NHKの嘘、福島の観光客は回復した。
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2019/08/28(水) 19:43:54 めげ猫「タマ」の日記
NHKは福島の観光客が「震災前」の98.5%に回復したと喧伝していました(1)。でも、観光施設と言うよりは休憩施設としての性格が強い道の駅(2)を除くと
事故前(2010年) 5,413万人(4)
2018年 4,498万人(5)
で、事故前比べ15%落ち込んだままです。
福島は事故によって汚染されました。
事故から8年5ヶ月以上が過ぎて福島を中心に広がる汚染
※1 元データおよび計算方法は(6)による
※2 避難区域は(7)による
図―1 セシウムの分布
図に示す様に医療法による管理区域である1平方メートル当たり4万ベクレル(8)のセシウムに汚染された地域が福島を中心に広がっています。事故から8年5ヶ月以上が経過しましたが、福島は汚染されています。だいたい、避難区域が設定されているのは福島だけです(7)。
観光の動機はいろいろあるようですが「旅先のおいしいものを求めて」や、「日常生活から解放されるため」「保養、休養のため」のように癒しを求める理由が多いようです(9)。美味しいものや、癒しを求めわざわざ汚染されている地に行くことはないと思います。日本交通公社の発表によると、行ってみたい旅行先の上位30にお隣の栃木、宮城、新潟はエントリーしていますが、福島はありません(7)。福島は旅行先としての魅力に乏しいようです。
8月27日に2018年(通年)の福島県の観光統計が発表されました(3)。以下に事故以降の観光客入り込み数を示します。
事故前からの観光地・施設の観光客数の回復していない福島
※1(3)を集計
※2 凡例中の既存とは事故前(2010年)と2018年の共に数値が発表されている観光地、施設
※3 新規とは2011年以降に数値が発表されるようになった観光地、施設である。新規にオープンしたものの他に、磐梯熱海アイスアリーナのように事故前にオープンしていたが(10)、事故以降に発表されるようになった観光地・施設を含む。
※4 廃止とは事故後に数値が発表されなくなった観光地・施設である。廃止されたものの他に道の駅 よつくら港のように営業している(11)が数値が発表されない観光地・施設を含む。
図―2 福島県の観光客入り込み数推移
図に示す様に全体としては回復しているように見えますが、既存の施設では回復ししていません。事故前の2011年の発表(4)と比較すると、2010から継続して統計の対象となっている330地点中で、事故2010年の水準に回復したのは117地点で、213地点で観光客は事故前の水準を下回っています。
以下に「新規」内訳の推移を示します。
新規観光施設は大部分が道の駅の福島
※(3)を集計
図―3 新規観光地・施設の内訳
図に示す様に、新規増分の大部分は道の駅です。道の駅の主目的は路交通の円滑な「ながれ」を支えるため、一般道路にも安心して自由に立ち寄れ、利用できる快適な休憩のための「たまり」空間です。観光施設の機能が皆無でないにしても(9)、観光地へ行くための休息場所です。純粋に観光施設ではありません。以下に福島県観光客入込数の内訳を示します。
※(3)を集計
図―4 観光客入り込み数の観光地・施設の内訳
図に示しように道の駅を除けば、2013年以降の観光客は殆ど回復は認められません。数値を記載すると
2010年 5,413万人
2018年 4,498万人
で、事故前比べ15%落ち込んだままです。
ところがこれをNHKはこれを「震災前」の98.5%まで回復したと喧伝していました。
福島の観光客が「震災前」の98.5%まで回復したと喧伝するNHK
※(1)をキャプチャー
図―5 福島の観光客が「震災前」の98.5%まで回復したと喧伝するNHK
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
道の駅を除けば事故前の85%でおよそ回復したとは言えない福島の観光客を98.5%まで回復したと喧伝するNHKでは、国民の知る権利を担保しません(12)。およそ「公共放送」の役割(13)をはたしているとは言えません。
これについて、福島の地方紙・福島民報は
「二〇一八(平成三十)年の県内の観光客入り込み数は五千六百三十三万六千人で、前年に比べて百八十四万二千人(3・4%)増加した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生前の二〇一〇年の五千七百十七万九千人と比べ98・5%に回復した。」
と(14)、もう一つの地方紙・福島民友は
「本県を昨年訪れた観光客数が5633万6000人(前年比3.4%増)に上り、東日本大震災後の最多を更新した。県が27日発表した。県は道の駅の集客効果が大きかったと分析。」
と報じていました(15)。NHKと同様に回復していない福島の観光客が回復してるかのような報道です。福島では復興が喧伝され、事実は伏せられているようです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する夏野菜にピーマンがあります(16)。福島県二本松市は福島県第3位のピーマン産地です(17)。同市で8月24日に開催されたJAまつりではピーマンコロッケが配布されました(18)(19)。
※(19)を引用
図―6 二本松市のJAまつりで配布されるピーマンコロッケ
同市はピーマンの季節です。福島のピーマンは生食でも味わい良く、加熱すると柔らかくなり、独特のにおいも和らぎ風味の良いそうです(16)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(20)。でも福島県二本松市のスーパー(21)のチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
※1(22)を引用
※2 店舗位置は(21)による。
図―7 福島産ピーマンが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3004.html
(1)観光客 震災前98%に回復|NHK 福島県のニュース
(2)道路:道の駅案内 - 国土交通省
(3)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(4)(3)中の22年観光客入込状況調査 [PDFファイル/732KB]
(5)(3)中の30年観光客入込状況調査 [PDFファイル/1.24MB]
(6)めげ猫「タマ」の日記 ばら撒かれたセシウムの3分の4が残る福島
(7)避難区域の変遷について−解説− - 福島県ホームページ
(8)放射線管理区域 - Wikipedia
(9)JTBF旅行者調査 | (公財)日本交通公社⇒2017年度調査結果 『旅行年報2018』第T編 日本人の旅行市場⇒T-4 日本人の旅行に対する意識
(10)磐梯熱海アイスアリーナ - Wikipedia
(11)道の駅 よつくら港
(12)【電子版】NHK受信料「合憲」 国民の知る権利を充足−最高裁(更新) | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
(13)メディアの風景:受信料「踏み倒し」論、国会へ 公共放送育てる契機に=武田徹 - 毎日新聞
(14)福島県内観光客3.4%増 震災前年の98.5%まで回復 昨年 | 福島民報
(15)福島県「観光客」が震災後最多5633万人 道の駅効果など要因:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
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(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のやさい編 [PDFファイル/163KB]
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