で
は288万円の支出しか記載されていません。
訂正すれば済むというのもおかしくないか?
バレなければそれで何ごともなかったように偉そうなことを言い
バレたら、訂正・謝罪で物事が終わったら警察は要らない。
万引きなんて最たるものだ。
よくテレビで万引き風景が定期的に出てくるが、ほとんどの人
が常習者として警察に突き出されている。
それが政治家に限っては 悪い事をしているのになぜか勘違
いで済んでしまうが、本当にそれでよいのだろうか。
社会に与える影響は万引きどころの騒ぎじゃないと思うが。
片山さつきは、自分に甘く国民に厳しい最たる議員だ。
片山は、お笑い芸人の河本の親が生活保護を受給して来たこ
とをターゲットにして散々叩き、NHKの番組に実名出演した母
子家庭の女子高校生に関して、1000 円のランチを食べていた
とか、スマホを持っているから貧困じゃないとか、ネトウヨのよ
うに弱者を叩きまくってきた議員だ。
強者の論理で、反論できない相手に対しての情け容赦のない
非道な物言いは、政治家がしなければいけない光の当たらな
い所に光を当てるどころか、わざわざ相手に心の傷を負わせ
るような事を平気でやって来た。
国民に対して少しも愛がない議員が、自分に対してはこれだけ
甘いとは。。。。
悪い冗談としか思えない。
今から思うと、よくもあれだけ叩けたものだ。
任命者の安倍首相は、なぜ片山さつきかを問われて
>閣僚の中では片山さんは女性一人ですけど2,3人分も働きま
すから
ホント、働いているよな。。。
今からこれでは・・・・すごい存在感だ。
自民党内からも庇う議員がいないというし、日頃の行いが自
分に跳ね返って来る典型例だ。
適材適所、全員野球の途中経過は片山さつきが「政治とカネ」
でズタボロ、宮腰光寛沖縄北方担当相も献金疑惑、そして全
裸でピンポン、桜田義孝五輪相は失笑するほどたどたどしい
答弁。
当選7回でやっと大臣になれただけの事はある。
やっぱり在庫一掃だった。
<おまけに麻生財務相は、相変わらず人の気持ちが分からない
ゴーマニズム全開だし。
先が思いやられる。
▲△▽▼
🍏前半、片山さつき大臣に「完全にアウトです。真っ黒です。」後半、週刊誌フェイクソースで質問して総理に怒られる。杉尾秀哉(立憲民主党)【国会中継 参議院 予算委員会】平成30年11月5日 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=7sVt-2xCaTE
片山さつき国会でチョコチョコ走り、生活保護バッシングで自殺者が出ていた(まるこ姫の独り言)
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2018/11/post-1f91.html
2018.11.10
どうでも良いけど、国会答弁片で答弁席に向かう片山さつきの
チョコチョコ走りが気になって気になって・・・・・
気になってウォッチングしていたら、向かう所だけではなく帰る
時にも、チョコチョコ走り。笑える。
ちなみに、片山さつきは、ネットで「片山うそつき」と言うあだ名
がついている。
片山さつきは、大臣になる前、生活保護バッシングや、テレビ
に出ていた貧困女子高生を誹謗中傷しまくっていたが、政権の
一員になってから、過去の発言が自身を苦しめている。
あれだけ、政治家が弱者を名指しで叩きまくっていたら、もし自
分が要職に就いた時、自分が著しく不利な立場に立つとは、考
えらなかったのだろうか。
東大を卒業して財務官僚になり、政治家にまでなり、エリート街
道まっしぐらではあるが、人に対しての想像力が欠如している
のが、片山さつきであり、自民党議員じゃないのか。
片山さつきの今までの発言を聞いていると、人に対してまったく
愛が無いのがよくわかる。
国会で、立憲民主党の杉尾が片山を追及していたが、片山さつ
きの、生活保護叩きによって自殺者まで出たと言っている。
杉尾
>「生活保護は生きるか死ぬかのレベルの人がもらうもの」こ
の言葉で傷ついた人が何人いると思うんですか。30歳の男性、
鬱病を患いホームレス状態だった。片山大臣の発言を聞いて
ずっと悩んで最後に自殺されたんですよ。
片山
>いずれにいたしましても、もしも過去、不快に思われた方が
いたとしたら、大変申し訳ないことでございますが、私はそう
言う事を本位にしたことは、ございません!
死者が出ているんだから不快と言うレベルじゃないと思うが。
言葉の持つ力はすごい
良い方向へ向かえば生きる力や励ましにもなり得るが、一歩
間違えたら、日頃、死を考えている人の背中を押す力にもなる。
本位とか本位じゃないとか、片山がどう言い繕おうと、片山の、
心無い言葉によって病気の方の背中を押したことは紛れもな
い事実じゃないか。
本来なら光の当たらない所に光を当てなければいけない立場
の政治家が、これほど弱者に冷たいとは想像を絶する。
まあ、自民党やネトウヨ特有の発想ではあるが。。。。
▲△▽▼
弱者蔑視、答弁はぐらかし 安倍内閣の象徴が片山さつき(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/557.html
2018/11/12 日刊ゲンダイ 文字起こし
国会は「片山劇場」/(C)日刊ゲンダイ
よくもまあ、次から次に疑惑が出てくるものだ。自民党の竹下亘前総務会長が予告した通り、国会は「片山劇場」となっている。
片山さつき地方創生相のスキャンダルは底ナシだ。国税庁への口利き疑惑を皮切りに、公選法違反の疑いがある看板の設置、違法カレンダーの配布……と、湧き水のように疑惑が噴出している。野党から追及され「政治資金収支報告書」の訂正も繰り返している。さすがに自民党内も「安倍首相は“3人分の活躍を”と激励したが、すでにスキャンダルは3人分だ」と呆れ返っている。
しかし、片山の場合、問われるべきは、疑惑よりも、その人間性ではないか。国民が呆れているのも、往生際の悪さだろう。
まず“100万円口利き疑惑”をスクープした「週刊文春」を訴えて、「訴訟上の問題なので」と国会での“説明責任”を拒否。さらに、秘書が業者から100万円を受け取ったことを認めると、「秘書として契約したことはない」と強弁する始末である。国会に出入りできる秘書用の「通行証」を渡していたにもかかわらず、よくもヌケヌケと「秘書ではない」と否定できたものだ。
口利き疑惑は、業者も「カネを渡した」と証言している。決定的証拠となる業者と片山との会話の音声記録や、片山サイドが業者に送った<着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます>との文書も残っている。
常識で考えれば「知らぬ存ぜぬ」は通用しないと分かるはずだ。なのに「訴訟上の問題なので」と説明責任を放棄しているのだから、とんでもない話だ。これでは平然と嘘をつく安倍首相と同じだ。
■人間性が分かった生活保護バッシング
片山の品性の問題は、今に始まった話じゃない。これまでも問題発言を連発してきた。国会でも人格を問われているほどだ。
立憲民主党の杉尾秀哉参院議員からは「上から目線の発言が多い」と指摘され、国民民主党の徳永エリ参院議員からは、中国人や韓国人を批判したツイッターについて「まさにヘイトスピーチだ」と批判されている。
四国のことを「離れ小島」と小バカにしたこともある。
東大法―大蔵省というスーパーエリートの片山は、たとえ相手が東大卒でも法学部以外は、「あの方たちは法学部卒じゃないから」とバカにしているそうだ。一体、何様なのか。
片山の人間性がハッキリ分かったのは、2012年、生活保護受給者をバッシングした時だ。お笑い芸人の河本準一の母親が生活保護を利用しているという情報をきっかけに「生活保護バッシング」が始まると、「生活保護叩き」の急先鋒となっている。テレビに出演しては、弱者をおとしめる発言を繰り返し、何がうれしいのか、ツイッターに「視聴率がよかった」と書き込んでいた。
河本の母親は、不正受給でも何でもなかったが、12年以降、生活保護費は大幅にカットされている。その結果、受給者は最低限の生活を送ることさえ難しくなっている。
当時、片山は「私は自力で大蔵省に入りましたよ。問題は、自分で頑張った人と頑張らなかった人に……」などとエラソーに口にしていたが、これほど「上から目線」の「冷血差別発言」はないのではないか。
「片山大臣は、生活保護を受けるような国民は嫌いなのでしょう。でも、受給者も国民ですよ。果たして彼女に国民を代表する政治家としての資格があるのかどうか。最大の問題は、生活保護受給者への憎悪を煽ったことです。一番の弱者が痛めつけられた。一体、政治家として何を目指しているのか」(政治評論家・本澤二郎氏)
自分たちは選ばれた特権階級(C)日刊ゲンダイ
麻生太郎も弱者に冷たい「上から目線」
いくら「在庫一掃内閣」とはいえ、ほかにマトモな議員はいなかったのか。よくも片山のような「上から目線」の「冷血差別主義者」を入閣させたものだ。
安倍内閣の閣僚は、片山のような人物ばかりだ。麻生財務相も、まったく同じである。つい最近も、「自分で飲み倒して、運動もしない」で病気になった人に医療費を出すのは「阿呆らしい」と、「上から目線」で病人を批判していた。
13年にも「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているヤツの医療費は俺たちが払っている。無性に腹が立つ」と糖尿病患者をヤリ玉に挙げている。
しかし、貧困層ほど糖尿病にかかる率が高いことは、今や世界の常識である。カナダの調査では、低所得者は高所得者に比べ、糖尿病にかかっている率は男性で1・41倍、女性で2・9倍だった。日本の調査でも年収200万円未満の世帯が57・4%と半数を超えていた。
理由は、長時間労働で疲労困憊し、運動する時間も、カラダによい食事をとる余裕もなく、健康診断も受けられず重症化するためだ。
糖尿病患者だって、なりたくてなったわけではない。なのに「無性に腹が立つ」と非難しているのだからヒド過ぎる。「上から目線」で弱者をバカにしている片山と同じ発想だ。
「類は友を呼ぶですよ。安倍内閣の閣僚の発想は、よく似ています。共通点は、弱者に冷たいことと、自己責任を言い立てることです。人間、誰だって病気になるし、失敗もする。でも、苦労知らずの麻生大臣や片山大臣は、自分たちが社会的弱者や少数派になるとは夢にも思っていないのでしょう」(本澤二郎氏=前出)
■「自分たちは選ばれた特権階級」が共通認識
自民党議員は、スキャンダルが噴出する片山に呆れているようだが、本当は、片山こそ安倍内閣の象徴なのではないか。
実際、上から目線も、弱者に冷たいところも、憎悪を煽るところも、安倍内閣そのものだ。安倍とよく似ている。安倍も自分と同じ考え方だから片山を入閣させたのではないか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「安倍首相にしろ、麻生財務相にしろ、片山地方創生相にしろ、共通しているのは“自分たちは選ばれた特権階級だ”という意識だと思う。3人とも言動の端々に表れています。いつも“上から目線”なのは、自分たちエスタブリッシュメント(支配階級)が、国民をコントロールするという意識があるからでしょう。だから、国家である自分たちに逆らう者は厄介者であり、生活保護受給者や病人などの役立たずは、国家である自分たちのお荷物という発想なのでしょう。そう考えれば、片山大臣や麻生大臣の発言はつじつまが合います。深刻なのは、麻生大臣や片山大臣が、病人や生活保護受給者をバッシングすることで、社会が分断され、弱者が弱者を叩いて憂さを晴らすという構図になっていることです。本来、政治に向かう批判がいかなくなっています」
安倍内閣は「全世帯型社会保障」などと、もっともらしいことを口にしているが、社会保障はどんどん削られている。
来年秋からスタートする消費増税も、低所得者ほど負担が重くなる“逆進性”の強い税制だ。その一方、この5年間のアベノミクスによって、大企業と富裕層だけ、どんどん富を膨らませている。
このまま安倍内閣に任せていたら、庶民のための政治は永遠に行われない。そろそろ国民は声を上げるべきだ。
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/557.html
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内田樹の研究室 2017.06.12「愛国的リバタリアン」という怪物
金滿里さんが主宰する劇団「態変」の出している『イマージュ』という媒体が「相模原事件」を特集した。そこに事件についてのコメントを寄稿した。なかなか手に取ることのない媒体なので、ブログに採録しておく。
相模原の大量殺人事件のもたらした最大の衝撃は、植松聖容疑者が事前に安倍晋三首相宛てと大島理森衆院議長宛てに犯行を予告する内容の書簡を届けていたことにある。それは単に権力者を挑発するための犯行予告ではなく、自分の行為が政権と国会多数派には「好ましい」ものとして受け止められ、権力からの同意と保護を得られるだろうという期待をこめたものだった。逮捕後も容疑者は「権力者に守られているので、自分は死刑にはならない」という趣旨の発言をしている。
もちろん、これは容疑者の妄想に過ぎない。けれども、何の現実的根拠もない妄想ではない。彼の妄想形成を強化するような現実が今の日本社会内部にはたしかに存在しているからである。
アナウンサーの長谷川豊は事件の直後の2016年9月に自身のブログに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」というタイトルの記事を投稿した。これには批判が殺到し、専門医からも事実誤認が指摘されたが、この人物を日本維新の会は千葉一区から衆院の立候補者として擁立するということが先日発表された。
重篤な病人や障害者に対する公然たる差別発言にはまだ一定の社会的な規制が働いており、有名人の場合には、それなりの批判を受けて、社会的制裁が課されているが、在日コリアン、生活保護受給者やLGBTなどの社会的弱者に対する差別や攻撃の発言はほとんど何のペナルティもないままに垂れ流しされている。
際立つのが片山さつき議員で、生活保護受給者は「実質年収4百万円」の生活をしているという無根拠な都市伝説の流布に加担して、生活保護叩き発言を繰り返してきたが、最近も捏造投稿に基づいてNHKのニュース内容にクレームをつけて、生活保護受給者が社会福祉の「フリーライダー」だという世論の喚起に励んでいる。もちろん、本人がそう「信じている」という信憑の問題もあるのだろうが、「そういうこと」を公言すると選挙で票が集まるという現実的な打算も同時に働いているはずである。
アメリカではドナルド・トランプ大統領が「弱者叩き」の代表格である。「ラストベルト」のプア・ホワイトたちの輿望を担って登場したはずのトランプだが、就任後実施された政策は富裕層への厚遇措置ばかりで、移民排斥や、海外企業の国内移転への圧力などの「雇用対策」は今ここにいる社会的弱者のためには何の利益ももたらしてはいない。選挙公約だったオバマケアの廃止は、それによって2400万人が医療保険を失うという予測が公表されて、さすがに与党共和党も加担できず、改廃法案を撤回するという騒ぎになった。アメリカの有権者はそのような人物を大統領に選んだのである。
これはおそらく全世界的な傾向である。社会的弱者たちは、自己責任で弱者になったわけであり、いわばそういう生き方を選択したのだから、政府や自治体が、公金を投じて彼らを支援することは「フェアではない」というロジックは目新しいものではない。これはアメリカ社会においては「リバタリアニズム(libertarianism)」というかたちで、建国当初からつねに伏流していた考え方である。アメリカが世界に冠絶する覇権国家となり、その国の作法や価値観が「グローバル化」したことによって、アメリカ的な「リバタリアニズム」もまたグローバル化したということだと私は理解している。
「セルフメイドマン(self made man)」というのは建国以来、理想とされてきたアメリカ市民像だが、要するに誰にも頼らず独立独行で自己実現を遂げることである。「リバタリアン(libertarian)」というのは、その過激化したかたちである。
リバタリアンは、人間は自分の運命の完全な支配者であるべきであり、他者であれ公共機関であれ、いかなるものも自分の運命に介入する権利はないと考える。だから、リバタリアンは政府による徴税にも、徴兵制にも反対する。当然ながら、社会福祉のための原資の提供にも反対する。
ドナルド・トランプが徴税と社会福祉制度につよい嫌悪感を示すのは、彼がリバタリアンの伝統に連なっていることを示している。トランプは選挙期間中に対立候補から連邦税を納めていないことを指摘されて、「すべてのアメリカ人は納税額を最小化するために日々知恵を絞っている。私が連邦税を払っていないのは私が賢いからである」と述べて支持者の喝采を浴びた。これは別に露悪的な発言をしたわけではなく、ほんとうにそう思っているからそう言ったのである。彼に喝采を送ったプア・ホワイトたちは、自分たちとは桁が違う大富豪であるトランプの「納税したくない」というリバタリアン気質が「自分と同じだ」と思って、その発言に賛意を評したのである。
トランプは軍務の経験も、行政の経験もないはじめての大統領だが、それは軍務に就くことも、公共機関で働くことも、どちらもリバタリアンとしては「やらないにこしたことはない」仕事だからである。アメリカの有権者たちは彼の「公的権力を用いて私利私欲を満たすが、公益のためには何もしない」という態度がたいそう気に入ったのである。
今の日本で起きている「弱者叩き」はアメリカ原産のリバタリアニズムが日本に漂着し、日本独特の陰湿なしかたで退廃したものだと私は理解している。トランプのリバタリアニズムはこう言ってよければ「あっけらかん」としている。ロシアとの内通疑惑が暴かれたことによって、彼が「愛国者」であるかどうかについてはアメリカ人の多くが疑問を抱いているだろう。けれども、リバタリアンにおいて、愛国者であることは「アメリカ人的であること」のための必要条件ではない。国家や政府などというものは「ない方がいい」というのが正統的なリバタリアンの立場だからである。
けれども、日本では公的立場にある人間は「国よりも自分が大事」というようなことを(心で思っていても)口には出さない。仮に、安倍晋三が所得税を払っていなかったことが発覚したとしても、彼は「私は賢いから税金を払わずに済ませた」という言い訳をしないだろうし、その言い訳に喝采を送る有権者も日本にはいないはずである。日本ではリバタリアンも愛国的なポーズをすることを強いられる。
だから、日本では「リバタリアンでありながら、かつ愛国的」という奇妙な生き物が生まれてくる。現代日本に跋扈しているのは、この「愛国的リバタリアン」という(「肉好きのベジタリアン」とか「気前のいい吝嗇漢」というような)形容矛盾的存在である。
一方において、彼らは自分が獲得したものはすべて「自己努力によって獲得されたもの」だから、100%自分の所有に属し、誰とも分かち合う気がないと断言する。同じ理屈で、貧困や疾病や障害や不運などによって社会的弱者になった者たちについても「すべて自己責任で失ったもの」であるので、そのための支援を公的機関に求めるのは筋違いであると主張する。
ここまではリバタリアン的主張であるが、日本の「愛国的リバタリアン」はこれに愛国主義(というより排外主義、外国人嫌い(ゼノフォビア))をぱらぱらとまぶして、社会的弱者というのは実は「外国人」であるという奇妙な社会理論を創り出す。ここが日本のリバタリアニズムの独特の歪みである。
日本型リバタリアンによると、社会的弱者やあるいは社会的弱者を支援する人たちは「外国人」なのである。仮に血統的には日本人であったにせよ、外国渡来のイデオロギーや理説に「感染」したせいで、「外側は日本人だが、中身は外国人」になっているのである。
だから、社会福祉や教育や医療などの活動に公的な支援を求める組織や運動は本質的には「日本の国益よりも、彼らが忠誠を誓っている外国の利益に奉仕するもの」なのだという妄説が出来上がる。生活保護の受給者は多くが在日コリアンであるとか、日教組の背後にはコミンテルンがいるとか、朝日新聞は反日であるとか、沖縄県知事は中国に操られているといった類のネトウヨ的妄説はその典型的なものである。
語っている本人もさすがにほんとうだと思ってそう言っているわけではいないだろうが、それにもかかわらず、彼らが「反政府的な人間=外国人」というスキームに固執するのは、彼らにリバタリアンに徹底する覚悟がないからである。
リバタリアンであれば、話はすっきりしている。貧乏なのも、病気なのも、障害者であるのも、すべては自己責任である。だから、それについては他者からの同情や公的支援を当てにしてはならない。医療保険制度はいらない(医療は「サービス」なのだから金を出して買え。金がないやつは死ね)。公立学校も要らない(教育は「サービス」なのだから、金を出して買え。金がないやつは働いて学費を稼ぐか、有利子で借りろ)。社会福祉制度はいらない(他人の施しがないと生きていけないやつは死ね)と、ずいぶん非人情ではあるけれど、バケツの底が抜けたように「あっけらかん」としている。
しかし、さすがに日本では(心ではそう思っていても)そこまでは言い切れない。居酒屋のカウンターで酔余の勢いで口走ることはあるだろうが、公的な立場ではなかなか口にはできない。
その不徹底をとりつくろうために、日本的リバタリアンは「排外主義」的イデオロギーを装飾的に身にまとう。そして、貧乏人も、病人も、障害者も、生活保護受給者も、みな本質的には「外国人」であるという摩訶不思議な理説を噛ませることで、話のつじつまを合わせようとするのである。
相模原事件の植松容疑者はその意味では障害者支援をめぐる問題の本質をよく見抜いていたというべきだろうと思う。彼自身は生活保護の受給者であったが、その事実は「わずかな賃金を得るために、他人に顎で使われて、自分の貴重な人生を空費したくない」という彼のリバタリアン的な気質と齟齬するものではなかった。けれども、自分以外の生活保護受給者や障害者は彼の目には許し難い社会的寄生者に見えた。この矛盾を彼はどう解決したのだろうか。自分には公的支援を受けることを許すが、他人には許さないという身勝手な識別を可能にする境界線として最終的に彼が思いついたのは「私は日本人として日本の国益を優先的に配慮しているが、彼らはしていない」という「日本人/非日本人」スキームであった。
だから、植松容疑者がこれは「日本のために」したのだとか、「社会が賛同するはずだった」とかいう自己弁明を繰り返し、「国益を害するものたち」を「処分」する「官許」を首相や衆院議長に申請したことには論理的には必然性があったのである。彼は自分が「愛国的リバタリアン」という政治的奇形物であり、現在の日本の政界の指導者たちの多くが程度の差はあれ自分の「同類」だと直感していたのである。
http://blog.tatsuru.com/
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経済コラムマガジン 2000/11/20(第186号)
日本のエリート考
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•戦前・戦後のエリート
まず戦前の話から始める。戦前の日本の政治や社会が特におかしくなったのは、エリートと言われている人々が台頭してきて、政治の実権を握ってからと言う意見がある。エリートの具体的な典型例は、帝大や陸大を優秀な成績で卒業した人々である。これらの人々の特徴は、庶民とは隔絶された世界で教育され、考え方が極めて観念的と言うことである。特に陸大の出身者は、幼年学校時代から世間とは隔離された環境で育っており、考え方や目線といったものが庶民とはかけ離れたものであった。結果的には、このエリートが戦争を遂行し、日本を奈落の底に落した。このような指摘は故司馬遼太郎氏がしばしば行っていたことである。
戦前のエリートは、庶民の目線とは違う世界にいただけでなく、むしろ庶民感覚と言うものを敬遠することが「エリートの証」と考えたふしがある。
このエリート達は、米国を中心にした勢力に経済封鎖され、日本が窮地に立たされた時、一歩引き下がることより、打って出ることを選択した。英米にやりこめられることの方が、エリートにとっては我慢ができなかったことであった。
敗戦色が濃くなっても、エリート達は一般の国民のことは眼中にない。敗戦後の自分達の立場しか頭にないのである。「一億総玉砕」とか「特攻隊」と言った無謀なキャンペーンを行ったり、作戦を遂行できたのもエリート達が一般の国民を「将棋の駒」とか「物」としてしか見ていなかったからである。しかしむしろそのよう見方をするような教育を受けてきたからとも言える。もし彼等が一般の国民の痛みを理解していたなら、もっと早い時期に和平への道を模索していたはずである。
しかし指摘しておく重要なことがある。これらのエリートこそが国民から熱烈な支持を受けていたことである。反対に戦争を回避しようとしたり、軍事費を削ろうとした政治家は「卑怯者」あるいは「君側(くんそく)の奸(かん)」とレッテルを張られ、非難の的となった。英米との開戦は、軍部の独走だけでは説明がつかない。むしろ庶民の熱情が逆に軍部を動かした。軍部も引くに引けなくなった面がある。実際、開戦の日には「ああ、これですっきりとした」と多くの庶民は喜んだのである。
どうして自分達が苦しむと予想される開戦に一般の国民も突っ走ったのか、群集心理学の研究のテーマになる。実際、ドイツやイタリアでもよく似た動きがあった。そしてこれを解く重要なカギがマスコミの働きである。
歴史は繰返すと言うか、今日、日本では戦前とよく似た現象が起っている。「日米開戦」が「財政再建」や「構造改革」である。軍部などのエリートが加藤紘一氏や政策新人類と言った、世間知らずで、苦労知らずの「エリート二世議員」である。一方、財政による景気対策が必要と考える執行部は守旧派と言うことになる。そのように大袈裟な話ではなかろうと自分自身でも笑ってしまうが、今日の状況は、実に戦前の開戦までの状況に似てきた。
先日、中曽根元総理がテレビに出演して、加藤氏達の今回の行動を快く思っていないと発言していた。しかし中曽根氏自身は、自分の総理在任中、加藤氏を二度も防衛庁長官にすると言った異例の抜擢人事を行った(このことに当時の宮沢派は強く反発した)。それほど加藤氏をかっていたのである。その中曽根氏が非難しているのであるから注目される。さらに中曽根氏は加藤紘一氏達の行動を「2・26事件」の青年将校になぞらえていた。やはり筆者だけでなく、元総理も今日の日本にそのような戦前の徴候の現れを感じていると思われる。
忘れてならないのはマスコミの働きである。加藤氏達の行動のバックにはマスコミの存在があり、互に利用したり、利用されたりしている。また政策新人類の考えを聞き、行動を見ていると、彼等はまさに日経新聞の論説委員の「パシリ」みたいな存在である。
このような徴候は長野のような地方にも及んでいる。公共事業を止めることによって、むしろ新しい産業が興ると言った不思議な考えが支持され、大差で作家が知事になった。公共事業が減れば、大変になるのは選挙民の方のはずである。さらに菅直人と言ったアジテータもいて、まさに今日の日本には戦前のような混乱を再現するための役者も揃っているのである。
•日本のエリートの本質
森首相の命運も尽きようとしている。話題になっているのは次の総理である。河野、小泉、高村、そして加藤のいわゆる4Kが下馬評に載っている。そして政権の形も野党との連合などの可能性もあり、いくつかのパターンが考えられる。一番のカギを握っているのは加藤氏である。
とにかく筆者は、加藤氏や小泉氏、さらには民主党や小沢氏を中心にした政権の樹立を期待している。もっと言えば、これらの全ての政治家を巻き込んだ政権が理想的である。マスコミもこの政権を、自民党を中心にした政権よりも良い政権と、少なくとも最初は持ち上げるはずである。株式関係者の中にも変わり者がいて、「これで日本の経済構造改革が進み、株も上昇する」と手放しで喜ぶ者もいるはずである。
もちろん筆者が、これらの政治家の政策に期待しているのではない。全く逆である。彼等の政権によって、日本経済はもう一度危機的状況に追い込まれると筆者は読んでいるのである。ただでさえ来年の2,3月頃には、二回目の金融不安が起る可能性があると筆者は考えている。つまり経済が大混乱する可能性が強いのである。そうなれば彼等の新しい政権は潰れ、再び政権交代がなされ、今度こそ本格的な経済対策が行われると言う筋書である。残念ながらマスコミや世論に手枷足枷されている現状では、本格的な経済対策は無理である。むしろ一旦、加藤氏のような「財政再建派」に政権を委ね、失敗してもらった方が、世論の動向も変わる可能性があり、結局早いと考える。まさに先週号で述べた「急がば回れ」である。
そして加藤氏や小沢氏は自分達が主張している政策を遂行すべきである。先走るようであるが、その政策で日本経済が一段と落込んだら、今度こそこれらの人々には責任を取って政治家を辞めてもらいたい。
自民党には、加藤氏や小沢氏のような若い頃からエリートコースを歩み、将来を期待されてた政治家がいる。共通しているのは二世議員で、若くして国会議員になっていることである。同じ二世議員でも故小淵首相のように、福田元首相、中曽根元首相と言った有力政治家と同じ中選挙区で苦労していた政治家もいるが、多くの二世議員は親の地盤を引継ぎ、楽に当選を重ねている。加藤氏と行動を共にしている政策新人類の多くも二世議員である。
彼等エリートの特徴は、考え方が実際的でなく、観念的であることである。しかしこのエリートに周囲の人々は簡単にだまされる。特に年寄りが弱い。「若いのに将来のことをよく考えている」と持ち上げる。年寄り政治家も年が離れており、自分の立場を脅かすことがないと考えて安心している。マスコミや大衆も、叩き上げの苦労した政治家より、彼等の方が清新なイメージがあると歓迎する。
彼等は何を聞かれても直ぐに答える。しかし現実に起る諸問題の多くは、利害が対立した人々がいて、簡単には黒白をつけられないはずである。今日みたいに情報行き渡った時代の政治家は、むしろ互の利害を調整することを要求される。織田信長やナポレオンの時代とは違うのである。ところがエリート政治家は、実に簡単に結論を述べる。観念論者である彼等の頭の中では、どちらが良いとか悪いとかが始めから決まっているのである。それは彼等が現実を知らないか、むしろ現実を知ろうとしないからである。しかし彼等が主張する政策は実現が不可能か、明らかに逆効果のものばかりである。
彼等は「ここ10年間、100兆円もの財政による景気のテコ入れを行ってきたが、効果がなく一向に景気は良くならない。もはや構造改革しかない。」と簡単に言う。しかし財政による景気対策やらなければもっと経済が落込んでいたはずである。つまり効果は確実にあった。また財政支出の効果は増額分のみが効くことを忘れてはいけない。つまり実際の対策費は彼等が言っているほど大きくなかったはずである。また土地などの資産価格の下落の影響も無視できない。さらに筆者が主張するような、日本の過剰貯蓄の大きさを考慮すれば、これまでの財政の対策が小さ過ぎると言った考えもある。
とにかく彼等、エリートは観念論に染まりやすく、他人の意見を絶対に聞かないのである。とても今日の政治には向いていない。
加藤氏は、小淵内閣以来「癒しの政治」が続いているが、これは行き詰まっており、これからはむしろ財政改革が必要とさかんに言っている。しかし現実の日本では、失業や自殺者は減らず、上場企業さえ次から次へと倒産している。大阪では300人とか600人のホームレスがいる公園がいくつもある。筆者は、どこが「癒されている」と言えるのか聞きたい。いかにもエリート政治家が現実を見ようとしないかを物語っている。
加藤氏や小沢氏は政治家ではなく「宗教家」である。したがって最初は熱烈に支持する人々が寄ってくる。しかしそのうち、考えの薄っぺらさと内容のなさに気がつきどんどん人々は離れていく。最後に残るのは妄信的な信者だけである(小沢氏の前例があるが、実際何人の議員が加藤氏ついていくか興味がある)。
エリートは主張の具体的な内容を聞かれるとすぐぼろが出る。またぼろが出るので具体的な話を避けるのも特徴である。テレビで「構造改革の中身」を聞かれ、しょうがなく「通信業界の競争促進」と言っていた。たったそれだけのことかと筆者も呆れた。つまり彼等はたいしたアイディアは持っているわけではない。しかし持っていないのに、さもすごい考えがあるように周囲に思わせるのが彼等の特技である。
エリートと言うものは、順調に行っている時には良い。また彼等の特徴である「傲慢さ」もなんとなく周囲も認める。しかし一旦壁にぶつかると脆い。すぐ「一億総玉砕」的行動に走り、最後は簡単に自殺する。したがって組織体は、若くしてエリートみたいなつまらない存在を作るべきではない。そのエリートが、国を滅ぼし(戦前のように)、組織を壊すのである。
自民党はあまりにも安易に二世の国会議員を作り過ぎている。特に若く世間知らずの二世は避けるべきである。たしかに二世は当選しやすく、消エネである。そして当選回数を重視する自民党のこれまでのシステムでは、どうしても若い二世議員をエリートにしやすい。しかし今日の造反劇の見られるように、彼等は自分の立場が悪くなると、すぐに分裂騒ぎを起こすのである。
http://www.adpweb.com/eco/eco186.html
↑ 100Bq/kg、以下 ←してくれるって、、 長文省略 うさぎ♂ 💢💢💢ー♪ばか
月1度の回転寿司がささやかなぜいたくだった。
乳癌で働けなくなって生活保護を受ける京都市山科区の辰井絹恵さん(46)は長男(18)と2人暮らし。向き合って座り、積み上がった40枚以上の皿を見る時だけは、貧しさを忘れられた。
毎月約2万3000円の「母子加算」は、06年度から減らされ、翌年度に打ち切られた。回転寿司はあきらめた。
_________________
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
J('ー`)し
( )\('∀`)
|| (_ _)ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そんな私たちにとって月に一度のささやかな楽しみ・・・それが回転寿司
J('∀`)し 明日は母子加算の手当てが出るからお寿司食べに以降ね
(ヽロロ ヽ('∀`)/
|| (_ _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
役所に行くと母子加算が廃止されたことを知らされた
──┐
│ _[自民党]
│ J( ;'A`)し (`Д´ )お前らにやる金なんてあるかよボケ
│ ( )\( 'A`) ロロヾ( )
│ || (_ _)ヾ ||
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
母は 「母ちゃんバカでごめんね」 と言って涙を少しこぼした
( 'A`) J('A` )し
.(_ _) ( ) .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に1度だけ目を覚まし思い出したように
「回転寿司、ごめんね」 と言った。
('A` )
J('A`)し ( )
/⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ||
// ̄ ̄ ̄フ /
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(______ノ
俺は 「楽しかったよ」 と言おうとしたが、最後まで声にならなかった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/633.html#c1
イエメンでのサウジとイラン代理戦争は頑固なイランにより混迷を抜け出せない。
今回の宣戦布告に等しいイランの動きを見ると、世界の平和を攪乱させているのはイランである。日本をはじめとする世界はイランに同情する必要は無い。
米国はイランへ制裁をこれまでより一層、強化する口実を得た。大いにやるだろう。
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/827.html#c26
真夜中に誰もいない剱岳に登頂した 11月 9日, 2016
https://camperz.xyz/northern_alps_long_trail2016_3/
2015年のお盆に北アルプスを7泊8日かけて室堂・剱岳から上高地まで歩いた時の記録です。
2日目は夜の剱沢キャンプ場を出発し剱岳へ登頂。
日が昇ってからは立山を縦走しました。
目次
•準備編
•1日目 – 室堂から剱沢キャンプ場へ –
•2日目その1 – 剱岳登山 –
•2日目その2 – 剱沢キャンプ場から立山を経て竜ヶ岳山頂へ –
•3日目 – 竜王岳から五色ヶ原を経てスゴ乗越小屋へ –
•4日目 – スゴ乗越小屋から薬師岳を経て雲ノ平へ –
•5日目 – 雲ノ平から水晶岳、鷲羽岳を経て双六小屋へ –
•6日目 – 双六小屋から槍ヶ岳山荘へ –
•7日目 – 槍ヶ岳登頂 –
•8日目 – 槍ヶ岳に再び登り、上高地へ –
※ ※ ※ ※ ※
前日のキャンプ場界隈から聞こえた話では、剱岳を目指す人はAM3:00ごろに出発する人がどうやら多そう。
その時間に出てもカニのタテバイなどで渋滞する可能性がある模様。
剱沢キャンプ場から剱岳山頂まではコースタイムで3時間ほどかかるから、それだと朝日も見れないし中途半端。
そんな事をいろいろ考えた末に私が出発したのは
0:30 (・∀・)
ええ、星を撮影した後にどうせ暗がりを出発するのであれば早く出ちゃえって事でまだまだ人が寝静まってる夜中の0時半に剱沢キャンプ場を出発しました。
荷物は水1リットルにコンデジと防寒具のみ。他はテントにおいてきました。
万全を期すために一眼レフも持っていかず。
201508090044
201508090100
ヘッドライト頼りであたりは真っ暗です。
丸印を頼りに道を逸れないように注意します。あと雪で転ばないように丁寧に歩きます。
201508090106
[01:06]剱山荘
剱岳から一番近い山荘です。
ここから先は本格的な登山道となります。
よく考えたら、初めての本格的な夜間登山が剱岳ってことに。(富士山も毎回よる登山ですけど明るいですしね)
201508090123
さっそく鎖場が登場。
全ての鎖場には標識がついてて「何番目の鎖場」って書いてあります。
恐らく事故が起きた時にすぐに場所を伝えられるようって事でだと思います。
201508090128
[01:30]一服剱到着
岩道を歩いてたら到着しました。
ヘッドライトのみで視界が悪いので、登りがいきなりなくなって「あれ、あ、頂上か」って感じになります。
ここまで特に難しいとこなし。ぐいぐい進みます。
201508090146
[この先、前剱にかけて、浮石、落石に中維してください。]
201508090200
201508090208
201508090228
真夜中で他に人がいないってのは自分が発生させる落石にあんまり神経使わなくて良い所がよかったかな。
それと「怖くないの?」って聞かれましたが、逆に下があまり見えてない分怖さは少なかったです。
201508090229
振り返ると有名なカニのタテバイとかヨコバイよりも怖かったのがこの橋。
両サイド落ちるとちょっとやヴぁい感じです。
誰も居ないことをいいことに、ハイハイで渡りました。
201508090232
201508090305
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いくつもの鎖場が続きます。
途中で2箇所ぐらいルートを間違えて戻る場面がありました。
目印は見落とさないように行かないとです。
201508090327-2
201508090327
[03:30]カニのタテバイ
有名なカニのタテバイに到着しました。
しっかり杭が打ってあり特に難しい事はありません。
201508090407
[04:07]剱岳山頂
無事に山頂に到着!
剱沢キャンプ場から3時間37分で到着です。夜間で道を数回間違えた事も考えるとまずまずのペースで到着ができました。
憧れの山だったので一人感無量です。
もちろ山頂には僕しかいません。ここで朝日を待ちます。
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朝日を待ってる間にどんどん空が明るんできて・・・
201508090502
[05:00]御来光です。
この間にもう一人登ってきて山頂には二人でした。
記念写真撮りたかったので、誰も登って来なかったらどうしようかとちょっと焦ってました^^;
201508090505
剱岳が影となり映しだされます。
201508090509
立山連峰も日があたってそれはそれは綺麗でした。
[05:10]下山開始
201508090516
明るくなって初めて登山道がどうだったのかが掴めました。
201508090521
201508090521-2
201508090524
[05:21]カニの横ばい
下山道で有名なカニの横ばいです。
足元がよく見えないで怖いです。鎖を掴んで慎重に・・・。
201508090544
下山時には何組もの登山者とすれ違いました。
折り始める時間が早いので「何時に登り始めたんですか?」って何度も聞かれました。そして驚かれましたw
登山道の渋滞については、中国の方が狭い一本道でもお構いなしで写真を撮ってたり、ツアー客がさして危険でも無いところでセーフティーハーネスを使用して大渋滞を起こしたりしてました。なんだかなぁ・・・。
やはりそれらを避けるには早めに出発するに越したことなさそうです。
201508090638
立山と剱山荘
綺麗です。
[07:15]剱沢キャンプ場
無事に下山。
登る前にたくさんブログとか読んで予習していた剱岳ですが無事に登頂できました。
満足感でいっぱいです。
本当はこの日はこの後、雷鳥キャンプ場へ行って温泉でも入っておしまいの予定でしたが、何を思ったか立山も縦走する事に。
https://camperz.xyz/northern_alps_long_trail2016_3/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/992.html#c50
2019.09.18
小泉進次郎大臣、記者の質問にポエムで回答
記者「汚染土の処理は?」小泉氏「30年後の自分って何歳かなと」
https://johosokuhou.com/2019/09/18/18609/
福島県の汚染土の処理問題で、記者からの質問に回答した小泉進次郎環境相が酷すぎると話題になっています。
小泉進次郎氏は中間貯蔵施設の汚染土を30年後に福島県外に移すという国の約束について、「私の中で30年後って事を考えたときに、30年後の自分って何歳かなと、あの発災直後から考えてました。だからこそ私は健康でいられれば、その30年後の約束を守れるかどうかのそこの節目を私は見届ける可能性のある政治家だと思います」と述べ、ポエムのような抽象的な回答をしていました。
この発言はツイッターを中心にネット上で注目を浴び、小泉進次郎氏が何も回答していないとして、批判の声が高まっています。小泉進次郎氏は前々から抽象的な発言をすることが多く、具体的な数字や断定を避ける傾向が見られました。
知識がないからこそ明確な発言を避けていると思われ、今回の件に合わせて、小泉進次郎の検索候補に「小泉進次郎 無能」が浮上しています。
小泉環境相「大阪市長の考え聞いてみたい」 福島原発処理水の受け入れ発言で
https://www.sankei.com/politics/news/190917/plt1909170033-n1.html
小泉進次郎環境相は17日、東京電力福島第1原発で増え続ける有害放射性物質除去後の処理水をめぐり、日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)が条件付きで大阪湾への放出を容認する考えを示したことについて「市長の考えもある。会う機会があれば考えを聞いてみたい」と語った。ただ、「軽々に所管外の者が発言することで福島の皆さんを傷つけることはあってはならない」とも述べた。福島県いわき市内で記者団に語った。
私の中で30年後って事を
考えたときに
30年後の自分って何歳かなと
あの発災直後から考えてました
だからこそ私は
健康でいられれば
その30年後の約束を
守れるかどうかの
そこの節目を
私は見届ける可能性のある
政治家だと思います
小泉進次郎
令和元年9月17日
環境大臣記者会見
…
は? (*´`ω´) pic.twitter.com/Ku0rvUzHx6
— Nas-AKI-END (@nasu_otr) 2019年9月17日
https://johosokuhou.com/2019/09/18/18609/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/627.html#c10
高野氏の自宅に近い地域でも、台風の影響で倒木などが相次いだ=千葉県鴨川市(c)朝日新聞社
9日に関東地方に上陸した台風15号の影響で、千葉県内では今も停電が続く。2007年に千葉県鴨川市の山中に移住したジャーナリストの高野孟さんも、暴風被害にあった被災者の一人だ。いま、どんな日々を過ごしているのか。被災直後から自らの状況を記した日記を『高野孟のTHE JOURNAL』から転載する。
* * *
9月8日(日)
【被災者体験記1】
南房総は災害が少ないことで知られ、とくに台風の直撃を受けることは滅多にないとされてきたのだが、その滅多にないことが9日未明に起きた。台風15号が房総半島西岸に沿って北上したため、最大風速60メートルという猛烈な風が南房総全体に吹き荒び甚大な被害をもたらした。鴨川市役所も暴風を受けて真っ先に停電し、2階のガラスが割れて雨が吹き込んで書類が散乱、表の駐車場に置いた公用車が横転したという。しかし幸いにも我が家は、木の枝が折れて垂れ下がったり、バケツが転がったりした程度で、無事だった。
9月9日(月)
【被災者体験記2】
とりわけ深刻だったのは電力系統の被害で、未明から停電が続いている。テレビは点かないのでパソコンから無線ネット経由で調べると、山の中の送電線の鉄塔が根元から折れて倒れたり、街中では電柱が倒れ電線が切れたりして、かつて経験したことのない広域的な停電に陥っていて、順次復旧は進むだろうが完全復旧がいつになるか見込みは全く立っていないという。
今日は、20時からUIチャンネル(編集部注:YouTubeの番組)の生放送が予定されていたのだけれども、高速館山道が全面閉鎖で、私が普段から東京との往復に使っている館山駅発・東京駅行きの高速バスは運休。JR外房線・内房線ももちろん止まっている。
午後になって袖ケ浦ICから先のアクアラインは通行止めが解除されたが、その手前の高速は依然、閉鎖が続いている。風も収まったのに不思議なこともあるものだと思い、いろいろ探ってみると、これも広域停電の影響で、電気が来ないと高速のゲートが自動開閉せず、ETCの読み取りもできず、信号や電光表示板も点かないので使えない。アクアラインは千葉県側の電源に頼っていないので早期に復旧できたということらしい。
そこで、下の道で袖ケ浦ICまで行ってそこからアクアラインに乗る以外に東京に行く方法がないと思い定めて、13時半に車で家を出た。土砂崩れと樹木の倒壊で通行止めの県道を迂回し海沿いの国道に出て北へ向かったが、その国道も信号が点かず、倒木が寝ていたり、沿道の家屋やガラス張りの温室が崩れて片付けの作業が行われていたりして、片側通行のところも多く、大渋滞で全く進まない。それでも頑張って前進を図ったが1時間で3キロしか進まず、ついに諦めて引き返し、研究所に連絡して本日の放送は中止とさせて貰った。
9月10日(火)
【被災者体験記3】
電気が復旧する気配はなく、近所のガソリンスタンドのご主人や情報通の人たちの話を総合すると、「早くて明日一杯、しかしこの様子では1週間くらいかかるかもしれない」とのこと。
今年最高とかいう猛暑の中、クーラーなしで過ごすのは辛く、熱中症にならないよう小まめに水分をとるよう心がけた。それで大汗をかいても、我が家は山の水を濾過してタンクに貯めてポンプで揚げているので電気が来ないと水道が出ず、シャワーを浴びることができない。
飲料水はペットボトルで十分な備蓄があるので心配はなく、食器の洗浄やトイレの水洗は庭に掛け流しになっている未濾過の山の水を汲んで運べば何とかなるが、風呂に入れないのには参った。冷蔵庫も2日間電気が来なければもう限界で、思い切って中身を全部捨てた。
加えて、今日の午後から携帯電話も無線インターネットも「圏外」になってしまい、外との連絡が途絶えた。今朝までは通じていたのにどうして?
近所の情報通の解説では、「停電の後も基地局はバックアップのバッテリーで作動していたが、バッテリーが持つのは1日が限度で、数日間も停電が続くことは想定されていない。だから電気が通るまで通信は復旧しない」とのことだった。
唯一の救いは、調理台がIHヒーターでなくプロパンガスであるため、お湯を沸かしてコーヒーを煎れたり、レトルト食品を温めたりすることができたことだ。生活の中で電気に頼る部分をできるだけ減らすと同時に、電力系統からの供給が途絶えても自立して使える装置とかを備えておくべきだと痛感した。
9月11日(水)
【被災者体験記4】
鴨川市の中心部から海岸沿いの温泉街ではだいぶ復旧が進んだらしいので、探訪にでかけた。あわよくば開いているコイン・ランドリーで洗濯をしようと思ったが、2カ所は開いておらず、もう1カ所は開いていたが長蛇の列ができていたので、断念した。
そのまま海岸の方に進んで亀田病院に行くと、何と驚いたことに、病院のみならず2つのレストラン、2つのカフェ、ベーカリー工場&ショップ、ローソンのコンビニもすべて平常通り営業している。タリーズに入り昼食を摂り、ついでに足元のコンセントにパソコンを繋ぎ40%まで低下したバッテリーの充電をさせて貰った。お店のお姉さんに「家が停電なんでちょっと電源をお借りしていいですか」と断ると、にこやかに「ああ、どうぞどうぞ」と言ってくれて感じがよかった。
ここだと携帯も無線ネットも繋がるので、高速バスが明日は運行していることを確かめ、座席を予約し、東京で泊まるホテルの予約まで済ませることができた。
亀田病院の隣が、鴨川温泉の「鴨川館」で、ここでは普段の「日帰り入浴」の料金を払えばお風呂に入れるらしいという情報を得ていたので行ってみると、「鴨川市民であれば無料でどうぞ」というまことにありがたいお話。まあこの状況では観光客も来ないからだろうが、大きなお風呂と露天風呂に数人しかいないようなほぼ貸切状態で、3日分の汚れをゆっくりと流させて頂いた。
9月12日(木)
【被災者体験記5】
やはり「11日中」の復旧は無理で、「1週間はかからない」つまり土曜日まで目標が繰り延べられたようだ。今日の日本経済新聞は第2面で「千葉停電復旧に遅れ/東電、送電投資抑制響く」という大きな記事を掲げている。
9月13日(金)
今日になって、電気の復旧は「あと2週間かかる」と。絶望。
9月14日(土)
亀田病院に行ってカフェで遅い朝食をとり、携帯とネットで各方面に連絡をしつつコンセントを借りてパソコンの充電をさせて貰った。
※『高野孟のTHE JOURNAL』9月16日号より
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e5%8d%83%e8%91%89%e5%8f%b0%e9%a2%a8%e3%81%8c%e8%87%aa%e5%ae%85%e3%82%92%e7%9b%b4%e6%92%83%e3%81%97%e3%81%9f%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88%e3%81%ae%e6%97%a5%e8%a8%98%e3%80%8c%e9%9b%bb%e6%b0%97%e5%be%a9%e6%97%a7%e3%81%be%e3%81%a72%e9%80%b1%e9%96%93%e3%81%a7%e7%b5%b6%e6%9c%9b%e3%80%8d/ar-AAHvWHp?ocid=ientp#page=2
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/390.html#c284
モーニングショーの劣化はひどいな。羽鳥一人が悪いと言ってもいいだろう。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/633.html#c29
は何千年レベルの話だろ
気温が異常に上がったのはここ50年間だけだから、二酸化炭素増加による温室効果以外の原因は考えられない
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/711.html#c1
「認知の歪み」が諸悪の根源だった 医療少年院で精神科医が受けた衝撃 2019年9月18日
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?all=1
非行少年
本人の主義主張などとは関係なく、純粋にすべてが歪んで見える人たちが一定数存在している
このところ、様々な事件やトラブルに関連して登場するキーワードが「認知の歪み」というものだ。
もともとは心理学用語で、「レッテル貼り」「白か黒かの思考法」「拡大解釈、過小解釈」等々、さまざまなパターンがあるとされている。ごく大雑把に言ってしまえば、事実や現実を適切に解釈、受け止められない思考様式のことだと考えてもいいだろう。
たとえば最近では、「親韓」「反韓」双方が、互いに「あっちの認知が歪んでいる」、と批判しているという見方が可能だろう。前者からすれば「反韓」の人たちは「いたずらに嫌韓感情を煽るとんでもない人たち」であり、「身の危険すら感じる」という主張をすることになる。後者からすれば、「親韓」の人たちは「現在の文政権の非道、危険に目をつぶる人たち」であり、「国益を考えていない」ということになる。双方とも、相手のことを「現実を正確に認識できていない」として、批判をしているという構図。つまり互いに「認知の歪み」がある、と考えている。簡単に言えば双方が「レッテル貼り」をしているとも言える。
他に「認知の歪み」が話題になった最近の事例は、大雨で川が氾濫し、流域に取り残されてしまった人たちへの論評の際だ。
「大雨が降るってあれだけ警報が出ていたのになぜ川に遊びに行くの? 理解不能」
そんな疑問から、彼らには「認知の歪み」があるのではないか、といった指摘がネット上では相次いだ。台風が来ることはわかっていたにもかかわらず、わざわざ子ども連れでバーベキューを楽しもうと考えるのは、常識的な判断とは言えない。つまり警報の意味をきちんと受け止めることができていない。ここにも一種の「歪み」が見られる。これは前述の「過小解釈」にあてはまるのかもしれない。
ただ、ここに挙げたような例は、実際には「情報リテラシー」の問題だとも言えるだろう。情報を受け止めるところまではできているが、それぞれが抱えているイデオロギーや、あるいは思考のバイアス(「俺たちだけは大丈夫!」)によって、間違った処理をしている、ということだ。
一方で、もっと深刻な「認知の歪み」も存在している。本人の主義主張などとは関係なく、純粋にすべてが歪んで見える人たちが一定数存在しているのだ。
医療少年院に勤務した経験を持つ精神科医、宮口幸治氏の新著
には、衝撃的な事例が紹介されている(以下、引用はすべて同書より)。
医療少年院に勤務してすぐ、宮口氏は少年院の中で最も手がかかっていた少年の診察を頼まれた。
「少年院で『手がかかる』というのは、学校で『手がかかる』というのとは次元が違います。その少年は社会で暴行・傷害事件を起こし入院してきました。少年院の中でも粗暴行為を何度も起こし、教官の指示にも従わず、保護室に何度も入れられている少年でした。
ちょっとしたことでキレて机や椅子を投げ飛ばし、強化ガラスにヒビが入るほどでした。いったん部屋で暴れると非常ベルが鳴り、50人はいる職員全員がそこに駆け付け少年を押さえつけて制圧します。
制圧された少年は、トイレしかない保護室に入れられ大人しくなるまで出てこられません。そういったことを週に2回くらい繰り返していた少年でした」
そんな情報があったので、宮口氏は内心びくびくしながら診察にのぞんだ。ところが、実際に部屋に入ってきたのは、小柄で痩せていておとなしそうな表情の、無口な少年だった。質問にも「はい」「いいえ」くらいしか答えない。
あまり会話が進まないので、宮口氏は診察中のルーチンとして行っていた「Rey複雑図形の模写」という課題をやらせてみた。下のような複雑な図形を見ながら、手元の紙に写すという課題である。認知症患者に使用したり、子どもの視覚認知の力や写す際の計画力などをみたりすることができるという。(図1)
図1
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?photo=2
意外にも少年はすんなりと課題に一生懸命取り組んでくれた。
が、そこで宮口氏は「生涯忘れ得ない衝撃的な体験」をすることになる。
少年の写した絵は、下のようなものだったのだ。(図2)
図2(少年が描いたものを著者が再現)
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?photo=3
宮口氏はこう解説する。
「これを見た時のショックはいまだに忘れられません。私の中でそれまでもっていた発達障害や知的障害のイメージがガラガラと崩れました。
ある人に見せて感想をもらったことがあるのですが、彼は淡々と『写すのが苦手なのですね』と答えました。確かにそうかもしれませんが、そんな単純な問題ではないのです。
このような絵を描いているのが、何人にも怪我を負わせるような凶悪犯罪を行ってきた少年であること、そしてReyの図の見本が歪んで見えているということは、“世の中のこと全てが歪んで見えている可能性がある”ということなのです。
そして見る力がこれだけ弱いとおそらく聞く力もかなり弱くて、我々大人の言うことが殆ど聞き取れないか、聞き取れても歪んで聞こえている可能性があるのです。
私は、“ひょっとしたら、これが彼の非行の原因になっているのではないか”と直感しました。同時に、彼がこれまで社会でどれだけ生きにくい生活をしてきたのか、容易に想像できました。つまり、これを何とかしないと彼の再非行は防げない、と思ったのです。
私はすぐに少年院の幹部を含む教官たちにも絵を見せたのですが、皆とても驚いていました。ある幹部は『これならいくら説教しても無理だ。もう長く話すのは止めよう』と言ったほどでした。
すぐに理解してくれたのはいいのですが、私が意外だったのは、ベテランの教官たちがどうしてこれまでこういった事実に気付かなかったのか、ということでした。
気付かずに『不真面目だ』『やる気がない』と厳しい指導をしていたのか。だとしたら、余計に悪くなってしまうのです」
少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する
実際に、その後、宮口氏はこういう「歪み」を抱えた少年たちと数多く出会うことになる。
「もちろん、障害のある少年だからといっても犯罪行為は許されることではありません。しかし、本来は支援されないといけない障害をもった少年たちが、なぜこのような凶悪犯罪に手を染めることになったのかが問題なのです。
これまで多くの非行少年たちと面接してきました。凶悪犯罪を行った少年に、何故そんなことを行ったのかと尋ねても、難し過ぎてその理由を答えられないという子がかなりいたのです。更生のためには、自分のやった非行としっかりと向き合うこと、被害者のことも考えて内省すること、自己洞察などが必要ですが、そもそもその力がないのです。
つまり、『反省以前の問題』なのです。これでは被害者も浮かばれません」
彼らに欠けているのは、見る力や写す力だけではない。次回では、さらにこうした「反省以前」の子どもたちの実態を見てみよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?all=1
▲△▽▼
阿修羅掲示板でも「認知の歪み」が酷い投稿者が頑張っていますね:
阿修羅掲示板でデマを撒き散らしている頭がおかしい投稿者のリスト
・taked4700
・HAL
・ポスト米英時代=小沢内閣待望論
・佐伯まお=おおたこうじ=シノブ
・お天道様はお見通し
・魑魅魍魎男
・日高見連邦共和国
・けろりん
・BRIAN ENO
・櫻井ジャーナル 櫻井春彦
・てんさい(い)= 東海アマ
・小野寺光一
・仁王像
・西岡昌紀
・木村愛二
・こーるてん
阿修羅掲示板の中国工作員
・赤かぶ
▲△▽▼
アホの考えを変えようとしたり、反論したり、話し合おうとしたりするのはすべて無意味で無駄
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/805.html
阿修羅掲示板はパラノイアや統合失調症患者の投稿が多いので、真に受けない様に気を付けて下さい
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/899.html
「認知の歪み」が諸悪の根源だった _ 医療少年院で精神科医が受けた衝撃
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/630.html
↓ 18 時間前にライブ配信 満田夏花 ←時間、期間、期限、、知らんぷり♪ぺっ
https://www.youtube.com/watch?v=zdVmdX9hdFc
満田夏花 ←河合弘之から、20万円かなー♪ぷっ 愛人?www
↓ ダブルスパイ天国日本!おかしな原子力資料情報室! 竹野内真理さん💛
http://fukushimaworkerslist.blogspot.com/2013/06/blog-post.html
結論: 男女の仲は??ふふふ 💛💛 www ばか うさぎ♂ ←小学生です。ぷっ♪うそ
「認知の歪み」が諸悪の根源だった 医療少年院で精神科医が受けた衝撃 2019年9月18日
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?all=1
非行少年
本人の主義主張などとは関係なく、純粋にすべてが歪んで見える人たちが一定数存在している
このところ、様々な事件やトラブルに関連して登場するキーワードが「認知の歪み」というものだ。
もともとは心理学用語で、「レッテル貼り」「白か黒かの思考法」「拡大解釈、過小解釈」等々、さまざまなパターンがあるとされている。ごく大雑把に言ってしまえば、事実や現実を適切に解釈、受け止められない思考様式のことだと考えてもいいだろう。
たとえば最近では、「親韓」「反韓」双方が、互いに「あっちの認知が歪んでいる」、と批判しているという見方が可能だろう。前者からすれば「反韓」の人たちは「いたずらに嫌韓感情を煽るとんでもない人たち」であり、「身の危険すら感じる」という主張をすることになる。後者からすれば、「親韓」の人たちは「現在の文政権の非道、危険に目をつぶる人たち」であり、「国益を考えていない」ということになる。双方とも、相手のことを「現実を正確に認識できていない」として、批判をしているという構図。つまり互いに「認知の歪み」がある、と考えている。簡単に言えば双方が「レッテル貼り」をしているとも言える。
他に「認知の歪み」が話題になった最近の事例は、大雨で川が氾濫し、流域に取り残されてしまった人たちへの論評の際だ。
「大雨が降るってあれだけ警報が出ていたのになぜ川に遊びに行くの? 理解不能」
そんな疑問から、彼らには「認知の歪み」があるのではないか、といった指摘がネット上では相次いだ。台風が来ることはわかっていたにもかかわらず、わざわざ子ども連れでバーベキューを楽しもうと考えるのは、常識的な判断とは言えない。つまり警報の意味をきちんと受け止めることができていない。ここにも一種の「歪み」が見られる。これは前述の「過小解釈」にあてはまるのかもしれない。
ただ、ここに挙げたような例は、実際には「情報リテラシー」の問題だとも言えるだろう。情報を受け止めるところまではできているが、それぞれが抱えているイデオロギーや、あるいは思考のバイアス(「俺たちだけは大丈夫!」)によって、間違った処理をしている、ということだ。
一方で、もっと深刻な「認知の歪み」も存在している。本人の主義主張などとは関係なく、純粋にすべてが歪んで見える人たちが一定数存在しているのだ。
医療少年院に勤務した経験を持つ精神科医、宮口幸治氏の新著
には、衝撃的な事例が紹介されている(以下、引用はすべて同書より)。
医療少年院に勤務してすぐ、宮口氏は少年院の中で最も手がかかっていた少年の診察を頼まれた。
「少年院で『手がかかる』というのは、学校で『手がかかる』というのとは次元が違います。その少年は社会で暴行・傷害事件を起こし入院してきました。少年院の中でも粗暴行為を何度も起こし、教官の指示にも従わず、保護室に何度も入れられている少年でした。
ちょっとしたことでキレて机や椅子を投げ飛ばし、強化ガラスにヒビが入るほどでした。いったん部屋で暴れると非常ベルが鳴り、50人はいる職員全員がそこに駆け付け少年を押さえつけて制圧します。
制圧された少年は、トイレしかない保護室に入れられ大人しくなるまで出てこられません。そういったことを週に2回くらい繰り返していた少年でした」
そんな情報があったので、宮口氏は内心びくびくしながら診察にのぞんだ。ところが、実際に部屋に入ってきたのは、小柄で痩せていておとなしそうな表情の、無口な少年だった。質問にも「はい」「いいえ」くらいしか答えない。
あまり会話が進まないので、宮口氏は診察中のルーチンとして行っていた「Rey複雑図形の模写」という課題をやらせてみた。下のような複雑な図形を見ながら、手元の紙に写すという課題である。認知症患者に使用したり、子どもの視覚認知の力や写す際の計画力などをみたりすることができるという。(図1)
図1
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?photo=2
意外にも少年はすんなりと課題に一生懸命取り組んでくれた。
が、そこで宮口氏は「生涯忘れ得ない衝撃的な体験」をすることになる。
少年の写した絵は、下のようなものだったのだ。(図2)
図2(少年が描いたものを著者が再現)
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09180700/?photo=3
宮口氏はこう解説する。
「これを見た時のショックはいまだに忘れられません。私の中でそれまでもっていた発達障害や知的障害のイメージがガラガラと崩れました。
ある人に見せて感想をもらったことがあるのですが、彼は淡々と『写すのが苦手なのですね』と答えました。確かにそうかもしれませんが、そんな単純な問題ではないのです。
このような絵を描いているのが、何人にも怪我を負わせるような凶悪犯罪を行ってきた少年であること、そしてReyの図の見本が歪んで見えているということは、“世の中のこと全てが歪んで見えている可能性がある”ということなのです。
そして見る力がこれだけ弱いとおそらく聞く力もかなり弱くて、我々大人の言うことが殆ど聞き取れないか、聞き取れても歪んで聞こえている可能性があるのです。
私は、“ひょっとしたら、これが彼の非行の原因になっているのではないか”と直感しました。同時に、彼がこれまで社会でどれだけ生きにくい生活をしてきたのか、容易に想像できました。つまり、これを何とかしないと彼の再非行は防げない、と思ったのです。
私はすぐに少年院の幹部を含む教官たちにも絵を見せたのですが、皆とても驚いていました。ある幹部は『これならいくら説教しても無理だ。もう長く話すのは止めよう』と言ったほどでした。
すぐに理解してくれたのはいいのですが、私が意外だったのは、ベテランの教官たちがどうしてこれまでこういった事実に気付かなかったのか、ということでした。
気付かずに『不真面目だ』『やる気がない』と厳しい指導をしていたのか。だとしたら、余計に悪くなってしまうのです」
少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する
実際に、その後、宮口氏はこういう「歪み」を抱えた少年たちと数多く出会うことになる。
「もちろん、障害のある少年だからといっても犯罪行為は許されることではありません。しかし、本来は支援されないといけない障害をもった少年たちが、なぜこのような凶悪犯罪に手を染めることになったのかが問題なのです。
これまで多くの非行少年たちと面接してきました。凶悪犯罪を行った少年に、何故そんなことを行ったのかと尋ねても、難し過ぎてその理由を答えられないという子がかなりいたのです。更生のためには、自分のやった非行としっかりと向き合うこと、被害者のことも考えて内省すること、自己洞察などが必要ですが、そもそもその力がないのです。
つまり、『反省以前の問題』なのです。これでは被害者も浮かばれません」
彼らに欠けているのは、見る力や写す力だけではない。次回では、さらにこうした「反省以前」の子どもたちの実態を見てみよう。
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/805.html
阿修羅掲示板はパラノイアや統合失調症患者の投稿が多いので、真に受けない様に気を付けて下さい
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/899.html
「認知の歪み」が諸悪の根源だった _ 医療少年院で精神科医が受けた衝撃
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/630.html
テレ朝の「羽鳥慎一のモーニングショウ」も最近「官邸の『締め付け』が酷い。
「プロデューサー」「アナウンサー」の更迭に顕れている。
『安倍官邸のマスコミ占拠』を跳ね返すには、『視聴率を下げる』のが国民として
取り得る最大の手段。
皆で、『坂上忍の安倍御用番組』と『羽鳥慎一のモーニングショウ』の
【チャンネル・チェンジ】を実行しよう。2ヶ月くらいで結果が出るよ。
玉川徹、青木理さん暫く我慢してね!
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/633.html#c30
いつになったら この国の民は 目が覚めるんだ
戦後の愚民政策で もう無理なんだろうか
寺脇や尾木ママもくっ付いていいから 前川さん れいわと組んでくれ
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/639.html#c20
同じ事務所のベッキーが不倫騒動を起こして、その穴埋めのため
どんな仕事も引き受けなければならなくなった。
そこに、ムラが札束の山を持ってきて、原発御用芸人の誕生だ。
「福島県は安全です!」
原発御用タレント・カンニング竹山のツイートが大炎上
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/735.html
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/103.html#c16
宮中『魔女追放事件』 _ 入江侍従長の祭祀簡略化工作と戦い敗れた女官
入江侍従長の祭祀簡略化工作と戦い敗れた女官 ──河原敏明「宮中『魔女追放事件』の真実」を読む [宮中祭祀]
https://saitoyoshihisa.blog.so-net.ne.jp/2016-07-03
以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2016年7月3日)からの転載です
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入江侍従長の祭祀簡略化工作と戦い敗れた女官
──河原敏明「宮中『魔女追放事件』の真実」を読む
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古い記事ですが、久しぶりに重量感のある皇室ジャーナリズムの記事を読んだという満足感がありました。河原敏明氏の「昭和天皇を苦悩させた宮中『魔女追放事件』の真実」(月刊「現代」1999年1月号)です。
ただ、この記事は結局、歴史の真相に迫り切っていないのではないか、という疑いが晴れません。というのも、河原さんは、入江相政侍従長が「魔女」と痛罵した女官の追放劇の最中に、宮中で進行していた大事件にほとんど言及していないからです。
私はむしろ、戦後の皇室のあり方と直結する、この大事件こそが「魔女」追放の真因であり、真相だと考えていますが、河原さんはまるで関心がないかのようです。
▽1 『入江日記』が唯一の記録
平成3年に刊行された入江相政侍従長の『日記』に、「魔女」追放劇が綴られています。
河原さんの説明によれば、「魔女」とは昭和27年から46年まで香淳皇后に仕えた女官で、皇后の絶大な信任を得たものの、やがて入江の怒りを買うところとなり、皇室全体を巻き込むほどの大問題となった末に、宮中から追われたとされています。
河原さんによると、「魔女退治」の顛末を唯一、後世に伝える勝利の記録が『入江日記』なのですが、『日記』には「魔女」としか記されず、本名は明かされていません。「魔女」が新興宗教を香淳皇后に勧めていると疑い、探っていたという記述はあるものの、追放の理由も具体的には説明されていません。
まるで雲をつかむような話です。
▽2 凜とした声の主
河原さんが記事を書こうと思い立ったのは、以前、わずかに言葉を交わした元女官の声が忘れられなかったからでした。名前は今城誼子(いまきよしこ)といいます。
昭和55年、河原さんは、貞明皇后と香淳皇后の2代に仕えた久保八重子さんという大ベテランの女官を取材したことがありました。
〈同じく2代の皇后に仕えたのはもう1人だけだった。まじめで、地味で、陰日向のない人で、絶大な信頼を得ていた。けれども、香淳皇后に新興宗教を勧めたという疑いをかけられ、気の毒にも罷免された。最後のお務めの日、香淳皇后は泣いておられた……〉
それが今城さんでした。
興味を覚えて面会を試みたものの、固辞されて果たせず、忘れかけていたころ、『入江日記』が刊行され、河原さんは仰天します。入江が「魔女」と誹謗する女官こそ、今城さんその人に違いありません。
しかし、以前、電話で聞いた穏やかながら凜とした声の主が奸佞な「魔女」とは、河原さんにはどうしても思えませんでした。特別の事情が隠されているのではないか。取材が始まりました。そしてその勘は当たっていたというのです。
▽3 御訪欧決定を契機に
河原さんによると、今城さんは明治40(1907)年、子爵・今城定政の娘として生まれました。女子学習院高等科に学んだあと、昭和4(1929)年、伯爵・甘露寺受長侍従の推薦で、貞明皇后(皇太后)の女官となりました。貞明皇后が26年に崩御になると、ふたたび甘露寺の推薦でこんどは香淳皇后に仕えることとなりました。
入江の『日記』には昭和天皇・香淳皇后の御訪欧決定を契機に「皇后・魔女」対「入江・宮内庁」の暗闘が激化していったことが生々しく記録されており、河原さんはこれを「魔女騒動」と呼んでいます。
けれども河原さんは、真実は別だとみています。『日記』には、「魔女」という先入観で書かれた記述が目立つ半面、その根拠となる具体的な事実が皆無だからです。御訪欧随行問題は最終局面での「魔女」追放の口実に過ぎないことになります。
しかし、河原さんが見る「真実」も違うと私は考えます。
▽4 誤解と濡れ衣?
河原さんはまず推理しました。入江が今城さんを「魔女」と決め付け、憎悪した理由は何か、最大の理由は今城さんが香淳皇后に新興宗教を勧めたことにあるらしい。入江は昭和41年2月の『日記』に、「魔女の行くのは『誠の道』(正しくは「真の道」)といふ宗団の由」と記しています。
けれども、入江の誤解でした。教団は皇室関係者との接触はなかったからです。
とすると、香淳皇后と接触した教団はほかにあることになる。それは「大真協会」ではないか、と河原さんは考えました。河原さんはかつて教団婦人部幹部の久邇正子さんに直接取材したことがありました。
正子さんは元皇族で、香淳皇后の姪に当たります。香淳皇后に教団を紹介し、昭和天皇の顔面痙攣を治してあげようと考えたようです。正子さんと香淳皇后とを取り持つ女官もいました。しかし今城さんではありません。
つまり、今城さんは無関係です。完全に濡れ衣を着せられていたと河原さんは結論づけます。入江ほか宮内庁幹部は確たる証拠もなく、今城さんを「魔女」扱いし、糾弾していたのです。
それなら、なぜそこまで今城さんは憎悪されたのか。
▽5 感情的な確執か?
河原さんは、その理由について
(1)貞明皇后に仕えたのち、あとから移ってきたよそ者なのに、香淳皇后から依怙贔屓とも見られるほどに重用されたことへの嫉妬
(2)厳格な大宮御所と比べて、馴れ馴れしいほどに緩い皇居との落差を言葉にして指摘したことで買った無用の反発
──の2つとみています。
そして、やがて宮中全体を敵に回すことになり、罷免された、と河原さんは理解するのでした。
しかし私はそうではないだろうと考えてます。個人レベルの感情的な確執が宮中全体に関係するほどの大騒動となり得るでしょうか。私が職員OBたちに取材したところでは、今城さんは職員たちによる評価も高く、「魔女」と呼ばれるような人物ではありません。逆に入江の評判の方が良くないのです。
誤解でも濡れ衣でもない、憎悪されるに足る確たる根拠が、今城さんではなくて、入江の側にあったのだと私は考えます。それはこの時期、入江が宮中全体を巻き込んで展開していた宮中祭祀の改変です。
目の前に立ちはだかって抵抗する厳格派の今城さんが、入江には端的に目障りだったのでしょう。入江の祭祀改変工作が宮中全体を巻き込んで、陰に陽に展開されたとすれば、罷免工作もまた宮中全体に及ぶのは必至だったと私は想像します。
▽6 香淳皇后の夢だった?
河原さんの記事によれば、入江と今城さんとの確執は、昭和46(1971)年9月に実施された御訪欧をきっかけにのっぴきならない局面を迎えたとされています。随行要員に今城さんを含めるかどうかで、入江侍従長や徳川義寛次長と香淳皇后との間で騒動が持ち上がり、入江は「また『魔女』に焚き付けられたか」と緊張したというわけです。
河原さんによると、もともと外国御訪問は香淳皇后の夢だったとされます。前年の45年、大阪万博で来日したベルギーのボールドウィン国王が両陛下を招待したのが史上初となる天皇・皇后両陛下の外国御訪問の始まりとされています。
けれども、高橋紘・元共同通信記者の『人間昭和天皇』によると、事実関係がかなり違います。
高橋元記者によると、キーマンは高松宮妃殿下でした。同年4月に来日したのはベルギー国王ではなくて弟のアルベール殿下で、このとき晩餐会の席上、高松宮妃殿下がこう語りかけたのです。
「天皇陛下は皇太子殿下時代に欧州を訪問されたが、皇后陛下は海外にお出かけになったことがない。ベルギー国王は6年前、来日されたが、その答礼という形で、国王陛下から天皇陛下をご招待いただけないか」
妃殿下は吉田茂元首相にも働きかけをし、佐藤首相周辺で秘密裏に御外遊計画は進み、翌46年2月、閣議決定されました。
▽7 法的制約を顧みない
高橋元記者が指摘するように、外国御訪問計画はもっと遡れそうです。入江が昭和35年、『日記』の「年末所感」にこう書いているからです。
「東宮様も方々へおいでになり、一生懸命やっていらっしゃる。お上の御風格も世界の人に見せてやりたいが、早くしないとだんだんお年を召してしまう」
高橋元記者は「入江1人の感想でもなかろう」と書いています。香淳皇后が秩父宮妃、高松宮妃に「一度、外国に行きたい」と話したこともあったようです(『高松宮宣仁親王』)。
入江の願望と香淳皇后の夢、高松宮妃殿下の提案とがどういう関係にあるのか、分かりませんが、いずれにしても、日本国憲法はいわゆる皇室外交を予定していません。憲法7条が規定するのは日本大使の認証、外国大使の接受にとどまります。
39年5月に国事行為臨時代行法が公布・施行され、御外遊は現実化するのですが、入江は法的制約をどこまで理解していたのでしょう。情緒的に天皇の御外遊を構想した発想は法的ルールを顧みない祭祀改変と共通します。
▽8 追放劇の背景
河原さんが指摘するように、『入江日記』に「魔女」が最初に登場するのは昭和41年1月3日でした。大晦日に男子禁制であるべき「剣璽の間」に侍従が無断で入ったことを、今城さんが「えらい剣幕」で詰問したというのです。
河原さんが書いているように、今城さんが最初に仕えた貞明皇后は皇室の伝統・慣習に厳しく、女官には源氏名を付け、御所言葉を半ば強制したようです。けれども貞明皇后崩御のあと、27年に香淳皇后に仕えるようになったとき、今城さんが強烈に感じたのは、まるで異なる御所の雰囲気で、その馴れ馴れしさに驚いたそうです。
とりわけ今城さんにとって我慢がならなかったのは、宮中でもっとも神聖視されるべき「剣璽」への軽視であり、固守されるべき祭祀の改変だったのではないでしょうか。それが追放劇の背景なのだろうと私は考えます。
河原さんは1点だけ、祭祀の改変問題に触れています。
「老境に入ってさすがに従来どおりの神事出席は難しくなったと、入江たちは懸念した。毎月1日、11日、21日の3回、天皇は祭服を着て宮中三殿に親拝される慣例(旬祭)だが、ご親拝は陽気のよい5月と10月だけにし、あとは当直侍従による毎日のご代拝にした旨、入江は皇后に申し上げるのだが──」
旬祭の改変に関する河原さんのこの記述は不正確です。それはともかく香淳皇后は入江に対して「もっとお祭を大事に度数を増やした方がいい」と反論なさったものの、結局、押し切られます。入江は背後に「魔女」の存在をはっきりと見ています。
▽9 為政者の不作為
祭祀改変に関する河原さんの記述は、昭和45年の大晦日に書かれた『入江日記』の「補遺」に基づいていますが、改変工作はすでに2年前から進められていました。
当メルマガの読者ならご承知のように、戦前は皇室祭祀令があり、祭式はその附式で明文法的に定められていました。戦後、昭和20年暮れの、いわゆる神道指令が指令されましたが、宮中祭祀は「皇室の私事」として存続しました。掌典職は公機関ではなくなり、予算は内廷費から支出されることになりました。
22年5月の新憲法施行に伴い、皇室令はすべて廃止され、祭祀は明文法的根拠を失いました。しかし同日付の宮内府長官官房文書課長の依命通牒で「従前の規定が廃止となり、新しい規定ができていないものは、従前の例に準じて、事務を処理すること」(第3項)とされ、祭祀の伝統は守られました。講和条約が発効すると神道指令は失効しました。
関係者の証言によると、伝統の祭祀を守るため、当面は「皇室の私事」という解釈でしのぎ、いずれきちんとした法整備を図る、というのが当時の政府の方針でしたが、残念ながら実現されませんでした。為政者の不作為の罪です。
そして事態が急変します。43年に入江が侍従次長となり、法整備どころか、祭祀「簡素化」の工作を始めたのです。
▽10 侍従長に上り詰める
『入江日記』には次のように記されています。
「10月25日 (宇佐美毅)長官の所へ行き、新嘗のことなど報告。皇后様(香淳皇后)に拝謁。新嘗の簡素化について申し上げたが、お気に遊ばすからとのこと、もう少し練ることになる。永積(寅彦。この年9月に掌典長就任。半年前までは侍従次長だった)さんと相談。夕方、掌典職の案というのを聞かせてもらう。これで行くことになろう」
「10月28日 魔女に会い、新嘗のこと頼む」
歌道を本業とする冷泉家の末裔ながら、入江は装束より洋装、燕尾服よりモーニングを好んだようです。そして根っからの祭祀嫌いだったらしい入江は、翌年9月に侍従長を拝命するや、皇室の伝統も法制度も無視して、祭祀改変へと驀進します。
このとき目前に立ちはだかったのが、皇室の伝統に忠実たらんとする今城さんであり、香淳皇后だったのでしょう。入江が憎悪を深め、「魔女」と呼ぶのは当然です。
今城さんも入江も堂上家の出身です。今城さんの祖父中山孝麿は東宮大夫、宮中顧問官、東宮侍従長を歴任し、入江の父為守は東宮侍従長、侍従次長、皇太后宮大夫を歴任しています。今城さんの曾祖父中山忠愛の妹慶子は明治天皇の生母であり、入江の母方の祖父柳原前光の妹愛子は大正天皇の生母という関係です。
似通った出自の2人ですが、昭和4年から二代の皇后に仕えてきたとはいえ、一介の女官に過ぎない今城さんと、2歳年上ながら、5年遅れて、侍従職となったとはいえ、いまや侍従長の地位に上り詰めた入江との勝負は、すでについていたのでしょう。
河原さんが理解するような「誤解」でも「濡れ衣」でもないと思います。目の上のたんこぶに対して、入江は対抗心を爆発させ、そして表面化したのが御外遊随行問題であり、その背景には確信的に進められる祭祀簡略化問題があったのだと私は思います。
▽11 抵抗者はいなかったのか
それにしても、いくつかの疑問があります。
第1に、なぜ入江は、廃止されたわけでもない依命通牒の規定に反してまで、天皇の聖域である祭祀に介入し、簡略化に突き進んだのでしょうか。
入江の『日記』では、祭祀簡略化は昭和天皇の「ご高齢」が理由であるかのように記録されていますが、その一方、御外遊計画は進められました。半月にも及ぶ海外旅行に耐えられる陛下は「ご高齢」でしょうか。
入江は自身の祭祀嫌いを、昭和天皇の「ご高齢」に転嫁させ、説明したのでしょう。リーガル・マインドなど最初から欠けているのはむろんです。
第2に、そうだとして、法的根拠に基づいて、占領中も、社会党政権時代も、守られてきた祭祀を、個人的な思惑から変更させるのは、暴走以外の何ものでもありません。宇佐美長官ら側近、あるいは天皇・皇族方はなぜ止められなかったのか。今城さん以外に抵抗者はいなかったのでしょうか。
入江の『日記』によると、44年には旬祭の御親拝は5月と10月のみとなりました。河原さんの記事の説明は不正確だと申しましたが、正確にいえば、毎月1日、11日、21日に行われるのが旬祭で、このうち1日の旬祭は御親拝とされていました。それが入江の工作で、年2回に「簡素化」されたのです。御親拝がないなら、侍従のお供も不要です。
同年暮れから翌45年にかけての年末年始の祭儀も簡略化され、「四方拝(元旦)はテラス、御洋服。歳旦祭(元日)、元始祭(1月3日)は御代拝」(『入江日記』)とされました。
御外遊は翌年46年秋でした。祭祀簡略化工作と御外遊計画は同時進行しています。
入江はいみじくも46年暮れ、『日記』の「年末所感」に、「今年は実にさまざまなことがあったが、大別すると、魔女の追放と御外遊の2つになり、さらにもう1つを加えるとなると新嘗の簡単化ということになる」と記しています。
▽12 昭和天皇の顔面痙攣
河原さんは昭和天皇の顔面痙攣について触れています。香淳皇后の姪・久邇正子さんが治して差し上げようとしたとあります。
入江の『日記』では「お口のお癖」と説明されています。45年大晦日の「補遺」には、なぜ祭祀の「簡素化」が始まったのか、長々とした説明が載っていますが、入江が気にしていたのは、6月ごろ始まったという昭和天皇の「お口のお癖」でした。しかし記述には矛盾があります。
入江によると、新嘗祭を簡素化すると、昭和天皇は「すっかりご安心」になり、「不思議なことにお癖はすっかり止んでしまった」と入江は書いています。そのまま読めば、祭祀のお務めがご高齢の昭和天皇には肉体的・精神的なストレスになり、「お癖」を招いた、と解釈されます。
ところが、違うのです。いったん止んだものの、翌46年秋には「お癖」は再発したとほかならぬ『日記』に記されています。
▽13 「暁をやってもいい」
それでは真相は何か。
『日記』によれば、「お癖」が始まったのは45年6月。とすると、香淳皇后が「旬祭はいつから年2回になったか」と猛抗議された直後です。再発したのは46年9月で、今城さんの退官から2か月後、御外遊から帰国された直後でした。
同年11月には皇室第一の重儀である新嘗祭が簡略化され、出御は夕の儀のみとなります。入江は「お帰りのお車の中で、『これなら何ともないから急にも行くまいが暁(の儀)をやってもいい』との仰せご満足でよかった」と『日記』に書いていますが、昭和天皇が「ご満足」のはずはありません。逆でしょう。
昭和天皇は入江の工作にご不満で、最大の抵抗を示されていたに違いありません。だから「やってもいい」と仰せになったのです。
河原さんの取材によると、「お癖」の始まりは時期が少し異なります。しかし久邇正子さんが香淳皇后を訪ねたのが43年11月だということは、入江が祭祀簡略化を開始させた時期とピッタリ重なります。
祭祀のご負担が昭和天皇の「お癖」を招いたのではなくて、それとはまったく反対に、入江の祭祀簡略化工作が「お癖」の原因なのでしょう。祭祀が天皇第1のお務めだとすれば、昭和天皇にとって祭祀簡略化工作はどれほど耐えがたかったでしょうか。
▽14 ほんとうのラスプーチンは
河原さんの記事にあるように、「入江日記」には「魔女罷免」に関して、「(香淳皇后が)たいへん御機嫌だった」「すっかり御機嫌」などと記述されています。つまり、同僚の女官が「お部屋で泣いていらっしゃった」と証言するのとは真反対です。
入江は後世の人が『日記』を読むことを前提に、白を黒と記述しているのではないでしょうか。香淳皇后には無念以外の何ものでもなかったはずで、入江の前ではことさら気丈に振る舞っておられたのかも知れません。
いちばん納得していなかったのは今城さんご自身でしょう。河原さんによれば、今城さんは同僚の久保さんに、「私、どうして辞めさせられるの?」と尋ねたそうです。
今城さんの退職は46年7月。職員OBによると、それ以前もそうだったけれども、それ以降、入江に楯突くものは完全にいなくなったようです。もはややりたい放題。今城さんは格好の見せしめとされたのです。今城さんは「ラスプーチン」とも喩えられたそうですが、ほんとうのラスプーチンは入江でした。
昭和49年に「無神論者」を自任したという富田朝彦次長が登場すると、祭祀簡略化は憲法の政教分離原則を楯に本格化します。55年になると、入江は、昭和天皇の親祭を春秋皇霊祭と略式新嘗祭に限定することを皇太子殿下の発議、皇族方の総意で進めようと工作します。「魔女」追放劇でも行われたであろう、用意周到な根回しが垣間見えます。
▽15 見ざる・聞かざる・いわざる
祭祀簡略化が最初に明るみに出たのは、私が知るかぎり、昭和57年秋に刊行された、星野甲子久・読売新聞記者が書いた『天皇陛下の365日』です。同年暮れには勇気ある宮内庁職員が学会で問題提起し、週刊誌などをも巻き込んで社会問題化します。
今城さんの退職後、「見ざる・聞かざる・言わざる」の風潮が宮内庁内に浸透していたのでしょうか。あるいは、そのあとも。
さて、問題は現代です。
平成20年以降、祭祀簡略化が陛下のご負担軽減を目的に、昭和の先例を根拠として、進められています。しかし、ご負担軽減といいつつ、ご公務は逆に増えました。悪しき先例が根拠とされるべきでもありません。
けれども、宮中から疑問の声はいっこうに聞こえてきません。今城さんがご存命なら、どう思うでしょうか。
最後に蛇足ですが、河原さんはなぜ祭祀簡略化問題に注目されないのでしょうか。
既述したように、入江の『日記』には、「魔女追放」「御外遊」「新嘗簡単化」の3つが46年のテーマだったと書かれています。58年の年初から祭祀簡略化がマスコミの大きなテーマとなったことはご記憶のはずでしょうに。(一部敬語敬称略)
https://saitoyoshihisa.blog.so-net.ne.jp/2016-07-03
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1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/576.html#c10
望みは「天皇の認証」=「認証官」と『勲章』だけ。
こんなもの「役には立たないよ!」
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c7
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
▲上
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/296.html#c48
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
2012船橋・野田落選運動勃発。でーも、今までにないほどの得票でトップ当選した野田🐽万歳!ムサシ選挙。
2014「舛添を都知事にしない女の会」ができたら、なんと!ダブルスコアで舛添が勝利したムサシ都知事選挙。
2014消費税8%、アベヤメロー・おまえが国難!のデモ多発。でも議席ほぼ維持、公明+4のムサシ選挙。
2017モリカケ隠し・国会の開催要求拒否・お前がウミでも自民300越えと報道のダマスゴミ。で、284議席維持。
で、公明ー4、立憲+40、でも共産が何故かー9。偽物野党が議席を増やし、本物野党は議席減のムサシ選挙。
2019消費税10%宣言。アベヤメロの追っかけ隊に大人気の安倍国難。人のいないところで遊説開始。自民議席微減。
が、何故か党名ステルスの山口が票を増やし公明+3議席、汚物維新+3議席、共闘拒否の立憲+8はなぜ?
素晴らしきかなムサシ選挙。国民・有権者から批判を浴びると票が増え、議席が増えますムサシ選挙。
次の閣議決定は、「つまり、まさに、自民党と仲間の党は、ムサシ様のおかげです」とする予定です。
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
さよなら香港
2019年9月11日 田中 宇
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
1997年に英国の植民地から中国に返還された香港では、英国が中国(中共)への嫌がらせとして、返還直前(95年)にそれまで全くやっていなかった民主的な政治体制(民選議会)を新設し、中共が返還後の民主体制の換骨奪胎を試みると、米英が「中国は香港の民主や人権を弾圧している」と非難することが繰り返されてきた。香港は、米英の中国敵視策の道具として使われてきた。2014年に中共が香港の選挙制度を改悪したときは「雨傘運動」の大規模デモが起きた。今年、香港で逮捕された容疑者を中国に送致できるようにする「1国2制度」の換骨奪胎としての刑事手続きの改悪が試みられたのを受け、再び大規模なデモが起きている。
英国は、自分が香港を支配していた時には民主体制など全くやっていなかった。冷戦後(隠れ多極主義・隠れ親中国である)米国からの要請で、香港を中国に返還せねばならなくなったので、中共を苦しめるために、維持が困難な(英国自身でさえ宗主国だった時には断固拒否していた)民主体制を「(負の)置き土産」「最後っ屁」として残した。
英国は、インド植民地の独立に際してはインドとパキスタンが永久に対立する構図を最後っ屁として残し、印パを永遠に苦しめている。日独は戦後、永遠の対米従属(米国覇権の黒幕である英国への従属)を強いられている。人類のほとんどは、これらの英国による極悪な策略・善悪歪曲・歴史捏造の存在にすら気づかず、英国は良いイメージを維持している。そもそも英国は、悪名高き阿片戦争で香港を中国から奪って植民地した(当時はまだ英国が人類の善悪観を不正に操作できる洗脳技術を持つ前だった)が、それは香港問題を考える欧米日の人々の頭の中にない。
米英覇権を運営する上層部(米英諜報界)が、冷戦構造・中国敵視を好む英国・軍産複合体と、親中国・覇権放棄的な隠れ多極主義との長い暗闘の構造であるというのが私の見立てだが、米英の対中国政策もこの暗闘の構図の中にある。50年代に中国を朝鮮戦争に巻き込んで米国の敵に仕立てたり、89年に天安門事件を引き起こして冷戦後の「人権外交」の構図の中で中国を制裁対象の「極悪」に仕立てたのは、軍産英側の策略だ。英国から中国に香港を返還させたのは多極側の策略だが、返還前に香港を付け焼き刃の民主体制に転換して中共に「1国2制度」を約束させたのは軍産英側の策だ。 (人権外交の終わり)
英国で世界支配を担当しているのは、スパイ操作に長けた諜報界(MI6)だ。英国は香港返還時、返還後の香港で中共を困らせる民主化要求の反政府運動を扇動・先導するスパイ網を設置したはずだ。雨傘運動や、今年の大規模デモなど、返還後の香港での民主化運動の指導層の中に英国系のスパイがいて先導している可能性はある。だが英国はそうした介入を隠然とやっているので「証拠」がない。 (米国が英国を無力化する必要性)
隠然系の英国と対照的に、香港(など世界中の民主化運動)に対して露骨で目立つ介入をやっているのが米国の諜報界だ。米国は、世界中の反米諸国の民主化運動をテコ入れするため、冷戦末期の80年代から「民主主義基金」(NED)を国務省傘下に作り、NEDがテコ入れする各国の民主化運動組織に、ジョージ・ソロスら資本家が作ったNGOが活動資金を出してきた。NEDは2014年にウクライナで親ロシア政権を倒す民主化要求の反政府運動をテコ入れして政権転覆に成功して以来、世界各国で反政府運動を支援して政権転覆につなげる「カラー革命」を展開している。 (The Anglo-American Origins Of Color Revolutions) (ウクライナ民主主義の戦いのウソ)
2014年の雨傘運動で指導者となり、今年の大規模デモでも指導者をしている若手活動家の黄之鋒(ヨシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)らは、NEDやその仲間のNGO(フリーダムハウスなど)から支援を受けたり、表彰されたりしている。今年のデモに際し、在香港の米国の領事が、黄之鋒ら運動側の指導層と何度も会っている。米議会では、中共が香港の運動を弾圧したら中国を経済制裁する法案が提出され、中国敵視の軍産系議員たちが超党派でこの法案を支持している。香港の運動はすっかり米国の中国敵視策にされている。黄之鋒ら自身にその気がなくても「中共を政権転覆するための米国(軍産)の策略に協力している傀儡」と見なされてしまう。「香港の反政府運動は、中共の政権転覆を狙った米国のカラー革命の策動だ」という見方が「陰謀論」でなく「正しい」ことになってしまう。 (HK "What The Hell Is Happening In Hong Kong?")
米英諜報界に、イラク戦争を強行したブッシュ政権中枢のネオコンなど、軍産英のふりをして敵視戦略を過激に稚拙にやって意図的に失敗させて、米英覇権を浪費して多極化に結びつける隠れ多極主義の策略があることを、私はよく指摘してきたが、カラー革命はこの構図の中に入っている。香港の民主化要求運動が、米国に支援扇動されたものであるという色彩がなければ、中共は危機感をあまり持たず、香港の運動にある程度譲歩して宥和する余地があった。だが香港の運動が、中国の政権転覆を目的とした米国によるカラー革命の一つなのだということになると、中共は警戒感を強める。中国大陸の世論は「香港の運動は米国のスパイがやっている売国運動だ」と思う傾向を強め、中共が香港の運動を弾圧することを歓迎する。米国が香港の運動を支援してカラー革命に仕立ててしまうことは、香港側にとって自滅的であり、とても迷惑なことである。 (Hong Kong a priority for U.S. Senate Democrats, leader says)
▼トランプが香港運動の自滅を扇動している?
今年6月から続いてきた香港の反政府(反中国)デモは、運動開始のきっかけとなった「逃亡犯条例」を香港政府が9月4日に正式撤回した後、デモの参加者が減って下火になりつつある。反政府デモの指導者たちは、送致法の撤回以外にも警察改革などいくつかの要求を掲げており、このまま反政府運動が下火になるのをいやがり、米欧諸国の政府に頼んで中国を「人権侵害」「民主主義無視」などと非難してもらい、それをテコに香港の運動を再燃しようとしている。これがまた、香港の運動が「米英の傀儡」とみなされる傾向に拍車をかけてしまっている。 (HK Hong Kong Protesters Flood Streets to Call for U.S. Support) (Hong Kong Protesters Urge Trump To "Liberate" City In March On US Consulate)
日々のデモ行進では「中国をやっつけて香港を『解放』してほしい」とトランプ米大統領に頼むスローガンやプラカードを掲げ、米国旗を振り、米国歌を歌いながら香港の米国領事館前を通ったりしている。米国でトランプ支持者がかぶっている「米国を再び偉大にしよう(MAGA)!」と書いた赤い野球帽とそっくりな、「香港を再び偉大にしよう」と書いた赤帽をデモ参加者たちがかぶっている。少し前には、旧宗主国である英国の国旗も振られていた。 (Protesters wear ‘Make Hong Kong Great Again’ hats to ask Donald Trump for help) (Hong Kong Riot Police Fire Tear Gas After Thousands Beg Trump For Help)
香港人たちのこの行為は、中国に対して厳しい態度をとるトランプや英国に助けてもらいたい、ということだろうが、政治運動として自滅的だ。香港の反政府運動の成功には、香港だけでなく隣接する中国大陸の人々の広範な支持を得ることが必要だ。中国大陸の人々は、トランプに困らされている。トランプが中国の対米輸出品に懲罰的な高関税をかけて米中貿易戦争を引き起こし、中国は経済難だ。大陸はトランプと戦っているのに、香港はトランプに頼んで中国に圧力をかけてもらおうとしている。香港人は、阿片戦争以来中国を苦しめ、香港を植民地支配してきた英国にまで「中国を非難してくれ」と頼んでいる。大陸から見ると、香港は売国奴そのものだ。大陸の世論は、香港人を支持するどころか逆に怒っている。 (What Is the US Role in the Hong Kong Protests?) (Hong Kong risks catastrophe in China-US proxy battle, Global Times chief warns)
中共としては、大陸の人々が香港の反政府運動を支持し始めると脅威だが、今のように香港人が売国奴な言動をしてくれている限り怖くない。香港人の売国奴な行動は、中共が「懲罰」として、香港に付与してきた経済特権を剥奪する口実を与えてしまう。すでに中共は8月「広東省の深センに(これまで香港が持っていた)経済面の特権を与えることにした(香港はもう見捨てる)」と発表している。これを聞いて焦ったのは香港人だけだ。大陸人たちは「ざまあみろ」と思っている。 (Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world) (Beijing's Secret Plan B: Converting Shenzhen Into The New Hong Kong)
180年前阿片戦争から1994年の返還まで英国の植民地だった香港は、社会主義の中国大陸と、資本主義の外界をつなぐ「仲買人」「中国貿易の玄関」であり、返還後も中国政府は、返還前の英国との協定に基づき、政治経済の両面で、香港に特別な地位を与えてきた。国際社会で中国の優勢と英国の劣勢が加速するなか、香港人が中共に報復されるような売国奴な言動をとり、中共が香港の特別な地位を奪っていくと、深セン、上海など中国大陸のライバル諸都市に経済権益が流出し、香港は経済的に没落してしまう。香港人は全く馬鹿なことをしている。
香港人がトランプに助けを求めたのも間抜けだ。トランプは「中国政府は香港に関してうまくやっている」とツイートしており、香港の反政府運動を支持していない。米国で今年の香港の反政府運動を支持しているのは、トランプを敵視する民主党と、共和党内でトランプと対立するミット・ロムニーらである。香港人がトランプに頼んでも無視されるだけだ。 (Romney: ‘Critical for us to stand with the people of Hong Kong’)
もともとトランプは覇権放棄・隠れ多極主義の一環として「隠れ親中国」だ。トランプは、貿易戦争を仕掛けて中国を経済面の対米依存から強制的に脱却させ、今後いずれ米国側(米欧日)が金融バブルの大崩壊を引き起こして米国覇権が崩れても、中国とその関連の非米諸国(ロシアやBRICS、一帯一路の諸国など)の側が連鎖崩壊せず、米国崩壊後の世界経済を中国が率いていける多極型の「新世界秩序」を作ろうとしている。香港の運動は、こうした多極化の流れを逆流させようとする動きの一つだ。その意味で、英国や軍産が香港の運動をテコ入れするのは自然だ。中共が香港の運動を弾圧しやすい状況をトランプが作るのも自然だ。
大統領就任から3年近くがすぎ、トランプは軍産の母体である米諜報界をかなり牛耳っている。トランプが米諜報界を動かして、香港の運動を支援するふりをして潰すことは十分に可能だ。もしかするとトランプは、香港のデモ参加者たちが米英の国旗を振り回したり「香港版MAGA帽」をかぶるように仕向けることで、中国が香港の運動を弾圧しやすい状況を作ってやっているのかもしれない。特にデモ隊にMAGA帽をかぶせるあたり、諧謔味にあふれるトランプらしいやり方で面白い。(軍産うっかり傀儡のくそまじめで小役人な今の日本人には面白さが理解できないだろうが)
可能性は減っているものの、今後、香港の運動が暴徒化して手がつけられなくなり、中国軍が香港に越境(侵攻)して運動を弾圧し「第2天安門事件」が誘発されるかもしれない。運動家は、それを誘発することで、米欧が中国を非難制裁し、中国包囲網が強化されることを望んでいるのかもしれない。しかし、もし「第2天安門事件」が誘発されても、世界から中国に対する非難は、89年の天安門事件時に比べ、はるかに弱いものになる。最近の2ー3年で中国は大きく国際台頭しており、日本など多くの国々が中国と対立したくないと思っている。
今回の香港の運動は「中共の勝ち・香港と軍産英の負け」で終わるだろう。この決着は、台湾やウイグルやチベットなど、中国の周縁部で米英軍産に支援されつつ中共に楯突いてきた諸地域の運動にマイナスの影響を与える。中共に楯突いても米欧からの支援を得られない新事態が表出しつつある。すでに、台湾(中華民国)を支持する国々は減り続けているし、「同じトルコ系民族」としてウイグル人の分離独立運動を支援してきたトルコは近年、米欧から距離を置き中露に接近するのと同時に、ウイグル運動を支援しなくなっている。
トランプの台頭によって米英諜報界の「軍産つぶし」が進み、カラー革命やテロ戦争の構図自体が消失していく傾向にある。軍産の親玉である英国は、トランプの盟友であるボリス・ジョンソンによって破壊されつつある。「さよなら香港、さよならカラー革命」。軍産のプロパガンダを軽信している人々には理解できないだろうが、それは人類にとって、歓迎すべき「良いこと」である。戦争や、政権転覆による国家破壊が行われなくなっていく。
http://tanakanews.com/190911hongkong.php
さよなら香港、その後
2019年9月17日 田中 宇
この記事は「さよなら香港」の関連です。
案内してくれる人がいて、9月14ー15日に香港に行った。前回の記事「さよなら香港」は、旅行の前の下調べ的なものとして書いた。私が香港で見た主なものは、9月14日の午後2ー3時ごろに発生した九龍湾の淘大商場(Amoy Plaza)での「愛国派」の集会とその後の「民主派(反政府派)」との乱闘・警察隊による介入・取り締まり、9月14日の夕方に香港島・中環の愛丁堡広場で開かれた中学生ら若者たちの民主派側の集会、9月15日の正午から英国領事館前で民主派が開いた集会、9月15日の午後2場ごろから香港島・銅鑼湾の繁華街で民主派が開いた集会とデモ、などだ。
これらを見て私が考えた分析は、(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造。(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか。(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。などだ。
今年6月から続いている今回の香港の「送致法(逃亡犯条例)反対」の市民運動(反政府派の運動)は当初、香港市民に広範な支持を得ていたようだ。香港の市民運動は、1997年の香港返還前に中国が英国に約束した返還後の香港の民主的な自治体制(1国2制度)を、中国政府(中共)その傘下の香港政府が十分に守っていないという批判に基づいて行われている。2014年の雨傘運動は、中共が返還時に英国に約束した香港の選挙制度の民主化を進めず換骨奪胎したことに反対して行われた。今年の送致法反対運動は、英国式の香港の法体系と中共の法体系が違うもの(だから1国2制度)なのに、その違いを無視して、大陸から逃げて香港に入り込んで捕まった容疑者を、香港の法律で裁くのでなく、大陸に移送・送致して中共の法律で裁けるようにする新体制が1国2制度の理念に反しているので撤回せよという主張だ。中共が、返還時に約束した香港の政治体制の改革を履行せず、なし崩しに中共の都合の良いように変形・換骨奪胎されていくことへの市民の不満があった。
当初、香港市民の多くが民主派を支持していた。だが、中共が譲歩せず運動が膠着すると、民主派の中の過激派が、地下鉄の駅や行政機関の建物などへの破壊行動を拡大し、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにしたり、大通りをふさぐなど、鉄道や道路、空港の機能を意図的に麻痺させる作戦を展開するようになった。これは、香港政府や中共に政策転換を促す効果がないどころか、香港市民の生活や経済活動を妨害することにしかならず、多くの市民が市民運動に対して失望する状態を生んだ。2004年の「雨傘運動」の後半にも、反政府派は同様の破壊や妨害を展開し、市民に失望を与え、運動として失敗した。民主派(もしくはその黒幕)は、同じ失敗を繰り返している。「馬鹿」というより意図的で、裏がある感じがする。
9月4日に、今回の反対運動の根幹に位置していた「送致法」を香港政府が棚上げ・撤回した。民主派としては「運動の成功・勝利」であるはずだった。しかし民主派は「香港政府と中共の決定は遅すぎる」などと言いつつ勝利も成功も宣言せず、それまで掲げていた5項目の要求(五大要求)の残りの4つがすべて解決されるまでは反政府運動を続けると言っている。5項目は(1)送致法の撤回、(2)民主派に対する香港警察の残虐な弾圧について調査する独立委員会の設置、(3)逮捕されている活動家たちの釈放、(4)政府側が民主派を「暴徒」と決めつけたことの撤回、(5)香港議会と行政長官の選出方法に関する完全な普通選挙制の導入。の5つだ。(1)は9月4日に成就し、(2)から(4)までも実行可能だと中共権力者の習近平が9月3日の演説で示唆している。問題は(5)だ。これは、14年の雨傘運動を引き起こした問題でもあり、未解決だ。 (Xi Jinping's Recent Speech Indicates How Beijing Plans To Handle Hong Kong Protests)
香港の議会は直接選挙制が導入されている(半数は職能団体ごとの代表)。行政長官についても、返還時の中英交渉の結果、返還後に直接選挙制を導入することになっていたが、各種の業界団体などの代表ら1200人からなる選挙委員会が2ー3人の候補者を選出し、その中から一般市民の有権者が投票で行政長官を選出する制度のままで、直接選挙制になっていない。選挙委員会は実質的に中共の代弁者で構成され、中共が選んだ2ー3人の候補の中からしか行政長官を選べない仕組みだ。反中共な民主派人士は立候補できない(宗教委員会が許可した者しか立候補できないリベラル妨害のイランの「イスラム共和制」と似ている)。香港返還後、この制度を変える変えないでもめ続けており、雨傘運動もその流れの中で起きた。中共は、しばらくこの限定民主制を続けたいと考えている。つまり(5)が解決される見通しはない。(5)だけが残ると、今年の運動は、失敗した14年の雨傘運動の延長になる。あれをまたやるのか?、という話になる。
9月4日の香港政府の送致法の棚上げにより、今年の運動は当初の成果をあげた。中共が拒否する選挙制度の改革は困難だと香港市民の多くが感じている。ならば今回はこのへんで満足しておけばいいのでないか。そう人々が思い始め、私が香港を訪れた9月14ー15日には、前の週より集会やデモの参加者が減り続ける状態が起きていた。だが、民主派の中の熱心な人々は「このへんで」とは考えず、参加者が少なくなった分、過激化する傾向を持ち始めていた。
9月14日に数百人の中学生らが中環に集まった集会は穏やかで、過激な感じがほとんどなかった。「学校当局の反対を押し切ってここに来ました」という生徒の発言や、運動を支持する教師の発言が続いた。(中華民国=台湾の旗を掲げた人が入ってきて私は一旦ぎょっとした。集会場の隣は人民解放軍の香港の本部だ。だが、こうしたことは珍しくないようだ。返還前、中華民国は香港に拠点を持っていた)。中環の学生集会と対照的に、15日午後の銅鑼湾の繁華街での集会とデモは、一部の民主派の若者が道路封鎖や破壊活動を展開し、警察隊と衝突した。私は帰りの飛行機の時間との関係で15時までしか現場にいられず、暴徒化はその後に起きた。銅鑼湾の集会は数千人規模(報道では5千人)で、最盛期の7ー8月の集会が20万人近く(反政府派の発表では百万人以上)集まったのと比べ、参加者が大幅に減っている。
多くの市民から見て、この辺で終わりにした方が良いのに、熱心な民主派たちはあきらめがつかず暴徒化している。この現象は、多くの市民が民主派を敵視する状況を生み出していた。民主派は、自分たちを敵視する人々を「中共の回し者」と呼んでいた。たしかに民主派敵視(愛国派)の人々は中共の国旗を振り、集会で中共の国家を斉唱することが多い(民主派が自作の「願栄光帰香港」を歌うのに対抗している)。民主派には理想主義っぽい若者が多く、民主派敵視派には保守派っぽい下町風おっさんオバハンが多い。しかし、革新vs保守(保守が親共産党。欧米流リベラル主義vs中国流似非共産主義)というよりも、民主派敵視の根底にあるものは、民主派が交通機関や役所などに対して破壊・妨害活動を展開することに対する怒りだ。
中共は、扇動やプロパガンダ戦略を好む秘密結社型の共産党なので、民主派敵視の人々を扇動する策があることは容易に想像がつく。14日の午後に淘大商場で行われた民主派敵視の集会では、手回しよく小さな中共の国旗が多数用意され、参加者に配布されていた。しかし、15日に民主派が開いた英国領事館前の集会では、手回しよく英国の国旗が配布されていた。その後の銅鑼湾の民主派の集会でも、参加者が掲げるための印刷されたプラカードが配布されていた。手回しのよい扇動策は両者とも同じだ。
少し前にネット上で流布された動画として、地下鉄の車内で愛国派が民主派を殴っている場面のものがある。これは実は、駅に停車中の地下鉄のドアが閉まらないようにする運行妨害を展開した民主派のメンバーに対し、乗客の一部が怒ってやめさせようとして喧嘩になった事件の動画の中で、愛国派とレッテル貼りされた乗客が民主派を殴っている場面だけを切り取って「中共支持の極悪な愛国派が、無抵抗の民主派を殴っている」という説明をつけてネットで配布したものだ。うっかり軍産傀儡の日本人なんか、こういうのを嬉々として軽信する(万歳・糞)。プロパガンダ戦略では、民主派の方が上手だ。
14日午後の淘大商場の愛国派の集会は、民主派が少し前に同じ場所で開いた集会への報復だ。3日前、このショッピングモールで民主派の集会があり、そこに通りがかった愛国派の教員が民主派に批判的な態度をとった(民主派が「願栄光帰香港」を歌っているときに対抗して一人で中国国歌を歌った)ため殴られた。この光景は動画でネットで拡散された。14日の民主派敵視の集会は、殴った民主派を非難し、殴られた教員、李先生を支持する集会だった。そこに民主派がやってきて批判的な態度をとり、喧嘩が発生し、警官隊が呼ばれた。民主派は、自分たちを弾圧する香港警察を強く嫌い、民主派の集会では警察非難のコールが何度も繰り返される。民主派を嫌う愛国派は、これに対抗して自分たちの集会で「警察ガンバレ」「警察支持」のコールを繰り返す。淘大商場の愛国派の集会では、中国国歌が歌われ「香港ガンバレ」のほかに「中国ガンバレ」もコールされた。無数の五星紅旗が振られる中での警察隊のショッピングモールへの入場は、1949年に中国の村に入場する人民解放軍さながらだった。
「アイラブ警察」の水色のTシャツを着た市民の集団が町を歩き、民主派の主張がたくさん貼られた「レノン壁」を、街頭の美化活動と称して掃除(貼った紙をどんどんはがす)し始めると、近くにいる民主派が「言論の自由に対する妨害活動」とみなして「掃除」を止めようとして殴り合いの喧嘩になる。愛国派は「体を張って街頭美化をやった」と言い、民主派は「体を張って言論の自由を守った」と言う。14日には、市街地の各所にある「レノン壁」の前での喧嘩が2件起きた。「レノン壁」は、ビートルズのジョンレノン(=イマジン)にあやかってつけた名前だ。民主派の大多数は暴力反対の穏健派だが、多数派である穏健派の存在は、この対立構造の中ですっ飛ばされている。民主派を嫌う人のすべてが中共支持なわけでもないだろうが、そういう存在もすっ飛ばされている。 (Hong Kong protests: skirmishes and fist fights across the city as rival camps clash but day passes without scenes of major violence)
主流的な運動が下火になるほど、民主派内の過激派による破壊行為や、両派の両極端どうしの喧嘩・乱闘が目立つようになる。破壊行為が繰り返されるほど、全体的に民主派全体の印象が悪くなって民主派への支持が減り、その反動で中共に対する容認が増える。民主派は、敵である中共の力を強めてしまっている。
ここまで「(1)愛国派と民主派がなぜ対立するか。その構造」について書いた。「愛国派」は、正確には「民主派敵視派」だ。日本の「右派」が「左翼敵視派」であるのと似ている。次は「(2)民主派と英米との関係。英米とくに米国の黒幕性。その分析の延長として、中共や香港財界は黒幕でないのか」について書く。
今年の香港の民主派の運動の特徴の一つは、英国や米国に助けを求めていることだ。私の滞在中の9月15日の昼には、香港島の英国領事館の前に数百人(千人近く?)の民主派の人々が集まり、英国旗や植民地時代の英領香港の旗を振りながら「(中共が英国に約束した)1国2制度は死んだ(だから英国は中共を制裁すべきだ)」「英国は香港に戻ってきてくれ(再支配してくれ)」「(香港人が持つ)在外英国旅券(BNO)で英国に住めるようにしてくれ」「女王万歳」などとコールし続けた。領事館から係員が出てくることはなかった。愛国派からの敵対行動はなかった。
(ひとりの中年女性が通りがかりに否定的な発言をしたらしく、民主派から怒鳴られていたが、女性はそのまま立ち去った。彼女の声は大きくなく、聞き取れなかった。敵対行動とか野次でなく「つぶやき」だ。20人ほどいたマスコミが、少し離れた場所で彼女を囲んでマイクを突きつけコメントをもらっていた。笑)
中共や、中国ナショナリズムの歴史観は、英国を「中国に阿片戦争を仕掛けて香港を奪い取り、他の列強と謀って中国を分割しようとした極悪な帝国」と位置づけている。そんな極悪な英国に「香港に戻ってきて再び植民地にしてくれ」と言わんばかりの懇願を集団で行う香港の民主派は、愛国側から見ると、まさに「売国奴」である。中国大陸の人々に香港の民主化を支持してもらおうと思ったら、こんなことをすべきでない。馬鹿そのものだ。
15日のその後の銅鑼湾での民主派の集会には、大きな米国の星条旗を10枚ぐらい掲げた一群の人々がやってきた。私がいた場所から離れていたので、彼らの詳細はわからない。この日、民主派の行動があったのは英国領事館の前だけであり、米国領事館前では何も行われていない。星条旗の人々は、米国領事館前から流れてきたのではない。この集会で米国旗を掲げる目的でやってきた感じだ。英国旗も振られていたが、一つだけだった。そっちは英国領事館前から移動してきたのかもしれない(銅鑼湾まで約1キロ)。民主派は、前の週末には米国領事館前にも行っていたが、その後、行かなくなった。なぜなのか。前週は米国領事館に行ったので今週は英国領事館に行くか、という話か??。
米国の領事は、民主派の指導者たちに何度か会っている。前の記事に書いたが、黄之鋒ら民主派の指導者たちは、米国務省傘下の機関(NED)から支持・支援されてきた。米国は、香港の反中共的な民主化要求運動を「カラー革命」の一つとして支持している。米国が香港の民主派を支持するほど、大陸の人々は香港の民主派を「売国的な米国の傀儡」と見なすようになり、中共に有利な状況が強くなる。米国の香港民主派支持は、中国を敵視するふりをして強化する「隠れ多極主義策」の一つとして行われている。
私が邪推したのは、米国領事館が民主派に対し「米国旗は振ってほしいが、領事館前に集まるのはここでなく英国に行ってほしい」と依頼・誘導したのでないか、ということだ。トランプの米国は隠れ多極主義的な中国敵視を続けているが、英国は近年、台頭する中国にすり寄っている。トランプら隠れ多極主義者たちは、米国覇権の黒幕だった英国が、多極化とともに中国にすり寄って中国の覇権戦略に影響を与えたり隠然と妨害したりするのを邪魔したい。だから、香港の米領事館は、民主派を米国でなく英国の領事館前に行かせ、英国に「中国にすり寄らないで敵視してくれ」とコールさせ、香港民主派がまるで英国(英米)の傀儡であるかのような印象をばらまきたいのでないか、という考察だ。 (米国が英国を無力化する必要性)
私が香港を訪れた1週間前には「トランプに頼んで中国を成敗してもらおう」という感じの民主派の動きもあったが、それは続かず、私の訪問時には、ほとんどそれが感じられなかった(トランプの顔を印刷したシャツを着ている民主派がいた程度)。米政界で香港の民主派を支持しているのは、民主党やマクロ・ルビオといったトランプ敵視派で、彼らから香港民主派に「トランプを持ち上げるな」と苦情が入ったのかもしれない。香港民主派は、いろいろ(笑)である。馬鹿にされて当然だ。
この話の延長として、中共や香港財界は香港の民主派や愛国派の黒幕でないのか、も考える。中共は、愛国派の拡大を喜んでいるだろう。しかし、愛国派の拡大は、民主派の戦略の失敗によって起きている。中共が、民主派を失策に誘導したとか??。香港民主派が、米国の諜報界(軍産、米民主党主流派)と親しくしていることから考えて、民主派が中共の傀儡でもあるという「二重スパイ」的な可能性は低い。むしろ、米諜報界の中にいる隠れ多極主義勢力が、香港民主派を動かして中国の得になる事態を作り出した可能性の方が高い。
香港では返還後、中国大陸からの人々の流入があり、住宅の家賃が10年間で3倍になった。香港市民の重大な経済問題として、家賃や住宅価格の急騰がある。この問題をどれだけ解決できたかで、これまでの行政長官に対する人気度に差が出ている。民主派が香港市民のために貢献する組織なら、住宅問題の解決を5大要求に入れるべきだった。香港では、貧富格差の拡大や、教育の問題も議論されている。これらも5大要求に入れるべきだ。しかし民主派は、これらを基本主張の中に入れていない。なぜか。もし香港財界が民主派に影響力を持っているなら「住宅問題や貧富格差に言及するな」と誘導しているはずだ。香港財界の最大の勢力は、土地を独占している不動産屋である。民主派が、不動産屋を非難する住宅問題、財界を非難する貧富格差問題を大きな要求に入れていないことからは、民主派の黒幕として財界がいるのでないかという疑惑が生まれる。
このあと(3)今回のような運動と、香港自体が今後、どうなっていくのか。経済面の分析。(4)今後についての政治面の分析。民主体制や民主化は、中国(香港、台湾)にとって何なのか。を書こうと思っていたのだが、すでに長くなってしまったので簡単に書く。(3)は、金融で食ってきた都市である香港が、リーマン危機後の米国中心の国際金融システムのひどいバブル膨張から今後きたるべき崩壊への過程の中で、世界(米国側)の資金を中国に流す機能がしだいに不必要・バブル崩壊していくのと同期して、ライバルの製造業主導都市である隣の中共側の深センに負けていくことが不可避なことを書こうとした。私の「さよなら香港」の考え方の基本はそこにある。
製造業(実体経済)よりも金融業(バブル)の方が利幅が大きかった従来、NYロンドンに次いで世界第3位の金融都市である香港は、深センなど「製造業側」を馬鹿にしていた。だが米国の金融バブル崩壊が間近な中、今回の(間抜けな)反対運動を機に、中共は、香港の機能が不必要であるとみなす好機ととらえ、香港を没落させて代わりに深センを重視する姿勢を取り始めている。世界の金融が、従来のドル単独覇権体制から、SDR的な多極型に転換していくことが予測される中、人民元が基軸通貨の一つになると、中国の製造業は、資金調達を上海での人民元建ての起債など中国国内でできるようになり、香港は要らなくなる。「今はバブルじゃないし崩壊なんてしない。ドル基軸は永遠だ。QE万歳」と軽信している何とか経済新聞の愛読者には理解不能だろうが、香港の民主化(中国敵視)運動はタイミングとして全く自滅的である。
(4)は、天安門事件や台湾の民主化、香港返還以来の、中国地域の民主化の問題が、すべて米英による覇権延命策としての「民主化していない米英の敵性諸国を、民主化扇動によって政権転覆する戦略」の一環として起きている点を書こうとした。「民主化」は、米英が中国を攻撃・弱体化するための戦略である。人類全体として、民主主義の政治体制が人々の生活を良くするものであると軽々に断言して良いものであるかどうか自体がまず疑問だが、それを軽々に断言してしまうとして、その上で、今の中国が、米英の敵視戦略の一環である民主化要求扇動策に乗って、政治体制を民主化することが良いことかどうかという話になると「イラクやシリアやリビアみたいになりたくなければ、米英に求められた民主化などしない方が良い」ということになる。中国や香港が民主化するなら、米国の巨大なバブルが崩壊し、米英覇権体制が完全に崩れた後で始めるのが良い。米英覇権がつぶれた後なら、民主派が米英諜報界の傀儡になって国を亡ぼすこともなくなり、今よりずっと安心して民主化を進められる。いま「民主化」を求める人は、基本的に米英覇権の「うっかり傀儡」である(日本人の大多数など)。
その上で、さらに考察せねばならないのは「中国人」が気質的に民主主義の政治体制に向いてないのでないかという疑念だ。選挙を経ない独裁より、民意を背景にして選出された権力者の方が、強い政治力を持てる。政治力=金儲けの力である。そのように考えない「節度ある」民族、日本人や欧米人は、民主主義をやっても大丈夫だが、カネに対して「無節操」な民族性を持つ中国人は、民主主義をやるとすぐ個人独裁制に化けたりして国を自滅させるのでないか、という懸念がある。この懸念が払拭されない限り、今の一党独裁の方がましかもしれない。中国人は、自分たちの特質について、よく考えた方が良い。日本としては、中国を勝手に自滅させりゃええやん、という考えもあるが、逆に、中国人が民主主義を体得して米欧に批判されない存在になった時、日本は相対的に二流三流に戻ることにもなる。
この間、ボルトン解任について途中まで書いたが完成せず香港に行かねばならなかったし、サウジの製油所空爆についても書いていない。取材に行くと、ほかのテーマを書く時間がなくなるので嫌だ。今回は、誘われたので行ってしまった。現場主義は、本人が楽しいだけだ。賛美に値しない。
http://tanakanews.com/190917hongkong.htm
この6年間で恐ろしい差がでてしまった😵💧
不正選挙は議員の生命も奪ういい
例だよね🎵
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/647.html#c13
>お笑い絵本:電子版 「私はアベです、内閣総理大臣でちゅ!!!」
http://blog.goo.ne.jp/izuookawa/e/49d993822361641702e4f853ff05db0e
船橋の住民はバカではない。
『選挙で恥ずかしい思いはしたくない』の思いが浸透中。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/638.html#c38
9月19日、東電旧経営陣が無罪となる日の朝、最高裁長官が安倍首相に面会しています。
おそらく、こんな会話がやりとりされたのでしょう。
「御指示の通り、無罪としました」
「いやぁ、どうもありがとう。
彼らが有罪となれば、当然、運転を許可した政府の責任も、
それから全電源喪失はあり得ないと国会答弁した私も追及されるからねぇ。
ともかく、よかった。ご苦労様でした」
そもそも、最高裁長官がこっそりと首相に面会すること自体が、三権分立上、
問題がありますが、三権が完全に癒着している、三位一体のこの国では
何でもありなのでしょう。
(関連情報)
「速報 東電福島第一原発事故 強制起訴裁判で、旧経営陣3人に無罪判決 東京地裁」
(阿修羅・赤かぶ 2019/9/19)
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html
「安全だと国会答弁して福島原発事故を起こした安部首相が、
また安全と言っても誰が信じるか?」 (拙稿 2014/10/13)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/646.html
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/108.html
「上目使いだけはできる」特殊技能者。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c54
ネトウヨ一般に共通する特性として、
•勉強しない
•何度誤りを指摘されても頑として認めない
•とっくに否定された妄説を何度でも持ち出してくる
•議論の前提となる概念に「オレ様定義」を振り回すため会話が成り立たない
•無知なのにいつも上から目線
•中身が何であれ最後に言い返した方が勝ちだと思っている(いわゆる「論破」w)
•やっぱり勉強しない
といったものがあるわけだが、こちらの記事に、その典型とも言うべきコメントがついた。
朝鮮人へのヘイトが規制の対象で日本人や日本国の象徴に対するヘイトが「表現の自由」という論拠を教えてください。
常識的に考えれば両方規制の対象のはずですが?
あなたが別のところで宣ってる「日の丸も旭日旗も糞」なんて言葉はヘイトそのものですよね。
あなたが大好きな中国で国旗は糞なんて言ったら刑法犯になりますが?
あなたの所属するセクトの常識を世間のまともな人に押し付けないでください。はっきり言ってこのブログこそ一番の糞です。
日本国内において「日本人や日本国の象徴に対するヘイト」などというものが成立するわけがない。そんなものは「表現の自由」ではなく「形容矛盾」というのだ。
どうせこのコメ主は理解しようとしないだろうが、一応その根拠を説明しておこう。
ヘイト・スピーチ及びヘイト・クライムに関する研究は、アメリカでの公民権運動(アフリカ系の人々に対する差別の撤廃を求める運動)の流れを継承する形で進められ、1980年代頃からその定義が明確化されてきた。[1]
代表的論者のチャールズ・ローレンスは、ヘイト・スピーチを「人種的烙印の一形態としての攻撃」であり、標的とされた集団が「取るに足りない価値しか持たない」というメッセージ、「言葉による平手打ち」だと表現している。またブライアン・レヴィンは、ヘイト・スピーチは、それ自体が「言葉の暴力であると同時に、物理的暴力を誘引する点で、単なる「表現」を超える危険性を有すると指摘、ヘイト・スピーチと暴力の関係を、「人種的偏見、偏見による行為、差別、暴力行為、ジェノサイド」の五段階の「憎悪のピラミッド」で説明している。
このように、ヘイト・クライムもヘイト・スピーチもこの憎悪ピラミッドの中に位置づけられ、人種、民族、性などのマイノリティに対する差別に基づく攻撃を指している。このような経緯から、マイノリティに対する差別であり攻撃であるという両者の本質は共通するが、「ヘイト・クライム」は主要に有形力を伴う犯罪、「ヘイト・スピーチ」は有形力を伴わない言動による暴力を指す。(略)
差別に基づく言葉の暴力であるヘイト・スピーチが攻撃対象とする「マイノリティ」は、一般的に、
1.一国においてその他の住民より数的に劣勢な集団で、
2.非支配的な立場にあり、
3.他の住民と異なった民族的、宗教的または言語的特徴を有し、
4.自己の文化、伝統、宗教または言語を保持することに対して、連帯意識を黙示的であるにせよ示しているもの
とされている。また、この中でも特に重要な要素とされるのが2の「非支配的な立場」だ。[2]
この定義に照らしてみれば、同じ日本国内での少数者であっても、例えば在日コリアンが典型的なマイノリティであるのに対して、要件2が当てはまらない(むしろ特権的存在である)駐留米兵がマイノリティでないのは明らかだろう。
なお、ヘイト・スピーチがマジョリティ間での単なる悪口や罵詈雑言とは決定的に異なる悪質なものであるのは、それが社会における重層的な差別構造の一環としてなされるがゆえに、攻撃対象とされたマイノリティに重大な精神的ダメージを与えるものだからだ。そのダメージがどのようなものであるかは、差別者集団「在特会」が京都朝鮮第一初級学校に押しかけて拡声器でヘイトを浴びせかけた襲撃事件の例などから知ることができる。[3]
ヘイト・スピーチは、このような差別構造の一部としてなされるからこそ、その一瞬の言葉による攻撃のみならず、幾世代にもわたる社会全体からの差別と暴力の恐怖、苦痛をよみがえらせるが故に、また、今後も自分にそして次世代の子どもたちに対しても一生繰り返されるかもしれない絶望を伴うが故に、マイノリティの心身に極めて深刻な害悪をもたらす。
(略)
社会心理学者クレイグ・ヘンダーソンは、被害者に共通する心理的影響を、
@継続する感情的苦悩、
A自信喪失、
B逸脱感情(自分は「普通」とは違っておりマイノリティであるから狙われたという自己認識)、
C自分を責める、
などを具体的に挙げている。
京都朝鮮第一初級学校の事件における被害は、中村一成のルポで明らかにされた(略)夜尿や夜泣きがはじまった子や、廃品回収の拡声器の音に「ザイトク来た!怖い!」と泣きじゃくる子、現在も一人では外出できない子がいる。また、校門前にかけつけた保護者の一人である金尚均氏(龍谷大学法科大学院教授)は、「人間じゃない」と面罵され、言葉を失った。本名ではなく日本名(通名)で通った日本の小学校で「チョンコ」と差別された過去に引き戻され、努力して積み上げてきた自己肯定感が一挙に奪われたという。
金尚均氏の苦悩は、現在朝鮮学校に通う子どもたちも負わされている。(略)大阪、京都など各種の自治体による調査結果によれば日本の小学校に通う在日朝鮮人の子どものうち八割から九割は、日本名を名乗っている。自らの国籍、民族そして名前をどう名乗るかという葛藤を日常的に子どもの頃から背負わされているのである。このような構造的な差別の中で、その属性を無価値と罵倒するヘイト・スピーチは、どれだけ子どもたちの心をえぐるだろう。
例のコメ主はこんなこと↓も書いているが、日本社会の問題を論じているのに中国在住日本人など持ち出してどうするのか。また、「グローバルなインターネット」などと言っても、日本語でやりとりされるネット空間では日本人が圧倒的なマジョリティであり、それは現実の日本社会と変わらない。(むしろ、自称「普通の日本人」がはびこっているだけ更に悪い。)現実を一切踏まえずに書き散らされる屁理屈など無意味だ。
人の言葉を借りなきゃヘイトが何かもまともに説明できないんですか?ww
要するに威気高にネトウヨを叩くvergilさんは実は何も分かってないってことですね。
って言うか、自分に都合の悪い意見をヘイト呼ばわりして言論弾圧を図っているだけですね。まさしく左翼の本性です。
念のため日本では日本人が多数派だからヘイトにならないってんなら明らかに間違いです。そんなもん相対的だからです。
例えば中国に居住している日本人は中国ではマイノリティだしヘイト被害の対象です。日本国内でも局所的には在日のほうが日本人より多い場所もあります。グローバルなインターネットで他者に明らかな憎悪表現するならそれは間違いなくヘイトスピーチです。なのでここはヘイトブログ、それもかなり悪質なヘイトブログです。
ところで、細々と個人ブログを書いているだけの私に、どうやったら「言論弾圧」などできるのか。そんな方法があるなら教えて欲しいくらいだww
[1] 師岡康子 『ヘイト・スピーチとは何か』 岩波新書 2013年 P.39-40
[2] 同 P.40-41
[3] 同 P.53-54
http://vergil.hateblo.jp/entry/2019/09/19/234305
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/634.html
■貴殿のコメントは何もかもがデタラメですね
そもそも「鳩山由紀夫」
民主党が選挙で負けたのは
税金を利権にばらまかずに国民のために無駄なく使おうとしたからにすぎない。
この国を支配する巨大な利権屋どもにとって
民主党政権の正しい政治が都合が悪かったから。
テレビを使ってデマを流され叩きまくられ
愚かな国民がそれを真に受けたからに過ぎない。
安倍政権はその真逆であり
国民の血税を利権屋どもにばらまくからテレビがいっさい批判せず、
7年も続いている。
テレビが民主党政権を批判したのは問題があったから
安倍政権をテレビが批判しないのは問題がないからだと
国民の多くは思い込んでいる。
国民の大半にはその程度の判断力、思考力しか無い。
要するに民主党政権が短命だったのも安倍政権が続いているのも
全てはテレビがそうなるように民意を操っているからにすぎない。
■基地問題については鳩山さんを騙したの官僚の虚偽文章を君は知らないのか。
以下に鳩山さんの発言を引用するので勉強してくれたまえ
鳩山由紀夫さん
「2010年4月19日に、防衛省と外務省の役人が首相官邸に来て、『(普天間飛行場の移設先の件で)米軍と議論してきた。米軍は、ヘリコプターの訓練には一体性が必要だ、ヘリコプターの基地が訓練場と離れてしまっては訓練ができない、と言っている』と言われました。その時に渡された文書には、訓練場とヘリの基地までの距離が『65カイリまでならいいと』と書かれていました。沖縄の北部訓練場から65カイリを円で描くと、ほとんどが沖縄になってしまいます。私は奄美大島や徳之島を考えていましたが、これではすべてダメになってしまいます。結論として辺野古しかないということになってしまったのです。この文書には『極秘』という判子が押されていて、外務相の極秘文書になっていました。しかし、後に安倍政権になって、普天間飛行場の移設先として佐賀県という話が出たので、これはおかしいと思いました。私は(防衛省と外務省の)役人から『65カイリは米軍のマニュアルに明記してある』と説明を受けましたが、後になって米軍のマニュアルには書かれていないということを知りました。さらには、外務省にもこの文書は残っていないのです。この時、私にこの文書を見せて説明した役人は、全員は覚えていませんが、日米安保条約課長の船越(健裕)さんがいたことは覚えています。結局、米軍のマニュアルに明記してあるということ自体が嘘だったのです。外務省の極秘文書になっていて、米軍のマニュアルにも明記してあると書かれていたので、自分としては最後通知を突きつけられたという思いで、県外移設を断念せざるをえなかったのです。今になって思えば、どうしても辺野古に移設したい勢力が、私を騙したということになります」
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2016/02/post-8d19.html
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/631.html#c44
情報提供に感謝! どの党の、何という議員が本当に国民のために頑張って
くれるのかという情報は、とても重要です。議員としての真贋がわかります。
アメリカの看板なんぞ背負ってたら、即消滅でっせホンマのこつ。バカすぐる・・・。
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/825.html#c10
前回の説明を聞いて、無指向性のSPを壁際に置くとどのように聞こえるのだと言う質問が当然出てきます。家の和室のユニコーンのような場合です。後ろの壁を越えて奥行きが出るのだろうかという疑問です。答えは、半分YES、半分NOです。
和室でも、コンセルトヘボウのホールで収録した自然な録音は、壁がなくなったような音がしてきます。そして、不思議なことにDDDユニットからは音はせず、もっと下の方から音は聞こえてくるのです。
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この写真で言えば、二階席から見下ろしているかのように、オーケストラはアンプの位置ぐらいから下の方に展開しています。決してDDDのドライバーから直接音は聞こえないのです。この状態で、壁と後ろのキャビネットの間隔は260ミリです。いくら何でも近すぎるのではとも思い、キャビネットを縦型に配置しても、この六畳間では、Troubadourの様に空間に音は浮かび上がりません。では、ユニコーンでは三次元の音の再生は無理かというと、決してそのようなことはなく、プー大博士のお宅のようにコンサートホールが出現することもできます。
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その条件は、やはりSPの置く位置です。この部屋は18畳ぐらいの大きな部屋で、このようにSPが前に出てきても問題ありません。するとユニコーンでも、その回りにコンサートホールのアンビアンスが出現して感動します。このときの音は素晴らしく、現在のTroubadour 80+TW3のシステム開発の出発点になりました。
ユニコーンの素晴らしい点は、DDDユニット単体で、シングルコーンでユニコーンをならしていることです。50Hzぐらいまで量感あふれた低音を再生しますので、どこかにウーファーが仕込んで有るのではと、スカートの下から中をのぞき込む人も、一人や二人ではありません(笑)。バックロードホーンで、再生されている低音は、シングルコーンなので位相のずれがなく自然な響きを出すのです。
反面、バックロードホーンのロード以下の波長の長い低音はもちろん出ません。また、ロード(load)=負荷がかかっている分、DDDユニットの振動にもその空気抵抗がかかり、動きの自由さが少しだけ制限されています。それを解消するために、Troubadourのように低域をカットして、自由に中高域をならすように試みたのが、今のシステムです。
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その環境をもう一歩進めて、ひろびろとした大空間にTroubadour80とTW3を置くとどうなるのかをHさんの新しいお部屋で試してみました。この部屋の床は、家と同じ堅い花梨の床材が敷きつめてあり、その下は、コンクリートで固めてしっかりとした床を実現しています。反対に天井の空間部には、家と同じように大容量の吸音材を入れて天井で音を吸う方式です。左の棚には、オープンリールのヴィンテージ機が並びます。右側は38/2トラのテープが収納されます。まだそのあたりを持ち込む前の何も無い状態で音を出してみました。
この部屋は大きく、見えている分だけで、家の部屋と同じだけの広さで、ソファの後方にも同じだけのスペースがあります。SP後方の壁は、しっかりとした本物の石でできていて、ランダムに音を反射しています。もちろん、音の出方によっては、部分的に吸音したり、反射板を入れたり調整は可能ですが、まずは、この部屋の素の音を聴いてみようと、シンプルな装置を並べてみました。
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すると、最初からSPの後方にコンサートホールの大空間が出現しました。入り口は、EMM、プリアンプはMolaMola、パワーアンプは、SD05のアナログ入力部を使いました。パワーアンプとして使ったSD05のボリューム位置は二時頃、プリアンプは11時から12時の間です。SD05はこの負荷だと25Wしか出ませんが、十分すぎるスケールと迫力です。広大なコンサートホールが出現してコントラバスの伸び伸びとした響きが部屋全体を包んでいきます。それを出発点で、左右の位置、前後の位置を合わせて見ました。どんどん音が洗練されていきます。SPケーブルも変えていろいろと試してみました。
それにつけても、大空間での三次元の再現は本当に素晴らしいですね。都会では、この様な大空間は手に入りにくいと思いますが、東京からすこし離れると、このような空間が比較的容易に手に入ります。また都会の家は小さくとも、田舎に帰ると、とんでもない大きな家が空いているという方もおられるでしょう。旧い家をリニューアルして、大空間を楽しむ文化もあっていいはずです。都会では数千万円出しても、このような空間は手に入りません。少し離れれば、それより遙かに少ない金額で、このような大空間が出現します。埼玉や群馬の古民家を買って、大改造をされるのも良い趣味だと思います。別荘地を買うより遙かに現実的だからです。家は、土地代だとつくづく思いました。
外国から来て日本に住み始めた人は、土地の安い日本海側の風光明媚な田舎に住んでいます。日本人の感覚だと、遠いと思われるかもしれませんが、アメリカ人やオーストラリア人は、行こうと思えば二時間で移動できる日本海側は超穴場のように写っています。千歳空港から二時間もかかるニセコだって、いまやオーストラリアの一部みたい街になっていますね。東京から二時間走れば、国境の長いトンネルを越えられます。問題は、その移動にかかる費用です。新幹線の価格に合わせて、高速道路の料金も世界で最も高い料金です。高速道路網もようやく充実してきた今こそ、もっと自由に移動できる体制にしたら、一極集中も避けられて、古くからの蔵の活用など、もっともっと、田舎に住む人たちも増えてくるでしょう。
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この場所での調整は、はじまったばかりです。アンプを変え、機器の位置も調整して、SPケーブルを見極めて、最終的にはテーブルの位置も、聴いているソファーの位置も微調整が必要でしょう。それらの微調整で、半年ぐらいはかかると思いますが、何よりも装置は使いこなしと、SPが置かれている部屋自身の音だという当たり前のことが分かってくると思われます。
三次元の音場が出現する無指向性SPによる再生方式は、部屋全体をコンサートホールに一変させます。その音を聞ける環境作りに今回のHさんのリスニングルームが役だっていただけるとうれしいですね。
音場構成のお話しは、まだまだ続きます・・・
https://tannoy.exblog.jp/30788013/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/655.html#c65
> いずれにしても台風15号による停電対応への批判は、
★阿修羅♪の古池のなかだけで、日本人社会一般の雰囲気ではないな
■それはマスコミが国民に事実を伝えないからであって
批判されるような事実が無いという根拠にはならない。
マスコミを支配し都合の悪い事実を隠蔽し
国民の批判を封じ込める極悪政権を
褒め称える大バカ者がご貴殿でござる。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/631.html#c45
ヴァイキングはスカンディナヴィア半島やバルト海沿岸を根拠地として西ヨーロッパを侵略した海賊であり、当時のヨーロッパに住む多くの人々にとって脅威となっていました。中でも狂戦士(バーサーカー、ベルセルク)と呼ばれる戦士は非常に凶暴で強かったことから恐れられていましたが、そんなバーサーカーは「幻覚作用を持つ植物を使ってトランス状態になっていた可能性がある」と研究者が主張しています。
Sagas of the Solanaceae: Speculative ethnobotanical perspectives on the Norse berserkers - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378874119322640
Viking berserkers may have used henbane to induce trance-like state | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2019/09/viking-berserkers-may-have-used-henbane-to-induce-trance-like-state/
バーサーカーは戦闘の際にとても凶暴になるほか、獣のように吠え、自分が持っている盾にかみつき、敵と味方の見分けもつかない状態で戦っていたなどと伝えられています。しかし、バーサーカーについての物語は多くが神話や伝承に基づいており、実際のバーサーカーがどのようなものであったか詳しいことはわかっていません。
13世紀の歴史家スノッリ・ストゥルルソンは、ノルウェーを最初に統一したハーラル1世の親衛隊の一部がバーサーカーであったと述べています。バーサーカーは犬やオオカミのように怒り狂い、熊や雄牛のように強かったそうで、一撃で相手を殺したばかりでなく、武器を使っても傷つけることができなかったと伝えています。
バーサーカーについては魔法や神秘主義的な特徴付けもされていますが、共通する特徴として挙げられるのが、盲目的で凶暴な怒りです。また、戦士がバーサーカーになる時は体の震えや悪寒、歯をカチカチと鳴らす、顔の赤みなどがあったとされています。そしてしばらくの間は狂ったように戦うことができるものの、バーサーカーの状態から抜け出すと肉体的な疲労や感情のマヒなどを覚えるとのこと。
by Hans Splinter
これらの特徴などから、バーサーカーになる方法として、「盾をかんだり叫んだりすることによってヒステリー状態をわざと誘発している」「てんかんの発作」「麦角菌の中毒症状」といったいくつかの仮説が立てられています。
中でも主要な可能性として考えられているのが、ベニテングタケなどの幻覚作用のあるキノコを食べ、トランス状態になっていたという説です。ベニテングタケはヨーロッパ人にとって身近なキノコであり、中でもシベリアに住む部族の間では、シャーマンがトランス状態になるために使われていたとのこと。
ベニテングタケは食べた人を幻覚や色覚の変化などを伴うトランス状態にするほか、おう吐や体温の上昇、発汗、顔の赤み、けいれん、瞳孔の拡大などの症状を引き起こします。これらの特徴がバーサーカーの戦士と似ていることから、バーサーカーになるためにヴァイキングはベニテングタケを食べたのではないかといわれています。
by Bernard Spragg. NZ
しかし、スロベニア・リュブリャナ大学の民族植物学者であるKarsten Fatur氏は、「ベニテングタケよりもヒヨスの方が、バーサーカー状態をもたらす候補としてふさわしい」と主張しています。
ヒヨスはユーラシア大陸原産のナス科の植物で、非常に古くから向精神作用を利用した麻酔薬などとして使われてきました。古代ギリシアの人々も神託を得るためにヒヨスを用いており、乗り物酔いの治療薬としても使われていたとのこと。また、ビール純粋令によってホップなどの使用が定められる以前の11世紀から16世紀には、ヒヨスがビールの風味付けに使われていたこともあり、ヨーロッパ人にとって身近な存在でした。
Fatur氏はベニテングタケとヒヨスの両方が意識の変化、せん妄、震え、顔の赤みといったバーサーカーの特徴をもたらすと認めていますが、ベニテングタケは一般的に攻撃的な怒りを呼び起こすことがないと指摘。一方でヒヨスやヒヨスと似た成分を含む植物を摂取した人々は、怒りを喚起されるケースがみられるとのこと。「個人の精神的状況や投与量によって、ヒヨスは怒りと闘争意識をもたらします」「この点はバーサーカーにとって重要な要素です」と、Fatur氏は述べています。
by Pixabay
また、ヒヨスは痛みを和らげる効果を持っていて「ほとんど攻撃が効かない」というバーサーカーの言い伝えに合致するほか、血圧を下げる作用は「刃物で切られてもあまり血が出ない」という特徴を説明するかもしれないとのこと。さらに、ベニテングタケは長期的な副作用をもたらしませんが、ヒヨスは副作用として頭痛、瞳孔の拡大、視界がぼやけるといった症状が長引くそうです。さらにFatur氏は、スカンジナビア半島では森林に生えるベニテングタケが珍しいものであり、ヒヨスの方が一般的に見られる植物だった点も指摘しています。
さまざまなバーサーカーの特徴がヒヨスにより説明できる一方で、「バーサーカーは自分の盾をかんでいた」「歯をカチカチ鳴らしていた」などは説明できません。Fatur氏は自分の仮説を検証する十分な考古学的・歴史学的証拠がないため、今回の仮説は決定的なものではないと述べました。
https://gigazine.net/news/20190919-berserkers-may-have-used-henbane/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/739.html#c91
黒田マイナス金利深堀でーーー円高不況とのシナリオだ
ネオコンは:
トランプにはーー利下げ深堀させてーーー株潰し『米経済潰し』。
黒田にはーーーマイナス金利深堀させてーーー円高不況で株潰し.
ネオコンは黒田マイナス金利深堀で逃げる。
異次元緩和で日本をめちゃめちゃにした黒田も
マイナス金利深堀で逃げる。
2015年10月30日
魔女狩りで19人が処刑された「セイラム魔女裁判」の原因は幻覚剤「LSD」かもしれない
By Daniel Rocal
https://gigazine.net/news/20151030-salem-witch-trials-lsd/
アメリカ東部のセイラム村で少女が突然暴れ出し、その少女の周りにいた人々もまた異常な行動を起こすようになったことで、村人の魔女狩りが行われた一連の事件が「セイラム魔女裁判」です。無実の人々が拷問されるなどした痛ましい事件で、最終的に19名の村人が絞首刑に処されたわけですが、セイラム魔女裁判の原因は集団ヒステリーではなく「LSD」だった、ということを説明するムービーが公開されています。
The hallucinogens that might have sparked the Salem Witch Trials - YouTube
「セイラム魔女裁判」とは、1692年2月から1693年5月にかけてアメリカ・マサチューセッツ州のセイラム村で行われた「魔女狩り」のこと。
複数の少女が突然暴れるなどの行動を取り始めたことから魔女狩りが始まり、さらに総勢200名近くの村人が「魔女」として告発され、19名が処刑されるという悲惨な結果になりました。
一連の騒動は、集団ヒステリー、政治的敵対者の排除、あるいは行きすぎた清教主義が原因と言われています。
もし、「セイラム魔女裁判」に別の原因があるとすればどんなことでしょうか?
魔女狩りの原因は「パン」だったかもしれません。
1970年代に心理学者Linnda Caporael氏が、セイラム魔女裁判が起きたのは「麦角菌」が原因だった、と報告しています。
麦角菌はおもにライ麦から発見され、麦角菌を持つライ麦パンなどを食べることで、「麦角中毒」と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。
麦角中毒に陥った人は、手足の壊死(えし)や……
腸や腹部をつねったり刺したりするような、転げ回るほどの痛みを訴えます。このような急激な麦角中毒の症状は、セイラム魔女裁判の報告書にある「異常な行動」とも一致するとのこと。
そして、麦角菌が人体に与える影響は「痛み」だけにとどまりません。
強力な幻覚剤として知られる「LSD」は、麦角菌から合成されます。
LSDとして濃縮されていない麦角菌だけでも、幻覚作用があることが確認されています。セイラム魔女裁判の報告書では「煙突の中に小さな光を見た」と述べる男性がいたことも記録されているため、「魔女の魔法」として捉えられた現象は、幻覚として説明できるかもしれません。
さらに当時の村人は、告発された人物が魔女かどうか調べるため、ライ麦と"魔女の尿"を混ぜて作られた「魔女ケーキ」を犬に与えるという方法をとりました。
魔女ケーキを食べた犬がどのような反応を見せたかについてはあまり記録が残っていませんが、感染した犬がけいれんなどの症状を見せれば、「魔女である証拠」と見なされた可能性は充分に考えられます。
また、1692年はセイラム村がある地域で嵐が発生したことがわかっており、麦角菌の繁殖に適した条件がそろっているとのこと。
一年後に魔女裁判が終わったのは、1693年に干ばつが起きたことも麦角菌が死滅したことと一致します。
しかし、当時のセイラム村の人々の健康状態は良好で、麦角中毒を促進させるビタミン欠乏症になっていたとは考えにくいと言われています。そのため、麦角中毒がまん延する兆候は見られない、という説もありますが……
考えられる理論的な説は、健康状態の悪かった奴隷を介して感染が始まったというもの。村人と奴隷の少女が集まった時に、麦角が感染したと考えられます。
このように、「魔法の正体は麦角中毒である」という説を支援する学者は多いものの、最終的に村人たちを魔女裁判に送ったのは当時の社会だった、ということは忘れてはいけない事実です。
https://gigazine.net/news/20151030-salem-witch-trials-lsd/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/739.html#c92
>“菅さんをけなす人間は一人の例外もなく人間のクズだ。”
・・・の一行は要らないと思う。
■とんでもござらぬ。
私がいちばん言いたいのはこの一行でござる。
この一行にコメられた私の深い深い思いを貴殿はご存じない。
ただそれだけのことでござる。
ちなみに
ご貴殿の文章に向かって
特定の行が要らないなどという無礼で思い上がったことを
私が言うことはまず絶対に有りえませぬ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/631.html#c46
利下げで封鎖された米経済
利下げ解消に米市場がネオコン利下げと全面対決
これで先進国が金利も株も全面高。
黒田の意に反してーーー日本も円高から円安株高との漁夫の利。
だが、
マイナス金利深堀優先の
黒田には利上げ危機で―――制裁危機
利上げ封じに
黒田がーーーマイナス金利深堀で抗戦
上げに転じた米金利を今日も黒田が潰しにかかっている。
これで、利上げで円安となったあと、円高不況に逆戻り。
すげーな、ホーリーウッドの娯楽映画がすっかり現実になっちまったわw不可触民の待遇改善は、上から与えられるもやおまへんで。ぶーたれることで、多少の希望が見えまんのやで。 せーぜー、ぶーたれなあきまへんで。 【アンドロイド諸君!w】
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/639.html#c21
従って、その人が、来るか来ないかわからないと言ったら、
それは逆に必ず来ると言うことです つまり、必然的にその人は津波が
来るというほうも言い当てられることになります
つまり、津波が来ることがかわからないと言う人は、すなわち津波の予測が
困難であるという人は、同時に、津波が来ないということもわからない、
ということになると言ったのです
何故ならば、もし、その人が津波が来ないということだけは
わかるとすると、上に述べたとおり、その人は津波が来ることも
言い当てることができてしまうからです
従って、津波の予測が困難ということは同時に津波が来ないという方の
予測も困難であるということになります
これは論理の帰結の話ですから証拠とは関係ない話です
したがって、津波の予測が困難ということは津波が来ないという方の
予測も困難である以上は、津波の予測が困難であると主張する経営者は
同時に津波の被災の影響を最小限にするべくその地域や周辺に壊滅的な
被害をもたらす可能性が高い重要な物品は、安全工学上の常識として
一箇所に集中させないという安全上の対策を取るべきが常識です
これは、千葉における某ネットの崩壊事故についても
同じことが言えます
津波が来るという予測が困難であると述べた裁判は、論理の帰着として、
津波が来ないということの予測も困難である以上、経営者は住民の被災の
影響を最小限にするべく、地域や周辺に壊滅的な被害をもたらす可能性が高い
重要な物品、すなわち予備電源は、一箇所に集中させないという
安全上の対策を取るのが安全工学上の常識であるということにも、
言及すべきでした
なぜなら、それは上に述べたように表裏一体の議論であるから、
それも含めて経営陣の責任を論じるのが当然だからです
我が国における一番の問題は、一部というより相当数の左翼的な学者や
研究者が保守的な思想を持つ学者や研究者を過度に排除しようとするあまり、
保守的な思想を持つ学者や研究者の言うことを聞こうとしない
ということです この結果、保守的な思想を持つ学者や研究者が
実は正解を言い当てていたというような場合にも敢えてそれを
無視してしまい、その結果としてそれによって民衆を不幸に落とし込んで
しまっても自分の立場だけを守ろうとしてしまうことです
つまり、民衆の味方であるはずのその方たちが、民衆より面子が大事と
なってしまうことなのです
その結果として綿密な裁判対策を行って後に訴訟を起こすという
当たり前の作戦が取れず、はじめから負け戦とわかっているような
玉砕戦術になだれ込んでしまうことが多く先の大戦でも散見される
ような危うい全滅戦術を選んでしまうことになるのです
夢ちゃんが野盗を一遍根こそぎにして作り直せと言っているのは
この繰り返しではどうにもならないと思っているからです
千葉のネット崩壊事件でもこの繰り返しにならないよう
せめてよほどよく多方面から検討して負けない作戦を取るように
してください
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c55
■なるほど
「僕ちゃん若いもんね」と言っているだけのことか。
意味がわかって、さらに笑える「アホらしさ」。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/647.html#c16
ということはいい加減なことは言えないな
という計算を心の中で思わずしてしまった
ということじゃないのか。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/647.html#c17
当然、この無罪判決と無関係という事はありえないだろう。腐った政権(行政)と腐った司法の狂気のコラボという事か?
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c8
この「民主党政権と同じだろう」という記事の表現は不適切だろう。
人類が経験したことがないフクイチ原発の大クラッシュは誰が政権を担当していてもお手上げ状態だったろう。
だいいち大地震の予知は不可能だし原発の全電源喪失も初めてだった。
16mを超える津波の予想は出来たが対策を怠ったのがアベ自公政権と東電である。
台風はおよそ進路や強度が時系列で予測出来るのだから15号が未曾有の被害を与えることは気象庁が警告していたのにアベ自公政府は無視し千葉に甚大な被害をもたらした。
菅総理を貶める投稿が多いがとんでもない、彼の行動は救国そのものだった。
彼が東電にわざわざ出向きフクイチ全面撤退を懇願する東電経営者を怒鳴りつけて職員をフクイチに止まらしたから日本が救われたのだ。
かたやアベはなにをしていたのか?
かつて小渕総理が何かの事故で国民の安全ファーストのスタンスで組閣を延期した例があったがアベは組閣三昧で国民の安全を放棄したのだ。
こんな野郎は即刻クビにしなければ泣くのは弱い国民ばかりだ。
千葉への支援金がたった13億円?オスプレイ一機の1/10だ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/631.html#c47
実は左翼を気取る集団こそ最も保守を補完する集団と
落ちてしまっています
その結果として、降参等の親玉が大邸宅でおねーさまに
かしづかれているなどという馬鹿げた体たらくが許され、
素敵なバックを持って某巨大テツドー企業の、派遣ネーチャンには
夢のまた夢の豪華旅の宣伝に日々を過ごす
おうらやましい旅婆バーさんのために、
毎日毎日汗水たらしてそれに奉仕に明け暮れる赤新聞配達員たちが
今でも存在しているという摩訶不思議な現象が起こっているのです
結果、潰れジーサンも、旅婆ばーも、安泰だというお笑いごとが
起こるのです
わかものたち、ここは一丁、ホンマに駆逐してしまいませんか
その後で出直しましょう
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c56
ポエムしか言わない進次郎
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/647.html#c18
にしても、イスラエル、中東は複雑すぎてわからない
http://www.asyura2.com/19/kokusai27/msg/385.html#c3
ウソとポエムを原動力として
無能を遥かに超えた宇宙の空間を浮遊する。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/647.html#c19
野田:松下政経塾出身のウヨ。
平野:パナソニック労組のウヨ。
ウヨ野田が首相在任中にやった主な悪事。
@公約違反の消費増税法を通す
A原発再稼働
B法人税減税
C自民・経団連寄り検察と組んで、捏造調書により小沢と秘書を有罪にする。指揮権発動をしようとした小川法相を直前に更迭。
Dウヨプリンスの安倍に大政奉還。
こういった連中を応援するスポンのポン、ピッコ:ただのウヨ。典型的ネトサポ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/638.html#c40
「超忙しい居酒屋」と説きます。
その心は?
はやくツマミだせ〜!!www
ハイハイ、このスレでも、
スポンのポン、ピッコ、AN、あおしろ〜等、わざわざペンネームつけてるのは消費増税大賛成のネトサポ。
22Aも微妙。
残念ながらペンネームの機能は、ネトサポの書き込み査定のための、目印としての役割がほとんどになってしまってる。
ぼくはペンネームをつけたコメントは、飛ばしてしまっていいとすら思っている。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/638.html#c41
ホワイトハウスでの閣議の前に、先ずポンペイオ国務長官が神への祈りを捧げてから始めるというのが面白い。
警視庁のエリートはFBIのテロ対策研修を受けており、その成果が出た。
国民民主には、小林正夫、浜野喜史という原子力労組村がいるからねぇ…
あれがいるうちはダメなんじゃないの?
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/642.html#c3
韓国を笑えない?違う、韓国がマトモなんだよ。日本が韓国に嗤われてるのさ。
いい加減、今の日本は韓国よりランクが下だって認めるこった。これは反日とかそういうのでなくて、今の日本はとても韓国と肩を並べられるような国ではなく、恥ずかしい国に成り下がっちまったって事なんだよ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c9
コチラが改革案と現状の問題点です。
■司法改革骨子
(1)取り調べの全面可視化
(2)弁護士の立会権の保障
(3)代用監獄(法務省の拘置施設ではなく、警察署の留置施設で拘留すること)の廃止
(4)勾留の必要性についての厳格な審査
(5)証拠開示の更なる充実
(6)無罪判決に対する検察の上訴権の廃止
■人質司法をやめさせるためには…
(1)刑事裁判を担当する刑事系裁判官という集団をなるべく小さくし、民事、刑事、家事、少年等を交代で担当する制度にする
(2)弁護士経験者から裁判官、検察官を選任する「法曹一元化」
(瀬木比呂志氏『ニッポンの裁判』より)
■個人的には…
(1)死刑廃止
(2)少年法の改名(再犯防止措置法)と適用年齢30歳への引き上げ
■ヘイトスピーチ問題 法律はできたが、罰則がない。
■刑務所が冷暖房など設備面で問題
■人質司法、自白の強要 透明性に不備がある。取り締まりの可視化法はザル法
■ムスリム(イスラム教徒)を監視している
■記者クラブが存在し、報道の萎縮を生んでいる
■難民の保護に非常に消極的 人数が少ない。難民に対する移動の自由、労働の自由がない
■肉体的・具体的な抵抗がなければレイプとみなされない
■セクハラに対するペナルティが存在しない(セクハラ罪がない)
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c10
政府のQEも依然金融や輸出企業しか眼中になく庶民には更に消費税の増税である 今や庶民の受ける恩恵は円高とデフレの物価安しかない事が愈々ハッキリしてきた 不景気風の吹く一般の商店やスーパーに比べて客で溢れる量販店や安売り店の違いを少しは視察しろツーノ
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/214.html#c16
安心しろ万が一ハニューダ如きに敗北してもムサシガーで乗りきれww
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/624.html#c59
普通の感覚では、、受け入れられない事です。
流石、、朝鮮カルト政治。
戦後、、皇室がこういう人達を利用して、、国民を統制して来たのでしょう。
学生デモ(60年代)でして来た事が、、表になっただけ。
此れでも、、皇室制度、、続けて行くのですか?
日本人の感覚では、、納得出来ません。
腐敗した「家族会」記事にふさわしく、
コシミズ家の黒ゴキブリと、
ウヨ蠅がたかってる。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/604.html#c23
サウジアラビアはアメリカに歩調を合わせ、アラムコの石油処理施設を9月14日に攻撃したのはイランだと主張し始めた。施設の北側から攻撃されたということだが、北にはアメリカ軍の基地があり、駐留しているイスラエル軍がイラク領内を攻撃してイラク政府と対立している。アメリカの「御告げ」はともかく、イランが攻撃したことを示す証拠は見当たらない。2003年にイラクを先制攻撃する前と同じパターンだ。 サウジアラビアをはじめとする産油国はアメリカが外部からの攻撃を防ぎ、支配層の地位を守り、個人的な収入を保証するという条件の下で、石油取引の決済をドルに限定してきた。ペトロダラーの仕組みだ。外部の敵対国による攻撃からサウジアラビアを守る義務がアメリカにはある。その義務をアメリカは果たさなかった、あるいは果たせなかったことになるわけだ。 すでに崩れかかっているペトロダラーの仕組みだが、今回の攻撃に関するアメリカやサウジアラビアの主張が正しいなら、その仕組みにとって致命傷になる。すでにサウジアラビアの現体制はロシアにS-400の購入を打診、ドル以外の通貨で決済する可能性も指摘されている。アメリカとサウジアラビアとの同盟関係はかつてほど強くはない。 サウジアラビアはイスラエルと同じように、「建国」にイギリスが重要な役割を果たした。 第1次世界大戦当時、中東はオスマン帝国に支配されていた。その帝国を解体するため、イギリスのマーク・サイクスとフランスのフランソワ・ジョルジュ-ピコは協定の原案を作り、そこに帝政時代のロシアが加わって1916年5月に秘密協定が結ばれた。これがサイクス・ピコ協定。その内容は1917年11月のロシア十月革命で成立したボルシェビキ政権によって明るみに出た。 協定が結ばれた直後の1916年6月、イギリス外務省アラブ局はオスマン帝国を揺さぶるため、アラブ人を扇動して反乱を起こさせた。「アラビアのロレンス」ことトーマス・ローレンスが所属していたのはそのアラブ局だ。そのイギリスはウィリアム・シェークスピアというエージェントをワッハーブ派のイブン・サウドに接触させていた。シェークスピアの戦死を受け、引き継いだのがジョン・フィルビー。 その一方、イギリスはイブン・サウドとライバル関係にあったフセイン・イブン・アリも支援、この人物は1915年7月から16年1月にかけてイギリスのエジプト駐在高等弁務官だったヘンリー・マクマホンと書簡をやりとりしている。その書簡の中には、イギリスがアラブ人居住地の独立を支持すると約束した「フセイン・マクマホン協定」も含まれている。 イブン・アリは1916年、アラビア半島西岸にヒジャーズ王国を建国。1924年にはカリフを名乗るものの、イスラム世界から反発を受け、イブン・サウドに追い出される一因になった。ヒジャーズ王国は1931年にナジェドと連合、32年にはサウジアラビアと呼ばれるようになる。その国教になったのがワッハーブ派だ。 イギリス、そして後にアメリカがサウジアラビアを重視するのは地政学的なものだけでなく、石油。1960年代の後半にアメリカは経済が破綻、1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表した。金のいう裏付けをなくしたドルを支えるために考えられたのがペトロダラーだ。 ペトロダラーとは石油取引を利用したドルの循環システム。アメリカの支配層はサウジアラビアなど産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させることでエネルギー資源を必要とする国にかき集めさせ、集まったドルをアメリカへ還流させるという仕組みだ。 そうした協力の代償としてアメリカは国の防衛や支配者たちの地位や収入の保証を約束。この協定をサウジアラビアはアメリカと1974年に結んでいるが、ほかのOPEC加盟国も同じ内容の協定を締結した。(Marin Katusa, “The Colder War,” John Wiley & Sons, 2015) ペトロダラーはドル体制を守る重要な仕組みであり、ドル体制はアメリカの支配システムを支えている。アメリカは基軸通貨を発行する特権を持っているため、意に沿わぬ体制に経済戦争を仕掛け、軍事侵略することが可能。ペトロダラーが揺らぐということは、アメリカの支配システムが揺らぐということでもある。本当にアラムコの石油施設をアメリカが防げなかったとするならば、ペトロダラーの前提が崩れる。 |
だから裁判所も悪以外の何モンでもない。腐った日本の姿をここから感じない人は、既に白痴であり棄民である。韓国叩き、政権一新にいつまでも踊らされる愚かな奴隷国民も多いことよ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/634.html#c57
サウジも石油施設攻撃はイランが実行したと主張、これが事実なら米体制の危機
— よーすけ (@yoshimichi0409) September 19, 2019
米国の防空システムはサウジ石油施設を防衛出来なかった事で米ドル支配の根幹ペトロダラーの仕組みが根底から揺らぐ事態に。https://t.co/d6qNSq4g0Y
サウジも石油施設攻撃はイランが実行したと主張、事実なら米体制の危機
— AKIRA KOMETANI (@flatswim) September 19, 2019
サウジをはじめとする産油国は米国が外部からの攻撃を防ぎ、支配層の地位を守り、個人的な収入を保証するという条件の下で石油取引決済をドルに限定。その義務を米国は果たさなかったhttps://t.co/8TrQCLYpPW #r_blog
森ゆうこ氏
「道の駅保田小学校 18時(17時最終受付)まで、お風呂開放されます。被災者の方に限り無料です!観光の方はご遠慮ください。
皆さん、お風呂入れますよ!」
https://twitter.com/moriyukogiin/status/1172726451310776321
地道に情報を出しているのは野党議員。
それを邪魔するネトウヨ…
どうしようもないバカ、どうしようもないクズ。それがネトウヨ(自公維)。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/646.html#c3
民主党政権の時に貴殿が「あさずば」と称する番組で
辛辣に政権を批判していたことを私はよく覚えています。
親の仇でも打つかの鬼の形相で
毎朝ボロクソに民主党政権をけなしていましたね。
民主党政権があれほど短期に木っ端微塵なったことに
貴殿の発言が大きな役割を果たしたことは間違い有りません。
それほどの正義感のあるはずのご貴殿が
今この自民政権の悪政にはどうして何も批判しないのですか。
それとも安倍政権は
批判するべきことは何もないほど素晴らしいとでも言われるのですか。
ご貴殿のこの朝ズバ一回の出演に対して事務所に支払われていたギャラは
一説によれば600万だとも言われていますね。
あなたは国家と国民のために民主党を批判していたのですか、
それとも
己の金欲のために国民をだましていたのですか。
「みのもんた」殿、あなたは
「万死に値する天下の大罪」という言葉をご存知ですか。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/648.html#c12
>137. スポンのポン:■ということは創価票はほとんど野原氏に流れていないということではありませんか……野原氏が立たなければその票が他の野党に流れていた可能性が高い
まず、山本太郎が東京選挙区から出ておれば前回以上の得票を上げていたであろう。
比例票が激増したことからも前回の60万票を下回るとは考えられない。
公明比例票が大幅に前回を下回る中で山口票だけが突出した。不思議だな。
野原の獲得票が前回の山本票の半分以下とはこれまた不思議だな。
東京選挙区での『れいわ』比例票は他の選挙区と比して突出して支持を失っていたのだろうか?
とても不思議だナ
それよりも何よりも
>122.:山岸と野原のどちらがどうしたの問題ではない。
と方向転換を図ったスポンノポンが
なぜこうも、野原に関して粘着するのか不思議だな
このお方様には『れいわ』を貶めようとすることが至上命令らしい。
Finian Cunningham
RT
公開日時:2019年9月16日16時06分
編集日時:2019年9月16日16時16分
サウジアラビア石油産業に対する衝撃的電撃作戦は、イランのせいにするアメリカ当局者による相次ぐ非難を招いた。責任転嫁の理由は単純だ。同盟国サウジアラビアを防衛する上での、ワシントンの壮大な失敗だ。
フーシ派反抗者が、石油王国の中枢地域に対するこのような大胆な襲撃を実行したのを認めれば、アメリカの力不足を認めることになるので、サウジアラビアに対する最近の軍事襲撃に対して、トランプ政権はイランを身代わりにする必要があるのだ。
近年サウジアラビアは、アメリカ・パトリオット・ミサイル防衛システムや、おそらく最先端のレーダー技術を国防総省から購入するのに、何十億ドルも費やしている。もしイエメン反抗者が、サウジアラビア領域内に最長1,000キロも無人戦闘機を飛ばし、王国の石油産業最重要の精油所を破壊できるなら、それは「保護者」アメリカにとって、大いに当惑する問題のはずだ。
アメリカによるサウジアラビア防衛は、両国の歴史的関係に深く関連している。ドルで貿易される地球最大のサウジアラビア石油輸出は、オイルダラー国際市場を維持・管理する上で極めて重要であり、また経済大国アメリカにとっても極めて重要だ。引き換えに、アメリカはサウジアラビア君主国家の保護者であることを義務づけられており、それには毎年何十億ドルもの武器を王国に売れるという儲かる追加利益が伴っている。
ストックホルム国際平和研究所によれば、サウジアラビアの軍事予算は、アメリカと中国に続き、世界で三番目に大きい。年間、約680億ドルの金を使っており、国内総生産(8.8パーセント)の比率に関し世界ナンバー1だ。パトリオット・ミサイルシステムが特に値のはる物で、サウジアラビアの兵器の大部分がアメリカから購入されている。
ところがその全ての財政的な気前の良さや、最高のアメリカ軍事技術にもかかわらず、石油王国は、その肝要な石油産業に対する損害の可能性が大きな空爆の波に会っている。首都リヤドの東205マイル(330キロ)、アブカイク巨大精油コンプレックスへの空爆に続き、炎に巻き込まれた後、サウジアラビア石油生産は50パーセント減った。東部の州のフライスにあるサウジアラビア最大油田の一つも部分的に閉鎖された。
サウジアラビア当局が認めているより損害はずっと重大だという信用できる報告がある。これら重要な工業サイトは修復するのに何週間も要するかもしれない。
「イランは世界のエネルギー供給に対する未曾有の攻撃を開始した」と主張したとき、マイク・ポンペオ国務長官は半分正しかった。
そう、それは未曾有だ。だがポンペオや他のアメリカ当局者がイランのせいにしたのは、間違っている可能性が高い。
トランプ政府の一部高官が、アメリカ・メディアで、サウジアラビアの石油施設で見られた巨大な火の玉は「巡航ミサイル」によるものだと言った。一人は匿名発言が引用されている。「イランがこれに対する責任があることには疑いようがない。逃げようがない。他に、やりそうな者はいない。」
イランに対する非難を実証しようとするあわただしい取り組みで、アブカイク精油コンプレックスに対する空襲後と思える衛星画像が発表された。爆発の位置は兵器が南のイエメンからでなく、イランかイラクから来たことを示すとアメリカ当局は主張している。
通常は忠実なニューヨーク・タイムズさえ記事でコメントして、この主張に疑いを表明した。「日曜に発表された衛星写真は、当局が言うほど明快ではなく、一部は、イランあるいはイラク方向からではない、施設の西側で損害を示しているように見える。」
ポンペオや他の連中による非難は実証された主張ではなく、断定だ。
ドナルド・トランプ大統領が、名指しでイランを公然と非難するのを思いとどまり、可能性をほのめかしただけだったのは注目すべきだ。イランを名指す上で、ポンペオがそれほど強固なのに、トランプはなぜそうしなかったのだろう? 「彼らが誰が攻撃の原因だと信じるかについて」サウジアラビアの「検証を待って」いると言って、大統領は示唆的な発言をした。アメリカ当局が明示的にイランを非難しているのに、トランプは、なぜサウジアラビアからの「検証」が欲しいと言っているのだろう?
イランは、ポンペオ発言は「見る目のない」、対立を仕組むのも同然だと言って、イランが何らかの関与をしていたという申し立てを、きっぱり切り捨てた。
イラクのアデル・アブドルマハディ首相も、イラク領土がイラン擁護のシーア派過激派闘士により空爆するために使われた可能性があるという主張を否定した。
イエメンのフーシ派反抗者はサウジアラビアの石油設備爆撃実行を主張する明確な声明を発表した。彼らは具体的に、兵器はミサイルではなく、無人飛行機で、10機の無人機(UAV)を使用したと付け加えた。
大半のアメリカ・メディアが、当初攻撃はイエメンから飛ばされた無人機によるものだと報じたのも注目に値する。他のUAVが空爆を実行する前に、最初アメリカのパトリオット・レーダーシステムを停止させるの無人機を使った攻撃の精巧さをAP通信は報じた。
従ってアメリカ当局は、イランを非難して説明を切り換えようと試みているように思われる。論理的結果は、イランに対する軍事攻撃実行ということになり、その場合、テヘランは戦争準備ができていると警告しているので、これは無謀な責任転嫁だ。
イランを非難する理論的根拠は(イランが政治的に支援している)イエメン反政府派がサウジアラビア石油産業に対し、このように劇的に成功するほど活用できないと言い続けているだけだ。犯人はイランに違いないと論拠は言うのだ。これはこの夏早々ペルシャ湾での石油タンカーに対するイランによる破壊工作とされているものの続きだ。
しかしながら、予定がフーシ派が永久に強力な弾道ミサイルともっと深い鋭い無人飛行機をサウジアラビア領に向かって発射することができるという程度を越えていることを示す。反抗者はアメリカに支援されるサウジアラビア・UAE連合がアラビア南部の国に2015年3月に開始した戦争の初めから、ドローンを使っていた。
これまでの四年にわたり、フーシ派の空爆能力は次第に向上してきた。かつて、サウジアラビアは、アメリカ防衛システムで、イエメンからの無人飛行機やミサイルを途中で迎撃することが可能だった。だが去年、反政府派は、首都リヤドを含めサウジアラビア内部の標的に命中する成功率を上げた。
今年5月、フーシ派ドローンがサウジアラビアの重要な東西パイプラインに命中した。8月、無人飛行機と弾道ミサイルが、アラブ首長国連邦(UAE)国境近くのシャイバ油田と、サウジアラビア東部の州のダンマーム輸出コンプレックスに命中したと報じられた。
ほぼ90,000人もの死をもたらした彼らの国に対する何年もの容赦ない空襲の後、サウジアラビアとUAEに戦争を持ちこむとイエメン人は主張している。最近、国連報告が、サウジアラビア連合に対する彼らの軍事支援を通した戦争犯罪となり得る共謀のかどで、アメリカとイギリスとフランスを非難した。
サウジアラビアとUAEの君主の中には、戦争で荒廃し、餓死しそうなイエメンの反政府派が今、彼らの石油経済を破壊できるドローンを持ってやって来るという恐怖があるに違いない。その上、大言壮語していた保護者アメリカは、何十億ドルもの国防総省兵器にもかかわらず、戦略上の約束を果たすことできずにいるのだ。それが、イランに悪党の役を振り当てて、ワシントンが口実を見いださなければならない理由だ。
Finian Cunninghamは国際問題について広範囲に書いている、受賞ジャーナリスト。
お友だちが興味を持つと思われるだろうか? この話をお伝え願いたい!
本欄で表明される声明、見解、意見はもっぱら著者のもので、必ずしもRTのものではない。
記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/468935-saudi-oil-field-drone-attack/
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しかし不思議だね・・・あれほど公約を反故にした野田が当選し続ける事が
これが不正開票でなくなんなのだ、
参院選後保守系議員の当選祝いの集会で公設第一との食事会で彼は言ってましたよ
今の選挙は不正開票ですと他の支持者も聞いております
とか言える人間の方が、よほど無礼で思い上がっってんじゃないかねぇ〜♪
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/631.html#c48
罵愚のコメントは感情論だけで、いつも具体論が無い。過去を振り返ることもしない。
私が(15)で述べた、山口島根豪雨災害災害と今回の千葉大停電に対する政府の対応はどう評価しているのか?
具体論になるとヤッパリ逃げるのかナ
https://www.おいヘル.jp/do_you_know/pesticide_ranking.html
日本国民が知らされない世界の農薬使用ランキング
https://supermarket.amiyazaki.biz/FundamentalKnowledge/agricultural_chemicals.html
日本の農薬使用量は、世界一レベル
https://honkawa2.sakura.ne.jp/0540.html
主要国の単位面積当たりの農薬使用量の推移
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/626.html#c32
まとまらないという理由でけなして
まとまれば、
まとまったであらを探してけなす
それじゃあどっちにしても、
自民を助けているだけじゃないか
どっちが工作員だ、答えろ。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/638.html#c45
■ 強烈・熱烈ノータリン!
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/637.html#c35
地面につくとダンダンダンとものすごい上下動がして飛び上がって、
そのあと気持ち悪いぐらい地面が揺れて四つん這いになっていた。
揺れがおさまったら津波が来ると思って丘に走っていったんだ。
丘の上から対岸を見ると真っ黒い煙があちこちから上がっていて南農法では
真っ赤な火柱がいっぱい上がっている。富士山がかすんで見えなくて、
それで、どっと涙があふれてきたんだ。
月末までに仕事をおわらせないとで休みなのに出勤だ。京子の出てきている。
胸元が色っぽい。しばらくすると急に揺れだしてそうしたらガーンと何かが
ぶつかってきてて意識を失った。気が付くとロッカーがぶつかっていて体中が
痛くて動けない。京子は頭から血を流している。ハンカチで抑えてガムテープで
ぐるぐる巻きにした。負ぶって階段を下りてると隣のビルのまどからは白煙が
出ていた。
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/711.html#c3
間違えた…
しかし、間違いを認めることはとても勇気がある証拠だ。
日本も勇気を出して、靖国神社を潰そう。
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/630.html#c17
電力トップはケチって世界最大事故
財務省は消費支援ケチって世界最長不況
庶民は電車代ケチってデモ低調
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/645.html#c11
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